【完結】勇者のスキルにラッキースケベがある(村人A専用って、俺ぇ!?)

北川晶

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38 まだ、扉は開いていないよ サファ・ターン   ★

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     ◆まだ、扉は開いていないよ サファ・ターン

 絶頂十回分のラブゲージを溜めないと出られない部屋に、俺たちは閉じ込められてしまった。
 クリスたちとは分かれてしまったが。あちらは三人で、となると。気兼ねして、ラブゲージは期待できないかなと思う。その分、こちらが頑張らないとならないな、って思うけど。
 テオとベッドで抱き合えば、そんなことは頭の片隅に追いやられてしまう。
 せっかく、ふたりの想いを確認し合えたのだ。思いっきりハッピーなセックスを楽しみたいではないか?

 俺は、テオという魂の形を愛している。

 彼の息遣い、声、目線や仕草も。なんでか、全部好き。
 夢の中で、テオという形ではなかったときも。
 中にテオの存在を感じ取れれば、おのずと好きという気持ちはあふれてきて。なにも変わらなかった。
 ただそこに、テオがいる。そう思うだけで、愛しさが込み上げたのだ。
 だから、たぶん。俺はテオの魂、その存在を、愛している。
 なんでか、なんて。どうでもいい。ただ、そう思うんだ。

 抱き合う前に、テオと、夢の中のことについて少しだけ話した。

 夢の中で死ぬ直前、中本の意識がグワッと俺の中に入ってきて。
 助けられなかった、助けられなかった、助けられなかった、その無念の想いが、俺の想いに同化した。
 助けられなかった、テオを。
 俺の最愛、必ず守ると決めていたのに。
 でも。中本にはひどく同情するが。
 この世界で、俺は。俺の気持ちで、ただただテオを幸せにしたいって、そう思い。それを実行するのみ、という想いだった。
 夢から覚めて、彼の意識は間遠まどおになり。
 助けられなかった、というにがみばしった悔しさは残るものの。
 だからこそ、この世界では必ず、今度こそ必ず、テオを守るのだと。
 それだけを、胸に残すことにした。

 田代も中本も。それこそ夢のようだった、便利な世界も。夢の中に閉じ込めて。終わり。

 そう思うのだけど。
 ひとつだけ、心に引っかかっていることがある。
 テオは、自分を夢主だと思い込んでいるが。
 もしも俺の前身が中本だったなら。しょっぱい初恋は、俺も同じ。
 もしかしたら、俺が夢主だったかもしれないじゃないか?
 ユメバクを倒した今、それを確かめる術はないが。
 テオが死んで。俺ひとりが、あの夢の中に取り残されてしまったら…と思うと。

 ゾッとする。

 今、目の前にテオがいることを。俺は心底、良かった、嬉しい、幸せだって、思っている。
 怖い。本当に、怖かったのだ。
 今回、俺は。この世で一番であろう恐怖を体験したのだ。
 テオを失う。
 そのことを考えたら。俺は本当に。なにもかもを壊してしまいたくなるだろう。
 あのような恐ろしさは、もう二度と味わいたくはない。

 だから、彼の体温を感じて。彼に触れて。彼が生きている、そのことに、感謝して。感謝して。
 ありがたい気持ちで、俺はテオに心と体を寄り添わせた。

 裸身で寝台に横たわる彼は、自分と比べたら、本当に華奢で。腕に力を入れたら、折れてしまいそうに感じるが。でも、実際にギュっとすれば、確かな存在感がある。
 体温のあたたかさや肌の質感に触れれば。そこにテオという体と魂があるのだと実感できて。嬉しくなる。
 愛おしい、狂おしい、なやましい、せつなくて、燃え上がる。
 テオを腕に抱くと、そんな気持ちがあふれて。
 たまらなくなって。
 どうしようもなく、彼を力の限りに抱きしめたくなってしまうのだ。

 黄緑色の瞳が好き。短く切っている髪も好き。柔らかいほっぺも。男らしい眉も、眉間の幅まで。
 そうして、ひとつひとつ、ここが好き、ここが好きって、気持ちを込めて。唇で触れていく。
「ふ、くすぐったいよ」
「くすぐったい、だけぇ?」
 心を痺れさせるように、耳たぶに声を吹き込む。
 耳たぶも好き。耳のふちや、複雑な形の溝、穴の中まで、可愛い、好きという気持ちで舐めていくと。
 テオはこそばゆそうに、肩をすくめるが。
 そこに官能の芽を見出したのか、下唇を噛んで。フと鼻から息を漏らした。

 続けて、指の一本一本、脇の下や、脇腹の骨の浮いた部分や。
 へその穴や、胸筋のなだらかな隆起や、感度の良い乳首。すべてに、唇や舌でたどっていくと。

 感じすぎちゃったみたい。テオは、泣いちゃった。

 でも、まだ、全然足りないよ?
「ん、ん、サファぁ、くすぐったいぃ、も、やめろぉ」
 そう言うテオは、でも笑いをあげる様子もなく。ただ、ハヒハヒと息を継ぐのだ。
「くすぐったいんじゃなくて、気持ちがイイ、でしょ?」
 唇の先で、くちゅくちゅと小さくキスをしていたけど。舌の腹でベロォと乳首を舐め撫でると。テオは、ひやぁぁって、色っぽくない歓喜の喘ぎを漏らした。
 ふふ、でも、そんなところが、テオっぽくて、可愛いな。

 俺は手で、彼の足を広げさせて。くの字に体を折り曲げるようにして、腰を浮かせると。あらわになった秘所に、顔を寄せる。
 俺を健気けなげに受け入れてくれる、大事な場所だから。いっぱい、愛を込めてあげないとね?
 そこは、まだ触れていないのに。ゆるくほころんでいて。
 俺が舌を差し入れたら、歓喜にわなないて、俺の舌を熱烈歓迎してくれた。
 期待に応えて、ぐちゅりと、舌を差し入れて。熱い、テオの内側までも舐め濡らしていく。
「ん、ぅ…サファ、そこ、は…」
 気持ち良さに、蕩けた目をしているのに。大きく股を開くその格好が、恥ずかしいのか。テオは少し抵抗を示すが。
 俺は甘い悦楽を注ぎ込むように、舌でぐちゅぐちゅと後孔をかき乱していく。
 つぼみの、入り口の部分がすごく敏感なんだって、知っているよ?
 テオは剛直を引き抜くときが好きだもんね?
 己の突端が、出て行きそうで行かない、その瞬間が。一番、惑乱するほど、イイんだもんね?
 だから。舌でいっぱい、くちゅくちゅしてあげる。

「あ、あ…サファ、して? もう、来て? や、ぁ。それだけで、イっちゃうぅう」
「えぇ? そんなぁ、まだ、テオのここ、可愛がってあげていないのに」
 俺はテオのすぼまりへの愛撫はそのままに。
 彼の屹立に、触れるか触れないかくらいに指を当てて、状態を確かめる。
 テオが言うように。指から受ける弾力は、はち切れそうなほどに膨らんでいる。先端へと指を動かしていけば、愉悦に陶酔してよだれを垂らしているかのように、先走りの蜜があふれていた。指に蜜をまとわせて、蜜口をピタピタとつつくと。
 その甘い刺激に、テオはうぅと唸って。腰を揺らした。

 すぼまりから舌を引き抜くと。ぬるりと唾液の糸が引いて。
 赤く色づいたつぼみが、物欲しそうにひくひくとしているサマは、とても卑猥で。ぞくぞくした。

「ここに、俺の、欲しいの?」
 マジックボックスからラブローションを出して、手に液体を出し。濡らした指を、後孔に挿入すると。ぐちゅぅ、と。柔らかくのみ込んでくれる。
「欲しい。サファの、欲しい。きて、サファ?」
 そのようにおねだりされたら。俺も欲しくなるよ、テオ。

 急いた気持ちで、剛直にもローションを素早く塗り立てると。
 つぼみに剛直を押し当てて、ゆっくりと押し入れていった。
 張り出した、一番太い部分を、テオがのみ込むまでは。慎重に、丁寧を心がけて挿入していく。ここで、傷つけてしまったら、台無しだからな。

「あ、んんっ、おっきぃぃ、熱いぃ。サファ、入ってくるぅ」
「いいよ、ゆっくり息して? 慌てないで?」
 じれったいのか、揺れるテオの腰を、俺はおさえつけて。テオの中をジワリと広げながら、奥へと進めていく。
「は、あ、まだぁ? まだ、奥? くるぅ…んぁぁ、そこ、いいの。あ、ん」
 テオの中にある、快楽のスイッチをじっくりと摩擦して。突端でコリコリといじるみたいに、動かすと。テオは、はうぅぅ、と。良さそうな声で鳴いた。

 あぁ、なんでそんなに可愛いのかなぁ?

 手でテオの足を持ち上げる体勢なので、上から下に押し入れるようにして、テオの中に剛直を突き入れる。柔らかくまといついてくるテオの中を、突いて引いてを繰り返す。
「あ、あ、あ、イく、サファ、も、ダメ、イくぅ」
「もうちょっと。テオ、いい子だから。我慢して?」
「できない、イく。イかせてぇ、あ、あぁ、サファぁっ」
 テオは敷布を握り込んで、背をそらすと。ビクンと体を跳ねさせた。
 屹立がビビッと震えて。ドッと先端から飛ばした精液は、テオの胸まで濡らした。
 体内では、絶頂のわななきで、剛直をびゅくびゅくと締めつけて。そのたまらない快感に、俺はさすがに、ウッとなるけど。

 こんなに気持ちいいの、簡単に出して終わりたくない。

「ご、ごめん、サファぁ…」
 こらえきれずに達してしまったことを、謝るテオ。
 えぇ? 全然、悪くないよぉ。すっごい、俺で感じちゃったってことだもんな?

「謝らなくてもいいよ。テオ、可愛かった」
 俺は彼の足を下ろしてやり。腕にやんわりと抱き締めて。ねぎらいのチュウを額に贈る。
 凶器だと言っていた、俺のモノで。テオが十全に快楽を受け止め、達することができる。それこそが、己にとっては最高の幸せなのだから。

「だけど、まだ部屋から出られないからね? もう少し頑張ってね?」
 優しく、お願いすると。テオは小さくうなずく。
 あぁ、マジ可愛い。

 俺は一度、彼の中から己を引き抜き、テオをうつ伏せに返すと。手で腰を持って、お尻を持ち上げさせた。
「テオの全部に触れたいから。今度は背中を愛させて? あと、ここもね?」
 彼の背中にのしかかるように、俺は覆いかぶさって。テオのモノに手を伸ばす。先ほど、触れる間もなく達してしまったからな?
 テオのモノは、極めた直後で、力を失っているが。手の中で輪郭をなぞっていったり、指先で根元から先へとたどっていったり。先端を親指でクルクル撫でたりしていくと。すぐにも芯が通ってくる。
 俺の手の動きで感じているのが、固くしなることで、わかりやすく現れるから。愛すべき、尊い部分だ。
 テオは口が悪くて、すぐきらーいとか言うけど。
 ここを触れば、本当に嫌われているのかどうか、わかるからね?

 手は、テオの屹立をいじりながら。
 俺は、彼の背中を唇で堪能する。
 テオの、白くて、なめらかな背中は。若木のようにしなやかで、健康的だ。
 舌で舐めても、つるりとするし。
 うなじは細いのに、筋や力強さは男のそれで。
 髪の生え際まで、なんか、可愛く見えてしまう。
 うなじにチュウしながら、光る緑の髪を、鼻先でくすぐると。さわやかなテオの匂いが鼻孔をくすぐり。
 あぁ、好き。ってなる。
 しつこく匂いを嗅ぐと、怒られてしまうけど。ホントは、テオの首筋にいつも顔を埋めて、クンクンしていたい。だって、すっごくいい匂いだから。

 好き、ここも好きって思いながら、小さなキスや舌の愛撫で、テオの肩も背骨のラインもたどっていくと。テオはまた、艶っぽい喘ぎを漏らし始めるのだ。
「は、あ…ペロペロワンコ、め。も、舐めるなぁ」
「だぁめ。テオの全部、舐めたいんだからね?」
 そう言って、尾てい骨や、双丘の割れ目を舌で執拗にくすぐると。
「ひんっ、そこ、ダメ。グリグリ、やぁ」
 感じて、お尻が勝手に持ち上がってきちゃう。うわぁ、エッロ。

 たまらず、俺はテオのすぼまりに己をあてがい。突端を埋め込む。
 一度、俺を受け入れたそこは、難なく己をのみ込んだ。
 でも、すぐに引き抜く。

「ん、は…?」
 俺は身を起こして、膝立ちになると。テオの腰を手で持って、双丘を割り開き。すぼまりめがけて、再び剛直を突き入れる。
「は、あっ」
 再び挿入される期待に、テオは背筋をそらして、身構えるが。
 入り口をゆっくりと、かき混ぜてから。また突端を引き抜いた。

「んんっ、な、んで? サファ? なにしてんの?」
「ふふ、テオが、気持ちよさそうだから。俺の、欲しいって、言って?」
「サファの、欲しい」
 テオの言葉に、俺が再び後孔に押し当てると。テオのすぼまりが俺を喰らうようにヒクヒクした。そのうごめきの中で、剛直を押し入れていくのが。最高にイイ。
「ふ、あ、んぁぁ」
 テオも、俺が入ってくるときの感触に、うっとりしていた。
「お尻、引き締めてみて?」
 小ぶりなテオのお尻を、手でまぁるく撫でると。テオはフルリと震えるが。
「わ、かんない。ど、う、するんだ?」
「力を入れるの、キュッて。俺のを食べちゃうみたいに」
「う、こ、こう?」
 俺が入っている中で、力をどう入れたらいいのか、わからないみたいだけど。キュッて、中が締まった。
 そのときに、俺は奥まで剛直を挿入する。

「ああぁぁあ、サファ、バカっ。急に、するな、んてぇ」
「ごめんね? テオ。じゃあ、抜くね?」
「えぇ? んぁぁ?」
 ゆっくり腰を引いていくと。テオは、その感覚に溺れながらも。言った。

「だめ、だめ、もう、抜かないで。サファが、出て行くとき、つらいぃ」
「ん? 痛いの?」
 突端を中に残したまま、テオにたずねると。テオは顔を真っ赤にして。恥ずかしそうに、言いずらそうに、でも涙ぐむ蕩けた目をこちらに向けて、つぶやいた。
「サファが、出て行くと。ジンとしたの、なくなるから。あっちぃの、ないと。なんか、悲しくなる」
「俺がいなくなったら、さみしい?」
 もう一度テオにのしかかって。彼の顔を覗き込むと。テオは俺の唇に可愛らしいチュウをして。

「さみしいに、決まってんだろ? バカ」

 ギューーーンとくる、バカ、いただきました。
 はい、可愛い。もう、ダメ。我慢できないっ。

 俺は身を起こして。テオの奥に己を突き入れた。
「あぁっ、奥、強いの、やぁ…」
「でも、俺の太くて熱いの、欲しいんだろ?」
「ん、欲し…サファ、来て、イイの、して?」
「イイよ。あぁ、テオ、最高。な? 今度は、俺がイく。イかせて?」
 剛直をまんべんなく、きつく締めつけられて。腰がギンとなった俺は。精力的に律動した。
 もう、突っ走りたい。
 テオを頭から丸かじりして、味わい尽くしたい。
 後ろから挑みかかり、俺はテオの中を情熱的に出し入れして、その甘露な感覚に没頭した。

「あ、あ…サファ、サファぁぁっ」
 テオは敷布を握り込んで、俺の揺さぶりに耐えていた。
 腰が浮き上がるほどの、後ろからの苛烈な攻めに、お尻をがくがくさせる。
 ぐちゅぐちゅと音が鳴るほどの激しい抜き差しに、先ほど塗り込んだローションが、つぼみから漏れ出て。割れ目から尾てい骨に流れている。その液体の筋が、淫猥だ。

「く、イくよ、テオ。全部、受け止めてっ?」
 宣言して、俺がひときわ強く剛直を突き入れると。テオのお尻がビクンと跳ねて。
「んぁぁぁっ」
 俺の絶頂とともに、テオも達した。
 ドクンドクンと、ため込んだ精液を、テオの中にすべて注ぎ入れ。その充足感に、俺の腰もブルリと震えた。

 だけど。力尽きて、寝台に上半身を倒れ込ませるテオの。その背中に浮いた汗を見て。
 その命の雫、ひと粒ひと粒を舐めたくなって。己を抜かぬまま、テオの背中を貪った。
「ん、ぁ、ぁ、あ、も、無理ぃ。サファぁ?」
「まだ、扉は開いていないよ。もっと、食わせて。テオを、食べたい」
 だらりとしたテオの上半身を抱え起こすと、俺は右手でテオの体を支え、首筋にかじりつき。左手は彼の足を持ち上げて、再び律動するのだった。
 そうして、己は獣のごとく、いろんな体位でテオを貪りつくし。

 扉がいつ開いたのかもわからないくらい、彼との情事にのめり込んだのだった。 

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