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番外 モブに期待、コーデリア・カザレニアの悔恨
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◆番外 モブに期待、コーデリア・カザレニアの悔恨
私こと、コーデリアは。娘のシャーロットに手を引かれ、庭に向かっている。
なんでも、ガーデンパーティーをしているとのこと。
お茶会なんて、久しぶりね。
先日、行儀見習いと称して、後宮の働き手となった、アイリス嬢は。娘の良い話し相手であり。後宮の雰囲気を明るくするムードメーカーでもある。
ガーデンパーティーも、アイリスが発案したものだというのだ。
「普通のお茶会では、ないのですって。プリンをいっぱい作ったらしいわ? 面白いことをするわね、アイリスは」
そう言って、黒猫を抱えた娘は、明るい笑顔を見せる。
シャーロットも、アイリスが来る前は。
いつも不満を口にして。溜まる鬱屈を、使用人にぶつけたりしたこともあった。
王族のプライドを、歪ませ。高飛車な物言いをすることも、多かったのだが。
アイリスが来てからは、それもだいぶ減った。
こうして笑顔を見せてくれるようになったことが、一番の、良い変化だった。
そうして、王城と後宮の境にある、芝生に覆われた、開けた庭につくと。
そこでは陛下が。屈託のない笑みを、浮かべていて。
私は、目をみはった。
そばには、クロウがいる。
彼が陛下に、良い変化をもたらしてくれたのだと、すぐにわかった。
シャーロットに、アイリスがいるように。
陛下は、クロウとともにあることで、お心をほぐすことができたのだろう。
母として、これほどに幸せな情景が、あるだろうか?
庭で、大勢の使用人が談笑しているところを見て、私は、過去のきらびやかな時代に、思いを巡らせた。
十年以上前になるが、シャーロットが一歳になったお祝いに、この王城で、盛大なパーティーが催された。
名だたる貴族が、王城を訪れ。エントランスホールでは、ひしめき合うほどの人々がダンスに興じ。五歳になるイアン王子は、可愛らしいと人々の注目を集め。みんなが笑顔だった。
しかし、その幸せな情景は、砂の城のごとく、一瞬で崩れ落ちてしまう。
私の伴侶であり、先王であったレンドルフが。ろくな治療を受けられぬまま、肺炎で逝去した。
私は、レンドルフ陛下が亡くなったことを、長く嘆き悲しみ。
これからどうなってしまうのか、その不安にのまれて、ただただ涙していた。
しかし、それが、最悪の間違いだったのだ。
大事な者を亡くしたのだから、嘆き悲しむことは、普通なら間違いではない。
でも、私は王妃だったのだ。
子供を守るために、気丈であらねばならなかったのに。
私は。普通に、家族を亡くした者と同じ行動をとってしまった。
私は、イアンを即位させてはならなかった。
せめて、摂政として。すべてを支配しなければならなかったのだ。
私が後ろ盾として、しっかりイアンを支えることができていたら。
その道筋を作れていれば。
八歳の、なにもわからぬイアンが、王として担ぎ上げられ。実権を、悪意ある者に奪われることはなかった。
それ以前に、陛下がろくな治療も受けられなかった、そのことについて、素早く疑問を持つべきだった。
いろいろ、予兆はあったのに。
だが結局。私が嘆き悲しんでいる間に、イアンの即位式は済まされ。
そして、あれよあれよといううちに、この孤島に、少人数だけで閉じ込められてしまった。
気づいたときには、カザレニアの政治から、王族が完璧に切り離された状態になっていたのだ。
わかっている。アナベラとバミネは用意周到に、この機会を狙っていた。すべてが計画どおりなのだと。
一枚も二枚の上手の彼らに、私ごときが敵うわけもなかったかもしれないが。
それでも、悔やんでしまうのだ。
あのときこうしていたら、もっと早くに察していれば、最悪の事態を回避できたのではないか、と。
そうして、ひとつつまづいた、そのことを挽回することもできずに、十年が過ぎる。
その間、バミネの脅威にさらされて、命も脅かされて。
長い年月、そのような日々が続けば。イアンもシャーロットも、それはそれは鬱屈がたまることだろう。
私は、彼らの笑顔を見なくなって、久しかった。
でも、アイリスとクロウが来たことによって、王城に新しい風が吹き。
愛する息子と娘の顔に、笑顔が戻った。
なんて素敵なことだろう。
以前、イアンがクロウを紹介したとき。彼らの間に、気安さみたいなものを感じ取った。
イアンは長く、人を、心の内に入れることはなかった。
それは、母である私のこともだ。
家族を信用していないわけではないのだろうが。バミネや他者に隙を作らないために、全部を排除するような、頑なさがあったのだ。
しかし、クロウとイアンの間に、そのような壁はないように見えた。
交流するうちに、イアンが心を開いたのだろうか?
そうだったらいい。
もっと、イアンと仲良くしてちょうだい?
そんな気持ちで、先日、クロウにお願いしたものだ。
彼は平民の仕立て屋。王であるイアンとは、一生縁がなくてもおかしくない、身分ではあるが。
もう、王族だの、身分だの、なんだの、そんな些末なことはどうでもいい。
ただ、愛する子供たちが、笑って、健やかに生きていけるのなら。
王であるイアンと、平民のクロウが、出会ったのは縁である。
良い縁が結びついたのだから、イアンがクロウと接することで、さらに良い変化があることを。私は期待した。
そして、本日。ガーデンパーティーの会場で、イアンが言った。
「母上、クロウは、我の大事な人になったのです。我の心を救ってくれた、かけがえのない人だ」
柔らかい笑みを浮かべて、イアンはクロウの肩を抱く。
えぇ、えぇ。貴方のその顔を見れば、わかりますよ。
だって…貴方がクロウをみつめるその顔は、レンドルフ様が私をみつめた、あの御顔とそっくりなのですもの。
だけど。
「大事に想うのなら、決して手放してはいけませんよ?」
アナベラとバミネの作為にはまって、レンドルフ様を、むざむざと死に追いやってしまったことを。私は、長く、長く、悔やんでいる。
私は決して、一生、彼らを許しはしないだろう。
愛する者を、もぎ引き離された、この苦痛を、激情を、忘れたりしない。
愛する息子が、かけがえのないと言うほどのクロウと、引き離されることになったら。
きっと、今まで以上の、濃い闇の中をさ迷うことになるだろう。
それだけは、回避してほしい。その想いを込め、忠告した。
あぁ、どうか。彼らの恋の行き先が、私たちのような悲しい結末にならないように。と、私はただ祈るばかりだ。
私こと、コーデリアは。娘のシャーロットに手を引かれ、庭に向かっている。
なんでも、ガーデンパーティーをしているとのこと。
お茶会なんて、久しぶりね。
先日、行儀見習いと称して、後宮の働き手となった、アイリス嬢は。娘の良い話し相手であり。後宮の雰囲気を明るくするムードメーカーでもある。
ガーデンパーティーも、アイリスが発案したものだというのだ。
「普通のお茶会では、ないのですって。プリンをいっぱい作ったらしいわ? 面白いことをするわね、アイリスは」
そう言って、黒猫を抱えた娘は、明るい笑顔を見せる。
シャーロットも、アイリスが来る前は。
いつも不満を口にして。溜まる鬱屈を、使用人にぶつけたりしたこともあった。
王族のプライドを、歪ませ。高飛車な物言いをすることも、多かったのだが。
アイリスが来てからは、それもだいぶ減った。
こうして笑顔を見せてくれるようになったことが、一番の、良い変化だった。
そうして、王城と後宮の境にある、芝生に覆われた、開けた庭につくと。
そこでは陛下が。屈託のない笑みを、浮かべていて。
私は、目をみはった。
そばには、クロウがいる。
彼が陛下に、良い変化をもたらしてくれたのだと、すぐにわかった。
シャーロットに、アイリスがいるように。
陛下は、クロウとともにあることで、お心をほぐすことができたのだろう。
母として、これほどに幸せな情景が、あるだろうか?
庭で、大勢の使用人が談笑しているところを見て、私は、過去のきらびやかな時代に、思いを巡らせた。
十年以上前になるが、シャーロットが一歳になったお祝いに、この王城で、盛大なパーティーが催された。
名だたる貴族が、王城を訪れ。エントランスホールでは、ひしめき合うほどの人々がダンスに興じ。五歳になるイアン王子は、可愛らしいと人々の注目を集め。みんなが笑顔だった。
しかし、その幸せな情景は、砂の城のごとく、一瞬で崩れ落ちてしまう。
私の伴侶であり、先王であったレンドルフが。ろくな治療を受けられぬまま、肺炎で逝去した。
私は、レンドルフ陛下が亡くなったことを、長く嘆き悲しみ。
これからどうなってしまうのか、その不安にのまれて、ただただ涙していた。
しかし、それが、最悪の間違いだったのだ。
大事な者を亡くしたのだから、嘆き悲しむことは、普通なら間違いではない。
でも、私は王妃だったのだ。
子供を守るために、気丈であらねばならなかったのに。
私は。普通に、家族を亡くした者と同じ行動をとってしまった。
私は、イアンを即位させてはならなかった。
せめて、摂政として。すべてを支配しなければならなかったのだ。
私が後ろ盾として、しっかりイアンを支えることができていたら。
その道筋を作れていれば。
八歳の、なにもわからぬイアンが、王として担ぎ上げられ。実権を、悪意ある者に奪われることはなかった。
それ以前に、陛下がろくな治療も受けられなかった、そのことについて、素早く疑問を持つべきだった。
いろいろ、予兆はあったのに。
だが結局。私が嘆き悲しんでいる間に、イアンの即位式は済まされ。
そして、あれよあれよといううちに、この孤島に、少人数だけで閉じ込められてしまった。
気づいたときには、カザレニアの政治から、王族が完璧に切り離された状態になっていたのだ。
わかっている。アナベラとバミネは用意周到に、この機会を狙っていた。すべてが計画どおりなのだと。
一枚も二枚の上手の彼らに、私ごときが敵うわけもなかったかもしれないが。
それでも、悔やんでしまうのだ。
あのときこうしていたら、もっと早くに察していれば、最悪の事態を回避できたのではないか、と。
そうして、ひとつつまづいた、そのことを挽回することもできずに、十年が過ぎる。
その間、バミネの脅威にさらされて、命も脅かされて。
長い年月、そのような日々が続けば。イアンもシャーロットも、それはそれは鬱屈がたまることだろう。
私は、彼らの笑顔を見なくなって、久しかった。
でも、アイリスとクロウが来たことによって、王城に新しい風が吹き。
愛する息子と娘の顔に、笑顔が戻った。
なんて素敵なことだろう。
以前、イアンがクロウを紹介したとき。彼らの間に、気安さみたいなものを感じ取った。
イアンは長く、人を、心の内に入れることはなかった。
それは、母である私のこともだ。
家族を信用していないわけではないのだろうが。バミネや他者に隙を作らないために、全部を排除するような、頑なさがあったのだ。
しかし、クロウとイアンの間に、そのような壁はないように見えた。
交流するうちに、イアンが心を開いたのだろうか?
そうだったらいい。
もっと、イアンと仲良くしてちょうだい?
そんな気持ちで、先日、クロウにお願いしたものだ。
彼は平民の仕立て屋。王であるイアンとは、一生縁がなくてもおかしくない、身分ではあるが。
もう、王族だの、身分だの、なんだの、そんな些末なことはどうでもいい。
ただ、愛する子供たちが、笑って、健やかに生きていけるのなら。
王であるイアンと、平民のクロウが、出会ったのは縁である。
良い縁が結びついたのだから、イアンがクロウと接することで、さらに良い変化があることを。私は期待した。
そして、本日。ガーデンパーティーの会場で、イアンが言った。
「母上、クロウは、我の大事な人になったのです。我の心を救ってくれた、かけがえのない人だ」
柔らかい笑みを浮かべて、イアンはクロウの肩を抱く。
えぇ、えぇ。貴方のその顔を見れば、わかりますよ。
だって…貴方がクロウをみつめるその顔は、レンドルフ様が私をみつめた、あの御顔とそっくりなのですもの。
だけど。
「大事に想うのなら、決して手放してはいけませんよ?」
アナベラとバミネの作為にはまって、レンドルフ様を、むざむざと死に追いやってしまったことを。私は、長く、長く、悔やんでいる。
私は決して、一生、彼らを許しはしないだろう。
愛する者を、もぎ引き離された、この苦痛を、激情を、忘れたりしない。
愛する息子が、かけがえのないと言うほどのクロウと、引き離されることになったら。
きっと、今まで以上の、濃い闇の中をさ迷うことになるだろう。
それだけは、回避してほしい。その想いを込め、忠告した。
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