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66 涙がちょちょ切れマス

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     ◆涙がちょちょ切れマス

 今日、午前十時過ぎくらいに、マリアンヌ様とジョシュア王子が北の館に現れました。
 王子のお泊り会です。
 およそ、一週間をめどに、という話なのですが。
 王子はずっと居座る気満々で。本当に大丈夫ですかぁ?
 小枝などは三日もたなーい、なんて王子をからかってるけど。仲良くしてくださぁい。

 それで、思いがけないお客様が追加です。
 なんと、アンドリューさんです。
 俺は…なんだか彼の顔が見られません。
 フッた、わけではないけれど。
 あれからなんだか高速で、殿下とも婚約なんぞをしてしまってぇ。
 申し訳ないような、ごめんなさいなような。

 そうしたら殿下が、俺の肩を抱き寄せて、みんなの前で婚約宣言をぶちかますから。
 ひぃぃぃぃえぇぇぇ…もう、心臓に悪いですっ。
「デリカシーがないですよっ」
 って、さすがにたしなめてしまいました。
 アンドリューさんが可哀想でしょっ?
 すると、アンドリューさんはお気になさらずと言ってくれて。
 ホント、殿下がすみませぇん。

 俺はいたたまれなかったが。
 殿下が子供たちについていってくれって、言ってくれたので。
 早速、脱出します。
 針のむしろ、とまでは行かないけど。好奇の目、までは行かないけど。
 男同士の婚約でおめでとうと言われる、このなんとも言えない恥ずかしさ。

 無理です。逃げます。

 それで、小枝と王子と、アンドリューさんと一緒に来たノアくんと。
 グレイとともに、王子が滞在する部屋に向かった。
 ジョシュア王子は部屋に入ると開口一番、言った。
「コエダ、彼は俺…私の専属騎士候補のノアだ。私のそばにいればコエダのことも守ってくれるぞ?」
 ノアを紹介した王子は、ドヤ顔で小枝を見やる。

「コエダ様、アンドリュー様の従者見習いで。このたび王子の警護をおおせつかりました、ノアです。よろしくおねがいします」
 ノアが紫色のまっすぐな髪を揺らして挨拶するのに。
「おおぉぅ、新キャラ登場です」
 小枝はそうつぶやく。
 たぶん、ノアは前世で小枝とは会っていないのだろう。

「こんにちは、御厨小枝ぁぁ、じゃなくてぇ。パパ、なんだっけ?」
「ミレージュだよ」
「あぁ、そうです。小枝・みれぇぇじゅ、です。五歳です。よろしくおねがいします」
 そつなく、はできなかったけど。上手に挨拶できたね、小枝。
 薄黄色の頭を下げて、あげて、にっこりする小枝は。とっても可愛いよっ。

 しかし、王子は不満顔です。
「あぁぁ、ズルいぃ。俺のときはパパの背中に隠れたではないか。ノアのことが好きなのか? コエダ」
「はじめて会ったのに、好きも嫌いもないでしょ?」
「だってぇ、俺のときは隠れたじゃぁん」
 地団太を踏んで、くやしがる王子。本当に足を踏み鳴らして怒っていますよ。

「ノア、コエダは私のなのだからな? 好きになっちゃダメなんだからなっ?」
 ノアに指を突きつけて宣言するが。
 小枝は、ぼくはぼくのものですって、つぶやいています。

「ジョシュア王子、ご心配なさらずに。私には心に決めた方がいますので」
 わぁ、ノアは小枝や王子より身長がちょっと高いくらいで、まだ子供の域なんだけど。
 もう好きな人がいるの?
 この世界の子は、結婚とか婚約とかが早くて、ませているねぇ?

「そうなのか? でもノアは私の専属騎士になるんだから。私のことが一番好きじゃないとダメなんじゃないか? その心に決めた人と私が一緒に危険な目に合ったら、ノアはどちらを助ける気だ?」
 おお、大人でも迷う究極の質問きたーーっ。
 それに、小枝を好きにならないでって王子が言ったから、好きな人は別にいますとノアは言ったのに。答えに困る質問を返す王子の理不尽。ひどいです。
 俺は、すでに部屋で王子の荷ほどきをしていた彼の執事を手伝いながら、この緊迫の様子に聞き耳を立てていた。
 ここは息をひそめなくてはならない。
 万が一こちらに飛び火しようものなら…答えられんっ。

「え? そ、それは…」
 即答できなくて、迷うノア。
 すると小枝が言うのだ。
「王子ぃ、そんな子供っぽいこと言ったら可哀想ですよ。ぼくとママが一緒に危険になったらどちらを助けるぅ? ひとりだけしか救えないんだよ? ねぇどっちぃ? って聞いたらパパが絶対困るやつです」
 コントする小枝を見て、王子はむむぅとなって。
「だから、私はコエダを助ける」
 と言う。脈絡が…?
 いやきっと、短い間に、王子の脳内で小枝の危機を救う王子の壮大な冒険譚が繰り広げられたに違いない。

「だからって、なに? 王子は不思議ちゃんです」
 しかし小枝には全然王子の脳内活劇が理解できないのだったぁ。
 無理もない。

「ノアも、真面目に答えなくていいからねぇぇ? 王子に付き合っていると、ホント、変なことばかり起きるんだから。ヤバいやつからだけかばってあげてぇ」
「はい。コエダ様、助けの手をいただき、ありがとうございます」
「小枝様はこそばゆいですねぇ。コエダでいいですよ? あ、でも。みれぇぇじゅは様をつけるおうち? じゃあ、仕方がないのかな?」
 様付けに慣れず、小枝はポアポアな髪を手で撫でつけながら照れる。
 前世で、小枝は子爵家に引き取られたので。家の体面とかは厳しくしつけられたみたい。だからそういう家格に相応しい対応とか言葉遣いとかは。俺よりもできるんだよね。
 俺にも教えてください、小枝先輩。
 そして王子は『たすけの手ってなんだよぉ』とプンスカしてます。
 まぁまぁ。どうどう。
 子供の人数が増えて、さらにワチャワチャの予感です。

 ところで、王子が滞在するのは。
 エルアンリ様と同じ階で、ジュリアの部屋の対面に当たる部屋です。
 仕様は、一応王族の方が泊るための部屋と、同じ様式です。寝室と居間、世話人が休む部屋がくっついた感じですね。
 そこに、王子と王子の世話をする古株の執事さん。そしてノアとアンドリューさんも警護騎士として滞在することになりました。
 アンドリューさんのことは、気にしない方がいいとは思うんですよ?
 でも。どうしても気が引けてしまいますよね。
 いいえ、アンドリューさんはお仕事で来ているのだから。遠慮したら、彼も居づらくなります。
 心を切り替えていきましょう。

 そして、俺にはもうひとつ気になることがあります。
「ノアくん、不躾ぶしつけなことを聞くけれど…もしかしてハッカクってお兄さんいない?」

 戦場に行く道中で出会ったハッカクは、ノアという弟と生き別れになってしまったのだ。
 ノアという名前だけだったら、結びつけるのは強引かもしれないけど。
 彼の髪はハッカクと同じ紫色で。年の頃も同じくらいかと思って。
 いや、アンドリューさんのところにいる子だから、貴族の子弟かもしれないけどね?
 だけど、ノアは俺の言葉に、目を丸くするのだ。

「兄を…ハッカクを知っているのですか?」
 おぉ、ビンゴで。こちらも驚きだ。
「ハッカク、知っているよ。お兄さん? 本当に?」
 ちょっとドキリとして、テンションが上がる。

「はい、ハッカクは兄です。あの…無事ですか?」
 戦場に連れて行かれたのを知っているのかもしれない。ノアは恐る恐る聞いてきた。
「あぁ、元気だよ。今は奴隷契約も解かれて、そのまま商会に勤めているんだ。お金を貯めて、弟と暮らすのが夢なんだって。あのね、今日ハッカクはうちに仕入れたものを届けてくれるんだ。会ってくれる?」
「もちろんです。あぁ、本当に? 兄が生きている? 兄に、今日会える? 本当に?」

 警護騎士として、ノアはこの屋敷に来てからずっと背筋を伸ばして緊張感を張り巡らせていた。
 まぁ、はじめてのお役目なのだろうから。ピリピリしちゃったんだろうね?
 でもハッカクのことを知って。
 子供らしい顔つきで、ノアは涙を流した。
 ハッカクと離れて、何ヶ月もひとりで頑張ってきたんだもんね?

 俺はノアをそっと抱き寄せて。背中をテンテンしてあげた。
「大丈夫だよ。昼前にはハッカクは来るから」

 急に泣き出したノアに、小枝も王子も目が丸くなっちゃった。
「ほらぁ、王子がイジメるからですよ?」
「いじめてないしぃ。ちょっと質問しただけではないかっ」
「王子はまだまだお子様なのだからねぇ。この屋敷にいる間、ぼくが王子をしつけなおしますっ」
「しつけ? お勉強? それとも遊ぶのぉ? 絵本?」
「まずは絵本ですっ。ぼくのとっておきをお貸ししましょう」
 そうして小枝は絵本を取ってきて、寝室の方に向かうのだ。
 ベッドでゴロゴロしながら絵本を読むのだろうね?
 しつけ的には大丈夫なのかな、それ?

「あ、ぼくも行きます。目を離すなって、アンドリュー様に言われているので」
 目尻の涙を拭って、再び背筋を伸ばすノア。
 真面目さんだね。
「俺も行くよ。あのふたり、目が離せないから。ノアは大変だよぉ? 頑張ってね」
「はい、タイジュ様」

 あぁ、確かにこそばゆい感じだね、小枝。

 俺は荷ほどきをグレイと王子の執事に任せて、寝室に入った。
 そこでしばらく遊んで。
 昼前に、アンドリューさんにも事情を説明して。

 ノアはみんなが見守る中、ハッカクと再会した。

「兄さん、本当に生きていたんだね?」
「ノア、なんでここに?」
 ハッカクは醤油とお米と海産物を持ってきてくれたんだけど。
 北の館にノアがいたから。
 抱えたコメを落とす勢いで驚いていた。

 だけどとにかく、抱き合って。互いの無事を確かめ合っていた。

「良かった。なんでもいい。とにかく、生きていてくれて良かった」
「兄さん…」
 ノアは、また泣いちゃったけど。
 仕方がないよ、肉親との感動のご対面だものね。

 俺ももらい泣きで涙がちょちょ切れマス。

「おまえ、首輪がないな? 奴隷解除されているのか?」
「うん。アンドリュー様が良くしてくださって。解放もしてくれたんだよ」
 えぇ? アンドリューさんって、なんて素敵な人なんだ?
 大金を支払って身請けしただけでなく?
 仕事の手配もして。従者になるべく教養も騎士の訓練もしてくれるなんて。

 尊敬っ。俺ができなかったことだから、本当に尊敬します、アンドリューさん。

 それにはハッカクも驚いて、アンドリューさんに深々と頭を下げていた。
「アンドリュー様。弟を救っていただき、本当にありがとうございます」
「いや…そのように感謝されるいわれはない」
「そのような。アンドリュー様は俺らの命の恩人です」
 キラキラした目でアンドリューさんをみつめるハッカク。
 アンドリューさんはそのキラキラが受け止めきれない様子。謙虚なのですね?

 そこに、口をムッとさせて、ノアが間に入る。
「兄さん、アンドリュー様を好きになっちゃダメッ」
「なんだよぉ。命の恩人なんだから、好きになるだろ?」
 ハッカクは、どういう意味かわからず首を傾げる。
 弟くんはアンドリューさんにとても懐いているんじゃないかなぁ? たぶん。

「アンドリュー様、俺はまだ働き出したばかりで元手はありませんが。ノアを養っていけます。弟と暮らすことを許していただけませんか?」
 そのハッカクの言葉に、アンドリューさんが口を開こうとしたが。
「兄さん、それは出来ない。ぼくはアンドリュー様のお屋敷で働きたいんだ」
 アンドリューさんが言葉を発する前に、ノアが兄に首を振ったのだ。
 ハッカクは戸惑ってしまう。
 兄弟で暮らすのを楽しみにしていたし。弟くんも同じ考えだって、普通は思うもんな。

「ノア。だが、おまえは十歳で…」
「アンドリュー様は王宮や貴族の館で働けるよう教養を身につけてくださるし。それに、ぼくは騎士になりたいんだ。立派な騎士になって、ぼくはアンドリュー様を支え、兄さんのことも養えるようになりたい」
「それは、すごいことだが。アンドリュー様の御迷惑になっていないか?」
 ハッカクに言われ、ノアはそのことに気づいていなかった、という顔になり。
 心許こころもとなくアンドリューさんをみつめる。

「いや、迷惑なことはない。ノアは屋敷の仕事も上手にこなしているし、真面目で堅実で、彼が屋敷で笑うと花が咲いたかのようで。屋敷の空気も明るくなっている。ノアはむしろツヴァイク家になくてはならない子になっているよ。ただ、肉親がいるのなら家族で暮らすのが良いと思う」
「兄さんが元気に暮らしているのがわかって、ぼくはそれだけで心が落ち着きました。騎士やアンドリュー様の従者になるには、ツヴァイクのお屋敷で働いていた方が集中できます。なので、どうか引き続きお屋敷に置いてほしいです」
 すがるような目でアンドリューさんをみつめるノアに。彼はうなずいた。

「ハッカクが良いなら、私はそれで構わないよ」
「それは、こちらこそ。素敵な騎士様にお目にかけていただき、光栄です。どうかノアをよろしくお願いします」
 そうしてハッカクは、ノアの頭を手で乱暴に撫でた。
「おまえの消息が知れて、俺も気持ちが落ち着いた。これからはじっくり仕事に精を出せる。いつでも俺に会いに来いよ? っても、買い付けであちこち飛び回ってていないかもしれないけど。一応、ユカレフ商会で働いていて、住まいはここだから」
 ハッカクは商会が所有する賃貸物件に住んでいるらしい。その場所をノアに教えていた。

「タイジュ、ありがとう。タイジュがノアのこと気にかけてくれたから、こうして俺ら、会うことができた。俺とタイジュが出会った頃は、もうこの世の終わりかと思っていたが。今、俺は幸せだ」
 ハッカクが俺に向き合って言ってくれて。
 なんか、ジーンときたよね。
 ほろ馬車の中で悪態あくたいをつきまくって、目が合う者みんな敵のように威嚇いかくしていたハッカクが。
 戦場で生き抜いて。今はまっとうに働いていて。
 幸せだなんて、言うんだもんな。

「そうだね。ハッカクもつらい目にあって大変だったけど。今幸せだって思えるなら、俺も嬉しい。俺、ハッカクになにもしてやれなくて、大人として恥ずかしい限りだったけど。弟との再会のつなぎができて、良かった。あとな、俺も今、幸せだよ」
 お互いに幸せになれて良かったなって気持ちで、ハッカクとみつめあう。
 いまだに、いろいろバタバタしているけど。
 ようやく腰を落ち着けられるようになったし。
 婚約も…したし?
 小枝も元気だし。

 まぁ、幸せだ。

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