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2-6 指名されてドッキリ
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◆指名されてドッキリ
ぼく、パパが帰ってきてから。ディオン殿下のことを父上と呼ぶようになりました。
パパは、パパ。
でも殿下もぼくのお父さんになったから。殿下は父上です。
最初は、父上と呼んだり殿下と呼んだり。慣れなかったけれど。
七月、ジョシュア王子のお誕生日会の頃には、父上呼びがだいぶ慣れてきましたよぉ。
人前でも、父上って呼べます。
パパはパパです。
で、お誕生日会ですけど。
大人はいっぱい出席していますが、七歳の王子のお披露目だから昼間の会なのです。
やはり王子とお近づきになりたい子供同伴の貴族が多いですね。
お誕生日会は王宮の舞踏会会場で行われています。
パパの結婚披露宴のときと同じ場所です。
でも昼間だし、子供が多いから、今日はダンスはしないで、食事と歓談の場みたいですねぇ。
まぁるいテーブルがいっぱいで、そこに飲み物と食べ物とお花がいっぱい、いろいろ、です。
「小枝、パパのそばにいるんだよ? 人がいっぱいだし。小枝は可愛いから誰かに連れ去られたら大変だからね?」
「はい、パパ。知らない人について行っちゃいけないってルールです」
「そうだよ、えらいね。でも小枝は小さいから、無理やり連れて行かれちゃうこともあるからね。パパと父上と。遊びに行くときは王子とノアのそばを離れないこと」
パパの注意に、ぼくはうなずきます。
ちなみに、今のパパは。髪が短いです。
日本でお医者さんをしていたときより、ちょっと長いくらいの髪型。んん、戦場にいた頃くらいの髪型かなぁ。
ぼくは髪が長くてきれいだったパパも好きですが。
やはり短い方が見慣れていて好きです。
ちなみにね、ぼくの髪はパパが切ってくれていたの。
だから、ぼくの髪型はずっとおんなじだったのです。
でね、パパが髪を切ったときに、ちょっと騒動があってね。
パパの髪は女神のごとき黒髪でしょう?
王宮に長く勤めていたメイド長さんが、女神と同じ黒髪は神聖なんだって部下のメイドさんに教えたの。
あ、メイド長さんはねぇ、王宮に勤めていたけど。マリアンヌ様付きだったから、前王妃とのつながりはないんだよぉ。でもベテランで、髪のスタイリングが得意なんだって。
それはともかく。
で、そうしたら、メイドさんがみんなパパの髪を触りたがってねぇ。
朝の髪を整える係が、持ち回りみたいになって。
今日は私の番なのに、とか。メイドさんの間でケンカになっちゃってね。
こんなことでケンカするのはダメェって、パパが怒って。
長い髪を後ろ手に持って、ばっさり切っちゃったの。
「短い髪になったので、朝の支度は自分でできますから」
パパはメイドさんにニッコリ笑顔を向けていたけど。
ぼくにはわかります。アレは、結構オコでした。
メイド長と父上とレギが、驚愕の悲鳴をあげていたけど。
「結婚式までは伸ばすという約束でしたから、もういいでしょう?」
パパは父上とそんな約束をしていたみたい。
なので、父上は文句を言えず。切った髪も元には戻らないのだったぁ。
そうしてザンバラのパパの髪は、泣くメイド長が整えて。
いつものパパになったというわけ。
それにしても、パパの人気はすごいのです。
大司教にご挨拶に行った折、城下に降りたのですけど。
特に民衆に報告していたわけでもないのに。神の手が大聖堂にいるという噂が瞬く間に広がって。
結婚式のときみたいに、民衆が大聖堂の周りに集まっちゃったの。
それで階段の上で、パパと父上とぼくが手を振るとね。
おおおお、って。地響きみたいな歓声が沸き起こって。びっくりしちゃった。
まぁ、パパは元々神の手と呼ばれて、騎士さまたちを熱狂させていたけど。
国民のみなさんも、神の手の話や。結婚式のときに消えた奇跡の現象を見たり聞いたりして。
女神の遣いとしてパパを崇め奉っているみたいなんだよね。
でも人気はあっても、パパのお世話をしたくてケンカしちゃうメイドはよろしくないですねぇ。
なので父上は怒って、メイドの数を少し減らすと言っていました。
まぁ、ぼくも。日本的に言えば、小学生ですしね。
お着替えは、レギにまだ手伝ってもらっているけど。もうすぐ、自分でお着替えもできますし。
顔を洗うのも歯を磨くのも髪をとかすのも、ひとりでできます。
パパも父上も、自分のことは自分でできますから。
どちらかと言えば、使用人は顔を覚えられるくらいの人数がいいです。
なんの話だっけ? あぁ、だからぁ。
パパの髪は短いけど、今日も素敵にきれいきれいなのです。
今日は裾が長めの黒い衣装で、首元が隠れるくらいの長さで整えられた髪は、後ろに流すように整髪されて。
きれいアンドかっこいいなのです。
はああぁぁうぅぅ、今日もパパがうつくしいいいぃぃぃぃ。
ちなみに衣装は父上とおそろいなの。
もうっ、アツアツですねっ。
ぼくはいつもの紫のゴージャスバージョン衣装。
父上、ぼくにもパパとおそろいの黒い衣装を作ってくださぁい。
「あぁ、王様が登場するみたい。小枝、階段の方へ行くよ」
パパはぼくに手を差し伸べる。
王様が、ぼくらのことも紹介するから。王様がでてきたらそばに行くって。
パーティーの前に聞いていました。
でもぼくの体は、なんでか浮き上がるのだった。あぁあ、あぁあ。
「大樹、小枝は私が連れて行こう。父上としての初仕事だ」
父上がぼくを背後から抱き上げたようです。
そしてぼくは、父上の腕にお座りする。
すっごく安定感があって、たのもしいですぅ。
「あぁ、ズルいですよ、ディオン。俺がもうできない力技で小枝の点数稼ぎするなんてっ」
「はは、小枝はまだまだ軽いのになぁ。でも、大樹の腰のためにも、力仕事は私に任せろ」
「ぐぬぬ、年寄扱いしやがってぇぇ」
そんなふうに言い合いながらも、父上はパパを抱き寄せて額にチュウするので。
はっ、これは。イチャイチャなのですね?
ぼくをダシにしたイチャイチャなのですねっ?
くぅぅ、アツアツにぼくはあてられましたぁぁ。
「あれ、小枝の鼻に筋が。可愛い顔が台無しだぞぉ?」
そうしてパパの人差し指に鼻の筋をスリスリ撫でられれば、ぼくはたちまち、ほぇぇぇとなるのだった。
もういいです。
で、一段高いところにある玉座と王妃の椅子に、殿下と王妃がそれぞれかけて。
陛下の横に、父上と父上の腕に乗るぼくと、パパ。
王妃の隣にジョシュア王子。エルアンリ様とオズワルド。
その後ろには警護のアンドリューさんやノア、その他の騎士のみなさんが並び。
招待客のみなさんはぼくらを見て、感嘆のため息をついた。
「お集りの方々、本日は第七王子ジョシュアの誕生を祝した会に御足労いただいたこと、感謝申し上げる。末の息子が、これから王族としての責務を果たすことになるが。みなさまにはジョシュアの成長を温かい目で見守っていただきたい」
まず、王様は今日の主役であるジョシュアを紹介した。
「そして、すでにご承知の方も多いとは思うが。先日、王太子ディオンと結婚をし王家の一員となった、タイジュとその息子のコエダを紹介する。彼らは神の手として女神とのつながり深き者。スタインベルン国の窮地を救った英傑である。皆にも彼らを支えてもらいたい」
なんだか王様に大袈裟に紹介されて、ぼくもパパも照れてしまいます。
「この先、九月には騎士団の剣闘士大会、年を明けて三月にはエルアンリの結婚など、国を挙げての行事が数々続くが。私は、前王妃の失態の責任を取り、エルアンリの結婚式を見届けたのちに、生前退位をすることに決めた」
王様のお話はみんなが初耳だったようで、少し会場がざわざわしました。
せいぜんたいいって、王様を辞めちゃうってことだよね?
「来年の四月には、王太子ディオンの王位継承の儀を行う。新王の即位を、国を挙げて祝福してもらいたい」
王様の言葉に、みなさんがわぁぁってなった。
んん? 父上が王様になるってことぉ? すごーいね?
あれ? ってことは。パパが王妃になるの? 来年? わぁぁ、すごーーいねっ。
いつか王妃になるって、知ってはいたけど。
いつかというのは、ぼくが大人になってからだと思っていたから。びっくりですぅ。
これは、ぼくの預言書の活躍も、早く訪れそうですねっ?
「そして王としての最後の務めとして。ここに宣言する。ジョシュアの婚約者候補に、王太子子息のコエダ・スタインベルンと。ベルケ公爵の令嬢、ミカエラを指名する」
王様の爆弾発言に、ぼくは、えええええっ? となる。
声は出さなかったけど。ぼくは空気を読むかしこい息子なので。
でも、婚約者候補に指名されてドッキリです。
目を真ん丸にして、すぐそばの父上に目を向けると。
父上は薄い笑みを浮かべながらも首を横に振るのだった。
知らないってこと? 本当ですかぁ?
パパも父上を疑いの眼差しで見ていますよぉ? 本当ですかぁぁ?
「マジで。生前退位も婚約話も聞いてない」
お客様用に笑顔をはりつけながらも、父上はぼくとパパにこっそり言い訳するのだった。
本当ですかぁぁぁ?
しかしながら、大変なことになりました。
ぼくは今まで王子の婚約話をやんわり、いえ、きっぱり退けてきたのですが。
とうとう、婚約者候補になってしまいました。
なんてことだっ。
断頭台がぼくに一歩近寄ってきた。というような、おののきの気持ちです。
ぼく、パパが帰ってきてから。ディオン殿下のことを父上と呼ぶようになりました。
パパは、パパ。
でも殿下もぼくのお父さんになったから。殿下は父上です。
最初は、父上と呼んだり殿下と呼んだり。慣れなかったけれど。
七月、ジョシュア王子のお誕生日会の頃には、父上呼びがだいぶ慣れてきましたよぉ。
人前でも、父上って呼べます。
パパはパパです。
で、お誕生日会ですけど。
大人はいっぱい出席していますが、七歳の王子のお披露目だから昼間の会なのです。
やはり王子とお近づきになりたい子供同伴の貴族が多いですね。
お誕生日会は王宮の舞踏会会場で行われています。
パパの結婚披露宴のときと同じ場所です。
でも昼間だし、子供が多いから、今日はダンスはしないで、食事と歓談の場みたいですねぇ。
まぁるいテーブルがいっぱいで、そこに飲み物と食べ物とお花がいっぱい、いろいろ、です。
「小枝、パパのそばにいるんだよ? 人がいっぱいだし。小枝は可愛いから誰かに連れ去られたら大変だからね?」
「はい、パパ。知らない人について行っちゃいけないってルールです」
「そうだよ、えらいね。でも小枝は小さいから、無理やり連れて行かれちゃうこともあるからね。パパと父上と。遊びに行くときは王子とノアのそばを離れないこと」
パパの注意に、ぼくはうなずきます。
ちなみに、今のパパは。髪が短いです。
日本でお医者さんをしていたときより、ちょっと長いくらいの髪型。んん、戦場にいた頃くらいの髪型かなぁ。
ぼくは髪が長くてきれいだったパパも好きですが。
やはり短い方が見慣れていて好きです。
ちなみにね、ぼくの髪はパパが切ってくれていたの。
だから、ぼくの髪型はずっとおんなじだったのです。
でね、パパが髪を切ったときに、ちょっと騒動があってね。
パパの髪は女神のごとき黒髪でしょう?
王宮に長く勤めていたメイド長さんが、女神と同じ黒髪は神聖なんだって部下のメイドさんに教えたの。
あ、メイド長さんはねぇ、王宮に勤めていたけど。マリアンヌ様付きだったから、前王妃とのつながりはないんだよぉ。でもベテランで、髪のスタイリングが得意なんだって。
それはともかく。
で、そうしたら、メイドさんがみんなパパの髪を触りたがってねぇ。
朝の髪を整える係が、持ち回りみたいになって。
今日は私の番なのに、とか。メイドさんの間でケンカになっちゃってね。
こんなことでケンカするのはダメェって、パパが怒って。
長い髪を後ろ手に持って、ばっさり切っちゃったの。
「短い髪になったので、朝の支度は自分でできますから」
パパはメイドさんにニッコリ笑顔を向けていたけど。
ぼくにはわかります。アレは、結構オコでした。
メイド長と父上とレギが、驚愕の悲鳴をあげていたけど。
「結婚式までは伸ばすという約束でしたから、もういいでしょう?」
パパは父上とそんな約束をしていたみたい。
なので、父上は文句を言えず。切った髪も元には戻らないのだったぁ。
そうしてザンバラのパパの髪は、泣くメイド長が整えて。
いつものパパになったというわけ。
それにしても、パパの人気はすごいのです。
大司教にご挨拶に行った折、城下に降りたのですけど。
特に民衆に報告していたわけでもないのに。神の手が大聖堂にいるという噂が瞬く間に広がって。
結婚式のときみたいに、民衆が大聖堂の周りに集まっちゃったの。
それで階段の上で、パパと父上とぼくが手を振るとね。
おおおお、って。地響きみたいな歓声が沸き起こって。びっくりしちゃった。
まぁ、パパは元々神の手と呼ばれて、騎士さまたちを熱狂させていたけど。
国民のみなさんも、神の手の話や。結婚式のときに消えた奇跡の現象を見たり聞いたりして。
女神の遣いとしてパパを崇め奉っているみたいなんだよね。
でも人気はあっても、パパのお世話をしたくてケンカしちゃうメイドはよろしくないですねぇ。
なので父上は怒って、メイドの数を少し減らすと言っていました。
まぁ、ぼくも。日本的に言えば、小学生ですしね。
お着替えは、レギにまだ手伝ってもらっているけど。もうすぐ、自分でお着替えもできますし。
顔を洗うのも歯を磨くのも髪をとかすのも、ひとりでできます。
パパも父上も、自分のことは自分でできますから。
どちらかと言えば、使用人は顔を覚えられるくらいの人数がいいです。
なんの話だっけ? あぁ、だからぁ。
パパの髪は短いけど、今日も素敵にきれいきれいなのです。
今日は裾が長めの黒い衣装で、首元が隠れるくらいの長さで整えられた髪は、後ろに流すように整髪されて。
きれいアンドかっこいいなのです。
はああぁぁうぅぅ、今日もパパがうつくしいいいぃぃぃぃ。
ちなみに衣装は父上とおそろいなの。
もうっ、アツアツですねっ。
ぼくはいつもの紫のゴージャスバージョン衣装。
父上、ぼくにもパパとおそろいの黒い衣装を作ってくださぁい。
「あぁ、王様が登場するみたい。小枝、階段の方へ行くよ」
パパはぼくに手を差し伸べる。
王様が、ぼくらのことも紹介するから。王様がでてきたらそばに行くって。
パーティーの前に聞いていました。
でもぼくの体は、なんでか浮き上がるのだった。あぁあ、あぁあ。
「大樹、小枝は私が連れて行こう。父上としての初仕事だ」
父上がぼくを背後から抱き上げたようです。
そしてぼくは、父上の腕にお座りする。
すっごく安定感があって、たのもしいですぅ。
「あぁ、ズルいですよ、ディオン。俺がもうできない力技で小枝の点数稼ぎするなんてっ」
「はは、小枝はまだまだ軽いのになぁ。でも、大樹の腰のためにも、力仕事は私に任せろ」
「ぐぬぬ、年寄扱いしやがってぇぇ」
そんなふうに言い合いながらも、父上はパパを抱き寄せて額にチュウするので。
はっ、これは。イチャイチャなのですね?
ぼくをダシにしたイチャイチャなのですねっ?
くぅぅ、アツアツにぼくはあてられましたぁぁ。
「あれ、小枝の鼻に筋が。可愛い顔が台無しだぞぉ?」
そうしてパパの人差し指に鼻の筋をスリスリ撫でられれば、ぼくはたちまち、ほぇぇぇとなるのだった。
もういいです。
で、一段高いところにある玉座と王妃の椅子に、殿下と王妃がそれぞれかけて。
陛下の横に、父上と父上の腕に乗るぼくと、パパ。
王妃の隣にジョシュア王子。エルアンリ様とオズワルド。
その後ろには警護のアンドリューさんやノア、その他の騎士のみなさんが並び。
招待客のみなさんはぼくらを見て、感嘆のため息をついた。
「お集りの方々、本日は第七王子ジョシュアの誕生を祝した会に御足労いただいたこと、感謝申し上げる。末の息子が、これから王族としての責務を果たすことになるが。みなさまにはジョシュアの成長を温かい目で見守っていただきたい」
まず、王様は今日の主役であるジョシュアを紹介した。
「そして、すでにご承知の方も多いとは思うが。先日、王太子ディオンと結婚をし王家の一員となった、タイジュとその息子のコエダを紹介する。彼らは神の手として女神とのつながり深き者。スタインベルン国の窮地を救った英傑である。皆にも彼らを支えてもらいたい」
なんだか王様に大袈裟に紹介されて、ぼくもパパも照れてしまいます。
「この先、九月には騎士団の剣闘士大会、年を明けて三月にはエルアンリの結婚など、国を挙げての行事が数々続くが。私は、前王妃の失態の責任を取り、エルアンリの結婚式を見届けたのちに、生前退位をすることに決めた」
王様のお話はみんなが初耳だったようで、少し会場がざわざわしました。
せいぜんたいいって、王様を辞めちゃうってことだよね?
「来年の四月には、王太子ディオンの王位継承の儀を行う。新王の即位を、国を挙げて祝福してもらいたい」
王様の言葉に、みなさんがわぁぁってなった。
んん? 父上が王様になるってことぉ? すごーいね?
あれ? ってことは。パパが王妃になるの? 来年? わぁぁ、すごーーいねっ。
いつか王妃になるって、知ってはいたけど。
いつかというのは、ぼくが大人になってからだと思っていたから。びっくりですぅ。
これは、ぼくの預言書の活躍も、早く訪れそうですねっ?
「そして王としての最後の務めとして。ここに宣言する。ジョシュアの婚約者候補に、王太子子息のコエダ・スタインベルンと。ベルケ公爵の令嬢、ミカエラを指名する」
王様の爆弾発言に、ぼくは、えええええっ? となる。
声は出さなかったけど。ぼくは空気を読むかしこい息子なので。
でも、婚約者候補に指名されてドッキリです。
目を真ん丸にして、すぐそばの父上に目を向けると。
父上は薄い笑みを浮かべながらも首を横に振るのだった。
知らないってこと? 本当ですかぁ?
パパも父上を疑いの眼差しで見ていますよぉ? 本当ですかぁぁ?
「マジで。生前退位も婚約話も聞いてない」
お客様用に笑顔をはりつけながらも、父上はぼくとパパにこっそり言い訳するのだった。
本当ですかぁぁぁ?
しかしながら、大変なことになりました。
ぼくは今まで王子の婚約話をやんわり、いえ、きっぱり退けてきたのですが。
とうとう、婚約者候補になってしまいました。
なんてことだっ。
断頭台がぼくに一歩近寄ってきた。というような、おののきの気持ちです。
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