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2-23 雑談ついでに試験をクリア
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◆雑談ついでに試験をクリア
三日後に勇者の旅に出掛けることになった、ぼくとジョシュア。
いろいろ準備をするのは、騎士や従者や世話係という周りの人たちなので。
ぼくらはあまり忙しくないというか?
だけど、長期に学園をお休みすることになるので。
前倒しで実技の試験をしてもらうことになりました。
あ、ミカエラも行くのだけど。女子は試験内容が違うのでねぇ。別行動です。
というわけで、まずは剣術です。
学園の中にある闘技場、体育館みたいな施設なのですけど。
そこでぼくはジョシュアと相対しますっ。
「へぇあ、てぇぃやぁ、ほいっ、ほいっ、たはぁぁっ」
「相変わらず、その気の抜ける掛け声はなんとかならないのか?」
ぼくが一生懸命剣を振っているというのに。
相手のジョシュアはあくびをかみ殺してぼくの剣を受けています。むむぅ。
「ジョシュア・スタインベルン。あからさまに手を抜くんじゃありません」
ほらぁ、先生にも注意されたじゃないですかぁ。
「しかし先生。私はコエダに単位を取ってもらいたいのですよ。一撃で仕留めたら、留年です」
「それはそうですがぁ…」
ジョシュアの言に先生が同意しました。
なんですとぉぉ??
第一王子が留年はマジでないのですが。
このままジョシュアに手を抜かれているのも、男の沽券に関わりますっ。
「ジョシュア、忖度は一切無用です。ぼくはジョシュアの剣を受けられますから」
「コエダ。これは忖度ではない。お遊戯だ」
ひっ、ひどいですぅ。
ぼくの剣術が御子様のお遊戯レベル、だとぉぉ?
ぼくはオコです。
今こそ、ぼくの本気を見せるときですぅ。
「言いましたね? ジョシュア。ぼくはとうとう必殺技を繰り出さねばならないようです」
フッと、髪を手で後ろに撫でつけ。
ぼくはギラリとジョシュアを睨みます。
彼は、ちょっと身構えましたが。
「聖なる剣アタァァァック」
思いっきり踏み出して、ジョシュアに剣を突き出しますが。
ジョシュアはぼくの剣の周りに剣をくるりとさせて。
簡単に弾き飛ばしてしまった。
かんからかぁぁんと、ぼくの木の剣が床に落ちて…。
「ふっ、やるじゃぁないか、ジョシュアっ」
と強がりますけど。
「五分の剣の対戦をクリアで、ギリ単位取得です。おめでとう、コエダ・スタインベルン」
先生がそう言って、クラスメイトが笑います。
「ひどいです、先生。先生がギリとか言ってはいけないと思いますっ」
「大丈夫だ。コエダのことは私が守ってやる」
ジョシュアに慰められますが、そういうことじゃないのぉぉ。
気を取り直して。次は魔術です。
魔術は人によって大きさや威力が異なるので、屋外でテストをします。
案の定、ジョシュアは校庭にでっかい火柱をあげました。
空気を読まない王弟です。
しかし簡単に試験をクリアしました。
ところで。ぼくの聖魔法はどうしたらいいでしょうかね?
すると先生が、なにやら箱を持ってきました。
「これは、一週間前の洗っていない先生のバスタオルと靴下です」
その言葉に、他の見学のクラスメイトが、ザッと、一定の距離を取りました。
これはっ、すさまじい腐敗臭が密閉されているということですね?
「では。クリーーーン」
ピッと指を差して、聖魔法発動。
これで細菌雑菌まみれの汚物はきれいなバスタオルになっているはずです。
箱を開けて、バスタオルを取り出すと。
匂いや汚れのないブツを見て。
クラスメイトのみなさんがおおぉぉうと声をあげてくれました。どやぁぁ。
というわけで。魔術の試験は問題なくクリアしました。うむ。
最後は馬術です。
これも、子供のときからジョシュアと一緒に習ってきたので、楽勝です。
目をつぶっていても、ハルマキに任せていれば大丈夫なのです。
馬術はほぼほぼお馬に任せればよいのですが。
みなさん、自分が操縦しようとするから。ダメなのですよねぇ?
ぼくはハルマキに。ジョシュアはクロちゃんに乗って、並走で障害物を超えていきます。
本当は安全も考慮して単独で試技をするものなのですが。
時間短縮です。ぼくら、失敗しないので。
勝手知ったる感じで、お馬も一緒に駆けていく。踏み切るタイミングも滞空時間もほぼ同じです。
シンクロが気持ちいいい。
「ぼく、この障害を飛んでいるとき。昔パパにパタパタしてもらったのを思い出すのですよ。あの頃ぼくは、天使だったぁ」
「今も天使だ」
普通にお話していますが、ちゃんと障害を飛んでいますからね。
さらに雑談は続く。
「天使と言えば、この前小耳にはさんだのです。廊下で御令嬢がミカエラのことを天使だと言っていてね?」
「私の天使発言は無視かっ」
「その御令嬢が言うには『ミカエラ様は本当にお美しくて清楚で可憐で、天使のようですわぁ。魔法を扱うときの凛としたお顔がまた別の華やかさがありますの。魔法も、浄化しかできないホンニャリ王子と違ってすべてを網羅しているのですから。まさに神に選ばれた人物ですわよねぇ? ジョシュア様のお相手はミカエラ様しかいませんわぁ』ってね?」
「はぁ、誰だ? その御令嬢は。コエダを馬鹿にするやつは許せん」
ジョシュアは鼻筋を立てながらも、障害を飛んでいく。
お馬がびっくりするので、気持ちを穏やかにしてぇ。
「問題はそこではなくてですね。ミカエラがそんなに天使のように清楚で可憐だとか、ずっとそばにいたけど思ったことがなかったのですよ。どちらかというと、オモシロ令嬢みたいな?」
「あぁ、コエダの前では分厚いレンズの眼鏡をかけてひゃーーーいと言っていることが多いからな。しかし公のミカエラは、品行方正、容姿端麗、頭脳明晰、礼節正しき、非の打ち所のない完全無欠の王妃候補だ」
「…ひゃーーいが?」
「ひゃーーいが」
そうして息を合わせてラストの障害をクリアすると。
見学のクラスメイトが拍手してくれた。
「素晴らしいですよ、コエダ・スタインベルン、ジョシュア・スタインベルン。並走でも、歴代トップのタイムを叩き出すなんて。試験は合格です」
おぉ、雑談ついでに試験をクリアしてしまいました。
我ながら、自分の才能が怖い。
いえ、お馬の才能でしたね。うむ。
「先生、馬の返却前に、少しコエダと走って来てもいいですか?」
ジョシュアの言葉に、先生がうなずいてくれたので。
少し遠乗りします。
学園の中には小さな森のような区分もあって。木立の中を馬で駆けて行くことができる。
ハルマキとクロちゃんは試験のために屋敷から持ってきているので。
学園の門の前で屋敷の使用人が待っていてね。試験が終わったら馬を渡して、厩舎に戻してもらうんだけど。
その前に、ちょっとお散歩。
試験もオールクリアしたから。気分爽快である。
勇者の旅に出たら、しばらくお馬に乗れないし。いい機会だね。
「コエダは浄化しかできないホンニャリ王子じゃない。コエダだって、品行方正、容姿端麗、頭脳明晰で礼節正しき、勇猛果敢な非の打ち所のない完全無欠の王様候補だ」
ジョシュアが並走でそう言います。
「ありゃ、まだそこに引っかかっていたのですか? ぼくは気にしていないよ」
「あからさまに、コエダに聞こえるように言ったのだろう? 私は悪意を感じる」
「ミカエラは、いい子だよ。彼女を応援したい気持ちはわかる」
「いい子でも。私はコエダだけだ」
ジョシュアは馬の足をゆるめたので。ぼくもハルマキをゆっくり歩かせる。
ハルマキはクロちゃんと仲よしで。ゆっくり歩きになると、顔をくっつけたり馬体を寄せたりする。
そうすると、自然。
ぼくとジョシュアの距離も近くなる。
「約束だから、婚約してとは言わないけれど。黙っているけど。私はコエダのことを、ずっと想っている」
「うん。知ってる」
「それだけ…旅に出る前に、言っておきたかった」
ぼくが手を差し出すと、ジョシュアはそれを握ってくれて。
ジョシュアの想いがぼくにちゃんと伝わっていると、わかってもらえるといいな。
「スパダリまで、あともうちょっとだね?」
「ん? あとはなにが足りないんだ?」
馬の揺れに合わせて、つないだ手も振って。ルンルンと歩いていく。
「んー、内緒」
「白馬は無理だぞ。クロは手放せぬ」
「白馬に乗った王子様はあきらめたよ。黒馬王子も悪くない」
「黒馬王子では、王子が黒馬のようではないか」
「そうだそうだ、黒馬に乗った王子様だ」
笑いながら、そんな他愛ない話をして。
ぼくらは馬を返すまで、ゆっくり遠乗りを楽しんだ。
勇者パーティー魔獣討伐の旅、の前の。のほほんなぼくらのひとときだった。
三日後に勇者の旅に出掛けることになった、ぼくとジョシュア。
いろいろ準備をするのは、騎士や従者や世話係という周りの人たちなので。
ぼくらはあまり忙しくないというか?
だけど、長期に学園をお休みすることになるので。
前倒しで実技の試験をしてもらうことになりました。
あ、ミカエラも行くのだけど。女子は試験内容が違うのでねぇ。別行動です。
というわけで、まずは剣術です。
学園の中にある闘技場、体育館みたいな施設なのですけど。
そこでぼくはジョシュアと相対しますっ。
「へぇあ、てぇぃやぁ、ほいっ、ほいっ、たはぁぁっ」
「相変わらず、その気の抜ける掛け声はなんとかならないのか?」
ぼくが一生懸命剣を振っているというのに。
相手のジョシュアはあくびをかみ殺してぼくの剣を受けています。むむぅ。
「ジョシュア・スタインベルン。あからさまに手を抜くんじゃありません」
ほらぁ、先生にも注意されたじゃないですかぁ。
「しかし先生。私はコエダに単位を取ってもらいたいのですよ。一撃で仕留めたら、留年です」
「それはそうですがぁ…」
ジョシュアの言に先生が同意しました。
なんですとぉぉ??
第一王子が留年はマジでないのですが。
このままジョシュアに手を抜かれているのも、男の沽券に関わりますっ。
「ジョシュア、忖度は一切無用です。ぼくはジョシュアの剣を受けられますから」
「コエダ。これは忖度ではない。お遊戯だ」
ひっ、ひどいですぅ。
ぼくの剣術が御子様のお遊戯レベル、だとぉぉ?
ぼくはオコです。
今こそ、ぼくの本気を見せるときですぅ。
「言いましたね? ジョシュア。ぼくはとうとう必殺技を繰り出さねばならないようです」
フッと、髪を手で後ろに撫でつけ。
ぼくはギラリとジョシュアを睨みます。
彼は、ちょっと身構えましたが。
「聖なる剣アタァァァック」
思いっきり踏み出して、ジョシュアに剣を突き出しますが。
ジョシュアはぼくの剣の周りに剣をくるりとさせて。
簡単に弾き飛ばしてしまった。
かんからかぁぁんと、ぼくの木の剣が床に落ちて…。
「ふっ、やるじゃぁないか、ジョシュアっ」
と強がりますけど。
「五分の剣の対戦をクリアで、ギリ単位取得です。おめでとう、コエダ・スタインベルン」
先生がそう言って、クラスメイトが笑います。
「ひどいです、先生。先生がギリとか言ってはいけないと思いますっ」
「大丈夫だ。コエダのことは私が守ってやる」
ジョシュアに慰められますが、そういうことじゃないのぉぉ。
気を取り直して。次は魔術です。
魔術は人によって大きさや威力が異なるので、屋外でテストをします。
案の定、ジョシュアは校庭にでっかい火柱をあげました。
空気を読まない王弟です。
しかし簡単に試験をクリアしました。
ところで。ぼくの聖魔法はどうしたらいいでしょうかね?
すると先生が、なにやら箱を持ってきました。
「これは、一週間前の洗っていない先生のバスタオルと靴下です」
その言葉に、他の見学のクラスメイトが、ザッと、一定の距離を取りました。
これはっ、すさまじい腐敗臭が密閉されているということですね?
「では。クリーーーン」
ピッと指を差して、聖魔法発動。
これで細菌雑菌まみれの汚物はきれいなバスタオルになっているはずです。
箱を開けて、バスタオルを取り出すと。
匂いや汚れのないブツを見て。
クラスメイトのみなさんがおおぉぉうと声をあげてくれました。どやぁぁ。
というわけで。魔術の試験は問題なくクリアしました。うむ。
最後は馬術です。
これも、子供のときからジョシュアと一緒に習ってきたので、楽勝です。
目をつぶっていても、ハルマキに任せていれば大丈夫なのです。
馬術はほぼほぼお馬に任せればよいのですが。
みなさん、自分が操縦しようとするから。ダメなのですよねぇ?
ぼくはハルマキに。ジョシュアはクロちゃんに乗って、並走で障害物を超えていきます。
本当は安全も考慮して単独で試技をするものなのですが。
時間短縮です。ぼくら、失敗しないので。
勝手知ったる感じで、お馬も一緒に駆けていく。踏み切るタイミングも滞空時間もほぼ同じです。
シンクロが気持ちいいい。
「ぼく、この障害を飛んでいるとき。昔パパにパタパタしてもらったのを思い出すのですよ。あの頃ぼくは、天使だったぁ」
「今も天使だ」
普通にお話していますが、ちゃんと障害を飛んでいますからね。
さらに雑談は続く。
「天使と言えば、この前小耳にはさんだのです。廊下で御令嬢がミカエラのことを天使だと言っていてね?」
「私の天使発言は無視かっ」
「その御令嬢が言うには『ミカエラ様は本当にお美しくて清楚で可憐で、天使のようですわぁ。魔法を扱うときの凛としたお顔がまた別の華やかさがありますの。魔法も、浄化しかできないホンニャリ王子と違ってすべてを網羅しているのですから。まさに神に選ばれた人物ですわよねぇ? ジョシュア様のお相手はミカエラ様しかいませんわぁ』ってね?」
「はぁ、誰だ? その御令嬢は。コエダを馬鹿にするやつは許せん」
ジョシュアは鼻筋を立てながらも、障害を飛んでいく。
お馬がびっくりするので、気持ちを穏やかにしてぇ。
「問題はそこではなくてですね。ミカエラがそんなに天使のように清楚で可憐だとか、ずっとそばにいたけど思ったことがなかったのですよ。どちらかというと、オモシロ令嬢みたいな?」
「あぁ、コエダの前では分厚いレンズの眼鏡をかけてひゃーーーいと言っていることが多いからな。しかし公のミカエラは、品行方正、容姿端麗、頭脳明晰、礼節正しき、非の打ち所のない完全無欠の王妃候補だ」
「…ひゃーーいが?」
「ひゃーーいが」
そうして息を合わせてラストの障害をクリアすると。
見学のクラスメイトが拍手してくれた。
「素晴らしいですよ、コエダ・スタインベルン、ジョシュア・スタインベルン。並走でも、歴代トップのタイムを叩き出すなんて。試験は合格です」
おぉ、雑談ついでに試験をクリアしてしまいました。
我ながら、自分の才能が怖い。
いえ、お馬の才能でしたね。うむ。
「先生、馬の返却前に、少しコエダと走って来てもいいですか?」
ジョシュアの言葉に、先生がうなずいてくれたので。
少し遠乗りします。
学園の中には小さな森のような区分もあって。木立の中を馬で駆けて行くことができる。
ハルマキとクロちゃんは試験のために屋敷から持ってきているので。
学園の門の前で屋敷の使用人が待っていてね。試験が終わったら馬を渡して、厩舎に戻してもらうんだけど。
その前に、ちょっとお散歩。
試験もオールクリアしたから。気分爽快である。
勇者の旅に出たら、しばらくお馬に乗れないし。いい機会だね。
「コエダは浄化しかできないホンニャリ王子じゃない。コエダだって、品行方正、容姿端麗、頭脳明晰で礼節正しき、勇猛果敢な非の打ち所のない完全無欠の王様候補だ」
ジョシュアが並走でそう言います。
「ありゃ、まだそこに引っかかっていたのですか? ぼくは気にしていないよ」
「あからさまに、コエダに聞こえるように言ったのだろう? 私は悪意を感じる」
「ミカエラは、いい子だよ。彼女を応援したい気持ちはわかる」
「いい子でも。私はコエダだけだ」
ジョシュアは馬の足をゆるめたので。ぼくもハルマキをゆっくり歩かせる。
ハルマキはクロちゃんと仲よしで。ゆっくり歩きになると、顔をくっつけたり馬体を寄せたりする。
そうすると、自然。
ぼくとジョシュアの距離も近くなる。
「約束だから、婚約してとは言わないけれど。黙っているけど。私はコエダのことを、ずっと想っている」
「うん。知ってる」
「それだけ…旅に出る前に、言っておきたかった」
ぼくが手を差し出すと、ジョシュアはそれを握ってくれて。
ジョシュアの想いがぼくにちゃんと伝わっていると、わかってもらえるといいな。
「スパダリまで、あともうちょっとだね?」
「ん? あとはなにが足りないんだ?」
馬の揺れに合わせて、つないだ手も振って。ルンルンと歩いていく。
「んー、内緒」
「白馬は無理だぞ。クロは手放せぬ」
「白馬に乗った王子様はあきらめたよ。黒馬王子も悪くない」
「黒馬王子では、王子が黒馬のようではないか」
「そうだそうだ、黒馬に乗った王子様だ」
笑いながら、そんな他愛ない話をして。
ぼくらは馬を返すまで、ゆっくり遠乗りを楽しんだ。
勇者パーティー魔獣討伐の旅、の前の。のほほんなぼくらのひとときだった。
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