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エピローグ ② 【最終回】
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俺が帰ってきたことで、宰相としてディオンの政務の補佐をすることになったエルアンリ様が大忙しです。
「タイジュが戻ったことを大司教に知らせたら。号泣、滂沱の涙。女神の奇跡を目の当たりにしたことは、とても感動していましたが、肝心の神の手を失われたショックで、寝込んでしまっていたのですよ。感情のふり幅が大きかったのでしょうねぇ?」
なんて、アフタヌーンティーの時間に言っています。
大司教様、なんか、すみません。
俺的には女神とちょっと長話をしちゃったくらいの感覚なのですけど。
俺がいない間に、なにやらいろいろあったようです。
というか。エルアンリ様はおやつの時間に仕事の話をしちゃうくらいには忙しいようです。
ちなみに、おやつの時間は、お子様甘やかしモードです。
粉と砂糖と牛乳、卵、そして生イーストをちょっと、入れて。泡だて器でかき混ぜて。
ホットケーキの元を作りまして。
フライパンでいっぱい焼きます。
ハッカクと、俺にくっついて回っているディオンが、厨房にいるので。
砂糖を入れた生クリームをめちゃくちゃ泡立ててもらいます。ツノが立つくらいにね。
力強い男手がそこにいるのだから、使わないとね。
で、ホットケーキが焼けたら、生クリームをぬって。そこにバナナを一本ドーン。
巻いたら、まるごとバ…げふんげふん。バナナのロールケーキの出来上がりです。
大人たちには、切り分けたケーキを。子供たちは半分分を豪快に皿に盛り。
紅茶と一緒に召し上がれ。
つか、俺のおやつより。王宮や後宮の料理人が作る豪華絢爛なケーキや果物タルトの方が断然美味しいと思うのだが。
小枝が俺の庶民おやつが好きだから。
ジョシュア王子も付き合っているんだろうね?
小枝も王子も大きなお口を開けて、生クリームを口の周りにくっつけて食べている。
なんでか、バリバリ庶民だったノアが一番上品に食べているんだけど?
アンドリューさん家の礼儀のお勉強がすごいのだろうか?
俺はそんな子供たちを微笑ましく見ながら、エルアンリ様の話を聞いていた。
ちなみに、エルアンリ様は。バナナはアレルゲンではないので、セーフ。
「しかし大司教は喜び勇んで、神の手が再降臨したことを公表しまして。すると王都は町をあげてのお祭り騒ぎになったようです。すでにあなたは国民に愛されている王太子妃なのですよ」
「俺はまだ、なにもしていないのに」
そんな事を言われると、恐縮します。
所在なく、フォークで生クリームをバナナにぬる、俺。
「これからの働きに期待をしているのですよ。なにせ、前王妃は国民を全く振り返らない方でしたからね。女神の遣いが国を良い方へ導いてくれることを待ち望んでいるのでしょう。なんといっても今回は、タイジュを害そうとしたニジェールが奇跡の炎で燃え盛り、さらに王太子妃が掻き消えた瞬間を、大勢の国民が目撃したのですからね? スタインベルンの王太子妃は女神の遣いに間違いないと、もっぱらの噂になっています」
「女神に遣わされたわけじゃないみたいだよ? 俺はイレギュラーだってはっきり言っていた」
俺が言うと、エルアンリ様は口を開けたまま呆けてしまった。
「え、本当に女神と会ったのですか? どんな? どんなご尊顔をぉぉ??」
「ごそんがん? えぇと」
ネグレクト姉と同じ顔とは言えない。
俺は内心冷や汗だ。
「く、黒髪の。大聖堂の彫刻と同じ感じでしたよ?」
「やっぱり黒髪っ! し、しかししかし。もう、なんていうか。女神が実在しているということが、素晴らしいというか。心臓が止まりそうというかっ」
エルアンリ様は心臓を手で押さえ。それを隣に座る騎士服のジュリアが支える。
「エルアンリ、このことは王家の秘密にせよ。おまえまでがそのようなのだ、大司教が聞いたら女神の元へ召されてしまう」
ディオンの言葉に、エルアンリ様はコクコクうなずく。
オズワルドも大概だが、王家の人は女神への信仰心が厚くて。
とても信心深いから、無神論者の俺はかなり戸惑います。
それにあの女神。姉の顔だからか、話し口が庶民的だからか知らないが。神秘的とか荘厳だとか、そういう拝みたくなる雰囲気が欠片もなかった。
とてもじゃないが、俺は信仰できないな?
ちなみにディオンは。
アレコレ致したあとにぐっすり寝たら、しっかり回復されました。
クマはまだ残っているけど。
披露宴までにマッサージとかして治さないとね。
そうそう、俺が消えたことで中止になった披露宴を再度一週間後に行うことになったんだって。
だから、その支度や準備でエルアンリ様は大忙しなわけだけど。
俺は、披露宴は別にしなくてもいいかなって思うのだ。
だって外国の要人だって、そんなすぐには来られないだろうし。もう一度準備するのは大変だし。お金もかなりかかるしぃ。
でも。神の手が無事に帰還したこと、健在であることを国の内外に知らしめることで。国力強化をアピールできるらしく。絶対に必要なんだって。
なんで俺がいると国力強化になるんだって、普通に思うし。ビビるけど。
スタインベルンの騎士は女神に加護されている。神の手はその象徴。
ディオンによって、そうなっているので。
この前レーテルノンでの戦争に逆転大勝利をおさめたスタインベルンの騎士に、再び女神の遣いが戻ってきたということが、最強騎士団をも健在であると見せつけられるということらしい。
まぁ、俺が戻ったと知った北の館を警備する騎士様たちは。
狂喜乱舞の阿鼻叫喚だったから。一部の士気は上がるのかもね?
「披露宴のお衣装は、結婚式のものは汚れてしまったので。お色直し用のものを手配しております。ハウリム原産の質のいい宝石が入りましたから…」
「おい、ハウリムはもうない」
ディオンが訂正をうながし。
エルアンリ様は失礼しましたと受け入れる。
それに俺は首をかしげる。
「ハウリムがないって?」
「おまえのいない間に、戦争ほどではないが、騎士団がハウリムに侵攻したのだ。我が軍に占拠されたハウリム国は速やかに解体し、我がスタインベルン領のひとつとなった。ハウリムに退去させたニジェールのせいで、神の手は消失し。国民はその怒りをハウリムに向け、賠償責任を問うだけでは生ぬるいという世論になってな」
わぁ、俺が女神と話している間に、そんなことにぃぃ?
しかし。ある意味、女神に逆らいスタインベルン王家を踏みつけにした者の末路、ということなのかもしれないな。
あれ? もしかして、あの女神。
本当は自由に時間を操れるのに、ハウリムを潰すために、俺をこの時間に戻したんじゃね?
だってさ、大聖堂にいた俺を北の館に戻すなんて、場所移動とかは簡単にできたし。
小枝が時間を巻き戻してやり直しても、その事情もちゃんと把握して、女神も時間を巻き戻したわけだろ?
つか、神に、時間の概念ってないんじゃないかな?
ニジェールのナイフで俺が死ぬこともわかっていたっぽいし。たぶんあのとき、時間を戻したんじゃないか?
神も女神も万能ではなく、見守ることしかできない存在なのは、そうなのだろうが。
時間に関しては。
女神はデタラメな存在なんじゃないかと思う。
なのに。俺を結婚式の場に戻しちゃうと、ハウリム国への侵攻を決めるほどの怒りがスタインベルンに湧かないから。
あえて、いろいろ終わったあとに俺を戻した??
だったら…確信犯。
女神、おっかねぇ。
まぁこれは、俺の想像だけどね。
「元ハウリム国は、小枝の領地になるように手配している。成人するまでは国が管理するようになるが…」
「では、ハウリム原産ではなく。コエダ領原産の宝石ってことになるのですかぁ? スゴーイ」
小枝ったら、五歳にして領地持ちになっちゃったよ。
しかも鉱石がワサワサ出る、金脈のある土地だよ? いいの?
しかしこれで、俺がいなくても小枝は立派に生きていけるな?
いや、俺はいるけど??
そうだ。生きていけると言えば、小枝に話しておかなければならないことがあるな。
★★★★★
夜になって。俺の寝室で、俺は小枝を寝かしつけながら話をする。
王子が北の館に滞在しているときは、小枝はいつも王子とノアと寝るのだけど。
今日はちょっと、話があるのでね。親子で寝ます。
もちろんディオンにも聞いてもらいます。
というか、ディオンは俺にべったりになっちゃって。
俺が消えないのを実感するまでは、ディオンは俺から離れそうもないですね。
俺と殿下がアレコレしているとき、王子とおとなしく遊んでくれていた小枝の方が、大人です。
「小枝、パパは女神さまとお話してきたけど。スタインベルン王家の癌だった元王妃を追い出すことができただろう? それで小枝の使命はオールクリアだって言っていたよ」
ベッドの上で、小枝は目をまぁるく見開く。
「それはぁ、処刑はないってことですか?」
「うん。ない」
女神は、ないとは言わなかったけれど。
この先の未来は決まっていないって言っていた。
それは自由になんでも変えていけるということだろう?
だったら、俺は小枝が処刑される未来には絶対に向かわせない。
大樹の小枝は、太陽に向かって伸びていけばいいのだからな。
そう思っているから。処刑はないときっぱり告げて。
小枝を安心させたいのだ。
「やったぁぁ、でも、安心はできません。調子に乗ったら、処刑もありかもぉ」
両手をあげて、小枝は喜んだが。
すぐに眉尻を下げる情けない顔つきになった。
「注意深いのは良いことだよ。でも、やみくもに恐れず。限りなく可能性は薄くなったと思いなさい。小枝が良い子でいられたら、そんな未来は訪れないんだからね?」
「ジョシュア王子と遊んでも、大丈夫ぅ?」
小枝は一番に王子のことについて聞いた。
王子の処刑トラウマは、少し薄れたのかもしれないね。
「あぁ、大丈夫だよ」
「良かったぁ。ぼくね、王子のこと嫌いじゃないよ? パパがいなかったとき、ずっとそばにいてくれたのぉ」
「ジョシュア王子は優しいね? でも婚約とかはまだ早いから。いいお友達になればいいんじゃないか?」
「うん、そうするぅ。えへぇ、パパはいい匂いがする」
そして、俺の胸に頭をすりつけて。
とても安心した顔で、小枝は寝たのだ。
「俺がいない間、小枝の面倒を見てくださり、ありがとうございました」
小枝を起こさぬように、そっと殿下に言うと。
彼は自嘲した笑みを浮かべる。
「いや。一緒に、大樹がいないことを悲しんでいただけだ。大樹が帰ってきたら、あれをしよう、これを食べたいって。言い合って。慰め合っていた。身の回りの世話は、ほとんどレギが。かいがいしくしていたぞ」
「じゃあ、レギにも。他のみなさんにもいっぱいお礼を言いますね?」
川の字になって、手枕で話していると。
殿下が手を伸ばして。俺の頬を撫でた。
「おまえがいなくなって。俺の心の中には大樹だけが詰まっていたのだと、つくづく実感した。もう、女神にも。誰にも。奪わせぬ」
「女神が手出ししなかったら、俺は死んでいたみたいですから。これからは、ディオンが俺を守ってください。手出し無用と女神に啖呵を切ったのでね、もう助けの手はないですよ」
「あぁ。大樹は一生俺が守る」
口がやんわり微笑んで。目の色も柔らかい。
体中で愛おしいと言われているようで。
俺は照れてしまうのだ。
「小枝が使命を果たしたということは。やはり聖女の役目はスタインベルン王家の救済なのか?」
「ええ。この先まだ、こまごまとしたことは起きるようですが。聖女は、スタインベルン王家、または国が窮地に陥ったときに現れる、女神の分身、助けの手、ということらしいです。前回はその使命が果たせなかった。その魂を持ったまま、小枝に転生し。使命を果たすためにもう一度同じ時に戻ってきた。俺は、それに巻き込まれただけという…」
真の女神の遣いは、小枝だ。俺は小枝のおまけ。
おまけが、殿下と結婚なんかして、すみませんという気になった。
「では、小枝のおかげで俺は大樹と巡り会えたのだな? なんという奇跡的なことだろう。俺はこの幸運に最大限の感謝をささげる」
「女神の遣いのおまけをありがたがってくれて、ありがとうディオン。少しは後ろめたさがやわらぐよ」
「なにを言っているのだ? 大樹がいなければ、王家の癌はいまだ巣食ったままだっただろう。それに、小枝も。大樹がともにいたから、このように早く使命を果たせたのだ。大樹がいなければ、きっと、もっと時間がかかっていたはずだ。それこそ、小枝が成人するぐらい長い時間がかかったかもしれない。俺も死んで、エルアンリも死んで。ジョシュアも今のようにほがらかではいられなかっただろう。そんな中で小枝が元王妃を粛正するのは大変なことだ」
「俺は。小枝の力になれたのなら嬉しい。小枝がこの先、笑って過ごせるように。処刑の影におびえないように。そうできたら、それでいいのです」
「あぁ、そうしよう。大樹と、俺で」
俺はそうでもないけど。
ディオンにとっては久しぶりの、家族三人での眠りに。
やはり、とても安心した顔で彼も目を閉じる。
俺はスリーパーをかけて。
愛する者たちを安らかな眠りに誘うのだった。
★★★★★
今日は披露宴です。
みなさんの前で、ファーストダンスを踊っています。会の主役が一番はじめに踊るっていう、アレです。
殿下が酔った勢いで、ダンスさせられたことはありましたけど。
社交ダンスなんか、日本で踊ったことないし。つか、ダンス自体ほぼほぼ経験なしだったし。体育系はそんなに得意ではないしで。
ブンチャッチャを会得するのは大変でした。
いや、頭ではわかっている。しかし体がついてこないってことでね。
アラサーのおっさんに無理させないでくださぁい。
まぁ、でも見られるくらいには、上手に踊れるようになりましたよ。
ディオンのリードも巧みなのでね。
身長差も、なんでかいい感じなので。なんでか。
みなさん、ひろーい心で、目を細めて見てくれていることでしょう。
見られると言えば。
ディオンのクマも治ったよ!
毎晩、顔のマッサージをしてあげたからな。これ、別料金ですからね。
俺の太ももの上に頭を乗せて…いわゆる、膝枕ですけど。
とろりとした化粧水を手に馴染ませて、鼻の付け根からこめかみへ、目のふちを弧を描くようにして揉み込みます。
あ、もちろん。小枝がいないところでですよ?
小枝が王子とノアと、王子の部屋で寝ているときだけだよ。
大人のイチャイチャは、子供には見せられませんからね。
いや、イチャイチャじゃなくて、マッサージだけどねっ。
で、頬骨のあたりにツボがあるので、そこを押したら、またこめかみへ。鼻の下の部分から弧を描いてこめかみへと。ゆっくり、やんわり、揉んでぇ。
最後にこめかみから耳の前を通って後ろへ、リンパが流れるように、首筋、鎖骨まで。その道筋を十回繰り返すぅ。
「大樹、これはなんだぁ? 天国なのか? 気持ち良すぎて女神に召されそうだ」
やめてください、縁起でもない。
「これは、リンパマッサージですよ。皮膚の下にある体液を流すイメージでね。顔がむくんだり、ディオンのように目の周りがお疲れの方にもおすすめです。でも、目蓋の上は力をかけないで。優しく触れるだけにしてくださいね。石鹸の泡で洗顔しながらしても、顔が一回り小さくなりますよ?」
そうは言っても。ディオンは俺より断然顔が大きいのだ。
体格とのバランスで小顔に見えなくはないが。実際は小顔ではないな。
「おまえのウンチクを聞くと、おまえが帰ってきたんだなぁって実感できるというか…レタスマヨ炒めの話を聞いて涙ぐんでしまったのは…黒歴史だっ」
「えぇ? いいじゃないですかぁ。可愛かったですよ、殿下」
「…茶化すな」
そして、フッと笑う、余裕のディオンが戻ってきて。
手で頭を下げさせられてチュウウゥゥとか、しちゃったりして。
やはりお子様には見せられませんな。
まぁ、そんなわけで。披露宴当日はクマもすっかり取れて。
ストレスなし、お肌ぷるぷるのイケメン殿下に戻りました。やりましたっ。
そして殿下とのファーストダンスも無事に、彼の足を踏むことなく、終えられたのだった。ふぃー。
披露宴にはスタインベルンの貴族の方も招いているが。外国の要人も招いている。
三ヶ月前に結婚式に出席した方は、ほぼ本日も参加してくれたらしいよ。
何度もご足労おかけして、すみませんん。
しかし、消えた花嫁が。戻ってきたわけだから。
気になっちゃうは、なっちゃうよね?
どうしていたんだ、どこへ行ったんだ、とは。遠回しにやんわり聞かれるが。
国家機密扱いになりましたと言えと、事前にレクチャーを受けました。
まぁ、女神と世間話していましたとは言えないよねぇ。
そんな中、ニジェールを一団にまぎれ込ませてしまったディアイン国の王子は。
平謝りで。
しかし、廃嫡の件を知らなかったのだから仕方がないのだ。それよりもっ。
「カレー粉、ください」
笑顔でそう言ったら。
「王家秘伝の最高のスパイスで調合されたカレー粉を、毎年無償でお送りさせていただきます。王太子妃様が御所望ということで、本日も何種類か持参いたしております。お試しいただきお気に召すものをお選びくださいませ。なので…なにとぞご容赦をぉぉ」
ということで。
やったねっ、カレー粉をとうとうゲットです。
本当、カレーなら。週一でもいいくらいに人気のレパートリーだからな。
子供の味方。そして困ったときのカレー頼みでシンパパの味方でもあるのだっ。
そしてそして、今度こそ。
無事に披露宴を終え、結婚式はミッションコンプリート、だね。
そのあとのことはぁ。
神の手で人々を癒したり…あ、お医者の業務だよ?
奴隷制を廃止したり。戦災孤児を救済する児童福祉施設を作ったり。
治癒魔法士の定価を下げて、地方を回ったり。
小枝が疫病が蔓延する前にクリーンで清めて、大活躍したりするけど…。
それは、いつかのお話だ。
「パパぁ、今日のご飯はなぁに?」
「大樹、今日はなにを作っているのだ?」
小枝とディオンが厨房に顔をのぞかせる。
俺は王太子妃になっても、安定の飯炊きおっさんで。
今日も愛する人と愛する息子のために美味しいご飯を作るのだ。
いや、本職は医者だけどねっ。
END
「タイジュが戻ったことを大司教に知らせたら。号泣、滂沱の涙。女神の奇跡を目の当たりにしたことは、とても感動していましたが、肝心の神の手を失われたショックで、寝込んでしまっていたのですよ。感情のふり幅が大きかったのでしょうねぇ?」
なんて、アフタヌーンティーの時間に言っています。
大司教様、なんか、すみません。
俺的には女神とちょっと長話をしちゃったくらいの感覚なのですけど。
俺がいない間に、なにやらいろいろあったようです。
というか。エルアンリ様はおやつの時間に仕事の話をしちゃうくらいには忙しいようです。
ちなみに、おやつの時間は、お子様甘やかしモードです。
粉と砂糖と牛乳、卵、そして生イーストをちょっと、入れて。泡だて器でかき混ぜて。
ホットケーキの元を作りまして。
フライパンでいっぱい焼きます。
ハッカクと、俺にくっついて回っているディオンが、厨房にいるので。
砂糖を入れた生クリームをめちゃくちゃ泡立ててもらいます。ツノが立つくらいにね。
力強い男手がそこにいるのだから、使わないとね。
で、ホットケーキが焼けたら、生クリームをぬって。そこにバナナを一本ドーン。
巻いたら、まるごとバ…げふんげふん。バナナのロールケーキの出来上がりです。
大人たちには、切り分けたケーキを。子供たちは半分分を豪快に皿に盛り。
紅茶と一緒に召し上がれ。
つか、俺のおやつより。王宮や後宮の料理人が作る豪華絢爛なケーキや果物タルトの方が断然美味しいと思うのだが。
小枝が俺の庶民おやつが好きだから。
ジョシュア王子も付き合っているんだろうね?
小枝も王子も大きなお口を開けて、生クリームを口の周りにくっつけて食べている。
なんでか、バリバリ庶民だったノアが一番上品に食べているんだけど?
アンドリューさん家の礼儀のお勉強がすごいのだろうか?
俺はそんな子供たちを微笑ましく見ながら、エルアンリ様の話を聞いていた。
ちなみに、エルアンリ様は。バナナはアレルゲンではないので、セーフ。
「しかし大司教は喜び勇んで、神の手が再降臨したことを公表しまして。すると王都は町をあげてのお祭り騒ぎになったようです。すでにあなたは国民に愛されている王太子妃なのですよ」
「俺はまだ、なにもしていないのに」
そんな事を言われると、恐縮します。
所在なく、フォークで生クリームをバナナにぬる、俺。
「これからの働きに期待をしているのですよ。なにせ、前王妃は国民を全く振り返らない方でしたからね。女神の遣いが国を良い方へ導いてくれることを待ち望んでいるのでしょう。なんといっても今回は、タイジュを害そうとしたニジェールが奇跡の炎で燃え盛り、さらに王太子妃が掻き消えた瞬間を、大勢の国民が目撃したのですからね? スタインベルンの王太子妃は女神の遣いに間違いないと、もっぱらの噂になっています」
「女神に遣わされたわけじゃないみたいだよ? 俺はイレギュラーだってはっきり言っていた」
俺が言うと、エルアンリ様は口を開けたまま呆けてしまった。
「え、本当に女神と会ったのですか? どんな? どんなご尊顔をぉぉ??」
「ごそんがん? えぇと」
ネグレクト姉と同じ顔とは言えない。
俺は内心冷や汗だ。
「く、黒髪の。大聖堂の彫刻と同じ感じでしたよ?」
「やっぱり黒髪っ! し、しかししかし。もう、なんていうか。女神が実在しているということが、素晴らしいというか。心臓が止まりそうというかっ」
エルアンリ様は心臓を手で押さえ。それを隣に座る騎士服のジュリアが支える。
「エルアンリ、このことは王家の秘密にせよ。おまえまでがそのようなのだ、大司教が聞いたら女神の元へ召されてしまう」
ディオンの言葉に、エルアンリ様はコクコクうなずく。
オズワルドも大概だが、王家の人は女神への信仰心が厚くて。
とても信心深いから、無神論者の俺はかなり戸惑います。
それにあの女神。姉の顔だからか、話し口が庶民的だからか知らないが。神秘的とか荘厳だとか、そういう拝みたくなる雰囲気が欠片もなかった。
とてもじゃないが、俺は信仰できないな?
ちなみにディオンは。
アレコレ致したあとにぐっすり寝たら、しっかり回復されました。
クマはまだ残っているけど。
披露宴までにマッサージとかして治さないとね。
そうそう、俺が消えたことで中止になった披露宴を再度一週間後に行うことになったんだって。
だから、その支度や準備でエルアンリ様は大忙しなわけだけど。
俺は、披露宴は別にしなくてもいいかなって思うのだ。
だって外国の要人だって、そんなすぐには来られないだろうし。もう一度準備するのは大変だし。お金もかなりかかるしぃ。
でも。神の手が無事に帰還したこと、健在であることを国の内外に知らしめることで。国力強化をアピールできるらしく。絶対に必要なんだって。
なんで俺がいると国力強化になるんだって、普通に思うし。ビビるけど。
スタインベルンの騎士は女神に加護されている。神の手はその象徴。
ディオンによって、そうなっているので。
この前レーテルノンでの戦争に逆転大勝利をおさめたスタインベルンの騎士に、再び女神の遣いが戻ってきたということが、最強騎士団をも健在であると見せつけられるということらしい。
まぁ、俺が戻ったと知った北の館を警備する騎士様たちは。
狂喜乱舞の阿鼻叫喚だったから。一部の士気は上がるのかもね?
「披露宴のお衣装は、結婚式のものは汚れてしまったので。お色直し用のものを手配しております。ハウリム原産の質のいい宝石が入りましたから…」
「おい、ハウリムはもうない」
ディオンが訂正をうながし。
エルアンリ様は失礼しましたと受け入れる。
それに俺は首をかしげる。
「ハウリムがないって?」
「おまえのいない間に、戦争ほどではないが、騎士団がハウリムに侵攻したのだ。我が軍に占拠されたハウリム国は速やかに解体し、我がスタインベルン領のひとつとなった。ハウリムに退去させたニジェールのせいで、神の手は消失し。国民はその怒りをハウリムに向け、賠償責任を問うだけでは生ぬるいという世論になってな」
わぁ、俺が女神と話している間に、そんなことにぃぃ?
しかし。ある意味、女神に逆らいスタインベルン王家を踏みつけにした者の末路、ということなのかもしれないな。
あれ? もしかして、あの女神。
本当は自由に時間を操れるのに、ハウリムを潰すために、俺をこの時間に戻したんじゃね?
だってさ、大聖堂にいた俺を北の館に戻すなんて、場所移動とかは簡単にできたし。
小枝が時間を巻き戻してやり直しても、その事情もちゃんと把握して、女神も時間を巻き戻したわけだろ?
つか、神に、時間の概念ってないんじゃないかな?
ニジェールのナイフで俺が死ぬこともわかっていたっぽいし。たぶんあのとき、時間を戻したんじゃないか?
神も女神も万能ではなく、見守ることしかできない存在なのは、そうなのだろうが。
時間に関しては。
女神はデタラメな存在なんじゃないかと思う。
なのに。俺を結婚式の場に戻しちゃうと、ハウリム国への侵攻を決めるほどの怒りがスタインベルンに湧かないから。
あえて、いろいろ終わったあとに俺を戻した??
だったら…確信犯。
女神、おっかねぇ。
まぁこれは、俺の想像だけどね。
「元ハウリム国は、小枝の領地になるように手配している。成人するまでは国が管理するようになるが…」
「では、ハウリム原産ではなく。コエダ領原産の宝石ってことになるのですかぁ? スゴーイ」
小枝ったら、五歳にして領地持ちになっちゃったよ。
しかも鉱石がワサワサ出る、金脈のある土地だよ? いいの?
しかしこれで、俺がいなくても小枝は立派に生きていけるな?
いや、俺はいるけど??
そうだ。生きていけると言えば、小枝に話しておかなければならないことがあるな。
★★★★★
夜になって。俺の寝室で、俺は小枝を寝かしつけながら話をする。
王子が北の館に滞在しているときは、小枝はいつも王子とノアと寝るのだけど。
今日はちょっと、話があるのでね。親子で寝ます。
もちろんディオンにも聞いてもらいます。
というか、ディオンは俺にべったりになっちゃって。
俺が消えないのを実感するまでは、ディオンは俺から離れそうもないですね。
俺と殿下がアレコレしているとき、王子とおとなしく遊んでくれていた小枝の方が、大人です。
「小枝、パパは女神さまとお話してきたけど。スタインベルン王家の癌だった元王妃を追い出すことができただろう? それで小枝の使命はオールクリアだって言っていたよ」
ベッドの上で、小枝は目をまぁるく見開く。
「それはぁ、処刑はないってことですか?」
「うん。ない」
女神は、ないとは言わなかったけれど。
この先の未来は決まっていないって言っていた。
それは自由になんでも変えていけるということだろう?
だったら、俺は小枝が処刑される未来には絶対に向かわせない。
大樹の小枝は、太陽に向かって伸びていけばいいのだからな。
そう思っているから。処刑はないときっぱり告げて。
小枝を安心させたいのだ。
「やったぁぁ、でも、安心はできません。調子に乗ったら、処刑もありかもぉ」
両手をあげて、小枝は喜んだが。
すぐに眉尻を下げる情けない顔つきになった。
「注意深いのは良いことだよ。でも、やみくもに恐れず。限りなく可能性は薄くなったと思いなさい。小枝が良い子でいられたら、そんな未来は訪れないんだからね?」
「ジョシュア王子と遊んでも、大丈夫ぅ?」
小枝は一番に王子のことについて聞いた。
王子の処刑トラウマは、少し薄れたのかもしれないね。
「あぁ、大丈夫だよ」
「良かったぁ。ぼくね、王子のこと嫌いじゃないよ? パパがいなかったとき、ずっとそばにいてくれたのぉ」
「ジョシュア王子は優しいね? でも婚約とかはまだ早いから。いいお友達になればいいんじゃないか?」
「うん、そうするぅ。えへぇ、パパはいい匂いがする」
そして、俺の胸に頭をすりつけて。
とても安心した顔で、小枝は寝たのだ。
「俺がいない間、小枝の面倒を見てくださり、ありがとうございました」
小枝を起こさぬように、そっと殿下に言うと。
彼は自嘲した笑みを浮かべる。
「いや。一緒に、大樹がいないことを悲しんでいただけだ。大樹が帰ってきたら、あれをしよう、これを食べたいって。言い合って。慰め合っていた。身の回りの世話は、ほとんどレギが。かいがいしくしていたぞ」
「じゃあ、レギにも。他のみなさんにもいっぱいお礼を言いますね?」
川の字になって、手枕で話していると。
殿下が手を伸ばして。俺の頬を撫でた。
「おまえがいなくなって。俺の心の中には大樹だけが詰まっていたのだと、つくづく実感した。もう、女神にも。誰にも。奪わせぬ」
「女神が手出ししなかったら、俺は死んでいたみたいですから。これからは、ディオンが俺を守ってください。手出し無用と女神に啖呵を切ったのでね、もう助けの手はないですよ」
「あぁ。大樹は一生俺が守る」
口がやんわり微笑んで。目の色も柔らかい。
体中で愛おしいと言われているようで。
俺は照れてしまうのだ。
「小枝が使命を果たしたということは。やはり聖女の役目はスタインベルン王家の救済なのか?」
「ええ。この先まだ、こまごまとしたことは起きるようですが。聖女は、スタインベルン王家、または国が窮地に陥ったときに現れる、女神の分身、助けの手、ということらしいです。前回はその使命が果たせなかった。その魂を持ったまま、小枝に転生し。使命を果たすためにもう一度同じ時に戻ってきた。俺は、それに巻き込まれただけという…」
真の女神の遣いは、小枝だ。俺は小枝のおまけ。
おまけが、殿下と結婚なんかして、すみませんという気になった。
「では、小枝のおかげで俺は大樹と巡り会えたのだな? なんという奇跡的なことだろう。俺はこの幸運に最大限の感謝をささげる」
「女神の遣いのおまけをありがたがってくれて、ありがとうディオン。少しは後ろめたさがやわらぐよ」
「なにを言っているのだ? 大樹がいなければ、王家の癌はいまだ巣食ったままだっただろう。それに、小枝も。大樹がともにいたから、このように早く使命を果たせたのだ。大樹がいなければ、きっと、もっと時間がかかっていたはずだ。それこそ、小枝が成人するぐらい長い時間がかかったかもしれない。俺も死んで、エルアンリも死んで。ジョシュアも今のようにほがらかではいられなかっただろう。そんな中で小枝が元王妃を粛正するのは大変なことだ」
「俺は。小枝の力になれたのなら嬉しい。小枝がこの先、笑って過ごせるように。処刑の影におびえないように。そうできたら、それでいいのです」
「あぁ、そうしよう。大樹と、俺で」
俺はそうでもないけど。
ディオンにとっては久しぶりの、家族三人での眠りに。
やはり、とても安心した顔で彼も目を閉じる。
俺はスリーパーをかけて。
愛する者たちを安らかな眠りに誘うのだった。
★★★★★
今日は披露宴です。
みなさんの前で、ファーストダンスを踊っています。会の主役が一番はじめに踊るっていう、アレです。
殿下が酔った勢いで、ダンスさせられたことはありましたけど。
社交ダンスなんか、日本で踊ったことないし。つか、ダンス自体ほぼほぼ経験なしだったし。体育系はそんなに得意ではないしで。
ブンチャッチャを会得するのは大変でした。
いや、頭ではわかっている。しかし体がついてこないってことでね。
アラサーのおっさんに無理させないでくださぁい。
まぁ、でも見られるくらいには、上手に踊れるようになりましたよ。
ディオンのリードも巧みなのでね。
身長差も、なんでかいい感じなので。なんでか。
みなさん、ひろーい心で、目を細めて見てくれていることでしょう。
見られると言えば。
ディオンのクマも治ったよ!
毎晩、顔のマッサージをしてあげたからな。これ、別料金ですからね。
俺の太ももの上に頭を乗せて…いわゆる、膝枕ですけど。
とろりとした化粧水を手に馴染ませて、鼻の付け根からこめかみへ、目のふちを弧を描くようにして揉み込みます。
あ、もちろん。小枝がいないところでですよ?
小枝が王子とノアと、王子の部屋で寝ているときだけだよ。
大人のイチャイチャは、子供には見せられませんからね。
いや、イチャイチャじゃなくて、マッサージだけどねっ。
で、頬骨のあたりにツボがあるので、そこを押したら、またこめかみへ。鼻の下の部分から弧を描いてこめかみへと。ゆっくり、やんわり、揉んでぇ。
最後にこめかみから耳の前を通って後ろへ、リンパが流れるように、首筋、鎖骨まで。その道筋を十回繰り返すぅ。
「大樹、これはなんだぁ? 天国なのか? 気持ち良すぎて女神に召されそうだ」
やめてください、縁起でもない。
「これは、リンパマッサージですよ。皮膚の下にある体液を流すイメージでね。顔がむくんだり、ディオンのように目の周りがお疲れの方にもおすすめです。でも、目蓋の上は力をかけないで。優しく触れるだけにしてくださいね。石鹸の泡で洗顔しながらしても、顔が一回り小さくなりますよ?」
そうは言っても。ディオンは俺より断然顔が大きいのだ。
体格とのバランスで小顔に見えなくはないが。実際は小顔ではないな。
「おまえのウンチクを聞くと、おまえが帰ってきたんだなぁって実感できるというか…レタスマヨ炒めの話を聞いて涙ぐんでしまったのは…黒歴史だっ」
「えぇ? いいじゃないですかぁ。可愛かったですよ、殿下」
「…茶化すな」
そして、フッと笑う、余裕のディオンが戻ってきて。
手で頭を下げさせられてチュウウゥゥとか、しちゃったりして。
やはりお子様には見せられませんな。
まぁ、そんなわけで。披露宴当日はクマもすっかり取れて。
ストレスなし、お肌ぷるぷるのイケメン殿下に戻りました。やりましたっ。
そして殿下とのファーストダンスも無事に、彼の足を踏むことなく、終えられたのだった。ふぃー。
披露宴にはスタインベルンの貴族の方も招いているが。外国の要人も招いている。
三ヶ月前に結婚式に出席した方は、ほぼ本日も参加してくれたらしいよ。
何度もご足労おかけして、すみませんん。
しかし、消えた花嫁が。戻ってきたわけだから。
気になっちゃうは、なっちゃうよね?
どうしていたんだ、どこへ行ったんだ、とは。遠回しにやんわり聞かれるが。
国家機密扱いになりましたと言えと、事前にレクチャーを受けました。
まぁ、女神と世間話していましたとは言えないよねぇ。
そんな中、ニジェールを一団にまぎれ込ませてしまったディアイン国の王子は。
平謝りで。
しかし、廃嫡の件を知らなかったのだから仕方がないのだ。それよりもっ。
「カレー粉、ください」
笑顔でそう言ったら。
「王家秘伝の最高のスパイスで調合されたカレー粉を、毎年無償でお送りさせていただきます。王太子妃様が御所望ということで、本日も何種類か持参いたしております。お試しいただきお気に召すものをお選びくださいませ。なので…なにとぞご容赦をぉぉ」
ということで。
やったねっ、カレー粉をとうとうゲットです。
本当、カレーなら。週一でもいいくらいに人気のレパートリーだからな。
子供の味方。そして困ったときのカレー頼みでシンパパの味方でもあるのだっ。
そしてそして、今度こそ。
無事に披露宴を終え、結婚式はミッションコンプリート、だね。
そのあとのことはぁ。
神の手で人々を癒したり…あ、お医者の業務だよ?
奴隷制を廃止したり。戦災孤児を救済する児童福祉施設を作ったり。
治癒魔法士の定価を下げて、地方を回ったり。
小枝が疫病が蔓延する前にクリーンで清めて、大活躍したりするけど…。
それは、いつかのお話だ。
「パパぁ、今日のご飯はなぁに?」
「大樹、今日はなにを作っているのだ?」
小枝とディオンが厨房に顔をのぞかせる。
俺は王太子妃になっても、安定の飯炊きおっさんで。
今日も愛する人と愛する息子のために美味しいご飯を作るのだ。
いや、本職は医者だけどねっ。
END
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