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33 コエダを気に入った
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◆コエダを気に入った
昼間、初対面のはずのジョシュア王子のことを、小枝が嫌いって言い出して。
なにか理由があるのかなって、思ってたずねた。
おっとりさんな小枝は初見で毛嫌いするような性格じゃないからね。
小枝は、俺に基本べったりだけど。
異世界に来て、殿下やレギという、少々とっつきにくい人とも物怖じしないで話しかけたりできる。俺なんかより余程コミュニケーション上手だなって思っていたくらいなのだ。
日本でも、同年代の子と普通に仲良くしていたよ。
だから、ジョシュア王子と会って。あの子嫌いって言うなんて。
こちらに来てからは、同年代の子と初対面だから。ちょっと緊張しちゃったのかなって。
理由があるだろうと思っても、俺はそれくらいにしか思っていなかったんだ。
そうしたら、案外しっかりはっきりした理由があって、驚いた。
まさか、ジョシュア王子が小枝の前世で処刑の原因になった人物だったとは。
それじゃあ、嫌いって思っても仕方がないかな?
むしろ、嫌い、は。やんわりした言い方かもね。
俺だったら、クソがっ、顔も見たくないっ、くらいには思っちゃうよ。
それよりも小枝は、前世の話をしたら俺に嫌われると思っていて、それも怖かったみたいだ。だから今日まで、そのことを話せずにいたんだね。
だけど、過去のことを全部俺に話して。
俺が小枝を嫌っていないってわかったら。
普通に。ドーナツ食べたあとで歯磨きグジュグジュペッして。寝室でちゃんと寝た。
クリーンしてもいいけど、歯磨き洗顔みたいな習慣はなるべくなまけない方がいいからね。
で、今日俺は同じベッドに横たわって、小枝を手でテンテンして寝かしつける。
俺がそばにいるから、もう過去のようなことは起きないよ。そう、小枝も思ってくれたらいい。
安心して、寝んねしろ。
っていうか、俺が小枝を嫌いになるわけがないのだ。俺の大事な息子なんだからな。
確かに、イジメは良くないよ。
でも、ループっていうのは。過去がチャラになったわけだろう?
小枝の中には、過去の出来事は経験として残っているけれど。
悪いことを悪いことだと認識し、その件をちゃんと反省しているっていうところが大事なのだ。
それに小枝がイジメた子は、この世界には存在しない。
ジョシュアの婚約者がいないということではなくて。小枝がイジメた子、ということだけど。
小枝が将来、その子をイジメなければ。その出来事はなかったことになるし。
もう二度とイジメも悪いこともいたしませぇんって、小枝も言っていたから。
きっと、今の世界では。ジョシュアの婚約者は小枝にいじめられることはないのだ。
だけど。小枝が…じゃなくて前世の小枝が、ジョシュアとその婚約者と三角関係になっていたなんて。
ちょっと、考えたくないっていうか?
ドロドロ? 俺より恋愛面が進んでいるってどういうこと?
しかもそれで、小枝が処刑まで追い詰められたとするならば。
俺も、小枝とジョシュアを関わらせたくないなと思ってしまう。
彼の婚約者をいじめたという落ち度がメイにあったとしても。
王子は怒ったら処刑という、短絡的な思考の持ち主かもしれないじゃないか?
まぁ、馬鹿兄が暗殺を企てていたようだし。
それに小枝は巻き込まれてしまった、ようなところもあるからな。
命を狙われたジョシュアは悪くはないんだろう。
今、俺は。ディオン殿下のそばにいて。殿下が暗殺者の対応に苦労しているのも、身近で感じているから。
暗殺、良くないって。普通に思うけど。
でも小枝にはそんなつもりはなかったと思うんだ。暗殺は絶対に濡れ衣だよ。
だから弁解させずに処刑したっていうのは。すごく悪手だと思うよ、ジョシュアくん。
しかし、メイを皮切りに馬鹿兄の逮捕、さらには第三王子派の悪事の暴露がなされて。
ジョシュアくんはこの国の王様になりました、めでたしめでたし。というストーリーだったのだろうか?
小枝がそのときはもう生きていないから。話の最終結果はわからないけど。
でも、小枝はループしているんだ。やり直しをさせられているっていうことは。
ジョシュアが王になって、他には誰もいなくなった。という展開ではダメだってことなんじゃないだろうか?
わからない。
大いなる第三者が、小枝の生まれ変わりを左右するくらいの大いなるものが、いるのか、いないのか。
もしかしたら、聖女の力を持つ小枝がもう一度人生をやり直したいって思って、それが叶えられたのか。自分でそう仕向けたのか。
考えようはいろいろあるけど。
まぁ、わからないことは、考えても無駄だな。
ともかく俺は、小枝をまっとうに育てて、処刑なんかは回避する。
俺と小枝と、仲良く、楽しく、長生きする。
そのようにすればよいのだ。
小枝が話してくれた前世と、今では。話の展開は全く変わっている。
まず俺がいるし。
子爵家は取り潰され、馬鹿兄は行方不明だし。
前世では第三王子とジョシュアしか残っていなかったみたいだけど。
今はディオン殿下もエルアンリ第四王子も、第六王子もいるみたいだしね。
俺がそばにいるうちは、俺がディオン殿下を守るから。そしたらディオン殿下は小枝を守ってくれるはず。だから安泰だよ。
それに、一番の違いは。小枝が男の子だってことだ。
女の子のメイはジョシュアと恋人になろうとしたけど。
小枝は男の子だから恋愛沙汰にはならないんじゃないかな? そうすれば、恋愛で揉めた挙句の処刑もないじゃん?
だから小枝が心配するようなことにはなりっこないんだ。うん、大丈夫。
しかしながら、前世の小枝がジョシュアと恋仲になろうとしたのは。
父としてはムムムである。
小枝はまだ、誰にもやらーーーん!!
なんて、小枝の寝顔、柔らかそうな唇がむにゃむにゃしているのを見ながら思っていたら。
馬の蹄の音が、カッポカッポと聞こえてきて。どうやら殿下たちが帰ってきたようです。
玄関口から部屋は結構離れているんだけど。夜の静けさに馬車の音っていうのはよく響くね。
俺は仕事着の上着を着て、そっと部屋を出る。
お出迎えだ。
エントランスに出て行くと、大きな体躯で背筋をビシッと伸ばした殿下が、こちらを流し見る。
殿下はいつもイケメンですけど。青髪を後ろに流して整髪すると。
厳しい視線の目元があらわになって、より凛として見える。
夜会用の黒い衣装も、いつもの騎士服よりも大人っぽくて。ゴージャスに輪をかけているみたいだ。
「タイジュ」
こちらに足を向けながら、名を呼ばれ。ちょっとドキリとするが。
「腹減った」
言葉は子供のそれなのだった。
俺は思わず苦笑する。
「パーティーでご馳走が出たのでしょう? それともやはり、なにも食べられませんでしたか?」
すると、それにはレギが答える。
「毒見は私がしていたので、大丈夫だったのですが。なんか、料理が。マズくって」
「マズイ? 変なものが出たのですか?」
「いえ、単純に美味しくないのです。タイジュの料理の方が美味しいと言ってしまったら。殿下は帰ってから食べるって」
「えぇ? 夕飯の残りしかありませんよ? いいですか?」
聞くと、殿下は俺の手を握り、なにやら神妙な様子で言うのだ。
「なんでもいい。おまえの料理を一生食べたい」
それ、一生おまえの味噌汁飲みたいと同義ですからね? 流しますけど。
で、食堂でふたりに待ってもらって。
俺はちゃちゃっと厚焼き玉子を作り…。
っていうか、卵焼きを作るのに、菜箸が欲しくなっちゃって。
グレイさんに箸の形状を教えて、使い捨てのやつをいっぱい作ってもらったんだぁ。裏に雑木林があるから木材は豊富だし。細長い木の棒だから、グレイさんも簡単に量産してくれた。
剣と魔法の世界ゆえか、金属加工は案外豊富で。包丁は切れ味が良いし。ヘラとかお玉とかトングとか調理具はいろいろあるんだけど。
やっぱ菜箸が細かく調整できるんだよね。ボールに入れた卵をカシャカシャ溶く、とか。フライパンの上で卵をくるくる巻く、とか。ときには反り返ったお肉をおさえてジュー、とか。
出来れば食事どきも箸を使いたい日本男児。
それはともかく。
厚焼き玉子とレタスの組み合わせと。厚切りハムとレタスの組み合わせと。ソーセージとトマトソースの組み合わせを。ロールパンの切り込みにはさんで出す。
夕食に出したポテサラは結構いっぱい作ったんだけど。
パンにはさんで警護の騎士たちの夜食として差し入れてしまいました。
夜、殿下が食べるって知っていたら、残しておいたんだけどね? 冷蔵庫がないからポテサラを常温放置するのは危険なのです。衛生的に。
なので、食事はその都度食べきりを目指しています。
そうは言っても、成人男性率が多くて、つい多めに作ってしまうので。残り物だというのにありがたいと言って差し入れを食べてくれる騎士様の存在は、とてもありがたいのです。
で、ロールパンサンドを三分の一切って、俺とレギで手分けして毒見します。
毒見で、太りそうだよね。
あと、小枝が残した手つかずのドーナツと、夕食で残っていたスープを出す。
殿下はスープを飲んで、あぁぁぁとなにかに染み入る声を出した。
つか、残り物を王子に出しちゃっていいのでしょうか?
「すきっ腹に染みるなぁ。美味い」
普通のオニオンスープなんですけど。バターで玉ねぎとベーコンを炒めて、水を入れ、塩コショウで味付けのシンプルスープ。
まぁ、深酒には合いそうだけど。
スープを飲んだ殿下のリアクションが。酔って帰ってきた親父が、家で母の出した茶漬けを食べたときの反応に酷似している。
「殿下、酔っているのですか?」
そういえば、先ほども俺の手を握って変なことを言ってたな。
うん。酔っているな。
「会場では酒しか飲んでいない。出掛ける前に軽く腹に入れていったが、レギがタイジュの料理の方が美味しいとか言うから、それを考えていたら腹が減った」
言いながら、殿下はドーナツを指先で摘まんで口に入れる。
甘って、つぶやいた。でしょうね。
「お腹が空きました、です。殿下、この頃口調がさらに荒くなっていますよ。そういうのは、とっさに出てしまうものなのですから」
「あぁ、全くだ。今まで誰も話しかけてこなかったのに、今日はなんだかよくわからん奴らがいっぱい話しかけてきて。上品口調で舌噛むかと思ったぞ」
レギのお小言に、眉間のシワをバシバシ入れながら、次はロールパンサンドを食べる殿下。
「あ、これが噂のしょっぱい卵焼きっ。パンに合うなぁ。美味いぞ、タイジュ」
お気に召していただいてよかったです。と、にっこり笑う。
これなら就寝前に手も汚れなくていいでしょう?
砂糖まみれドーナツで、すでに手は汚れたでしょうけど。
「…コエダの様子はどうだ? 機嫌は直ったか?」
「ええ、もうすっかり」
小枝の前世の話はできないから。なんでもなかったことにするしかない。
実際、まだ起きていない出来事であるし。
俺がそんなことは起こさせない出来事である。
殿下は小枝が、ジョシュアを嫌いと言ったところは聞いていないから。なんとでもなるだろう。
「そうか。実は…陛下が、ジョシュアの遊び相手にコエダを指名したのだが」
「えっ、なんで??」
驚きすぎて、素でリアクションしてしまった。
すかさず、レギに。どうしてですか、と敬語を正されるけど。置いておいて。
先ほど、小枝の前世の話を教えてもらったばかりで。タイムリーというか、なんというか。
小枝は、あんなに嫌がっているのに。ジョシュアとは会う気にはならないんじゃないかな?
それにあんな話を聞いたあとでは、俺も心配だし。
俺らは庶民で。殿下のただの従者で。親の俺は奴隷だよ? 内緒だけど。
それがなんで、王子の遊び相手なんかにぃ?
っていうか、陛下とは話もしていないし。すれ違っただけなのにぃ?
「ジョシュアが、コエダを気に入ったようなのだ。陛下は末っ子のジョシュアを溺愛しているからな。おねだりも我が儘も思うままだ」
え、なんで気に入った? って思う。
だって、小枝は名乗ることをしなかった。ある意味、不敬みたいな感じだった。
躾がなっていないと本人にも言われたし。
俺のことをかばって、ジョシュアに怒鳴ったりもしちゃったのに??
それもそうだけど。なんで小枝に白羽の矢が立ってしまったのか?
「しかし、よくはわかりませんが。王族の遊び相手というのは、貴族の御子息だったりするものではぁ?」
なんとか、食い下がってみる。
出来れば、小枝の耳に入る前に御破算にしたいものだ。
「第三王子派に取り入る貴族が多くて、不用意にジョシュアの遊び相手を外から選べないようなのだ。だが、慎重派の私がそばに置く従者なら信用ができる、ということらしい。ジョシュアも六歳になり、大人相手ではなく同年代と遊びたい欲が強くなってきたのだが、陛下や母上、大人が相手ではつまらない。コエダと遊びたーい、とな」
「困ります」
俺はつい、言ってしまった。
理由は言えないのに。
でも遊び相手なんて、無理ぃ。小枝とジョシュアを近づけたくない。
しかしやはり、殿下はサンドを食べながら、いぶかしげな目を向けるのだった。
「困る? なぜだ? やはりコエダはジョシュアがお気に召さないのか?」
「お、お気に召さないなど、そのようなことは…でも小枝は庶民の子なので、王子様のお相手は務まらないのではないかなぁぁ、と」
すると殿下ではなくレギが口をはさんだ。
「タイジュ、この国では基本、陛下のお言葉は絶対なのだ。殿下でさえ、余程のことでもなければ断ることはできないものです。機嫌を損ねれば、刑罰の対象にもなりかねませんよ」
そう言われて、俺はおののいてしまう。
奴隷に堕とされても、今までそれほどの強制力を押しつけられたことはなかった。
一度、バイアはされたけど。
だけど、この世界はそういう世界なんだ。
徹底された、一強政治。弱肉強食。
あぁ、小枝。無力な父親ですまないっ。
「レギ、そのようにタイジュを脅かすな。しかしタイジュ、レギの言うことは間違いではない。せめて、一度くらいは顔合わせをしなければならないぞ。とりあえずコエダに話だけでもしてみてくれ」
「わ、わかりました。そのようにいたします」
仕方がない。小枝には言うだけ言ってみよう。
でも、小枝が嫌だって駄々をこねたら、ダメかなぁ?
それでも、子供の駄々でも、王様は怒るんだろうか? 第七王子を溺愛しているって言うんだから。怒るんだろうなぁ?
小枝が刑罰とか、絶対許せない。
あ、この場合は説得できなかった親の俺が罰せられるのかなぁ。それならまぁ、なんとか耐えられるけどぉ。
いきなり死刑はないよね?
でも小枝の話を聞いたあとだと、ありそうで、ちょっとゾッとする。
しかし。第七王子のことは周辺に気を配っているみたいなのに。ディオン殿下のことは放置って、どういうことなんだろうな? 子供は平等に扱ってもらいたいものだ。
まぁ、人間だから? 子供と言えども相性が良くないってことはあるかもしれないけど。
最低限、衣食住と安全だけは親の責務として果たしてもらいたいところだよな。
それすらしていないから。やっぱ俺、王様きらーい。
「じゃあ……寝るか」
三種類二個ずつ出したパンもスープもドーナツも、すべて殿下とレギが食べちゃった。
どんだけ腹減らしてんですか?
そして殿下は席を立つ。俺を手で招くので。
「後片付けをしてから参ります」
と言ったのだけど。
「それは私がしておきます。タイジュは殿下の元へ…」
とグレイさんに言われて。えぇ、そうですかぁ? すみません、という気持ちで頭を下げ。
俺は殿下の後ろについていった。
そんな俺を抱き寄せて、殿下は廊下を歩きながら体重を預けてくるのだった。
「もう、重いぃ、酔っ払いめぇ。あ、酔っていたら寝られるのでは?」
「それで、深酒をしてみたこともあるが。気持ち悪くなるだけで、なんでか目は冴えてしまうんだよな。刺客が来るかもと思うと、それで酔いも醒めるし」
「じゃあ、なんで今日はこんなに酔っているんですか?」
「タイジュがいれば、なにも怖くないからだろぉ?」
まろやかな美声で、耳元に囁かれると。なんだかくすぐったいんですけど。
でも、怖くないというのは。俺のことを信じてくれるってことだから。
嬉しいような、照れくさいような?
もうっ、なんかこっちまで顔が熱く火照ってくるよ。酔っ払いは厄介ですね。
昼間、初対面のはずのジョシュア王子のことを、小枝が嫌いって言い出して。
なにか理由があるのかなって、思ってたずねた。
おっとりさんな小枝は初見で毛嫌いするような性格じゃないからね。
小枝は、俺に基本べったりだけど。
異世界に来て、殿下やレギという、少々とっつきにくい人とも物怖じしないで話しかけたりできる。俺なんかより余程コミュニケーション上手だなって思っていたくらいなのだ。
日本でも、同年代の子と普通に仲良くしていたよ。
だから、ジョシュア王子と会って。あの子嫌いって言うなんて。
こちらに来てからは、同年代の子と初対面だから。ちょっと緊張しちゃったのかなって。
理由があるだろうと思っても、俺はそれくらいにしか思っていなかったんだ。
そうしたら、案外しっかりはっきりした理由があって、驚いた。
まさか、ジョシュア王子が小枝の前世で処刑の原因になった人物だったとは。
それじゃあ、嫌いって思っても仕方がないかな?
むしろ、嫌い、は。やんわりした言い方かもね。
俺だったら、クソがっ、顔も見たくないっ、くらいには思っちゃうよ。
それよりも小枝は、前世の話をしたら俺に嫌われると思っていて、それも怖かったみたいだ。だから今日まで、そのことを話せずにいたんだね。
だけど、過去のことを全部俺に話して。
俺が小枝を嫌っていないってわかったら。
普通に。ドーナツ食べたあとで歯磨きグジュグジュペッして。寝室でちゃんと寝た。
クリーンしてもいいけど、歯磨き洗顔みたいな習慣はなるべくなまけない方がいいからね。
で、今日俺は同じベッドに横たわって、小枝を手でテンテンして寝かしつける。
俺がそばにいるから、もう過去のようなことは起きないよ。そう、小枝も思ってくれたらいい。
安心して、寝んねしろ。
っていうか、俺が小枝を嫌いになるわけがないのだ。俺の大事な息子なんだからな。
確かに、イジメは良くないよ。
でも、ループっていうのは。過去がチャラになったわけだろう?
小枝の中には、過去の出来事は経験として残っているけれど。
悪いことを悪いことだと認識し、その件をちゃんと反省しているっていうところが大事なのだ。
それに小枝がイジメた子は、この世界には存在しない。
ジョシュアの婚約者がいないということではなくて。小枝がイジメた子、ということだけど。
小枝が将来、その子をイジメなければ。その出来事はなかったことになるし。
もう二度とイジメも悪いこともいたしませぇんって、小枝も言っていたから。
きっと、今の世界では。ジョシュアの婚約者は小枝にいじめられることはないのだ。
だけど。小枝が…じゃなくて前世の小枝が、ジョシュアとその婚約者と三角関係になっていたなんて。
ちょっと、考えたくないっていうか?
ドロドロ? 俺より恋愛面が進んでいるってどういうこと?
しかもそれで、小枝が処刑まで追い詰められたとするならば。
俺も、小枝とジョシュアを関わらせたくないなと思ってしまう。
彼の婚約者をいじめたという落ち度がメイにあったとしても。
王子は怒ったら処刑という、短絡的な思考の持ち主かもしれないじゃないか?
まぁ、馬鹿兄が暗殺を企てていたようだし。
それに小枝は巻き込まれてしまった、ようなところもあるからな。
命を狙われたジョシュアは悪くはないんだろう。
今、俺は。ディオン殿下のそばにいて。殿下が暗殺者の対応に苦労しているのも、身近で感じているから。
暗殺、良くないって。普通に思うけど。
でも小枝にはそんなつもりはなかったと思うんだ。暗殺は絶対に濡れ衣だよ。
だから弁解させずに処刑したっていうのは。すごく悪手だと思うよ、ジョシュアくん。
しかし、メイを皮切りに馬鹿兄の逮捕、さらには第三王子派の悪事の暴露がなされて。
ジョシュアくんはこの国の王様になりました、めでたしめでたし。というストーリーだったのだろうか?
小枝がそのときはもう生きていないから。話の最終結果はわからないけど。
でも、小枝はループしているんだ。やり直しをさせられているっていうことは。
ジョシュアが王になって、他には誰もいなくなった。という展開ではダメだってことなんじゃないだろうか?
わからない。
大いなる第三者が、小枝の生まれ変わりを左右するくらいの大いなるものが、いるのか、いないのか。
もしかしたら、聖女の力を持つ小枝がもう一度人生をやり直したいって思って、それが叶えられたのか。自分でそう仕向けたのか。
考えようはいろいろあるけど。
まぁ、わからないことは、考えても無駄だな。
ともかく俺は、小枝をまっとうに育てて、処刑なんかは回避する。
俺と小枝と、仲良く、楽しく、長生きする。
そのようにすればよいのだ。
小枝が話してくれた前世と、今では。話の展開は全く変わっている。
まず俺がいるし。
子爵家は取り潰され、馬鹿兄は行方不明だし。
前世では第三王子とジョシュアしか残っていなかったみたいだけど。
今はディオン殿下もエルアンリ第四王子も、第六王子もいるみたいだしね。
俺がそばにいるうちは、俺がディオン殿下を守るから。そしたらディオン殿下は小枝を守ってくれるはず。だから安泰だよ。
それに、一番の違いは。小枝が男の子だってことだ。
女の子のメイはジョシュアと恋人になろうとしたけど。
小枝は男の子だから恋愛沙汰にはならないんじゃないかな? そうすれば、恋愛で揉めた挙句の処刑もないじゃん?
だから小枝が心配するようなことにはなりっこないんだ。うん、大丈夫。
しかしながら、前世の小枝がジョシュアと恋仲になろうとしたのは。
父としてはムムムである。
小枝はまだ、誰にもやらーーーん!!
なんて、小枝の寝顔、柔らかそうな唇がむにゃむにゃしているのを見ながら思っていたら。
馬の蹄の音が、カッポカッポと聞こえてきて。どうやら殿下たちが帰ってきたようです。
玄関口から部屋は結構離れているんだけど。夜の静けさに馬車の音っていうのはよく響くね。
俺は仕事着の上着を着て、そっと部屋を出る。
お出迎えだ。
エントランスに出て行くと、大きな体躯で背筋をビシッと伸ばした殿下が、こちらを流し見る。
殿下はいつもイケメンですけど。青髪を後ろに流して整髪すると。
厳しい視線の目元があらわになって、より凛として見える。
夜会用の黒い衣装も、いつもの騎士服よりも大人っぽくて。ゴージャスに輪をかけているみたいだ。
「タイジュ」
こちらに足を向けながら、名を呼ばれ。ちょっとドキリとするが。
「腹減った」
言葉は子供のそれなのだった。
俺は思わず苦笑する。
「パーティーでご馳走が出たのでしょう? それともやはり、なにも食べられませんでしたか?」
すると、それにはレギが答える。
「毒見は私がしていたので、大丈夫だったのですが。なんか、料理が。マズくって」
「マズイ? 変なものが出たのですか?」
「いえ、単純に美味しくないのです。タイジュの料理の方が美味しいと言ってしまったら。殿下は帰ってから食べるって」
「えぇ? 夕飯の残りしかありませんよ? いいですか?」
聞くと、殿下は俺の手を握り、なにやら神妙な様子で言うのだ。
「なんでもいい。おまえの料理を一生食べたい」
それ、一生おまえの味噌汁飲みたいと同義ですからね? 流しますけど。
で、食堂でふたりに待ってもらって。
俺はちゃちゃっと厚焼き玉子を作り…。
っていうか、卵焼きを作るのに、菜箸が欲しくなっちゃって。
グレイさんに箸の形状を教えて、使い捨てのやつをいっぱい作ってもらったんだぁ。裏に雑木林があるから木材は豊富だし。細長い木の棒だから、グレイさんも簡単に量産してくれた。
剣と魔法の世界ゆえか、金属加工は案外豊富で。包丁は切れ味が良いし。ヘラとかお玉とかトングとか調理具はいろいろあるんだけど。
やっぱ菜箸が細かく調整できるんだよね。ボールに入れた卵をカシャカシャ溶く、とか。フライパンの上で卵をくるくる巻く、とか。ときには反り返ったお肉をおさえてジュー、とか。
出来れば食事どきも箸を使いたい日本男児。
それはともかく。
厚焼き玉子とレタスの組み合わせと。厚切りハムとレタスの組み合わせと。ソーセージとトマトソースの組み合わせを。ロールパンの切り込みにはさんで出す。
夕食に出したポテサラは結構いっぱい作ったんだけど。
パンにはさんで警護の騎士たちの夜食として差し入れてしまいました。
夜、殿下が食べるって知っていたら、残しておいたんだけどね? 冷蔵庫がないからポテサラを常温放置するのは危険なのです。衛生的に。
なので、食事はその都度食べきりを目指しています。
そうは言っても、成人男性率が多くて、つい多めに作ってしまうので。残り物だというのにありがたいと言って差し入れを食べてくれる騎士様の存在は、とてもありがたいのです。
で、ロールパンサンドを三分の一切って、俺とレギで手分けして毒見します。
毒見で、太りそうだよね。
あと、小枝が残した手つかずのドーナツと、夕食で残っていたスープを出す。
殿下はスープを飲んで、あぁぁぁとなにかに染み入る声を出した。
つか、残り物を王子に出しちゃっていいのでしょうか?
「すきっ腹に染みるなぁ。美味い」
普通のオニオンスープなんですけど。バターで玉ねぎとベーコンを炒めて、水を入れ、塩コショウで味付けのシンプルスープ。
まぁ、深酒には合いそうだけど。
スープを飲んだ殿下のリアクションが。酔って帰ってきた親父が、家で母の出した茶漬けを食べたときの反応に酷似している。
「殿下、酔っているのですか?」
そういえば、先ほども俺の手を握って変なことを言ってたな。
うん。酔っているな。
「会場では酒しか飲んでいない。出掛ける前に軽く腹に入れていったが、レギがタイジュの料理の方が美味しいとか言うから、それを考えていたら腹が減った」
言いながら、殿下はドーナツを指先で摘まんで口に入れる。
甘って、つぶやいた。でしょうね。
「お腹が空きました、です。殿下、この頃口調がさらに荒くなっていますよ。そういうのは、とっさに出てしまうものなのですから」
「あぁ、全くだ。今まで誰も話しかけてこなかったのに、今日はなんだかよくわからん奴らがいっぱい話しかけてきて。上品口調で舌噛むかと思ったぞ」
レギのお小言に、眉間のシワをバシバシ入れながら、次はロールパンサンドを食べる殿下。
「あ、これが噂のしょっぱい卵焼きっ。パンに合うなぁ。美味いぞ、タイジュ」
お気に召していただいてよかったです。と、にっこり笑う。
これなら就寝前に手も汚れなくていいでしょう?
砂糖まみれドーナツで、すでに手は汚れたでしょうけど。
「…コエダの様子はどうだ? 機嫌は直ったか?」
「ええ、もうすっかり」
小枝の前世の話はできないから。なんでもなかったことにするしかない。
実際、まだ起きていない出来事であるし。
俺がそんなことは起こさせない出来事である。
殿下は小枝が、ジョシュアを嫌いと言ったところは聞いていないから。なんとでもなるだろう。
「そうか。実は…陛下が、ジョシュアの遊び相手にコエダを指名したのだが」
「えっ、なんで??」
驚きすぎて、素でリアクションしてしまった。
すかさず、レギに。どうしてですか、と敬語を正されるけど。置いておいて。
先ほど、小枝の前世の話を教えてもらったばかりで。タイムリーというか、なんというか。
小枝は、あんなに嫌がっているのに。ジョシュアとは会う気にはならないんじゃないかな?
それにあんな話を聞いたあとでは、俺も心配だし。
俺らは庶民で。殿下のただの従者で。親の俺は奴隷だよ? 内緒だけど。
それがなんで、王子の遊び相手なんかにぃ?
っていうか、陛下とは話もしていないし。すれ違っただけなのにぃ?
「ジョシュアが、コエダを気に入ったようなのだ。陛下は末っ子のジョシュアを溺愛しているからな。おねだりも我が儘も思うままだ」
え、なんで気に入った? って思う。
だって、小枝は名乗ることをしなかった。ある意味、不敬みたいな感じだった。
躾がなっていないと本人にも言われたし。
俺のことをかばって、ジョシュアに怒鳴ったりもしちゃったのに??
それもそうだけど。なんで小枝に白羽の矢が立ってしまったのか?
「しかし、よくはわかりませんが。王族の遊び相手というのは、貴族の御子息だったりするものではぁ?」
なんとか、食い下がってみる。
出来れば、小枝の耳に入る前に御破算にしたいものだ。
「第三王子派に取り入る貴族が多くて、不用意にジョシュアの遊び相手を外から選べないようなのだ。だが、慎重派の私がそばに置く従者なら信用ができる、ということらしい。ジョシュアも六歳になり、大人相手ではなく同年代と遊びたい欲が強くなってきたのだが、陛下や母上、大人が相手ではつまらない。コエダと遊びたーい、とな」
「困ります」
俺はつい、言ってしまった。
理由は言えないのに。
でも遊び相手なんて、無理ぃ。小枝とジョシュアを近づけたくない。
しかしやはり、殿下はサンドを食べながら、いぶかしげな目を向けるのだった。
「困る? なぜだ? やはりコエダはジョシュアがお気に召さないのか?」
「お、お気に召さないなど、そのようなことは…でも小枝は庶民の子なので、王子様のお相手は務まらないのではないかなぁぁ、と」
すると殿下ではなくレギが口をはさんだ。
「タイジュ、この国では基本、陛下のお言葉は絶対なのだ。殿下でさえ、余程のことでもなければ断ることはできないものです。機嫌を損ねれば、刑罰の対象にもなりかねませんよ」
そう言われて、俺はおののいてしまう。
奴隷に堕とされても、今までそれほどの強制力を押しつけられたことはなかった。
一度、バイアはされたけど。
だけど、この世界はそういう世界なんだ。
徹底された、一強政治。弱肉強食。
あぁ、小枝。無力な父親ですまないっ。
「レギ、そのようにタイジュを脅かすな。しかしタイジュ、レギの言うことは間違いではない。せめて、一度くらいは顔合わせをしなければならないぞ。とりあえずコエダに話だけでもしてみてくれ」
「わ、わかりました。そのようにいたします」
仕方がない。小枝には言うだけ言ってみよう。
でも、小枝が嫌だって駄々をこねたら、ダメかなぁ?
それでも、子供の駄々でも、王様は怒るんだろうか? 第七王子を溺愛しているって言うんだから。怒るんだろうなぁ?
小枝が刑罰とか、絶対許せない。
あ、この場合は説得できなかった親の俺が罰せられるのかなぁ。それならまぁ、なんとか耐えられるけどぉ。
いきなり死刑はないよね?
でも小枝の話を聞いたあとだと、ありそうで、ちょっとゾッとする。
しかし。第七王子のことは周辺に気を配っているみたいなのに。ディオン殿下のことは放置って、どういうことなんだろうな? 子供は平等に扱ってもらいたいものだ。
まぁ、人間だから? 子供と言えども相性が良くないってことはあるかもしれないけど。
最低限、衣食住と安全だけは親の責務として果たしてもらいたいところだよな。
それすらしていないから。やっぱ俺、王様きらーい。
「じゃあ……寝るか」
三種類二個ずつ出したパンもスープもドーナツも、すべて殿下とレギが食べちゃった。
どんだけ腹減らしてんですか?
そして殿下は席を立つ。俺を手で招くので。
「後片付けをしてから参ります」
と言ったのだけど。
「それは私がしておきます。タイジュは殿下の元へ…」
とグレイさんに言われて。えぇ、そうですかぁ? すみません、という気持ちで頭を下げ。
俺は殿下の後ろについていった。
そんな俺を抱き寄せて、殿下は廊下を歩きながら体重を預けてくるのだった。
「もう、重いぃ、酔っ払いめぇ。あ、酔っていたら寝られるのでは?」
「それで、深酒をしてみたこともあるが。気持ち悪くなるだけで、なんでか目は冴えてしまうんだよな。刺客が来るかもと思うと、それで酔いも醒めるし」
「じゃあ、なんで今日はこんなに酔っているんですか?」
「タイジュがいれば、なにも怖くないからだろぉ?」
まろやかな美声で、耳元に囁かれると。なんだかくすぐったいんですけど。
でも、怖くないというのは。俺のことを信じてくれるってことだから。
嬉しいような、照れくさいような?
もうっ、なんかこっちまで顔が熱く火照ってくるよ。酔っ払いは厄介ですね。
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