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21 手を差し伸べてくれた

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     ◆手を差し伸べてくれた

 大人が三人くらいは余裕で寝られそうな、大きな寝台に横たわる王子が、布団を手で持ち上げて俺を誘う。
 これって、いわゆるそういうこと?
 腐っても医者なので、男女の営み…いや、この場合は夜の営みですかね。
 そのようなことは熟知しております。
 産婦人科も泌尿器科も履修しましたし。人間に性行為は、人口維持、民族繫栄に欠かせない因子です。
 なので、恥ずかしいわけではないのですが。
 これに関して、俺は。
 未経験なので。
 パパだけど、未経験なので。
 困ってしまう。
 レギは、殿下の望みはすべて聞き入れろと言ったから。拒否はできないが。

 奴隷の身分で、王子様にあれこれしていいんですか?

 てか、つか。
「俺、殿下をご満足させられないと思いますぅ」
 はっきり言おう、いや、言わないが。
 俺は童貞なので、夜のあれこれしたことがなくて、経験値皆無でいきなり同性同士の性交渉は不可能です。

「は? おまえ、まさか俺を抱くつもりだったのか?」
 地を這うような声で王子に聞かれ、俺は心の中でヒィと悲鳴を上げる。
 すすすす、すみません。どうか、バイアだけはお許しを。あれ、下手したら心停止しますぅ。
 という気持ちで、王子を涙目でみつめていたら。

 爆音で、王子が笑った。
「ハハハッ、マジか。このガタイの差で、しかも王族の俺を抱くつもりになるとはな?」

 そうして殿下は。持ち上げていた布団を下げ。寝台の上に身を起こして座った。
「奴隷商のやつがねやの教育はしていないって言うから、カマをかけてみたのだが。本当に指一本触れられていないようだな? 受け答えも反応もド素人そのものだ」
 半笑いでディオン王子は言った。
 その顔、その言葉遣い。粗野すぎて、本当に王子なのか疑いたくなります。

 しかし、ユカレフめ。いつの間に、なに変なこと王子に吹き込んでいるのやら。
 最後の最後まで腹立つぅ。

「あのぉ、いかにも指一本触れられてはいませんが。医者なので、なにをどうするのかはわかっているのです。でも未経験ゆえに、お許しを」
 なんとなく、医者の矜持で、なにも知らないとは言いたくないというか。
 でもこれ、余計な一言かもしれないって、あとで思った。
 童貞ってバレたかもぉ?

「ちょっとおまえをからかっただけだ。今、そちらは入用ではない。俺はただ、眠りたいだけだ」
 そして王子は、真剣な目を俺に向けた。
「夜、おまえを部屋に返さない、私と寝てもらう、というのは本当のことだ。俺は、重度の不眠症だ」
「…不眠症?」
 ベッドの横にある椅子に座っている俺は、王子に問いを投げる。
 俺も真面目に、医者の顔を取りつくろった。

「あぁ、目をつぶっても意識が冴えているので。一日で五分くらいは寝ているかもしれないが、全く寝た気にはならず。頭がいつもボーッとしている。起きているのに、なにもしない時間がもったいなくて、つい仕事をしたり、剣の鍛錬をしたり、勉強したり。そんな感じで毎夜過ごしている」
「それはおつらいですね? 薬の服用はしていますか?」
「あぁ、以前はな。しかし効かないので、今は持っていない」

 この世界の薬の効能や種類がどんなものなのか、俺はまだよくわかっていない。
 戦場では目の前の患者に集中していたし。麻酔的なものは己のスリーパーを使用していたから。
 そこで、彼に目をやる。
 俺のスリーパーが、欲しかったのか?

「そうだ」
 なにも言わなかったのに、王子はうなずく。
 俺の顔が、わかりやすいのもあるだろうが。魔法? 心の声が聞こえたのかと思った。

「どんな眠り薬も聞かず、治癒魔法も効果はない。不眠症はやまいたぐいではなく、治癒するべきところがないと言われた。治癒魔法は精神には作用しないからな」
 そうなんだ。治癒魔法って万能じゃないんだな?
 王子のニュアンスだと、ウィルスや腫瘍や病原のあるものは治療できそうだけど。

「痛みや気分の悪さで、いっそ気を失えたらどんなに楽だろうと、いつも思っている。しかし痛みも苦しみも冴えた意識を引き出すだけ。戦場で傷を縫うことになったときも。意識のある中で針を通されるだろうと覚悟した。しかしおまえが手をかざしたら。夢のように、寝た。目が覚めたときは、俺は夢を見ていたのかと思ったくらいだ。ん、なんか、わけがわからぬ感じだが。とにかく信じられなくて、嘘だと思った」

 王子が目覚めて、最初に発した言葉は…嘘だろ、でしたね?
 そういう意味の嘘だろ、でしたか。

「おまえが何者かわからぬうちに、また眠らされて。次に目が覚めたときは医者が変わっていた。あの奴隷医者はどこだと聞いても、私たちが手術しましたとか豪語して答えやがりゃしねぇ。抜糸もまともにできないヤブ医者どもがっ。俺は手術の前は意識がはっきりしていたのだから、ヤブ医者が嘘をついているのはわかっていた」

 それには、俺は苦笑するしかできませんね。
 つか、医者にヤブ医者ワードは胃がギュッとなるのでやめてください。自分のことではなくても、なんだか身につまされます。
 というか、王子を治したのが俺だと、王子は気づいていたみたいだな?
 それは、ちょっと嬉しいです。

「俺が一命を取り留めたときに、神の手という話がちらほら流れてきて。女神フォスティーヌの加護、スタインベルンの神の手、それがおまえのことだとすぐにわかった。それで、なにもかもがわかったのだ。女神フォスティーヌは私に手を差し伸べてくれたのだと。眠れずに毎夜苦しむ俺に、神の手を遣わした。だから、誰にも取られないうちに早急に身請けの手続きをしたのだ」
 王子は俺の手を強く掴んで、その凶悪だが整った顔を寄せる。

「神の手、俺はおまえを生涯離さないっ」

 王子のギラリとした強い視線に囚われ、刺し貫かれるようだった。
 その気迫、その迫力に、おののいて。

 思わずスリーパーしてしまった。

 彼はゆっくりと目を閉じて。俺に重い体を預けてくる。
 あわわ。落としたらマズイ。
 俺は彼の体を寝台に横たえる。殿下は立派に戦場で戦った、鍛え上げられた騎士だ。
 だから、重い。
 それでなくても、意識のない人物は重くなるのだ。
 寝かせるだけでも大変で、マジでレギを呼ぼうかと思ったけど。
 急に寝たとか言ったら、不審がられるかもしれないから。ひとりで頑張った。

 はたから見たら、俺が王子に襲い掛かっているみたいに見える体勢で。ベッドに乗り上げて、彼に覆いかぶさって。ウゴウゴとジタバタとして、彼を寝る姿勢に整えて。
 肩まで布団をかけて。
 俺は椅子に腰かけて、ひと息ついた。フヒー。

 しかし。そうか、不眠症か。
 専門じゃないのだが、勉強によれば、不眠症というのはかなりきついという。
 精神的にも肉体的にも、疲弊するのだ。
 疲れたら眠れるのは、普通の人間で。不眠症だと、疲れという不快感でさらに眠れなくなる。
 誰もが寝静まる夜にひとりで起きていれば、孤独にさいなまれ。
 この世にひとりきり、誰も助けてくれない、などという負の感情に支配されやすい。
 肉体的にも、疲労感が抜けず、体が重く、頭はぼんやり。
 朝起きて、すっきり快調…という気分がわからないという。

 俺のスリーパーが殿下の癒しになるのなら、それは構わないのだが。
 スリーパーがなくても眠れるようになったら。

 奴隷解除、してくれないかなぁ…。

 まぁ、不眠症のことだけで俺を奴隷にしたとは限らないか。希望的観測は置いておいて。
 不眠症に効果があるとされることを、医者的観点で少しずつ試みてみようと思う。
 この世界での薬の効能にも、興味がある。王子はどんな薬で寝ようとしていたのか?
 まぁ、おいおいだな。とりあえず。

「おやすみなさい。殿下」
 そっと囁いて。俺は寝室を出て、続きの間に戻った。

     ★★★★★

 居間には、二人掛けソファでグズグズしている小枝をあやして寝かしつけようとしているレギがいた。
 なかなか立派な部類の宿屋だと思うのだが、さすがにベッドを他の部屋に入れ込むことはできないようで。旅の間、俺たちはソファで寝るような感じになる。
 前の世界だったら、ホテルや病院などでベッドを入れたり移動したりすることもできたけど。
 車輪がついたベッドなんか、この世界にはないものな?

「あぁ、パパぁ。大丈夫? ぼく守ってあげたかったのに、パパのテーソーがぁ…」
 俺が部屋から出てきたのに気づいた小枝は。ソファから飛び降りて、俺の足にしがみつく。
「大丈夫だよ、小枝。あと、テーソーじゃなくてシーソーだろ? でもこの世界にはないんじゃないかなぁ。よし、パパがやってやろう。ギッタンバッコン…」
 俺は小枝の脇に背後から手を差し入れると、ギッタンで上に足が浮くほど持ち上げる。バッコンで下におろす。を繰り返す。
「あぁあ、パパ、シーソーじゃないのぉ、あぁあ」
 そうは言いながら、手を広げて、足が地に着くたびに喜ぶのだった。
 やっぱ、遊びたかったんだろう? 皆まで言うな。うんうん。

「レギ様も、小枝を寝かしつけてくださり、ありがとうございます」
 シーソーを続けながら、言うと。レギは上下する小枝を困惑げに見ながら、言う。
「いや、寝なかったが。殿下は?」
「おやすみになられました」
「えっ!!」
 レギは慌てて立ち上がると、寝室の扉をそっと開け。王子が寝る寝台の、規則的な呼吸の布団の盛り上がりを見て、そっと扉を閉める。

 そして居間に戻ってくると、小枝の耳を手で塞いで、俺の耳にこっそり囁いた。
「あの、夜の営みの方は?」

 わぁ、やはり、レギにもそう思われていましたか?
 そういえば、身請けって。日本は奴隷よりも、遊女? 花魁おいらん? とかでよく使う言葉だった。
 身請けされたら、その人専用で夜の営みをぉ…ということも、あったような、なかったような?
 普通に恋愛して、伴侶にするために遊女を身請けする場合もあったみたいだけど。
 伴侶だって、そういう意味合いだもんな? あわわ。

 身請け先である殿下が同性だから、そういうことは全く考えていなかった。
 さっき殿下にからかわれて、はじめて思い至ったというか?
 俺を所有したのも、医者として入用で、雑務とか仕事をさせてこき使うのかと思って…。
 いや、入用と言えば…。

「で、殿下は。そちらの方は入用ではないということで…」
 そうだ、そうだ、殿下はそう言っていました。
 ですよね? おっさんはアウトオブ眼中ですよね? これ、死語?
 とはいえ、レギはあからさまにホッとした息を吐いた。

「良かった。あの声が寝室から漏れてきたら、どうコエダを誤魔化そうかと思案していた。殿下に、子供に配慮する分別があるのは、意外ですが」
 あの声って、色っぽい声ですよね。
 と思って、ポッと頬を赤くする。
 確かに子供には聞かせられません。

 レギは小枝の耳から手を離し、普通に会話し始めた。夜なのでおさえめだが。
「殿下に目配せされて、タイジュからコエダを引き離したはいいが、パパを守らなきゃって、だいぶごねたんです。ひとりで寝られたら駄賃をやると言ったのだが、ゴネゴネで。しかし、夜はあなたは殿下のモノになる。今のうちにコエダにはひとり寝に慣れてもらいたいのだ」

 王子が寝ているのを見て、レギは驚いたから。王子に不眠症の気があることは察しているのだろう。
 でも、レギは。俺を殿下の夜伽よとぎ相手だと思っているみたいだな?
 いや、男相手に夜伽ワードは、は、恥ずかしすぎるっ。
 しかし王子は、あまり不眠症であることを人に知られたくないのか、知らせたくないのか。
 勝手に、王子の不眠症のことは話せない。
 守秘義務が…なんて、この世界で日本の常識は関係ないかもしれないが。
 王子のプライベートをベラベラしゃべるのは普通によろしくないだろう。
 なので、王子の夜のお相手ではないのだということも、今は否定できなかった。

 ま、夜伽相手ではなくても。夜はしばらく、王子のそばにいることになりそうだ。
 年齢的にも、そろそろ小枝はひとりで寝させてもいいのかもしれない。

 でもなぁ、小枝は姉にネグレクトを受けて。ひとりにさせるのは可哀想って思っちゃうんだ。
 姉に甘えられなかった分、俺がいっぱい愛してあげたいし。
 いやいや、小学生にあがる年なのだから。少しずつでもひとり行動に慣れてもらわないとならないんだろうな?
 愛するのと、四六時中ベタベタするのは、同義ではない。
 俺は離れても、小枝を愛している。だから、大丈夫。

 俺は小枝をソファに座らせて。目と目を合わせて告げる。
「小枝、夜はパパ、これから毎日大事なお仕事がある」
「…お仕事?」
 垂れ眉をさらにしょんぼりさせて、小枝が聞いてくる。
 あぁあ、可哀想。しかし、ここは心を鬼にしてぇ。

「そうだよ。うーん、病院では夜勤というものがあるだろう? それだと思えるかな?」
「わかります」
 小枝は下唇をキュッと噛んで、言う。

「だから夜、小枝はひとりで寝なければならなくなる。できるかな?」
「できます。けど…そのお仕事は、パパが嫌なやつじゃない? 殿下に無理やり…とか?」
 俺は安心させるように笑みを浮かべて、小枝に言った。
「全然、嫌なやつじゃない。いつも通りのお医者のお仕事だよ。それに、殿下は無理やりなにかをいる人じゃない、みたい」
 そして小枝の耳のそばでこっそり囁く。
「怖い顔しているけど、ちゃんと理由を話してくれる、優しい人みたい。言葉も乱暴でちょっと怖いけどね?」
「パパ、怖いが二回入ったので、総合的に怖いでいいのではないでしょうか?」
「いや、優しい、たぶん、おそらく」
「かなり希望が入っていますよ、パパ」
 親子でコソコソしながらクスクス笑っていると。

 仲間外れのレギが、咳払せきばらいした。

「んんっ、コエダ。タイジュを身請けするのに金が必要なのだろう? 殿下は手放さないと言うので望み薄だが、いざというときのために、貯金をしなさい。夜、ひとりで寝ることが出来たら、私が一日、百オーベル支給しよう」
「え、一日、百オーベル? 一週間で七百オーベル? 一ヶ月で三千オーベルぅぅ? やりますっ」
「…五歳なのに、計算すごく早くね?」
 小枝の計算能力に、レギはジト目で…いや、たぶん感心していた。

「ま、頭が良ければ仕事もいろいろ回せるからいいだろう。タイジュと一緒に、コエダも王宮でのお仕事を頑張りなさい」
「はい、レギ様。今日からひとりで寝ます。パパは遠くに行ってください」
「ええぇぇぇ? 今日はイイじゃないか。パパはここにいるのだし」
「駄目です。早くお金を稼いでパパを取り戻さないと、パパのテーソーの危機ですから。急がなければっ」
 そう言って、小枝はソファに横になり、ブランケットをかぶって、寝た。早。

 つか、五歳で計算速いのも。
 ひとりで寝るのにごねないのも。
 守銭奴しゅせんどになりかけているのも。
 中の大人小枝の仕業しわざだね?

 ってことは、テーソーの危機も、やっぱ貞操の危機で。
 小枝は俺の夜の営み的なものを心配しているわけだね?
 あぁ、五歳の息子に、そのようなことを心配されてしまうとはっ。
 でも、やっぱりそれは。
 パパを新しいママに取られたくない再婚時によくある葛藤みたいなものかもしれないし。
 大丈夫だよ、小枝。
 殿下は入用じゃないって言ったんだから、そんなの心配することないからな?
 うんうん。心配することないない。

 あぁ、しかし。息子の成長が早いのは、パパはちょっと寂しいっ。

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