96 / 174
68 スパダリへの道は試練の道 (小枝)
しおりを挟む
◆スパダリへの道は試練の道 (小枝)
パパが殿下と婚約しました。
でもね、王様に報告していないから、まだ正式じゃないんだって。めんどくさっ。
どうせ王様が反対しても殿下はパパと結婚するんでしょ?
なら正式でいいじゃんね??
しかしながらぼくは、かんがいぶかく思い返すのです。
身請けされたばかりの頃は、殿下がすっごいおうへいで、口はへの字だし。ずっと怒っているみたいだったから、パパはぼくと抱き合っておののいていましたけど。
でもパパは。将来の心配はちょぉぉっとしたみたいだけど。
まぁまぁ最初から、殿下のことは怖がっていなかったよねぇ?
「もっと怖い患者さんの診察をしたこともあるし。強面の人は案外優しい人が多いんだよ? 律儀にお医者さんを敬ってくれたりね。鉄砲玉になった暁にはよろしくって言われたときは、さすがに笑顔が引きつったけどぉ」
って、前にパパは申しておりました。
てっぽうだま…は、ぼくはよくわかりませんけどぉ。
だからパパは。どんな患者さんも平等に診るすごいお医者様なの。
だからパパは。殿下のことを怖がらなかったんだね?
不愛想な殿下のこと、いい人だよ、たぶん…みたいなことを言っていたもの。
ぼくは、とにかくパパについていくの。
こんな小さな体じゃぁ、パパのお手伝いとか上手にできないけど。
メスで切ったり糸で縫ったりはできないけど。
パパはぼくのお手伝いは上手にできているって。褒めてくれるの。エヘン。
えっと、なんだっけ?
あ、だから、ぼくはパパのそばにずっといます。
パパが殿下と結婚しても、一緒にいます。
一緒にいていいって、パパも殿下も言ったもの。だから大丈夫なの。
パパは殿下といると。ほんのりだけど、頬が赤くなって綺麗になるの。
その顔、ぼくも好きぃ。
だから、ぼく。パパのそばに殿下がいてもいいよって気になる。
パパの一番は、ぼくだから。二番目ならいいよ。
殿下はぼくの弟みたいなものだから。二番目でいいでしょ?
しかし。とうめんの問題はそこではない。
今、やっかいなのは。隣でパンケーキを頬張るジョシュア王子のことですっ。
なんでか、王子が北の離宮で暮らすことになってしまったのだぁ。
ぼくは。処刑回避のためにも王子から距離を取りたいのに。
なんでか、ぐいぐい来るよね、なんでか。
今は朝食の時間です。
北の屋敷の食堂は、とぉぉぉっても大きかったけど。
テーブルもまぁまぁ大きいのがあるのだけど。
ぼくがここに来たときは。ぼくとパパと殿下とレギとグレイだけだったから、小さな机で食べていたの。
でも今は。食堂の大きさに見合ったテーブルがデデンと中央にあり。そこに大勢の人が腰かけて食べています。
テーブルのお誕生日席のところに殿下がいて。
その左右の席に、エルアンリ様とジョシュア王子。王族ですね。
エルアンリ様の横にジュリア、ローク先生。
ジョシュア王子の横に、ぼく、パパ、ノアと座る。
騎士服を着るアンドリューさんは、殿下と王子の警護で、すぐ後ろに立っていて。
レギとグレイが殿下とエルアンリ様側の給仕に。
王子の執事が王子の給仕に。
という感じで。大所帯になったなぁぁ、と思います。
食堂には十二人いますよぉ? すごぉい。
ちなみに。本当は序列的に、公爵子息となったパパは王子の隣に座るものなのですが。
王子が『コエダがとなりがいい』って駄々をこねたから、こういう順番になりました。
もう、そういうところですよ、王子ッ。
テーブルの真ん中には、大盛りの生野菜。馬鹿みたいにブリブリしたソーセージの盛り合わせ。厚切りのハムがビロビロ―と並ぶ大皿。そして、甘いパンケーキのタワーと、甘さ控えめのパンケーキタワーがあって。
そこから好きに取って、パンケーキにはさんで食べる感じ。
ぼくと王子とノアという子供チームは、パパによって強制的に野菜を盛られちゃうけどね。
甘い方のパンケーキにバターと蜂蜜をたっぷりかけてくれるの。
ぼくはまだ、ナイフが上手に使えないから、パパに切ってもらうけど。
ホントは丸いまま食べたいお年頃。
「コエダ、なんだこれはぁ? 美味しいなぁ?」
ジョシュアが甘いパンケーキを頬張りながら聞いてきます。
それ、いつもは殿下のセリフなんですけど。セリフドロボーです。
ぼくもいつものように『端っこのカリカリって焼けたところが甘くて美味しいのぉお』と食レポをしたいところだがぁ。
でも、王子の口の周りがハチミツとバターでデロデロです。
「ほらぁ、お口が汚れていますよ? 王子なのだから、がっついて食べないのっ。もっと上品に食べてぇ」
ぼくは紙のナプキンで王子の口を拭いてやる。ゴシゴシ。
「ぷぁっ…だけどコエダァ、これは大きく切って口いっぱいに入れる方が、美味しいぞぉ?」
王子はもうナイフを使えるので、好きな大きさに切って、お口にたくさん詰め込む。
もう、そんなに頬張ったら、またお喉に詰まらせますよっ??
でもね。まぁ、それはそうなんですよぉ。
細かく切られたホットケーキほど美味しくないものはないというか?
いえ、パパのホットケーキは細切れでも美味しいですけど。
あぁあ、ぼくも。ナイフの使い方をパパに教えてもらおうかなぁ? 怖いけど。
まぁ、メイのときに使ったことはあるんだけどね。
ナイフがでかくて、すごく切れるから。ぶきっちょなぼくは怖いなぁって思って。
パパも危ないからって、切ってくれるんだけど。
でも、王子も使っているのだから、ぼくもできないことはなくもない?
ぼくの弟が殿下で、そのまた弟が王子なのだから。ぼくの下の下。
その王子がナイフを扱えて。ぼくができないのは、兄の威厳が揺らぎますぅぅ。
そんな、お口デロデロの王子だけど。
王子はね。
顔はいいんだよ、顔だけは。
金髪がするするぅのサラサラぁで。つぶらな瞳はスカイブルーで。
白いお肌に、ツンととがった生意気そうな唇。そこはちょっと勝気な性格を表していて。
顔だけならお上品で整った顔立ち、でもなよなよしてなくて。
男の子っぽい面が表に出ているの。
ザ、白馬に乗った王子様。になる予定の、未完成王子なのだった。
あれ。もしかしてこの未完成王子、ぼくが育てるの?
メイが十四歳のときに出会ったキラキラ王子に?
この口元デロデロ王子がなるの?
本当にぃぃ?
いや、素地はある。
うまくすれば、キラキラのクール王子になる。んだろうけど…。
ぼくは、いやだなぁ。
だって、あの王子は。メイの好意を踏みつけても、表情変えない王子だったもの。
ホットケーキ頬張って、美味しいって笑っている王子の方が。ぼくは好きだなぁ。
でも。王子が口元デロデロはいただけないけど。
「王子なんだから、お口の周りに食べ物をつけないようにして食べるのっ、みっともないでしょ?」
隣でパパが、クスクス笑っているけど。
ぼくもたまに、ほっぺに食べ物つけるから。それで笑っているんだろうけど。
いいのぉ、ぼくのことはッ。
今は、王子のお行儀の件ですから。
★★★★★
午前中は、王子のお部屋でお勉強をした。
ノアは、ぼくより年上のお兄さんだけど、勉強は始めたばかりだから、王子と同じくらいの学力で。
殿下が、まだ家庭教師は屋敷に入れたくない、セキュリティー的に。と言うので。
なんでか一番年下のぼくが、みなさまにお勉強を教える感じになります。
でもぼくは、メイの意識がある、中身は大人なのだからねぇ。小学生レベルのことなら教えられますよぉ?
だけど。まぁ、そばにパパはついているけどぉ。
今のぼくは、お医者で頭が良くて、ずのおめいせきなパパにお勉強を教わっているのだからねぇ。ばっちりです。
でもね、メイは。
あの子、頭はあまり良くなかったから。
パパにちゃんと教えてもらった方が確実なのです。
で、パパに教わったことを、ぼくがふたりに教える感じ?
家庭教師コエダ、です。
ノアは、教えたことをすうすう覚える感じで、脳みそ大きいからかなぁって思います。
王子は飽きっぽいから、集中力が続かないの。だからなかなか進まないんだよね?
やる気あんの?
って、ちょっとオコですぅ。
★★★★★
午後は外で遊んでから、昼寝しておやつです。それがルーティーンってやつ。
まずは、お庭の通路で追いかけっこします。
王子は、虫、虫、言っていますが。もう冬になりそうなので、チョウチョも飛んでいないのです。だからカブトムシはもちろん、虫が普通にいません。
王子は植物を手でガサガサかき分けて、しょんぼりしています。
どんだけ虫が好きなのかっ?
虫は、ぼくはあまり好きではない。足がいっぱいついているものは苦手です。
だけど、まぁ、さわれなくもないから?
夏になったら虫取りに付き合ってあげますよ。
そうしたら、王子は。
どこからか小さな青い花の雑草をみつけてきて、ピカリとした顔で笑って、ぼくにそれを差し出した。
「こ、こここ、コエダ。私と婚約してください」
雑草には、罪はないんです。だから受け取りますけど。
もうっ。王子の婚約して攻撃がウザいんです。
王子が北の館で暮らし始めてから、もう何回目かの婚約して、です。数をいちいち数えていられません。
「ぼくは男の子なので、男の子の王子とは婚約しませんんん」
そして、これも何度目かの断り文句です。えぇ、数えていません。
「えええぇぇぇぇ?? だって、コエダのパパは兄上と婚約したんだよ? だからコエダは私と結婚してもいいんだ」
「結婚してもいいって、なんですか? 上から目線ですよっ」
「だって、私は王子だし。王子の求婚をこばんだらダメなんだぞっ?」
腰に手を当てて、王子は言うけど。
なんで王子をこばんだらダメなの? ぼくわかんない。
「それが上から目線っていうのですぅ。選ぶけんりはこちらにあるんですぅ」
こちらは命がかかっているのだからねぇ。
王子をこばむけんりはありますっ。たぶん。
「えらぶ? じゃあコエダはどんな人が好みのタイプなのだ? どういう人だったら、婚約するのだぁ??」
どんな人? と王子に聞かれ。
ぼくは。手元の雑草をわしゃわしゃしながら、頭に思い描く。
「えぇっとねぇ。まず笑顔が優しくてぇ。頭が良くてぇ。ぼくのことが一番大好きでぇ。ぼくを一生懸命守ってくれる……パパッ」
そうです。ぼくの脳裏に思い浮かぶのは、パパだけなのです。
語尾にはもれなくハートがいっぱいつきますっ。
「パパ? コエダのパパにはかなわないっていうかぁ。肉親は禁止っ。パパとは結婚できないんだからなっ」
「わかっているけど、理想のタイプなの。パパ以上の人じゃなきゃあ、ぼくはラブにはなりません」
そうだ。パパとは結婚できない。しょぼりんぬ。
わかっているけど。
パパより好きになる人なんか、あらわれっこないとぼくは思うのだ。
だからぼくは、一生独身かもしれません。
それで一生パパのそばにいる…あら? それはそれでよいのではぁぁ?
「でも、今コエダが言ったのは、私にも当てはまるぞ? 母上は私の笑顔が最高に可愛いって言うし、父上は私が一番頭が良いって言ってくれるし、私はコエダのことが一番好きだし、一生懸命守るぞっ」
どやぁぁ、な顔で笑う王子。
その顔、まったくなっていませんっ。そういうところですよ?
ぼくは王子にこんこんと言い聞かせるのだった。
「ぼくのママは例外ですけどっ、世の中のたいていの母親はどんなにぶさいくでも、子供をかわいいって言って育てるものなのですぅ。それに王様は溺愛フィルターがはなはだしいのです。頭が良いとかは、かけ算ができるようになってから言ってくださいっ」
「か、か、か、かけざんんんっ? ムリムリ。あれ、全然意味わかんないもん」
「そしてっ、そのドヤッた笑顔は全然ダメです。もっと、柔らかくて、ほのぼのとしてぇ、こう、口角をやんわりあげてぇぇぇ…」
ぼくは王子の顔に手を当てて、頬をぐねぐねと動かした。
むぎぎ、うーん、うまく笑顔になりませんね?
「コ、コエダ? ホントか? ホントにこの顔か?」
王子の顔を、しばらくぐねぐねしてみたが。
「ダメです、ちがいます。引きつっています。パパの笑顔をみならってください」
そうして、背後にいるパパを、ぼくはビシィィと指差します。
そうです。今までのやり取りは全部、パパもノアもアンドリューさんも見ているのですっ。
なんというはずかしめでありましょう。
そしていつも優しいお顔で笑うパパは、ぼくに指差されて苦笑です。
「そういえば、コエダのパパは、いつもほんわか笑顔だな?」
ジョシュア王子も同意です。そうでしょう??
「そうなのです。患者さんにも、タイジュ先生の笑顔はいやされるわぁって評判だったのです」
ぼくはパパを褒められて、超ご機嫌です。
意気揚々と、パパのすごいぞエピソードを披露します。
「患者? タイジュはお医者さんなのか?」
「そうですよぉ、殿下もアンドリューさんもパパは治したんです。優秀なんですよぉ?」
「えっ?」
驚いた声を出したのは、ノアです。
ノアは口を手で押さえて居住まいを正しますが。
「ノアも、お話に入っていいんですよ? 専属騎士は、学園にも連れて行く従者のようなこともするし。王子と一番仲の良いお友達になるものなのでしょう?」
そう言って、ノアを誘った。
ふたりきりより、ノアが間に入った方が婚約して攻撃を回避できると思ったし。
ノアともっとお話したいっていう気持ちもあったんだよ?
王子が嫉妬するから、なかなか話しかけられないけどぉ。
「しかし、私は庶民ですし。王子のお友達など、恐れ多くて…それに、王子とコエダ様のお話の邪魔はできません」
でもノアは控えめだから、一歩下がっちゃうの。
「お友達になるのだから、邪魔とかないのぉぉ。ね、パパ?」
パパにたずねたら、いつもの優しいお顔でパパは答えてくれた。
「そうだよ。みんな友達。身分を超えて、心を開ける人がそばにいることが大事なことなんだよ?」
さすが、パパです。ぼくもそれが言いたかったのです。
「身分を超えて…」
ノアはパパの言葉に感じ入って、アンドリューさんをみつめます。
そうでしょう? パパはいいこと言うよねぇ?
「ぼくも治療のお手伝いをしたのです。ね、アンドリューさん?」
「あぁ、コエダちゃんの言うことは本当だよ、ノア。私はタイジュ様とコエダちゃんに助けられたのだ」
アンドリューさんがうなずくと、ノアはぼくをそんけーの眼差しでみつめた。キラキラです。
「とにかく、王子は医者のパパよりもかしこくならないとダメなので。お勉強をいっぱいしなきゃです。物腰が柔らかくてぇ、性格も優しくてぇ、誰にも好かれるスパダリにならなきゃ、ぼくの心は動きませんよぉ」
「すぱだり? それはなんだ、コエダ?」
「えぇっとねぇ、なんだっけぇ? パパ」
振り返ってパパに聞くと、小首を傾げた。
「ごめん、小枝。パパもスパダリはわからないなぁ?」
パパにわからないことがあるなんて、ぼくは衝撃です。
パパはなんでもできる、すっごい人だし。パパはなんでも知っていると思っていましたぁ。
しかし、わからないものは仕方がない。えぇぇぇ…。
「えぇっとねぇ。とにかく、スーパーすごいパパみたいな人って意味なのぉ」
なんとか絞り出して言いました。ま、ほぼほぼ合っているでしょう。
「そんなの、すぐはムリだよぉ」
王子は眉尻を情けなく下げて、もう降伏宣言です。
顔しか取り柄がないんだから、そこはいつもきれいにキープしなさい。
あと、あきらめるのが早いっっ!
「もちろん、時間をかけてスパダリになるのです。スパダリへの道は試練の道なのです。でも、一生懸命頑張ってくれるならぁ、ご学友にならなってもいいですよ??」
「本当かっ?」
ぼくが譲歩したら、王子はぱぁぁぁっと明るく笑った。
うむ、その顔は悪くない。
「でも、婚約はぼくが認めるスパダリになってからですよ?」
「うーん、わかったぁ…。じゃあ、まずはご学友から。よろしくな、コエダ」
さっそく不満げなわかったぁ…で。ぼくは目を吊り上げます。
「はい、だめぇ。わかったぁ…じゃなくて。もっと爽やかに、にこやかに。パパの笑顔のみたいになって、言い直して? はいっ」
ぼくがうながすと、王子は本領発揮のキラリン笑顔を浮かべて、言った。
「わかったよ、コエダ。私のご学友になってくれ」
「はい、よくできました」
「王子を手玉に取る俺の息子が末恐ろしい…」
パパがなんかつぶやいてますけど。
なんか言ったぁ?
パパが殿下と婚約しました。
でもね、王様に報告していないから、まだ正式じゃないんだって。めんどくさっ。
どうせ王様が反対しても殿下はパパと結婚するんでしょ?
なら正式でいいじゃんね??
しかしながらぼくは、かんがいぶかく思い返すのです。
身請けされたばかりの頃は、殿下がすっごいおうへいで、口はへの字だし。ずっと怒っているみたいだったから、パパはぼくと抱き合っておののいていましたけど。
でもパパは。将来の心配はちょぉぉっとしたみたいだけど。
まぁまぁ最初から、殿下のことは怖がっていなかったよねぇ?
「もっと怖い患者さんの診察をしたこともあるし。強面の人は案外優しい人が多いんだよ? 律儀にお医者さんを敬ってくれたりね。鉄砲玉になった暁にはよろしくって言われたときは、さすがに笑顔が引きつったけどぉ」
って、前にパパは申しておりました。
てっぽうだま…は、ぼくはよくわかりませんけどぉ。
だからパパは。どんな患者さんも平等に診るすごいお医者様なの。
だからパパは。殿下のことを怖がらなかったんだね?
不愛想な殿下のこと、いい人だよ、たぶん…みたいなことを言っていたもの。
ぼくは、とにかくパパについていくの。
こんな小さな体じゃぁ、パパのお手伝いとか上手にできないけど。
メスで切ったり糸で縫ったりはできないけど。
パパはぼくのお手伝いは上手にできているって。褒めてくれるの。エヘン。
えっと、なんだっけ?
あ、だから、ぼくはパパのそばにずっといます。
パパが殿下と結婚しても、一緒にいます。
一緒にいていいって、パパも殿下も言ったもの。だから大丈夫なの。
パパは殿下といると。ほんのりだけど、頬が赤くなって綺麗になるの。
その顔、ぼくも好きぃ。
だから、ぼく。パパのそばに殿下がいてもいいよって気になる。
パパの一番は、ぼくだから。二番目ならいいよ。
殿下はぼくの弟みたいなものだから。二番目でいいでしょ?
しかし。とうめんの問題はそこではない。
今、やっかいなのは。隣でパンケーキを頬張るジョシュア王子のことですっ。
なんでか、王子が北の離宮で暮らすことになってしまったのだぁ。
ぼくは。処刑回避のためにも王子から距離を取りたいのに。
なんでか、ぐいぐい来るよね、なんでか。
今は朝食の時間です。
北の屋敷の食堂は、とぉぉぉっても大きかったけど。
テーブルもまぁまぁ大きいのがあるのだけど。
ぼくがここに来たときは。ぼくとパパと殿下とレギとグレイだけだったから、小さな机で食べていたの。
でも今は。食堂の大きさに見合ったテーブルがデデンと中央にあり。そこに大勢の人が腰かけて食べています。
テーブルのお誕生日席のところに殿下がいて。
その左右の席に、エルアンリ様とジョシュア王子。王族ですね。
エルアンリ様の横にジュリア、ローク先生。
ジョシュア王子の横に、ぼく、パパ、ノアと座る。
騎士服を着るアンドリューさんは、殿下と王子の警護で、すぐ後ろに立っていて。
レギとグレイが殿下とエルアンリ様側の給仕に。
王子の執事が王子の給仕に。
という感じで。大所帯になったなぁぁ、と思います。
食堂には十二人いますよぉ? すごぉい。
ちなみに。本当は序列的に、公爵子息となったパパは王子の隣に座るものなのですが。
王子が『コエダがとなりがいい』って駄々をこねたから、こういう順番になりました。
もう、そういうところですよ、王子ッ。
テーブルの真ん中には、大盛りの生野菜。馬鹿みたいにブリブリしたソーセージの盛り合わせ。厚切りのハムがビロビロ―と並ぶ大皿。そして、甘いパンケーキのタワーと、甘さ控えめのパンケーキタワーがあって。
そこから好きに取って、パンケーキにはさんで食べる感じ。
ぼくと王子とノアという子供チームは、パパによって強制的に野菜を盛られちゃうけどね。
甘い方のパンケーキにバターと蜂蜜をたっぷりかけてくれるの。
ぼくはまだ、ナイフが上手に使えないから、パパに切ってもらうけど。
ホントは丸いまま食べたいお年頃。
「コエダ、なんだこれはぁ? 美味しいなぁ?」
ジョシュアが甘いパンケーキを頬張りながら聞いてきます。
それ、いつもは殿下のセリフなんですけど。セリフドロボーです。
ぼくもいつものように『端っこのカリカリって焼けたところが甘くて美味しいのぉお』と食レポをしたいところだがぁ。
でも、王子の口の周りがハチミツとバターでデロデロです。
「ほらぁ、お口が汚れていますよ? 王子なのだから、がっついて食べないのっ。もっと上品に食べてぇ」
ぼくは紙のナプキンで王子の口を拭いてやる。ゴシゴシ。
「ぷぁっ…だけどコエダァ、これは大きく切って口いっぱいに入れる方が、美味しいぞぉ?」
王子はもうナイフを使えるので、好きな大きさに切って、お口にたくさん詰め込む。
もう、そんなに頬張ったら、またお喉に詰まらせますよっ??
でもね。まぁ、それはそうなんですよぉ。
細かく切られたホットケーキほど美味しくないものはないというか?
いえ、パパのホットケーキは細切れでも美味しいですけど。
あぁあ、ぼくも。ナイフの使い方をパパに教えてもらおうかなぁ? 怖いけど。
まぁ、メイのときに使ったことはあるんだけどね。
ナイフがでかくて、すごく切れるから。ぶきっちょなぼくは怖いなぁって思って。
パパも危ないからって、切ってくれるんだけど。
でも、王子も使っているのだから、ぼくもできないことはなくもない?
ぼくの弟が殿下で、そのまた弟が王子なのだから。ぼくの下の下。
その王子がナイフを扱えて。ぼくができないのは、兄の威厳が揺らぎますぅぅ。
そんな、お口デロデロの王子だけど。
王子はね。
顔はいいんだよ、顔だけは。
金髪がするするぅのサラサラぁで。つぶらな瞳はスカイブルーで。
白いお肌に、ツンととがった生意気そうな唇。そこはちょっと勝気な性格を表していて。
顔だけならお上品で整った顔立ち、でもなよなよしてなくて。
男の子っぽい面が表に出ているの。
ザ、白馬に乗った王子様。になる予定の、未完成王子なのだった。
あれ。もしかしてこの未完成王子、ぼくが育てるの?
メイが十四歳のときに出会ったキラキラ王子に?
この口元デロデロ王子がなるの?
本当にぃぃ?
いや、素地はある。
うまくすれば、キラキラのクール王子になる。んだろうけど…。
ぼくは、いやだなぁ。
だって、あの王子は。メイの好意を踏みつけても、表情変えない王子だったもの。
ホットケーキ頬張って、美味しいって笑っている王子の方が。ぼくは好きだなぁ。
でも。王子が口元デロデロはいただけないけど。
「王子なんだから、お口の周りに食べ物をつけないようにして食べるのっ、みっともないでしょ?」
隣でパパが、クスクス笑っているけど。
ぼくもたまに、ほっぺに食べ物つけるから。それで笑っているんだろうけど。
いいのぉ、ぼくのことはッ。
今は、王子のお行儀の件ですから。
★★★★★
午前中は、王子のお部屋でお勉強をした。
ノアは、ぼくより年上のお兄さんだけど、勉強は始めたばかりだから、王子と同じくらいの学力で。
殿下が、まだ家庭教師は屋敷に入れたくない、セキュリティー的に。と言うので。
なんでか一番年下のぼくが、みなさまにお勉強を教える感じになります。
でもぼくは、メイの意識がある、中身は大人なのだからねぇ。小学生レベルのことなら教えられますよぉ?
だけど。まぁ、そばにパパはついているけどぉ。
今のぼくは、お医者で頭が良くて、ずのおめいせきなパパにお勉強を教わっているのだからねぇ。ばっちりです。
でもね、メイは。
あの子、頭はあまり良くなかったから。
パパにちゃんと教えてもらった方が確実なのです。
で、パパに教わったことを、ぼくがふたりに教える感じ?
家庭教師コエダ、です。
ノアは、教えたことをすうすう覚える感じで、脳みそ大きいからかなぁって思います。
王子は飽きっぽいから、集中力が続かないの。だからなかなか進まないんだよね?
やる気あんの?
って、ちょっとオコですぅ。
★★★★★
午後は外で遊んでから、昼寝しておやつです。それがルーティーンってやつ。
まずは、お庭の通路で追いかけっこします。
王子は、虫、虫、言っていますが。もう冬になりそうなので、チョウチョも飛んでいないのです。だからカブトムシはもちろん、虫が普通にいません。
王子は植物を手でガサガサかき分けて、しょんぼりしています。
どんだけ虫が好きなのかっ?
虫は、ぼくはあまり好きではない。足がいっぱいついているものは苦手です。
だけど、まぁ、さわれなくもないから?
夏になったら虫取りに付き合ってあげますよ。
そうしたら、王子は。
どこからか小さな青い花の雑草をみつけてきて、ピカリとした顔で笑って、ぼくにそれを差し出した。
「こ、こここ、コエダ。私と婚約してください」
雑草には、罪はないんです。だから受け取りますけど。
もうっ。王子の婚約して攻撃がウザいんです。
王子が北の館で暮らし始めてから、もう何回目かの婚約して、です。数をいちいち数えていられません。
「ぼくは男の子なので、男の子の王子とは婚約しませんんん」
そして、これも何度目かの断り文句です。えぇ、数えていません。
「えええぇぇぇぇ?? だって、コエダのパパは兄上と婚約したんだよ? だからコエダは私と結婚してもいいんだ」
「結婚してもいいって、なんですか? 上から目線ですよっ」
「だって、私は王子だし。王子の求婚をこばんだらダメなんだぞっ?」
腰に手を当てて、王子は言うけど。
なんで王子をこばんだらダメなの? ぼくわかんない。
「それが上から目線っていうのですぅ。選ぶけんりはこちらにあるんですぅ」
こちらは命がかかっているのだからねぇ。
王子をこばむけんりはありますっ。たぶん。
「えらぶ? じゃあコエダはどんな人が好みのタイプなのだ? どういう人だったら、婚約するのだぁ??」
どんな人? と王子に聞かれ。
ぼくは。手元の雑草をわしゃわしゃしながら、頭に思い描く。
「えぇっとねぇ。まず笑顔が優しくてぇ。頭が良くてぇ。ぼくのことが一番大好きでぇ。ぼくを一生懸命守ってくれる……パパッ」
そうです。ぼくの脳裏に思い浮かぶのは、パパだけなのです。
語尾にはもれなくハートがいっぱいつきますっ。
「パパ? コエダのパパにはかなわないっていうかぁ。肉親は禁止っ。パパとは結婚できないんだからなっ」
「わかっているけど、理想のタイプなの。パパ以上の人じゃなきゃあ、ぼくはラブにはなりません」
そうだ。パパとは結婚できない。しょぼりんぬ。
わかっているけど。
パパより好きになる人なんか、あらわれっこないとぼくは思うのだ。
だからぼくは、一生独身かもしれません。
それで一生パパのそばにいる…あら? それはそれでよいのではぁぁ?
「でも、今コエダが言ったのは、私にも当てはまるぞ? 母上は私の笑顔が最高に可愛いって言うし、父上は私が一番頭が良いって言ってくれるし、私はコエダのことが一番好きだし、一生懸命守るぞっ」
どやぁぁ、な顔で笑う王子。
その顔、まったくなっていませんっ。そういうところですよ?
ぼくは王子にこんこんと言い聞かせるのだった。
「ぼくのママは例外ですけどっ、世の中のたいていの母親はどんなにぶさいくでも、子供をかわいいって言って育てるものなのですぅ。それに王様は溺愛フィルターがはなはだしいのです。頭が良いとかは、かけ算ができるようになってから言ってくださいっ」
「か、か、か、かけざんんんっ? ムリムリ。あれ、全然意味わかんないもん」
「そしてっ、そのドヤッた笑顔は全然ダメです。もっと、柔らかくて、ほのぼのとしてぇ、こう、口角をやんわりあげてぇぇぇ…」
ぼくは王子の顔に手を当てて、頬をぐねぐねと動かした。
むぎぎ、うーん、うまく笑顔になりませんね?
「コ、コエダ? ホントか? ホントにこの顔か?」
王子の顔を、しばらくぐねぐねしてみたが。
「ダメです、ちがいます。引きつっています。パパの笑顔をみならってください」
そうして、背後にいるパパを、ぼくはビシィィと指差します。
そうです。今までのやり取りは全部、パパもノアもアンドリューさんも見ているのですっ。
なんというはずかしめでありましょう。
そしていつも優しいお顔で笑うパパは、ぼくに指差されて苦笑です。
「そういえば、コエダのパパは、いつもほんわか笑顔だな?」
ジョシュア王子も同意です。そうでしょう??
「そうなのです。患者さんにも、タイジュ先生の笑顔はいやされるわぁって評判だったのです」
ぼくはパパを褒められて、超ご機嫌です。
意気揚々と、パパのすごいぞエピソードを披露します。
「患者? タイジュはお医者さんなのか?」
「そうですよぉ、殿下もアンドリューさんもパパは治したんです。優秀なんですよぉ?」
「えっ?」
驚いた声を出したのは、ノアです。
ノアは口を手で押さえて居住まいを正しますが。
「ノアも、お話に入っていいんですよ? 専属騎士は、学園にも連れて行く従者のようなこともするし。王子と一番仲の良いお友達になるものなのでしょう?」
そう言って、ノアを誘った。
ふたりきりより、ノアが間に入った方が婚約して攻撃を回避できると思ったし。
ノアともっとお話したいっていう気持ちもあったんだよ?
王子が嫉妬するから、なかなか話しかけられないけどぉ。
「しかし、私は庶民ですし。王子のお友達など、恐れ多くて…それに、王子とコエダ様のお話の邪魔はできません」
でもノアは控えめだから、一歩下がっちゃうの。
「お友達になるのだから、邪魔とかないのぉぉ。ね、パパ?」
パパにたずねたら、いつもの優しいお顔でパパは答えてくれた。
「そうだよ。みんな友達。身分を超えて、心を開ける人がそばにいることが大事なことなんだよ?」
さすが、パパです。ぼくもそれが言いたかったのです。
「身分を超えて…」
ノアはパパの言葉に感じ入って、アンドリューさんをみつめます。
そうでしょう? パパはいいこと言うよねぇ?
「ぼくも治療のお手伝いをしたのです。ね、アンドリューさん?」
「あぁ、コエダちゃんの言うことは本当だよ、ノア。私はタイジュ様とコエダちゃんに助けられたのだ」
アンドリューさんがうなずくと、ノアはぼくをそんけーの眼差しでみつめた。キラキラです。
「とにかく、王子は医者のパパよりもかしこくならないとダメなので。お勉強をいっぱいしなきゃです。物腰が柔らかくてぇ、性格も優しくてぇ、誰にも好かれるスパダリにならなきゃ、ぼくの心は動きませんよぉ」
「すぱだり? それはなんだ、コエダ?」
「えぇっとねぇ、なんだっけぇ? パパ」
振り返ってパパに聞くと、小首を傾げた。
「ごめん、小枝。パパもスパダリはわからないなぁ?」
パパにわからないことがあるなんて、ぼくは衝撃です。
パパはなんでもできる、すっごい人だし。パパはなんでも知っていると思っていましたぁ。
しかし、わからないものは仕方がない。えぇぇぇ…。
「えぇっとねぇ。とにかく、スーパーすごいパパみたいな人って意味なのぉ」
なんとか絞り出して言いました。ま、ほぼほぼ合っているでしょう。
「そんなの、すぐはムリだよぉ」
王子は眉尻を情けなく下げて、もう降伏宣言です。
顔しか取り柄がないんだから、そこはいつもきれいにキープしなさい。
あと、あきらめるのが早いっっ!
「もちろん、時間をかけてスパダリになるのです。スパダリへの道は試練の道なのです。でも、一生懸命頑張ってくれるならぁ、ご学友にならなってもいいですよ??」
「本当かっ?」
ぼくが譲歩したら、王子はぱぁぁぁっと明るく笑った。
うむ、その顔は悪くない。
「でも、婚約はぼくが認めるスパダリになってからですよ?」
「うーん、わかったぁ…。じゃあ、まずはご学友から。よろしくな、コエダ」
さっそく不満げなわかったぁ…で。ぼくは目を吊り上げます。
「はい、だめぇ。わかったぁ…じゃなくて。もっと爽やかに、にこやかに。パパの笑顔のみたいになって、言い直して? はいっ」
ぼくがうながすと、王子は本領発揮のキラリン笑顔を浮かべて、言った。
「わかったよ、コエダ。私のご学友になってくれ」
「はい、よくできました」
「王子を手玉に取る俺の息子が末恐ろしい…」
パパがなんかつぶやいてますけど。
なんか言ったぁ?
757
お気に入りに追加
1,277
あなたにおすすめの小説
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

僕のユニークスキルはお菓子を出すことです
野鳥
BL
魔法のある世界で、異世界転生した主人公の唯一使えるユニークスキルがお菓子を出すことだった。
あれ?これって材料費なしでお菓子屋さん出来るのでは??
お菓子無双を夢見る主人公です。
********
小説は読み専なので、思い立った時にしか書けないです。
基本全ての小説は不定期に書いておりますので、ご了承くださいませー。
ショートショートじゃ終わらないので短編に切り替えます……こんなはずじゃ…( `ᾥ´ )クッ
本編完結しました〜
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる