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2-8 御令嬢ミカエラ登場
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◆御令嬢ミカエラ登場
「あ、こちらにお出ででしたか? ジョシュア様、コエダ様、本日の主役が会場を離れては困ります。お二方にご挨拶したい子女の方々がお待ちですよ」
お誕生日会を進行する係の人が控室をのぞき込んで、そう言いました。
えぇ? ぼくもなのですか?
でも、父上が来年王様になるって。今の王様が言っちゃったから。
先ほど父上が言ったように、ぼくも第一王子になるのだからね。
ご挨拶、みんなしておきたいのでしょうね?
でもぼくは。父上とは血がつながっていないから。
王位継承者とか、そんなものにはならないのだからね。
うま味はナシですよ。
前世で、メイのバカ兄がね。
アレは子爵だが金持ちだから近づいておこうとか、こちらは侯爵家だが愛人の子だからうま味ナシとか。
血筋とか立場とか系列とかにバカ詳しくてね。
つられてメイもそういうの詳しくなっちゃったの。
そんなメイが、思うところによると。
ぼくの今の立場は。次期王様の息子であるが、第一王子になっても養子扱いで父上の跡は継げないってことで。
取り入っても、うま味ナシなの。
たぶん爵位ももらえないんじゃないかなぁ? んん、王子は爵位じゃないものね。
よくわかんないけど。
領地はもらえるみたいって、パパが言っていたけど。
たぶん国の端っこの小さな領地でしょう? そこで人知れず暮らすことになるんだろうなぁ。
むぅ、ひっそりのんびりのほほんライフも悪くない。
森の中で動物に囲まれてウフフな暮らしとかぁ? 聖女パワーでチートだから、できそうです。
王子は成人したら公爵になると思うけど。
ぼくと結婚したら子孫が残せないから、公爵にしてもらえないかも??
それは可哀想。
ミカエラと結婚したら、きっと公爵位をもらえます。
むぅぅ、やはり。王子はミカエラと結婚した方がうま味はありますね。
へぇぁあ! でも、いい子はうま味とかで、人を判断したりお友達を選んだりしてはいけないのです。
反省、反省。
「そうだな。私たちもそろそろ会場に戻らないとな。小枝、先ほどの話は、会が終わったらちゃんと陛下におうかがいするからな? 今は少し保留だ。わかるか?」
父上が言うので、ぼくはうなずきます。
「ほりゅー、わかります。お話はひとまず置いておいて、というやつです」
「そうだ。ジョシュアと仲良くやれるか?」
「はい。ほりゅーなので、やれます」
それで、ぼくは。パパの膝から降りて。
王子と手をつないで部屋を出たのだ。
後ろから、パパと父上がついてきているのを確認します。
大丈夫。パパがそばにいれば、いつもなんだってなんとかなるのです。
「王子、先ほどのお話は置いておいて、です。ぼくと王子は仲の良いご学友。オケ?」
「オケ。だけどコエダ、愛してるになったら速攻で教えてくれ?」
「わかりました。でも、明日愛してるになるとかないですからね? きっとじゅーねんとか先です」
「そんなの待てなぁい」
王子は駄々をこねるように、握ったぼくの手をブンブン振る。
「王子、みなさまの前ではキリッとしてください。キリッとぉぉ。黙っていれば、イケメンの超高級王子なのですから」
王子だというのに、あんまり情けない顔をしているから。
眉をさげないっ、唇を突き出さないっ。
ぼくは注意します。
みなさまの前では完璧な王子であれ。
でも王子はまだごねるのだった。
「超高級王子でも、コエダは愛してるにならないのだもん」
「わからないでしょ? スパダリになったら恋をする確率は上がるのですから、日々の努力がかんじんです」
「超高級王子を極めればスパダリになれる?」
「なれます。確実です」
「じゃー、がんばるぅぅ」
王子は棒読みでそう言うが、顔をキリリとさせて白馬に乗れそうな王子になった。
パパはぼくらのやり取りを聞いて笑いをかみ殺していますけど。
見ちゃダメェ。
というわけで。係の人が『ここに座って』と言うから。
王様の椅子のある壇上の、階段を降りたその下に椅子がふたつあってね、そこに王子と並んで座るの。
順番でお子様がご挨拶しにくるのだって。
パパと父上は少し離れたところにいるから。
わぁぁ、ちょっと緊張します。
つか、王子は大丈夫でしょうか。超高級王子を保っていられるでしょうか?
育ての親のしんきょ―であるぼくは、そこにもドキドキします。
でもね、一番はじめに緑色の長い髪をクルクルってした、黄緑色のドレスを着た女の子がぼくらの前に立ってね。
ぼくは、きたーーーーっ、御令嬢ミカエラ登場って思って。
心臓がバクバクになりました。
王子のこととか気遣えず、しょっぱなから頭が真っ白になっちゃいましたっ。
彼女が十四歳のときの顔を、ぼくは覚えているのだけど。
面影があります。あのときよりサイズが小さくなった、ミカエラですよ。
なんで一番はじめから彼女が挨拶に来るのぉ? と思いますけど。
ミカエラが一番にご挨拶するのも当然なのです。
王様に王子の婚約者候補に指名されたのだからね。
それに公爵令嬢だから、序列的にもそりゃあ高位なのです。
メイはね、子爵の妹という立場だったのだけど。
いくら聖女でも、公爵家にかなうはずもないんだよね。
メイよ、今ならわかる。あの王子を巡る戦いがいかに無謀だったか、ということがっ。
身分差がありすぎます。
聖女だけど子爵家の血のつながらぬ養子の娘と、由緒正しき公爵令嬢なんて。
勝負になりません。無理無理ぃ。
公爵令嬢をいじめただけで、ぼくなど、すぐにもペシャンコにされるのです。
ミカエラをいじめたメイは、彼女に容赦されていたのではないかなぁ? きっと心の深い方なのだなぁ。
そんな気持ちで彼女をみつめます。
えぇ、今世では決して邪魔はいたしませんから。
王子と幸せになってくださいませ。と、目を細―ーくしてみる。
「ジョシュア王子、七歳のお誕生日、おめでとうございます」
ミカエラは目にもエメラルドの宝石がはまっているのかと思うような、キラキラで。髪もキラキラで。ぼくらと同い年だと思うのだけど。色白の美少女です。
青いお衣装の似合う、金髪碧眼のジョシュア王子と並んだら。それはもう、お似合いのおふたりでございますよ。
「そして、こっ、こここ、コエダ様も。王族の一員となられ、ひゃい、おめでとうございます」
んん? なんか。ぼくへの挨拶が、明らかにおかしいです?
ひゃい?
「ベルケ公爵の娘、ミカエラ・ベルケと申します。今後ともよろしくお願いします」
そうして、それは見事な淑女の礼を取ったのだ。
んん、ぼくへのご挨拶は、ちょっと噛んだだけかもしれませんね。ひゃい。
彼女の言葉には、まず王子が答えます。
「あぁ、よろしく頼むミカエラ。陛下の指名があった通り、この先婚約者候補として、私と仲良くしてもらいたい。コエダは私のご学友でもある。顔を合わせる機会は多いと思うので、彼とも親しくしてくれ」
「はい。私も、ジョシュア王子とともに学び、いろいろお勉強していきたいと思っています。こっ、こここ、コエダ様とも…」
んんぅ、やはりぼくの話をすると、あからさまにおかしいようですねぇ。
なんか、ぼくの名前を言うとき、梅干し食べたみたいな顔になります。
彼女に前世の記憶はないと思うのですけど。
やっぱり、メイにいじめられたことを本能的に感じ取っているのでしょうか?
ぼくは今世でメイではないし。
たとえばミカエラもループしていたとしても。ぼくとメイはつなげられませんからね。
ミカエラが前世を覚えていても、ぼくを嫌がる理由はないと思うのですけどぉ??
なんで、すっぱい顔になるのかな?
「ミカエラ嬢、はじめまして。ぼくはコエダ・スタインベルン。王子のご学友をしています。ぼくともぜひお友達になってくださいね」
そして営業スマイル。ルン、とした笑みを向けると。
ミカエラ嬢は小刻みに震え出しました。
大丈夫ぅ?
しかし、なにやらこれは、ちょっとデジャブです。
王子も初対面のとき、トイレを我慢しているようにプルプルしていましたね?
でもミカエラは、まさかトイレではないでしょうね?
「こここ、コエダ様とお友達など、恐れ多いというかっ。いえ、よ、よろしくお願いします」
そして、シュッと頭を下げて、サッと場を去って行った。
ぼくとお話したくないみたい。
やっぱり、本能で恐れているんじゃないかなぁ?
恐れ多いって言ってたもん。
きっと、なんだか超怖いって感じだったんじゃないかな?
でも、大丈夫。
ミカエラは王子とお付き合いするのだから。
ぼくは、王子とミカエラが会うところにはいないのだから、怖がることはないよぉ。
お邪魔はいたしませんからぁ。
「コエダ、これから会う者たちの顔と名前はなるべく覚えた方がいいぞ。コエダも第一王子になったら、外交とか貴族とのお付き合いとか、それなりにしなきゃならないんだからな? 挨拶したのに初対面みたいな挨拶されると、傷つくだろ?」
「あぁ、そうですねぇ。それは地味に傷つくやつです。がんばります」
王子の助言を受けて、ぼくはそのあとの子たちの名前と顔を覚える努力をしました。
名前は、むずかしいですが。顔は大体覚えられました。
ぼくらと年の近い子は、五十人くらいかなぁ。同い年は三十人くらい。
保育園のお友達もそのくらいの人数がいたので、まぁまぁきょようはんい内です。
それにね、同い年の方は、あらかた前世で同級生だったのでね。
メイは王子しか眼中になかったけど。まぁ、うっすら見覚えはあります。
お兄さんお姉さん方は、これからゆっくり覚えますね。
ミカエラは、メイの黒歴史ゆえ忘れたい記憶ですが。脳裏に刻まれている顔なので。
忘れようもありませぬ。
「あ、こちらにお出ででしたか? ジョシュア様、コエダ様、本日の主役が会場を離れては困ります。お二方にご挨拶したい子女の方々がお待ちですよ」
お誕生日会を進行する係の人が控室をのぞき込んで、そう言いました。
えぇ? ぼくもなのですか?
でも、父上が来年王様になるって。今の王様が言っちゃったから。
先ほど父上が言ったように、ぼくも第一王子になるのだからね。
ご挨拶、みんなしておきたいのでしょうね?
でもぼくは。父上とは血がつながっていないから。
王位継承者とか、そんなものにはならないのだからね。
うま味はナシですよ。
前世で、メイのバカ兄がね。
アレは子爵だが金持ちだから近づいておこうとか、こちらは侯爵家だが愛人の子だからうま味ナシとか。
血筋とか立場とか系列とかにバカ詳しくてね。
つられてメイもそういうの詳しくなっちゃったの。
そんなメイが、思うところによると。
ぼくの今の立場は。次期王様の息子であるが、第一王子になっても養子扱いで父上の跡は継げないってことで。
取り入っても、うま味ナシなの。
たぶん爵位ももらえないんじゃないかなぁ? んん、王子は爵位じゃないものね。
よくわかんないけど。
領地はもらえるみたいって、パパが言っていたけど。
たぶん国の端っこの小さな領地でしょう? そこで人知れず暮らすことになるんだろうなぁ。
むぅ、ひっそりのんびりのほほんライフも悪くない。
森の中で動物に囲まれてウフフな暮らしとかぁ? 聖女パワーでチートだから、できそうです。
王子は成人したら公爵になると思うけど。
ぼくと結婚したら子孫が残せないから、公爵にしてもらえないかも??
それは可哀想。
ミカエラと結婚したら、きっと公爵位をもらえます。
むぅぅ、やはり。王子はミカエラと結婚した方がうま味はありますね。
へぇぁあ! でも、いい子はうま味とかで、人を判断したりお友達を選んだりしてはいけないのです。
反省、反省。
「そうだな。私たちもそろそろ会場に戻らないとな。小枝、先ほどの話は、会が終わったらちゃんと陛下におうかがいするからな? 今は少し保留だ。わかるか?」
父上が言うので、ぼくはうなずきます。
「ほりゅー、わかります。お話はひとまず置いておいて、というやつです」
「そうだ。ジョシュアと仲良くやれるか?」
「はい。ほりゅーなので、やれます」
それで、ぼくは。パパの膝から降りて。
王子と手をつないで部屋を出たのだ。
後ろから、パパと父上がついてきているのを確認します。
大丈夫。パパがそばにいれば、いつもなんだってなんとかなるのです。
「王子、先ほどのお話は置いておいて、です。ぼくと王子は仲の良いご学友。オケ?」
「オケ。だけどコエダ、愛してるになったら速攻で教えてくれ?」
「わかりました。でも、明日愛してるになるとかないですからね? きっとじゅーねんとか先です」
「そんなの待てなぁい」
王子は駄々をこねるように、握ったぼくの手をブンブン振る。
「王子、みなさまの前ではキリッとしてください。キリッとぉぉ。黙っていれば、イケメンの超高級王子なのですから」
王子だというのに、あんまり情けない顔をしているから。
眉をさげないっ、唇を突き出さないっ。
ぼくは注意します。
みなさまの前では完璧な王子であれ。
でも王子はまだごねるのだった。
「超高級王子でも、コエダは愛してるにならないのだもん」
「わからないでしょ? スパダリになったら恋をする確率は上がるのですから、日々の努力がかんじんです」
「超高級王子を極めればスパダリになれる?」
「なれます。確実です」
「じゃー、がんばるぅぅ」
王子は棒読みでそう言うが、顔をキリリとさせて白馬に乗れそうな王子になった。
パパはぼくらのやり取りを聞いて笑いをかみ殺していますけど。
見ちゃダメェ。
というわけで。係の人が『ここに座って』と言うから。
王様の椅子のある壇上の、階段を降りたその下に椅子がふたつあってね、そこに王子と並んで座るの。
順番でお子様がご挨拶しにくるのだって。
パパと父上は少し離れたところにいるから。
わぁぁ、ちょっと緊張します。
つか、王子は大丈夫でしょうか。超高級王子を保っていられるでしょうか?
育ての親のしんきょ―であるぼくは、そこにもドキドキします。
でもね、一番はじめに緑色の長い髪をクルクルってした、黄緑色のドレスを着た女の子がぼくらの前に立ってね。
ぼくは、きたーーーーっ、御令嬢ミカエラ登場って思って。
心臓がバクバクになりました。
王子のこととか気遣えず、しょっぱなから頭が真っ白になっちゃいましたっ。
彼女が十四歳のときの顔を、ぼくは覚えているのだけど。
面影があります。あのときよりサイズが小さくなった、ミカエラですよ。
なんで一番はじめから彼女が挨拶に来るのぉ? と思いますけど。
ミカエラが一番にご挨拶するのも当然なのです。
王様に王子の婚約者候補に指名されたのだからね。
それに公爵令嬢だから、序列的にもそりゃあ高位なのです。
メイはね、子爵の妹という立場だったのだけど。
いくら聖女でも、公爵家にかなうはずもないんだよね。
メイよ、今ならわかる。あの王子を巡る戦いがいかに無謀だったか、ということがっ。
身分差がありすぎます。
聖女だけど子爵家の血のつながらぬ養子の娘と、由緒正しき公爵令嬢なんて。
勝負になりません。無理無理ぃ。
公爵令嬢をいじめただけで、ぼくなど、すぐにもペシャンコにされるのです。
ミカエラをいじめたメイは、彼女に容赦されていたのではないかなぁ? きっと心の深い方なのだなぁ。
そんな気持ちで彼女をみつめます。
えぇ、今世では決して邪魔はいたしませんから。
王子と幸せになってくださいませ。と、目を細―ーくしてみる。
「ジョシュア王子、七歳のお誕生日、おめでとうございます」
ミカエラは目にもエメラルドの宝石がはまっているのかと思うような、キラキラで。髪もキラキラで。ぼくらと同い年だと思うのだけど。色白の美少女です。
青いお衣装の似合う、金髪碧眼のジョシュア王子と並んだら。それはもう、お似合いのおふたりでございますよ。
「そして、こっ、こここ、コエダ様も。王族の一員となられ、ひゃい、おめでとうございます」
んん? なんか。ぼくへの挨拶が、明らかにおかしいです?
ひゃい?
「ベルケ公爵の娘、ミカエラ・ベルケと申します。今後ともよろしくお願いします」
そうして、それは見事な淑女の礼を取ったのだ。
んん、ぼくへのご挨拶は、ちょっと噛んだだけかもしれませんね。ひゃい。
彼女の言葉には、まず王子が答えます。
「あぁ、よろしく頼むミカエラ。陛下の指名があった通り、この先婚約者候補として、私と仲良くしてもらいたい。コエダは私のご学友でもある。顔を合わせる機会は多いと思うので、彼とも親しくしてくれ」
「はい。私も、ジョシュア王子とともに学び、いろいろお勉強していきたいと思っています。こっ、こここ、コエダ様とも…」
んんぅ、やはりぼくの話をすると、あからさまにおかしいようですねぇ。
なんか、ぼくの名前を言うとき、梅干し食べたみたいな顔になります。
彼女に前世の記憶はないと思うのですけど。
やっぱり、メイにいじめられたことを本能的に感じ取っているのでしょうか?
ぼくは今世でメイではないし。
たとえばミカエラもループしていたとしても。ぼくとメイはつなげられませんからね。
ミカエラが前世を覚えていても、ぼくを嫌がる理由はないと思うのですけどぉ??
なんで、すっぱい顔になるのかな?
「ミカエラ嬢、はじめまして。ぼくはコエダ・スタインベルン。王子のご学友をしています。ぼくともぜひお友達になってくださいね」
そして営業スマイル。ルン、とした笑みを向けると。
ミカエラ嬢は小刻みに震え出しました。
大丈夫ぅ?
しかし、なにやらこれは、ちょっとデジャブです。
王子も初対面のとき、トイレを我慢しているようにプルプルしていましたね?
でもミカエラは、まさかトイレではないでしょうね?
「こここ、コエダ様とお友達など、恐れ多いというかっ。いえ、よ、よろしくお願いします」
そして、シュッと頭を下げて、サッと場を去って行った。
ぼくとお話したくないみたい。
やっぱり、本能で恐れているんじゃないかなぁ?
恐れ多いって言ってたもん。
きっと、なんだか超怖いって感じだったんじゃないかな?
でも、大丈夫。
ミカエラは王子とお付き合いするのだから。
ぼくは、王子とミカエラが会うところにはいないのだから、怖がることはないよぉ。
お邪魔はいたしませんからぁ。
「コエダ、これから会う者たちの顔と名前はなるべく覚えた方がいいぞ。コエダも第一王子になったら、外交とか貴族とのお付き合いとか、それなりにしなきゃならないんだからな? 挨拶したのに初対面みたいな挨拶されると、傷つくだろ?」
「あぁ、そうですねぇ。それは地味に傷つくやつです。がんばります」
王子の助言を受けて、ぼくはそのあとの子たちの名前と顔を覚える努力をしました。
名前は、むずかしいですが。顔は大体覚えられました。
ぼくらと年の近い子は、五十人くらいかなぁ。同い年は三十人くらい。
保育園のお友達もそのくらいの人数がいたので、まぁまぁきょようはんい内です。
それにね、同い年の方は、あらかた前世で同級生だったのでね。
メイは王子しか眼中になかったけど。まぁ、うっすら見覚えはあります。
お兄さんお姉さん方は、これからゆっくり覚えますね。
ミカエラは、メイの黒歴史ゆえ忘れたい記憶ですが。脳裏に刻まれている顔なので。
忘れようもありませぬ。
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