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110 ハイパーチートさん、出番ですっ。
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◆ハイパーチートさん、出番ですっ。
赤穂たちも、引き連れて来いという指示を受け。通信を切った紫輝は。
ダヨンとした愛らしい顔に戻ったライラに、しばし抱きついて。考える。
これって、みんなに、どう説明したらいいんだ?
考えて。自分では無理だなと結論を出した紫輝は。
小さく扉を開けて、廊下にいる大和にお願いする。
「廣伊のこと、呼んできてくれる?」
大和は、ちらりと横を見て、どこかに隠れている千夜とアイコンタクトを取ると。廣伊を呼びに行ってくれた。
そして、やってきた廣伊を部屋に引き入れ。先ほどの顛末を話した。
「…は? あさって? 無茶を言いやがる」
廣伊はつぶやいたあと、空をみつめて思案する。
「なぁ、みんなに、どう言ったらいいんだ? とりあえず、あさってまでに、前線基地に行かなきゃならないよね」
「罪人を連れて、な。そうだな…まず。里中様を外す。おそらく手裏と将堂の前で、派手にやらかすことになるんだろう? なら、里中様は、その場にいない方がいいだろう」
「幸直も、傷が治っていないから、連れて行けない。なら、幸直と巴は、本拠地の仕事をしてもらうようにしよう」
「そのあと、本題に入る。瀬間様がいるから、伴侶の名乗りの話は…赤穂様と合流してからしよう。そのとき瀬来様にも、相談に乗ってもらえ」
「よし。行こう」
おおよその段取りを廣伊に立ててもらい。紫輝と廣伊は青桐たちがいる部屋に戻った。
「なにか、新しい情報はあるか?」
青桐に、ぐっさり単刀直入に聞かれるが。
まず、紫輝は巴に声をかけた。
「これから、大きな作戦が始まる。青桐に前線基地に行ってもらうことになるんだけど。巴と幸直は本拠地に残って、こちらの仕事をしてもらいたい」
そう言って、紫輝はウィンクした。
いや、うまく片目をつぶれない。パチパチまばたきしかできなくて。何度か、へったくそなウィンクもどきをしていると。
瀬間が言った。
「なんだ? 目にゴミが入ったのか?」
「ちがくってっ」
瀬間に唇をとがらせて怒ると。巴が紫輝に言った。
「わかった。アレだろ? 幸直はまだ動かせないから、丁度いい。では、今日はこの辺で」
一礼し、巴は部屋を出て行った。
ちゃんと、聞いたらマズいアレだと、気づいてくれたようだ。
「おい? なんで巴を帰してしまうんだ? 青桐様が前線に赴かれるなら、幹部全員で行くべきだろう!」
紫輝の勝手な行動に、側近である瀬間は目を吊り上げ、怒りをあらわにするが。
貴方がいない間に、事態は複雑になっているのです。
まぁ、落ち着いて。
「これから説明するので。瀬間様、少しだけ怒りを静めてください。あとでいくらでも、怒られます」
しゅんとした様子で紫輝にみつめられ、瀬間はウッとなる。
子供をいじめているみたいではないか。
「わかった。早く説明しろっ」
人に聞かれぬ、こそこそ話をしたくって、瀬間と堺と廣伊を、紫輝は青桐の机に呼び寄せる。
机の周りで、みんなが顔を突き合わせると。
廣伊がぼそりと切り出した。
「紫輝の隠密の話によると…交戦中に金蓮様が、手裏に捕縛されたそうだ。手裏の要求は、こちらで捕縛した手裏の要人を金蓮様と交換すること」
冷静に、顛末を説明する。
いらぬところを、いい感じに、はぶいてくれた。
だが、やっぱり、みんな目を丸くして、口があんぐりになっている。
「いやいや、待て。この冬の最中に交戦しているというのも、おかしな話なのに。金蓮様が捕縛? つか、こちらで捕縛した要人って、なんだ?」
なんの話か、瀬間は全くついていけない。
元はおおらかな性格だと思うのだが。困惑と戸惑いで、目を回している。
「途中で、幸直に会ったって、瀬間様は…」
「瀬間でいい。面倒だろ。もう、おまえも幹部で仲間だし」
名呼びを許してくれたので。紫輝は瀬間にうなずく。
確かに様づけ面倒。
すでに青桐も、呼び捨てだしな。
「んで、そのとき幸直は、負傷していたと思うんだけど。青桐が外に視察に出た折に、手裏の賊に襲われて、戦闘になり。賊を捕縛したとき、幸直が負傷したんだ。先に俺らが、罪人を本拠地へ運び入れ、幸直は後からゆっくり帰宅しろってことになったわけ」
ざっと、堺と青桐に目線をやって、話を合わせるように合図する。
話は前後するが。まぁ、辻褄は合っているし。視察に出たのも嘘じゃないから。
嘘じゃないもん。
「手裏の要人というのは、手裏銀杏という手裏家のお姫様で、賊の中にいた。向こうにとっては、金蓮様と交換してでも連れ戻したい方…なのではないかな?」
「手裏家の姫? 基成の奥方か?」
「姉っ! お、おねぇさんということらしいけど?」
瀬間の疑問に、すかさず、紫輝は銀杏を姉だと訂正する。
基成の奥方は、自分ですぅ。
今は、言えないけど。変な誤解はしてほしくないんで。
勘繰られたくもないんで。
即座に紫輝は否定しておいた。
事情を知っているみんなは、紫輝が必死なものだから、笑いをかみ殺しているが。
「問題は、交換の期日が、明後日だということ。隠密情報で、俺らは、かなり早く、状況がわかっているが。前線基地からの連絡を待っていたら、たぶん、あさってにはつけないよ。今回は強行軍になるから、負傷している幸直は、連れて行けない。怪我人の幸直だけじゃ本拠地の防御が心もとないから、巴にもこちらに残ってもらう。あと、手柄を左にやりたくないんだよねぇ、幸直が負傷してまで捕まえたんだから。だから、左軍に、この件は教えませんっ」
本当は、捕まえたの、赤穂だけど。そういうことにしておいた。
今はまだ。
問題点や、今回、巴を外した理由など、紫輝がとうとうとしゃべったあと。
廣伊が提案した。
「なので、右の幹部が、明日の朝一番にここを出て、護送するしかないと思う。隊や大隊を引き連れて、人数が多くなれば、一日で前線基地まで行くのは難しくなる。ここは少数精鋭で行くべきだ」
納得の顔で、堺と青桐はうなずくが。
瀬間は眉間にしわを寄せる。
「巴を外した件は、理解したが。護送に馬車を出すなら、結局、速度は出ないぞ。強行軍といっても、一日では到着できないのでは? 荷物じゃないから馬にも積めないし。縛った者を乗せて、早駆けできないだろ」
今の時代の馬車は、護送のとき紫輝も乗ったけれど。車軸が木組みでできているので、スムーズに車輪が回らない。せいぜい、ママチャリの速度くらいしか出ないな。
なので、一日で到着できないという瀬間の指摘はもっともだった。
でも、紫輝にはライラがいる。ハイパーチートさん、出番ですっ。
「なら、ここは。やはり、ライラでしょっ。ライラなら、生気を吸って意識を無くした銀杏を、くくり付けて、俺が支えるために乗っても、悠々と早駆けの馬についていけるよ?」
みんなは、うんうんと言うが。
やはり瀬間だけ、ハテナ顔になるのだった。
「らいらってなんだ?」
紫輝は意気揚々と、後ろ手に剣を引き抜くと。ライラ様を召喚した。
剣が目の前でクルンと回り、毛艶の良い真白き獣のライラがババーンと登場した。
しゃなりと、紫輝の隣にお座りする。
昨日も可愛かったが、先ほども可愛かったが、今もとても、お可愛いですぅ。
「これが、ライラです。俺の飼い猫です」
「かっ…」
瀬間は一言、口に出す。
そうです。可愛いです。
さぁ、言いなさい!
「かっけーっ、なんだそれ。猛獣か? おまえ、猛獣従えてんのか? やっべぇ、かっけーっ」
一応、目をキラキラさせて、瀬間はライラをうらやましそうに見やった。
けれど、男の子がプラモデルかっけー、って言うのと同義な様子に、紫輝は不満だ。
「猛獣じゃない。猫って言ったろ? 俺の可愛いお姫様だ。かっけー、じゃなくて、可愛いですぅ」
紫輝は、がっくりした。
このビューティフルライラを見て、なぜみんな、可愛いと言わないのか?
かっけー、も。誉め言葉だから、悪くはないけど。
ライラ可愛い信者は、あのちょっと変態入っている井上だけ…と思うと、寂しいやら複雑やら、という気になる。
「つか、これに人間ふたりも乗せて、馬についてこれんのか?」
「これ、じゃなくて、ライラです。ライラはなんでもできるので、大丈夫です。俺たちだけなら、二時間もあれば基地まで行けるんだからなっ。余裕ですよ」
自分の手柄でもないのに、紫輝がドヤ顔をした。
瀬間は、理解しているのか、できないのか、わからない複雑な顔をし。助けを求めるように、堺や青桐を見るのだが。
彼らも首を横に振る。
仕方がない。ライラは神秘なので。
「んー、ま。金蓮様を、お救いするのが最優先だな。その案で行こう。なにがあるかわからないから、朝の五時にはここを出発しよう…つか、なんて、でたらめな龍鬼なんだっ」
堺と廣伊は、瀬間の言葉に『龍鬼くくりで紫輝と一緒にしないでください』という顔をする。
なんでぇ? ひどいよぉ?
最年少の可愛い幼気な龍鬼に、でたらめとか言わないでくださいっ。
ということで、翌日、青桐と堺と瀬間、巴たちの代わりに廣伊、そして紫輝と大和の六人で、銀杏を前線基地まで護送することになった。
赤穂たちも、引き連れて来いという指示を受け。通信を切った紫輝は。
ダヨンとした愛らしい顔に戻ったライラに、しばし抱きついて。考える。
これって、みんなに、どう説明したらいいんだ?
考えて。自分では無理だなと結論を出した紫輝は。
小さく扉を開けて、廊下にいる大和にお願いする。
「廣伊のこと、呼んできてくれる?」
大和は、ちらりと横を見て、どこかに隠れている千夜とアイコンタクトを取ると。廣伊を呼びに行ってくれた。
そして、やってきた廣伊を部屋に引き入れ。先ほどの顛末を話した。
「…は? あさって? 無茶を言いやがる」
廣伊はつぶやいたあと、空をみつめて思案する。
「なぁ、みんなに、どう言ったらいいんだ? とりあえず、あさってまでに、前線基地に行かなきゃならないよね」
「罪人を連れて、な。そうだな…まず。里中様を外す。おそらく手裏と将堂の前で、派手にやらかすことになるんだろう? なら、里中様は、その場にいない方がいいだろう」
「幸直も、傷が治っていないから、連れて行けない。なら、幸直と巴は、本拠地の仕事をしてもらうようにしよう」
「そのあと、本題に入る。瀬間様がいるから、伴侶の名乗りの話は…赤穂様と合流してからしよう。そのとき瀬来様にも、相談に乗ってもらえ」
「よし。行こう」
おおよその段取りを廣伊に立ててもらい。紫輝と廣伊は青桐たちがいる部屋に戻った。
「なにか、新しい情報はあるか?」
青桐に、ぐっさり単刀直入に聞かれるが。
まず、紫輝は巴に声をかけた。
「これから、大きな作戦が始まる。青桐に前線基地に行ってもらうことになるんだけど。巴と幸直は本拠地に残って、こちらの仕事をしてもらいたい」
そう言って、紫輝はウィンクした。
いや、うまく片目をつぶれない。パチパチまばたきしかできなくて。何度か、へったくそなウィンクもどきをしていると。
瀬間が言った。
「なんだ? 目にゴミが入ったのか?」
「ちがくってっ」
瀬間に唇をとがらせて怒ると。巴が紫輝に言った。
「わかった。アレだろ? 幸直はまだ動かせないから、丁度いい。では、今日はこの辺で」
一礼し、巴は部屋を出て行った。
ちゃんと、聞いたらマズいアレだと、気づいてくれたようだ。
「おい? なんで巴を帰してしまうんだ? 青桐様が前線に赴かれるなら、幹部全員で行くべきだろう!」
紫輝の勝手な行動に、側近である瀬間は目を吊り上げ、怒りをあらわにするが。
貴方がいない間に、事態は複雑になっているのです。
まぁ、落ち着いて。
「これから説明するので。瀬間様、少しだけ怒りを静めてください。あとでいくらでも、怒られます」
しゅんとした様子で紫輝にみつめられ、瀬間はウッとなる。
子供をいじめているみたいではないか。
「わかった。早く説明しろっ」
人に聞かれぬ、こそこそ話をしたくって、瀬間と堺と廣伊を、紫輝は青桐の机に呼び寄せる。
机の周りで、みんなが顔を突き合わせると。
廣伊がぼそりと切り出した。
「紫輝の隠密の話によると…交戦中に金蓮様が、手裏に捕縛されたそうだ。手裏の要求は、こちらで捕縛した手裏の要人を金蓮様と交換すること」
冷静に、顛末を説明する。
いらぬところを、いい感じに、はぶいてくれた。
だが、やっぱり、みんな目を丸くして、口があんぐりになっている。
「いやいや、待て。この冬の最中に交戦しているというのも、おかしな話なのに。金蓮様が捕縛? つか、こちらで捕縛した要人って、なんだ?」
なんの話か、瀬間は全くついていけない。
元はおおらかな性格だと思うのだが。困惑と戸惑いで、目を回している。
「途中で、幸直に会ったって、瀬間様は…」
「瀬間でいい。面倒だろ。もう、おまえも幹部で仲間だし」
名呼びを許してくれたので。紫輝は瀬間にうなずく。
確かに様づけ面倒。
すでに青桐も、呼び捨てだしな。
「んで、そのとき幸直は、負傷していたと思うんだけど。青桐が外に視察に出た折に、手裏の賊に襲われて、戦闘になり。賊を捕縛したとき、幸直が負傷したんだ。先に俺らが、罪人を本拠地へ運び入れ、幸直は後からゆっくり帰宅しろってことになったわけ」
ざっと、堺と青桐に目線をやって、話を合わせるように合図する。
話は前後するが。まぁ、辻褄は合っているし。視察に出たのも嘘じゃないから。
嘘じゃないもん。
「手裏の要人というのは、手裏銀杏という手裏家のお姫様で、賊の中にいた。向こうにとっては、金蓮様と交換してでも連れ戻したい方…なのではないかな?」
「手裏家の姫? 基成の奥方か?」
「姉っ! お、おねぇさんということらしいけど?」
瀬間の疑問に、すかさず、紫輝は銀杏を姉だと訂正する。
基成の奥方は、自分ですぅ。
今は、言えないけど。変な誤解はしてほしくないんで。
勘繰られたくもないんで。
即座に紫輝は否定しておいた。
事情を知っているみんなは、紫輝が必死なものだから、笑いをかみ殺しているが。
「問題は、交換の期日が、明後日だということ。隠密情報で、俺らは、かなり早く、状況がわかっているが。前線基地からの連絡を待っていたら、たぶん、あさってにはつけないよ。今回は強行軍になるから、負傷している幸直は、連れて行けない。怪我人の幸直だけじゃ本拠地の防御が心もとないから、巴にもこちらに残ってもらう。あと、手柄を左にやりたくないんだよねぇ、幸直が負傷してまで捕まえたんだから。だから、左軍に、この件は教えませんっ」
本当は、捕まえたの、赤穂だけど。そういうことにしておいた。
今はまだ。
問題点や、今回、巴を外した理由など、紫輝がとうとうとしゃべったあと。
廣伊が提案した。
「なので、右の幹部が、明日の朝一番にここを出て、護送するしかないと思う。隊や大隊を引き連れて、人数が多くなれば、一日で前線基地まで行くのは難しくなる。ここは少数精鋭で行くべきだ」
納得の顔で、堺と青桐はうなずくが。
瀬間は眉間にしわを寄せる。
「巴を外した件は、理解したが。護送に馬車を出すなら、結局、速度は出ないぞ。強行軍といっても、一日では到着できないのでは? 荷物じゃないから馬にも積めないし。縛った者を乗せて、早駆けできないだろ」
今の時代の馬車は、護送のとき紫輝も乗ったけれど。車軸が木組みでできているので、スムーズに車輪が回らない。せいぜい、ママチャリの速度くらいしか出ないな。
なので、一日で到着できないという瀬間の指摘はもっともだった。
でも、紫輝にはライラがいる。ハイパーチートさん、出番ですっ。
「なら、ここは。やはり、ライラでしょっ。ライラなら、生気を吸って意識を無くした銀杏を、くくり付けて、俺が支えるために乗っても、悠々と早駆けの馬についていけるよ?」
みんなは、うんうんと言うが。
やはり瀬間だけ、ハテナ顔になるのだった。
「らいらってなんだ?」
紫輝は意気揚々と、後ろ手に剣を引き抜くと。ライラ様を召喚した。
剣が目の前でクルンと回り、毛艶の良い真白き獣のライラがババーンと登場した。
しゃなりと、紫輝の隣にお座りする。
昨日も可愛かったが、先ほども可愛かったが、今もとても、お可愛いですぅ。
「これが、ライラです。俺の飼い猫です」
「かっ…」
瀬間は一言、口に出す。
そうです。可愛いです。
さぁ、言いなさい!
「かっけーっ、なんだそれ。猛獣か? おまえ、猛獣従えてんのか? やっべぇ、かっけーっ」
一応、目をキラキラさせて、瀬間はライラをうらやましそうに見やった。
けれど、男の子がプラモデルかっけー、って言うのと同義な様子に、紫輝は不満だ。
「猛獣じゃない。猫って言ったろ? 俺の可愛いお姫様だ。かっけー、じゃなくて、可愛いですぅ」
紫輝は、がっくりした。
このビューティフルライラを見て、なぜみんな、可愛いと言わないのか?
かっけー、も。誉め言葉だから、悪くはないけど。
ライラ可愛い信者は、あのちょっと変態入っている井上だけ…と思うと、寂しいやら複雑やら、という気になる。
「つか、これに人間ふたりも乗せて、馬についてこれんのか?」
「これ、じゃなくて、ライラです。ライラはなんでもできるので、大丈夫です。俺たちだけなら、二時間もあれば基地まで行けるんだからなっ。余裕ですよ」
自分の手柄でもないのに、紫輝がドヤ顔をした。
瀬間は、理解しているのか、できないのか、わからない複雑な顔をし。助けを求めるように、堺や青桐を見るのだが。
彼らも首を横に振る。
仕方がない。ライラは神秘なので。
「んー、ま。金蓮様を、お救いするのが最優先だな。その案で行こう。なにがあるかわからないから、朝の五時にはここを出発しよう…つか、なんて、でたらめな龍鬼なんだっ」
堺と廣伊は、瀬間の言葉に『龍鬼くくりで紫輝と一緒にしないでください』という顔をする。
なんでぇ? ひどいよぉ?
最年少の可愛い幼気な龍鬼に、でたらめとか言わないでくださいっ。
ということで、翌日、青桐と堺と瀬間、巴たちの代わりに廣伊、そして紫輝と大和の六人で、銀杏を前線基地まで護送することになった。
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