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56 年越し小話 ③ ★
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◆千夜と廣伊のラブラブ年越し
大晦日、千夜と廣伊は年越しパーティーにお呼ばれされて、赤穂の屋敷にいる。
紫輝は天誠がいないので、本棟は使わず、赤穂の屋敷で過ごしていた。
赤穂の屋敷の居間は大きな囲炉裏があって、本棟とあまり変わらない造りをしている。囲炉裏の火に、お嬢があたり。お嬢の背中に寄り掛かって、紫輝はだらだらしているのだが。
つい最近親子の名乗りをしたというのに、驚きのくつろぎっぷりである。
その横で、赤穂と月光は酒を酌み交わしていた。
息子と迎える年越しで、紫輝流に言うと、てんしょんばくあがり、だ。
「高槻、望月、おまえらも飲め」
元上司の盃を回避することなど出来ず。御馳走を堪能して夜更けに自分たちの屋敷に戻ったときには、己も廣伊もしたたかに酔って…盛り上がってしまった。
「馬鹿、馬鹿ぁ、もう、それ、や…め…あぁっ」
寝台の上、敷布を乱しながら、廣伊は一糸まとわぬ身をくねらせている。
廣伊のなめらかな肌に、千夜が、抜けた瑠璃の羽を這わせているのだ。
羽で頬をかすめていたときは、くすぐったがっていただけなのに。首筋や肩を羽でたどると、んっ、と息をのむようになり。鎖骨から胸、腹筋のくぼみを羽の先で掃くと。身悶えるほどに感じ始め。
色っぽい声を、漏らすようになってきた。
そうなったら、もう。羽でどこを撫でても。敏感な体は快楽に惑乱するばかりだ。
「まだ、一番いいところを可愛がっていないぞ?」
犬歯を剥き出しにし、美味しそうな獲物を前にするかの獰猛な様子で、千夜は舌なめずりをする。
彼の野生を感じ、廣伊は期待に身震いする。
両手で口元をおさえ、嬌声をこらえた。
「…っ、ふ」
すでに胸の周辺を羽でいじられ、過敏になっていた。でも乳首に、羽は触れていなくて。
ようやく羽が、そこにたどり着く。
ツンと立ちあがっている突起に、羽の先が触れたら。
「あっ、あぁぁ…」
期待感と実際の触感に、えもいわれぬ疼きと痺れが廣伊の体に襲い掛かり。少し、極めてしまった。
屹立から、甘い蜜がとろりとしたたり落ちる。
「ん? 乳首でイッちゃった? 可愛いな、廣伊。でも、まだまだだぞ」
千夜は。右と左、交互に廣伊の乳首を可愛がる。尖った部分をより立ち上がらせるように、羽を上下に動かしたり。突端を素早く羽先で弾いたり。乳輪の周りをくるくると回しながら、不意に乳頭を強めにつついたり。
「あん、やぁ…千夜ぁ」
口元をおさえても、あえぎはおさえられない。
胸の上が、うずうずじんじんして、耐えられない。
羽が触れるたびに、廣伊はびくびくと体を震わせた。
過ぎる悦楽を体から逃すように、身をくねらせる廣伊の媚態は。千夜を熱く興奮させる。
「も、胸、駄目っ」
緑の瞳を涙ぐませ、廣伊は手で胸を防御すると。うつ伏せになって逃げた。
でもそうすると。千夜の目の前には、形の良い廣伊の臀部が無防備にさらされる。
「次は、ここをご所望か?」
千夜は廣伊に膝立ちになるようにうながす。
嫌だ、駄目だと言いながら、千夜の要求に、廣伊はどんな恥ずかしい格好でも従ってくれるのだ。
あらわになった、桃色に息づくすぼまりを羽で触れる。
「んっ、あ、あぁ…やぁ、千夜ぁ、駄目、しないでぇ」
膝立ちを崩さずに、腰を揺らめかせる。
そんな卑猥な痴態を見せられたら。言うことなんか聞けません。
千夜は、廣伊が荒い息遣いで敷布に頭をすりつけて悶えるサマを堪能しながら、羽でくすぐる攻撃を続ける。
廣伊の屹立をしとどに濡らす甘い蜜で羽の先が濡れると、毛先が固まって。蕾の口にツプリと入り込む。
「んんっ、ち、チクチク、する。千夜、も、や。千夜の。千夜が。欲しい」
蕾は羽をのみ込みたいと、ひくひくうごめいている。濡れた羽は初めの柔らかさが失われ、柔らかい愛撫がもうできないので。寝台の外に捨てた。
そして千夜は、羽の代わりに己の剛直を廣伊の蕾にあてがった。
欲しがってうごめく蕾は、剛直の先にキュッと吸いつき。
その感触に、千夜のモノがガチリと張り詰める。
ぐぬぅと挿入していけば、甘やかに締めつけられて…。
千夜は廣伊から、最上級の愉悦をもたらされ、喉奥でクッと笑う。
あぁ、たまんねぇ。
充分に、官能にひたりきっている廣伊も。隆々とした剛直を、難なく受け止める。
「あ、太い。なんで? 千夜の、いつもより、大きい」
「そりゃ、あれだけ廣伊の、エロいところを見せられたら、たぎり切るって」
ニヤリと笑い、千夜は律動した。
入れて、出して。力強く、苛烈に、廣伊を蹂躙した。
「あ、あ、んぁあ、千夜、はげし…あっ、あぁぁ」
廣伊は敷布を握り、千夜の突き上げを耐えるが。なまめかしくもいじらしく、可愛らしく啼く。
ただ、されるままではなく。己も歓喜を味わいながら、千夜をねだった。
「もっと。千夜、んぁ、いい。あぁ、そこ…ぃい、ん」
「ここが、好き?」
廣伊がいいと言った場所を、千夜も重点的に攻める。
「好きぃ…好き、せんや、いい、あ、あぁぁっ」
羽でいじられて、とろ火で長く炙られたあと、一気に燃え上がるような。
突き抜ける、熱烈な睦み合いだった。
★★★★★
情交のあとのふたりは、だいたい寝台の上でまったりと話をしながら、身を休めることが多い。
互いに、爽快感と情交後特有のけだるさの余韻を楽しんでいる、というところか。
大人なふたりは、すでに夫婦の貫禄である。
千夜は今回の仕事での出来事を、廣伊に話している。
報告というよりは、あんなことやこんなことがありました、的な。軽い話題だ。
「紫輝と大和と、帰り道で話したんだ。紫輝は初めから、お嬢に乗っていった方が良かったんじゃないかってさ。この真冬に紫輝を野営させるわけにいかねぇし、でも馬で駆けていても、ずっと寒い中だろう? 風邪ひいたらヤベェと思っていたんだが。ま、紫輝が元気で良かったんだけどさ」
野営させても、風邪をひかせても、安曇に殺される。と、千夜は思う。
大和も、すっごく気をつかっていたよ。
紫輝の顔色とか様子とか、常に注意を払っていた。
「紫輝はなんで馬で行ったんだ? 馬に慣れるにしても、この雪の季節にわざわざ練習することもない。ライラさんがいるんだからな」
紫輝とライラはワンセット。ライラが駄々をこねるとか、考えもつかない廣伊だった。
「大和が言うには。安曇との乗馬デートでしょ? ってな」
「でーと、ってなんだ?」
「逢引きだってさ。恋人が買い物に行ったり、遊びに行ったり。そういうの。あのふたりはこちらに来てから恋人になったんだっていうから、デートらしいデートをしたことがなかったって。ま、紫輝は怒ってたけど。デートじゃないもん。馬に慣れたかっただけだもん。ってな」
「うわぁ、迷惑な話。千夜、文句言ってもいいんじゃないか?」
クスクス笑って、廣伊が言う。
つまり、千夜も大和も紫輝のデートに付き合わされたみたいなものではないか。
「まぁ、他にもするべきことがあったのだから。それに、得るものもあったし」
「得るものって?」
「さっきの、コチョコチョとか。安曇が…」
千夜は、安曇とのやり取りを思い出す。
千夜は先行して、雪や倒木などで通り抜けられない道がないかなどを調べるため、紫輝たちよりも一足早く出掛けることになっていた。
その出発前に、安曇に声をかけられたのだ。
「隠密として身を立てるのに力を貸したが、おまえの主人は、紫輝だ。私の指示よりも紫輝の指示を優先して動いてもらいたい。ただ。あの能力の件だけは、紫輝がごねてもおまえが阻止しろ。それは紫輝の命を助ける行いだと心に刻んでおいてもらいたい」
もちろん、そうするつもりだった。
腕を取り戻してくれた紫輝に、恩がある。
だけでなく、もう千夜が紫輝に惚れ込んでいるのだ。
紫輝がこの世界でどういうふうに生きていくのか、なにを成すのか。この目で見届けたいのだ。
そのためには、紫輝には元気でいてもらわなきゃな。
「はい。そうします」
安曇に軽く頭を下げると。
彼は、少しからかうような雰囲気で目を細めた。
「立派な羽を持っているが、それは飾りか? 青髪」
初対面のときに言われたのと、似たことを言われ。千夜はイラッとした。
はぁ? と声には出さなかったが。
睨んでは、しまったかもしれない。
「羽はな。夜もいい働きをするんだぞ? 敏感な体に這わせると、いい声で鳴く。試してみたらどうだ?」
鼻でふふんと笑って、安曇は紫輝の元へと行ってしまったのだが。
えええぇ? 仕事に行く前にそんなこと言われたら、気になるじゃないかっ。
そうして千夜は、帰ってくるまで悶々としなければならなかった。
だがそれこそが、安曇のからかいの種なのである。
時間が経てば経つほど、じわじわ効いてくる。意地悪なのだ。
「あれは安曇の仕込みなのか? 余計なことを千夜に吹き込みやがって」
「そうか? ずいぶん気持ち良さそうにしていたけど?」
千夜は廣伊の扇情的な姿を反芻して、いやらしくニヤリと笑う。
「おまえは。普通に抱くだけで充分気持ち良いのに、ヘタなことされると気持ち良すぎて死ぬ」
それって、夜は充実していますってことか? 嬉しいじゃん。
でも気持ち良すぎて死んじゃうって、泣く廣伊も見てみたいのだから。始末に悪いのだが。
「じゃあ、ときどきな」
「…そうしてくれ」
するな、と言いたいのだろうが。先ほどのが気持ち良かったのも事実なのだろう。
葛藤する廣伊が可愛い。
「あと、デート? 俺らもそんなのしたことなかったじゃないか。ずっと基地内にいたからな。明日下に降りて、買い物でもしようぜ」
紫輝が言うには、デートとは恋人たちが手をつないで、町をぶらぶら歩いたり、買い食いをしたり、買い物したり、えいが見たり。
えいがはなにかわからなかったが、とりあえず娯楽らしい。
だから、遊んだり。ということなのだ。
で、いい大人が遊ぶというのはピンとこないので。買い物ならいいんじゃないかと思ったのだ。
そう提案したら、廣伊は。なにやら神妙な顔つきになった。
「どうした?」
「買い物、したことがないんだ」
これも、龍鬼あるあるだ。
龍鬼に、大抵の店は物を売ってくれないので。
「軍内部で、入用なものは揃ったし。たまに本が欲しくなったときは、部下に頼んで買ってきてもらうとか…」
「なるほど。じゃあ初めての買い物だな。大丈夫、俺が手をつないでいてやるし。この村では龍鬼でも物を売ってくれるよ」
「子供じゃないんだから、手はつながなくても…」
「駄目だ、デートなんだから。デートはそういうものなんだ」
廣伊は口をへの字にしながらも、こくりとうなずいた。
素直で信じやすい廣伊、可愛い。
「あとな…」
「まだあるのか?」
廣伊は、千夜の長い話に飽きてきたようだ。
もう少しだから聞いてくれよぉ。
「紫輝と安曇が別れる場面が、すごく良かった。思わずじっくり見てしまったな」
「ふーん、どんなふうに?」
「馬から降りた安曇が、紫輝を抱き止めて。こう、紫輝の頭の位置が高いところで…」
廣伊は身を起こした千夜の、足の上をまたいで。膝立ちになる。
そうすると千夜より廣伊の頭が高い位置に来るのだ。
千夜は廣伊の細い腰に手を回した。
「こうか?」
「そう。そして、紫輝が安曇の頬を手で包んで」
廣伊は千夜の頬を手で包んで。顔を寄せる。
「それで、額と額をぶつけて…」
「ぶつけて?」
廣伊は千夜の額に額をくっつけ、千夜の顔をのぞき込む。
「以上」
「ん? ここまで近づいて、以上か?」
「周囲に俺たちがいたから。チュウ、したようなしないような?」
「ふーん。でも、ここには。誰もいないな?」
「あぁ。いないな」
そうなったら。廣伊は千夜の唇にキスしたくなる。唇を押し当てた。
口を開いて。深く、甘く、くちづける。濡れるように、潤すように、粘膜にねっとりと吸いついて、舌をまといつかせる。ぬるぬるとうごめき、くちゅくちゅとくすぐる。
なまめかしくも、淫らな接吻だった。
千夜も、廣伊からもたらされる大人のキスを楽しむ。
お仕事お疲れ様の、ご褒美チュウだ。
「厳しい仕事明けだというのに。千夜、元気だな?」
廣伊は自分の臀部の辺りに触れる、千夜のナニを揶揄して。笑いかける。
でも欲情に、瞳が潤んでもいた。
「廣伊を前にしていたら、いつも俺は元気になるよ」
千夜は廣伊の乳首を人差し指で撫でて、上目遣いで廣伊に聞いた。
「今度は、舐めたい」
「あぁ、もう羽はなしにしてくれ。あえぎ過ぎて窒息する」
千夜は廣伊を寝台に押し倒すと、彼の体をじっくりと貪った。
ふたりの夜は、まだまだ長い。
◆はっぴぃにゃーにゃー
元日、紫輝は寝台でひとり、目を覚ました。
厳密には、ひとりではない。隣でライラが体を伸ばして寝ているから。
ライラの体長は、天誠よりも大きい。だから天誠と一緒に寝ているのと同じ感覚だ。
外はすでに朝日が昇っている。初日の出、見そびれた。
まぁ以前の世界でも、初日の出はあまり見なかった。
カウントダウンして、行く気になったらそのまま初詣に行って、寝たら。
初日の出、見れないよね?
「ライラさん、起きますよ。朝ごはん食べに行きますよ」
てんてん、と手のひらでライラの腹を叩くと。
ペッカリと彼女が目を開ける。
「ごはん」
そして、超絶高い声で鳴いた。
ここは赤穂の屋敷の中にある、紫輝の部屋だ。天誠が不在のときはここで過ごせと、用意してくれた。
紫輝は適当に着物を重ね着して、ライラとともに居間へと向かう。
扉を開いて、開口一番。赤穂と月光に言った。
「ハッピーニューイヤー」
すると月光が、桃色の瞳を真ん丸にして驚愕の表情になった。
「赤穂! 紫輝が猫になっちゃったっ。はっぴぃにゃーにゃーって、紫輝が鳴いてる」
「いや、明けましておめでとうって意味なんだけど」
「はっ、しゃべった。常々猫っぽいと思っていたから、今年から猫になったのかと思った…」
「月光さん…本当に将堂の宝玉って言われてたの?」
失礼な。猫じゃないもん。
そりゃ、極悪ノラ猫顔だとか。黒猫耳とか。言われてるけど。
髪が跳ねてるだけだもん。
微妙に、年明け早々不機嫌になりつつも。紫輝は囲炉裏の前に座った。
赤穂は黙々と雑煮を食べている。
「わぁ、お雑煮食べたい。正月はやっぱりお雑煮だよね?」
紫輝は、お手伝いさんが作ってくれたお吸い物の中に餅を入れて、家族で食べたことを思い出した。
母は女優だから、料理はしない。
なので、餅を焼く係は紫輝だった。
そして食卓には、なぜかローストビーフやオードブルの盛り合わせみたいなものが並んで…ケータリングだ。
それはそれで、美味しいよ? うちの正月は、いつもそんな感じだった。
囲炉裏の上に吊るされた鍋の中に、雑煮がある。
大根、人参、菜っ葉、野菜がいっぱい入っている。
器は重い、陶器のもの。
以前の世界では、プラスティックのお椀で軽かったが。この世界にプラスティックはない。
でも陶芸や鉄器という自然物で作れるものは、すたれなかったようで。
意外とこの世界で、食器は充実しているのだ。
急須や取っ手のついた複雑な形のものとか、色柄のついた綺麗なお皿とか。
軍にいるときは、食堂に入れなかったからずっと知らなかったけどね。
「三百年前にも、お雑煮があったんだね?」
お雑煮をお椀によそって、月光が聞いてくる。
紫輝はそれを受け取って、答えた。
「うん。むしろ、前にはあったけど今はないものの方が多いよ。唐揚げとか。絶品なのに」
唐揚げが、鳥の肉を揚げたものだと知った月光は、眉間にしわを寄せる。
「鳥を食べるなんて…紫輝はやっぱり猫なんじゃないかな?」
失礼なっ!
大晦日、千夜と廣伊は年越しパーティーにお呼ばれされて、赤穂の屋敷にいる。
紫輝は天誠がいないので、本棟は使わず、赤穂の屋敷で過ごしていた。
赤穂の屋敷の居間は大きな囲炉裏があって、本棟とあまり変わらない造りをしている。囲炉裏の火に、お嬢があたり。お嬢の背中に寄り掛かって、紫輝はだらだらしているのだが。
つい最近親子の名乗りをしたというのに、驚きのくつろぎっぷりである。
その横で、赤穂と月光は酒を酌み交わしていた。
息子と迎える年越しで、紫輝流に言うと、てんしょんばくあがり、だ。
「高槻、望月、おまえらも飲め」
元上司の盃を回避することなど出来ず。御馳走を堪能して夜更けに自分たちの屋敷に戻ったときには、己も廣伊もしたたかに酔って…盛り上がってしまった。
「馬鹿、馬鹿ぁ、もう、それ、や…め…あぁっ」
寝台の上、敷布を乱しながら、廣伊は一糸まとわぬ身をくねらせている。
廣伊のなめらかな肌に、千夜が、抜けた瑠璃の羽を這わせているのだ。
羽で頬をかすめていたときは、くすぐったがっていただけなのに。首筋や肩を羽でたどると、んっ、と息をのむようになり。鎖骨から胸、腹筋のくぼみを羽の先で掃くと。身悶えるほどに感じ始め。
色っぽい声を、漏らすようになってきた。
そうなったら、もう。羽でどこを撫でても。敏感な体は快楽に惑乱するばかりだ。
「まだ、一番いいところを可愛がっていないぞ?」
犬歯を剥き出しにし、美味しそうな獲物を前にするかの獰猛な様子で、千夜は舌なめずりをする。
彼の野生を感じ、廣伊は期待に身震いする。
両手で口元をおさえ、嬌声をこらえた。
「…っ、ふ」
すでに胸の周辺を羽でいじられ、過敏になっていた。でも乳首に、羽は触れていなくて。
ようやく羽が、そこにたどり着く。
ツンと立ちあがっている突起に、羽の先が触れたら。
「あっ、あぁぁ…」
期待感と実際の触感に、えもいわれぬ疼きと痺れが廣伊の体に襲い掛かり。少し、極めてしまった。
屹立から、甘い蜜がとろりとしたたり落ちる。
「ん? 乳首でイッちゃった? 可愛いな、廣伊。でも、まだまだだぞ」
千夜は。右と左、交互に廣伊の乳首を可愛がる。尖った部分をより立ち上がらせるように、羽を上下に動かしたり。突端を素早く羽先で弾いたり。乳輪の周りをくるくると回しながら、不意に乳頭を強めにつついたり。
「あん、やぁ…千夜ぁ」
口元をおさえても、あえぎはおさえられない。
胸の上が、うずうずじんじんして、耐えられない。
羽が触れるたびに、廣伊はびくびくと体を震わせた。
過ぎる悦楽を体から逃すように、身をくねらせる廣伊の媚態は。千夜を熱く興奮させる。
「も、胸、駄目っ」
緑の瞳を涙ぐませ、廣伊は手で胸を防御すると。うつ伏せになって逃げた。
でもそうすると。千夜の目の前には、形の良い廣伊の臀部が無防備にさらされる。
「次は、ここをご所望か?」
千夜は廣伊に膝立ちになるようにうながす。
嫌だ、駄目だと言いながら、千夜の要求に、廣伊はどんな恥ずかしい格好でも従ってくれるのだ。
あらわになった、桃色に息づくすぼまりを羽で触れる。
「んっ、あ、あぁ…やぁ、千夜ぁ、駄目、しないでぇ」
膝立ちを崩さずに、腰を揺らめかせる。
そんな卑猥な痴態を見せられたら。言うことなんか聞けません。
千夜は、廣伊が荒い息遣いで敷布に頭をすりつけて悶えるサマを堪能しながら、羽でくすぐる攻撃を続ける。
廣伊の屹立をしとどに濡らす甘い蜜で羽の先が濡れると、毛先が固まって。蕾の口にツプリと入り込む。
「んんっ、ち、チクチク、する。千夜、も、や。千夜の。千夜が。欲しい」
蕾は羽をのみ込みたいと、ひくひくうごめいている。濡れた羽は初めの柔らかさが失われ、柔らかい愛撫がもうできないので。寝台の外に捨てた。
そして千夜は、羽の代わりに己の剛直を廣伊の蕾にあてがった。
欲しがってうごめく蕾は、剛直の先にキュッと吸いつき。
その感触に、千夜のモノがガチリと張り詰める。
ぐぬぅと挿入していけば、甘やかに締めつけられて…。
千夜は廣伊から、最上級の愉悦をもたらされ、喉奥でクッと笑う。
あぁ、たまんねぇ。
充分に、官能にひたりきっている廣伊も。隆々とした剛直を、難なく受け止める。
「あ、太い。なんで? 千夜の、いつもより、大きい」
「そりゃ、あれだけ廣伊の、エロいところを見せられたら、たぎり切るって」
ニヤリと笑い、千夜は律動した。
入れて、出して。力強く、苛烈に、廣伊を蹂躙した。
「あ、あ、んぁあ、千夜、はげし…あっ、あぁぁ」
廣伊は敷布を握り、千夜の突き上げを耐えるが。なまめかしくもいじらしく、可愛らしく啼く。
ただ、されるままではなく。己も歓喜を味わいながら、千夜をねだった。
「もっと。千夜、んぁ、いい。あぁ、そこ…ぃい、ん」
「ここが、好き?」
廣伊がいいと言った場所を、千夜も重点的に攻める。
「好きぃ…好き、せんや、いい、あ、あぁぁっ」
羽でいじられて、とろ火で長く炙られたあと、一気に燃え上がるような。
突き抜ける、熱烈な睦み合いだった。
★★★★★
情交のあとのふたりは、だいたい寝台の上でまったりと話をしながら、身を休めることが多い。
互いに、爽快感と情交後特有のけだるさの余韻を楽しんでいる、というところか。
大人なふたりは、すでに夫婦の貫禄である。
千夜は今回の仕事での出来事を、廣伊に話している。
報告というよりは、あんなことやこんなことがありました、的な。軽い話題だ。
「紫輝と大和と、帰り道で話したんだ。紫輝は初めから、お嬢に乗っていった方が良かったんじゃないかってさ。この真冬に紫輝を野営させるわけにいかねぇし、でも馬で駆けていても、ずっと寒い中だろう? 風邪ひいたらヤベェと思っていたんだが。ま、紫輝が元気で良かったんだけどさ」
野営させても、風邪をひかせても、安曇に殺される。と、千夜は思う。
大和も、すっごく気をつかっていたよ。
紫輝の顔色とか様子とか、常に注意を払っていた。
「紫輝はなんで馬で行ったんだ? 馬に慣れるにしても、この雪の季節にわざわざ練習することもない。ライラさんがいるんだからな」
紫輝とライラはワンセット。ライラが駄々をこねるとか、考えもつかない廣伊だった。
「大和が言うには。安曇との乗馬デートでしょ? ってな」
「でーと、ってなんだ?」
「逢引きだってさ。恋人が買い物に行ったり、遊びに行ったり。そういうの。あのふたりはこちらに来てから恋人になったんだっていうから、デートらしいデートをしたことがなかったって。ま、紫輝は怒ってたけど。デートじゃないもん。馬に慣れたかっただけだもん。ってな」
「うわぁ、迷惑な話。千夜、文句言ってもいいんじゃないか?」
クスクス笑って、廣伊が言う。
つまり、千夜も大和も紫輝のデートに付き合わされたみたいなものではないか。
「まぁ、他にもするべきことがあったのだから。それに、得るものもあったし」
「得るものって?」
「さっきの、コチョコチョとか。安曇が…」
千夜は、安曇とのやり取りを思い出す。
千夜は先行して、雪や倒木などで通り抜けられない道がないかなどを調べるため、紫輝たちよりも一足早く出掛けることになっていた。
その出発前に、安曇に声をかけられたのだ。
「隠密として身を立てるのに力を貸したが、おまえの主人は、紫輝だ。私の指示よりも紫輝の指示を優先して動いてもらいたい。ただ。あの能力の件だけは、紫輝がごねてもおまえが阻止しろ。それは紫輝の命を助ける行いだと心に刻んでおいてもらいたい」
もちろん、そうするつもりだった。
腕を取り戻してくれた紫輝に、恩がある。
だけでなく、もう千夜が紫輝に惚れ込んでいるのだ。
紫輝がこの世界でどういうふうに生きていくのか、なにを成すのか。この目で見届けたいのだ。
そのためには、紫輝には元気でいてもらわなきゃな。
「はい。そうします」
安曇に軽く頭を下げると。
彼は、少しからかうような雰囲気で目を細めた。
「立派な羽を持っているが、それは飾りか? 青髪」
初対面のときに言われたのと、似たことを言われ。千夜はイラッとした。
はぁ? と声には出さなかったが。
睨んでは、しまったかもしれない。
「羽はな。夜もいい働きをするんだぞ? 敏感な体に這わせると、いい声で鳴く。試してみたらどうだ?」
鼻でふふんと笑って、安曇は紫輝の元へと行ってしまったのだが。
えええぇ? 仕事に行く前にそんなこと言われたら、気になるじゃないかっ。
そうして千夜は、帰ってくるまで悶々としなければならなかった。
だがそれこそが、安曇のからかいの種なのである。
時間が経てば経つほど、じわじわ効いてくる。意地悪なのだ。
「あれは安曇の仕込みなのか? 余計なことを千夜に吹き込みやがって」
「そうか? ずいぶん気持ち良さそうにしていたけど?」
千夜は廣伊の扇情的な姿を反芻して、いやらしくニヤリと笑う。
「おまえは。普通に抱くだけで充分気持ち良いのに、ヘタなことされると気持ち良すぎて死ぬ」
それって、夜は充実していますってことか? 嬉しいじゃん。
でも気持ち良すぎて死んじゃうって、泣く廣伊も見てみたいのだから。始末に悪いのだが。
「じゃあ、ときどきな」
「…そうしてくれ」
するな、と言いたいのだろうが。先ほどのが気持ち良かったのも事実なのだろう。
葛藤する廣伊が可愛い。
「あと、デート? 俺らもそんなのしたことなかったじゃないか。ずっと基地内にいたからな。明日下に降りて、買い物でもしようぜ」
紫輝が言うには、デートとは恋人たちが手をつないで、町をぶらぶら歩いたり、買い食いをしたり、買い物したり、えいが見たり。
えいがはなにかわからなかったが、とりあえず娯楽らしい。
だから、遊んだり。ということなのだ。
で、いい大人が遊ぶというのはピンとこないので。買い物ならいいんじゃないかと思ったのだ。
そう提案したら、廣伊は。なにやら神妙な顔つきになった。
「どうした?」
「買い物、したことがないんだ」
これも、龍鬼あるあるだ。
龍鬼に、大抵の店は物を売ってくれないので。
「軍内部で、入用なものは揃ったし。たまに本が欲しくなったときは、部下に頼んで買ってきてもらうとか…」
「なるほど。じゃあ初めての買い物だな。大丈夫、俺が手をつないでいてやるし。この村では龍鬼でも物を売ってくれるよ」
「子供じゃないんだから、手はつながなくても…」
「駄目だ、デートなんだから。デートはそういうものなんだ」
廣伊は口をへの字にしながらも、こくりとうなずいた。
素直で信じやすい廣伊、可愛い。
「あとな…」
「まだあるのか?」
廣伊は、千夜の長い話に飽きてきたようだ。
もう少しだから聞いてくれよぉ。
「紫輝と安曇が別れる場面が、すごく良かった。思わずじっくり見てしまったな」
「ふーん、どんなふうに?」
「馬から降りた安曇が、紫輝を抱き止めて。こう、紫輝の頭の位置が高いところで…」
廣伊は身を起こした千夜の、足の上をまたいで。膝立ちになる。
そうすると千夜より廣伊の頭が高い位置に来るのだ。
千夜は廣伊の細い腰に手を回した。
「こうか?」
「そう。そして、紫輝が安曇の頬を手で包んで」
廣伊は千夜の頬を手で包んで。顔を寄せる。
「それで、額と額をぶつけて…」
「ぶつけて?」
廣伊は千夜の額に額をくっつけ、千夜の顔をのぞき込む。
「以上」
「ん? ここまで近づいて、以上か?」
「周囲に俺たちがいたから。チュウ、したようなしないような?」
「ふーん。でも、ここには。誰もいないな?」
「あぁ。いないな」
そうなったら。廣伊は千夜の唇にキスしたくなる。唇を押し当てた。
口を開いて。深く、甘く、くちづける。濡れるように、潤すように、粘膜にねっとりと吸いついて、舌をまといつかせる。ぬるぬるとうごめき、くちゅくちゅとくすぐる。
なまめかしくも、淫らな接吻だった。
千夜も、廣伊からもたらされる大人のキスを楽しむ。
お仕事お疲れ様の、ご褒美チュウだ。
「厳しい仕事明けだというのに。千夜、元気だな?」
廣伊は自分の臀部の辺りに触れる、千夜のナニを揶揄して。笑いかける。
でも欲情に、瞳が潤んでもいた。
「廣伊を前にしていたら、いつも俺は元気になるよ」
千夜は廣伊の乳首を人差し指で撫でて、上目遣いで廣伊に聞いた。
「今度は、舐めたい」
「あぁ、もう羽はなしにしてくれ。あえぎ過ぎて窒息する」
千夜は廣伊を寝台に押し倒すと、彼の体をじっくりと貪った。
ふたりの夜は、まだまだ長い。
◆はっぴぃにゃーにゃー
元日、紫輝は寝台でひとり、目を覚ました。
厳密には、ひとりではない。隣でライラが体を伸ばして寝ているから。
ライラの体長は、天誠よりも大きい。だから天誠と一緒に寝ているのと同じ感覚だ。
外はすでに朝日が昇っている。初日の出、見そびれた。
まぁ以前の世界でも、初日の出はあまり見なかった。
カウントダウンして、行く気になったらそのまま初詣に行って、寝たら。
初日の出、見れないよね?
「ライラさん、起きますよ。朝ごはん食べに行きますよ」
てんてん、と手のひらでライラの腹を叩くと。
ペッカリと彼女が目を開ける。
「ごはん」
そして、超絶高い声で鳴いた。
ここは赤穂の屋敷の中にある、紫輝の部屋だ。天誠が不在のときはここで過ごせと、用意してくれた。
紫輝は適当に着物を重ね着して、ライラとともに居間へと向かう。
扉を開いて、開口一番。赤穂と月光に言った。
「ハッピーニューイヤー」
すると月光が、桃色の瞳を真ん丸にして驚愕の表情になった。
「赤穂! 紫輝が猫になっちゃったっ。はっぴぃにゃーにゃーって、紫輝が鳴いてる」
「いや、明けましておめでとうって意味なんだけど」
「はっ、しゃべった。常々猫っぽいと思っていたから、今年から猫になったのかと思った…」
「月光さん…本当に将堂の宝玉って言われてたの?」
失礼な。猫じゃないもん。
そりゃ、極悪ノラ猫顔だとか。黒猫耳とか。言われてるけど。
髪が跳ねてるだけだもん。
微妙に、年明け早々不機嫌になりつつも。紫輝は囲炉裏の前に座った。
赤穂は黙々と雑煮を食べている。
「わぁ、お雑煮食べたい。正月はやっぱりお雑煮だよね?」
紫輝は、お手伝いさんが作ってくれたお吸い物の中に餅を入れて、家族で食べたことを思い出した。
母は女優だから、料理はしない。
なので、餅を焼く係は紫輝だった。
そして食卓には、なぜかローストビーフやオードブルの盛り合わせみたいなものが並んで…ケータリングだ。
それはそれで、美味しいよ? うちの正月は、いつもそんな感じだった。
囲炉裏の上に吊るされた鍋の中に、雑煮がある。
大根、人参、菜っ葉、野菜がいっぱい入っている。
器は重い、陶器のもの。
以前の世界では、プラスティックのお椀で軽かったが。この世界にプラスティックはない。
でも陶芸や鉄器という自然物で作れるものは、すたれなかったようで。
意外とこの世界で、食器は充実しているのだ。
急須や取っ手のついた複雑な形のものとか、色柄のついた綺麗なお皿とか。
軍にいるときは、食堂に入れなかったからずっと知らなかったけどね。
「三百年前にも、お雑煮があったんだね?」
お雑煮をお椀によそって、月光が聞いてくる。
紫輝はそれを受け取って、答えた。
「うん。むしろ、前にはあったけど今はないものの方が多いよ。唐揚げとか。絶品なのに」
唐揚げが、鳥の肉を揚げたものだと知った月光は、眉間にしわを寄せる。
「鳥を食べるなんて…紫輝はやっぱり猫なんじゃないかな?」
失礼なっ!
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