【完結】異世界転移パパは不眠症王子の抱き枕と化す~愛する息子のために底辺脱出を望みます!~

北川晶

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40 お引越しをする前に

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     ◆お引越しをする前に

 エルアンリ王子の初診から一週間が経ちまして。再び西の離宮へ参ります。
 少しは容態が改善されているといいのですけど。

 西の離宮に到着し、馬車から降りるとき。
 俺より先に降りた殿下が、手を差し伸べてくれた。
 ん? 今までそんなことをしなかったのにな。と思いつつ。
「ありがとうございます」
 と言って、その手を取って降りたけれど。
 うーん、なんかなぁ…?

「あの、もしかして女の子扱いしています?」

 ディオンの手を取るというのは、王族の手をわずらわせるというか? 俺は従者なのに、ディオンにそんなことさせちゃダメなんじゃないかとかぁ? いろいろ思ってしまって。
 つか、俺は成人男子だし、馬車はひとりで降りられますよ?
 という気持ちでつぶやいたら。

 殿下が犬歯をむき出しにして怒った。
「は? おまえ、先週騎士の手を取ったときはそのようなことを言わなかったではないか。大体おまえは、すぐに誰彼構わず愛想を良くして…」
「はいはい、女の子扱いじゃなければいいのですよ。すみませぇん」
 一聞いたら十返ってきたので。
 俺は、すぐに引いた。
 人様の玄関先で揉めるのは良くないですよ。

「殿下、今日は殿下がパタパタしてくださいっ」
 今日も元気いっぱいな小枝は。殿下におねだりするのだった。
 殿下は一応王族のえらい人なのに。全然物怖じしないんだよね。
 あまつさえ、小枝は殿下を下に見ているような気もします。恐れ多いっ。
 あと、俺が手を引いてもらったから、うらやましくなったのかもな?

 気を悪くした様子もなく、殿下はウムとうなずいて。俺がいつもするように。小枝の脇に手を入れて、高く高く掲げるのだった。
「うわぁぁぁ、たっかぁあい。パパより高くて、こわぁぁい、でも海賊とおんなじくらいだからおもしろぉーい」
 小枝は手も足もパタパタさせながら、キャッキャと喜ぶのだった。
 はしゃぐ小枝は今日もマイプリティーエンジェルだが。パパとしては、ちょっとがっかりです。
 高く掲げてやりたいが、身長はもう伸びません。ぐぬぅ。

 さて。殿下のお屋敷と同じように、西の離宮にも使用人があまりいないようで。
 今回の出迎えもジュリアさんでした。性別不明。
 王子の体調は良いようで。今日は一階にあるサロンでお会いできるようです。
 起き上がって客を迎えられるくらいには回復したということですね?

 サロンには、飴色の台座に布地のクッションがつけられた、おしゃれで、お菓子の家によく似合うソファセットがあり。王子の対面に、殿下が腰かけた。
 俺らはソファの後ろに立つよ。従者だからね。
 でも小枝はソファの後ろだと、前がよく見えないから。
 俺の手前、殿下の横の位置につく。

「ディオン兄上、タイジュ先生。ようこそいらっしゃいました。お恥ずかしながら、お茶もお出しできずに申し訳ありません」
「構わなくて良い。しかし、毒対策でか?」
 殿下がたずねると、王子は苦笑して首を傾げた。
「診断を受けたあとから、なにを食べても毒のような気がしてしまって…」

 その言葉を聞いて、俺は思わず声をかけてしまった。
「それはいけませんね。体質改善をするのに、食事はとても重要です。心なしか、少しお痩せになったような気もします」
 するとジュリアが俺に答えを返した。
「あの診察のあとに、料理人が逃げたのです。彼のことを信用していたので、エルアンリ様はとてもお嘆きになって…」
「失礼ですが、他にお食事を作られる方は?」
「すぐに手配が出来ず。エルアンリ様は私を信用してくださっているのですが、私は料理ができませんで。騎士団の食堂から調達をしているのですが、殿下はどんどん食が細くなられて…」
「あまり深刻に考えなくて良いのですよ。しかし、毒を排除するのは大変なことですよね。うちも小枝のクリーンがなければ、なかなか…」
「クリーン?」
 エルアンリ王子が小枝を見やり。小枝は俺にピタリと抱きついた。
 こら、お客様の前で甘えないの。

 つい口にしてしまったが。
 俺らの魔法のことを言っていいのかと、俺は殿下を見やる。
「タイジュには痛みを取る魔法があり。コエダには物を綺麗にする魔法がある。しかし神の手の能力については、口外しないでもらいたい」
 殿下は必要最低限な情報を明かした。
「あぁ、先日の、蝋燭から毒素をみつけたアレですね? すごい方たちをそばに置いているのですね? 毒を除去するのもお医者様なのも…いいなぁ。兄上がうらやましいです」
「タイジュとコエダ…神の手は。女神フォスティーヌが我らスタインベルン王家の窮地を憂いて遣わした使者だ。きっとおまえのことも、タイジュは救ってくれる」
 また、殿下がこそばゆいことを言い出したよ。
 まぁ、できうる限りのことはもちろん尽力いたしますけど。
 ただの医者ですからね?

「殿下、少々よろしいでしょうか?」
 俺はディオン殿下の耳にそっと囁く。
「治療が終わるまで、エルアンリ殿下を北の離宮に招くことはできませんか? 食事が貧しいと劇的な回復は望めません。とにかく王子には、毒とアレルギー物質のない環境が必要なのです」
「なるほどな。うちはいまだかつてなくコエダのおかげで清浄な状態だからな。それに療養中、使用人や警護の者たちの手配もできる。期間があれば、信用のある人物の選定もできるだろう」

 そうして、ディオン殿下は。長い足を尊大に組み。エルアンリ王子に告げた。
「エルアンリ。私の屋敷でしばらく療養をしないか? 毒素はコエダが排除し、さらに毒見も重ねている。タイジュのご飯も美味いぞ? それに屋敷にいる間はタイジュがおまえの診療をするから、急に具合が悪くなっても安心だろう。私たちを信用してくれるのなら、だが。どうだ?」
「よろしいのですか? それは願ってもないことです」
「しかしうちも、使用人は最低限なのでな。手厚いもてなしはできないぞ。それでもよければ、わが家へ招待するよ、エルアンリ」

 どうやらエルアンリ王子の北の離宮へお引越しが、スムーズに決まったようです。
 俺もその方が安心ですよ。そばにいればより手厚い治療を提供できます。
「あの、その前に。厨房を見せてもらっても? ジュリアさん、案内していただけませんか?」
 俺は小枝の手を引いて、ジュリアさんに台所へ連れて行ってもらった。

 食事ができていないようなので。移動する前に残った食材でなにかを作ろうかと思ったのだ。
 そして台所を、小枝にクリーンしてもらったら…。
「うわぁぁ、モアモアのモクモクですぅ」
 毒素が浄化されるときに出る煙が充満してしまったのだ。慌てて窓という窓を開け放つ。
 いたるところから毒素の痕跡が出て。
 ジュリアさんはそれを見て、がっくりと床に膝をついてしまった。

「なんてことだ、これほどに汚染されていたことに気づかないなんて…私は護衛騎士失格です」
「まぁまぁ、少ない人数で王族の方を守るのは大変でしょう。しばらくは北の屋敷で、貴方も英気を養って。再び万全の体勢を築きましょう。それがエルアンリ殿下のためにもなりますよ」
 涙目のジュリアは俺にさらに頭を下げるのだった。もう、土下座の勢いです。
「タ、タイジュ様。先日は貴方様に、疑うような気持ちを持っていました。医者なのに薬もお出ししてくれないから。でも、こんな毒まみれの中にエルアンリ様を置いておくわけにはいきません。それに気づかせてくれた貴方には、感謝の思いでいっぱいです。愚かな私をどうかお許しください、神の手様…」

 恐縮しきりのジュリアさんを見て、俺も小枝もオロオロするのだった。
「顔を上げてください、ジュリアさん。神の手様とか大袈裟なので。殿下はあんなことを言っていますけど。俺も小枝もただの医者ですよ」
 俺がジュリアさんを励ましながら言うと。
 小枝の目がピカリーンと光った。
「パパぁ、ぼくもお医者様なの?」
「そうだよ? 小枝がいないとパパはなにもできないからね。小枝はすっごいんだからね?」
「すっごい? ぼく、パパの役に立ててる?」
「もちろんだよ。小枝はね、そこにいるだけでも十分にすっごいのに。パパの役にも立つんだから、もう、本当にすっごい、すっごいなんだよ?」
「うふふ、やったぁ」
 小枝は笑顔満開で俺にしがみついた。うん。可愛い、可愛い。

 で、気を取り直しまして。台所に残っているのは。
「調味料と根菜と粉か。んん? ジュリアさん、これってなんですか?」
 調味料の棚に、なにかの瓶漬けみたいなものがある。
 瓶の中に、アイボリー色の、ねっちょりした、よくわからないもの。ふたを開けると、プシュッと空気が出て。酸っぱい匂いがする。うえぇ? 腐っているのかなぁ?
 小枝のクリーンには反応していなかったから、体に悪いものではなさそうだけど。
 俺の知らない調味料か、生ものかと思って、聞いてみた。

「あぁ、それはイーストだと思いますけど?」

「いいい、イーストっ?? それってパンを膨らませる?」
「はい。前の料理人はここでパンを焼いていたので」
 思いがけない場所でのイーストとの出会いに。俺は目を輝かせるのだった。
「え、え、え、これって、どうやって作るのです?」
 俺の食いつき具合に、ジュリアさんは身も心もドン引く。
「いやぁ、あまり詳しくは…」
「ヤバいぞ、小枝。イーストがあったら、パンケーキもドーナツもふわふわのモチモチになるぞ?」
「ドーナツ。ぼく、ドーナツ食べたいぃ」
 俺の上げテンションに。小枝もはわわと唇を震わせた。
「野菜は、すいとんでも作るかな」
「スイトン、スイトンも、ぼく食べるぅ。あと、ドーナツ。ドーナツもぉ」
「はいはい。オッケー。ジュリアさんはそこで、俺らの料理を見ていてください。毒混入しないかどうか」
「すみません。タイジュ様を信用していないわけではないのですが」
「心の安寧のために、見ていてください。疑っていないことはわかっていますから」
 ここでは俺は新参者ですから。まずはこうしてひとつずつ信頼を築いていくことが大切なのです。

 そうして、俺は。調理台に火を入れて、食事を作ります。
 この世界のコンロは。鉄板の下に空洞があって、そこでまきく感じ。
 俺、キャンプに一時期はまっていたから、火を起こすの、まぁまぁできるんだよね。

 小枝のパパになった当初。
 俺は勉強一筋で医者になることしか考えてなかったから、無趣味で。三歳児となにをして遊べばいいのかわからなかったんだ。本を一緒に読んだりとかくらいしか思いつかなくて。
 そうしたらテレビでキャンプのことをやっていて。
 小枝を自然に触れ合わせるのはいいかなって。
 それでやってみたら、楽しいばかりじゃなくて。なかなかに奥が深いのだが。
 火を起こしてふたりでご飯作ったり。テントを一緒に立てたりして。
 ひとつのことをふたりで、手探りでやったり。達成できた喜びを感じあえたり。
 そんなことをしているうちに。姉に見捨てられて人に警戒心を持っていた小枝も、俺に心を開いてくれて。距離も近づいてさ。
 だから、なかなか良かったよ。キャンプの経験はね。
 今、異世界でもかなり役に立っているしね。苦笑。

 で、スイトンを作る前に。
 ボールに粉と砂糖と水。そしてそして、よくわからないけどイーストらしきものを小さじ一杯くらい入れてみる。そして、混ぜ合わせて放置しておこう。
 マジで膨らむのかなぁ? 楽しみだなぁ。

 それからスイトンだね。浄化された水を鍋に入れて、沸かし。
 鍋を鉄板の上に乗せておけば、熱くなるんだよ。
 そこに大根、ゴボウ、ニンジン、白菜、的なものを。ひと口大に切って鍋にボッチャン。
 野菜は日本と形や色目が若干違うものがあるが、レギが大根と言うものは、ちゃんと大根の味がするのだ。
 自動翻訳ってすごいねぇ。
 というわけで。残り物は全部入れるよ。家を空けたら腐っちゃうからね。
 根菜だから少し濃いめに塩で味付けをして。酒と砂糖も少し隠し味。
 うーん、肉やベーコンがないから。ちょっと淡白だけど。あっさりでいいか。

「タイジュ様、私は料理はできないのですが。参考に、肝臓に良い食べ物というものはありますか?」
 お、なかなかタイムリーな、良い質問がジュリアさんから来ました。
「有名なのはシジミです。他にも海産物などが良いと言われていますが。胃と肝臓も直結しているので、消化によく、胃に負担のかからないものが、肝臓に良いとされています。先ほど、医者なのに薬を出さないというようなことをジュリアさんは言いましたが。肝臓は薬も分解するので。肝臓を休ませるためには、薬断くすりだちも有効なのです。というわけで、薬は出しませんでした。あとね、この国にある薬がどのようなものなのか、まだよくわかっていないところもあるのですが…」
 医者的能書きをベラベラと垂れてみました。
 小枝が『パパの説明がウザくてすみませぇん』ってジュリアさんに言っている。失礼な。

 いいの。それでぇ。
 小麦粉に水を入れ、耳たぶより柔らかめに練ってまとめ。スプーン一杯分の練った小麦粉を鍋に投入していく。そして煮ながら放置。
 俺は味噌仕立てが好きだが。味噌、ないからな。
 殿下が早く調達してくれることを祈ろう。
「消化に良いものを作りたいので、野菜はできる限りくったくたに煮ますね」

 その間に。練っておいたドーナツのネタを丸める…少し膨らんで表面がなめらかになっている。いいねいいね。
 熱した油に、直径二センチくらいのボール状にしたネタを、指で潰してから投入っ。ジャンジャン揚げる。
 揚げている間に、潰れたドーナツは真ん丸になるのだ。よしよし。
 お皿に砂糖を入れておいて、ドーナツが揚がったらそこに入れて砂糖をまぶす。

「ちなみに、甘いものやケーキといった高カロリーなものは、肝臓にはあまりよろしくないですが。エルアンリ王子はいささか線が細いので。まずは体作りという点で、高カロリーのものを食べても良いでしょう。こうして、その人に合う治療法というものがあり。これは肝臓に悪いからダメ、とは一概に言えないものです。エルアンリ王子は、まず毒を排除して、健康的な生活を送る。そのことに尽力されてください」
 ジュリアさんは、目覚めましたという顔をして。わかりましたと返事をした。

 エルアンリ王子を守りたい一心で、ジュリアさんは疑心暗鬼に陥ってしまったのでしょう。それで医者の俺や、もしかしたらディオン殿下も信じられなくなっていたのかもしれませんね。
 しかしそれは、真面目ゆえであるが、柔軟さには欠けます。
 本当と嘘を見極めるのは難しいでしょうが。嘘ではないとわかったら、信用し。ダメなものがわかったら、排除する。それが取捨選別、臨機応変というものです。
 まぁ、突然現れた医者を信用しろというのも、難しいのはわかりますよ。それでなくても、王宮内は怪しいものであふれていますもんね?

「できました。鍋ごとサロンに持って行きます。ワゴンにお皿とスプーンとフォークを乗せてください」
 そうして小枝とジュリアさんが準備をし。一番上に鍋を乗っけたら。サロンへGOです。
 この世界にはいわゆるおわんはないので。小さい深型の皿です。
 そこにスイトンをよそってエルアンリ王子に差し出す。

「タイジュ、それはなんだ? 私にもくれ」
 殿下に聞かれ、俺は説明しますが。なにかわかっていなくても、すでにですね。
「これはスイトンです。野菜の煮たのに、この白いのは小麦粉のかたまりです。汁を吸って柔らかく煮えていますよ」
 食べたい人たちに、というか。結局、全員に器を渡し。最後に、ガラステーブルの上にドーナツを置いた。
「いただきます」
 と言って、小枝が一番にドーナツに手を伸ばし。
「あうぅぅ、やわらかぁい。いつもの固めのドーナツもいいけど、やぁらかいのも美味しいねぇ」
 笑顔でドーナツを頬張った。小リスさんのようですねっ。
 そして柔らかドーナツも大成功だ。やったね。

 続いて殿下やレギもいただきますと言って、スイトンをフォークで食べた。
 王族の方は、食べる前の挨拶はしないようなんだけど。
 俺たちがいつも言うから、殿下たちも言うようになったのだ。
 食に苦労した殿下は、毒かもしれないものにいただきますとは言いたくなかったかもしれないが。
 俺の料理にはそう言ってくれるので。嬉しいです。

 エルアンリ王子は、ジュリアが毒見したあとで、恐る恐るスープをすすった。
「あまり食べていないようでしたから、お引越しをする前に体力をつけていただきたくて。すきっ腹に優しく、野菜を柔らかく煮込みましたし。温かいスープで胃をあたためると、気力も湧いてきますよ」
 俺の説明にうなずいて、王子はあったかいとつぶやいた。
「タイジュ、これはただの小麦粉なのか? モチモチで美味いぞ」
「そうですよ。ただの小麦粉団子です。味も、お汁の味が染みているだけですよ。野菜からダシが出るので、シンプルな味付けでも美味しいですね」

 そうして、温かいものを食べて、元気をつけたら。お引越しです。

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