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6 インターフェロン難民

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     ◆インターフェロン難民

 一回目のインターフェロン治療が終わったあと、主治医は他の病院に移ってしまい。肝臓のフォロー。いわゆる、定期的に検査する場が、なくなってしまいました。
 やはり、定期的に診てもらうとなると、近い病院の方が通いやすい。肝臓の検査だけなら、近くのクリニックで検査や様子見ができます。しばらくは、母子ともども、近所にある、内科の診療所で肝臓のフォローをしていました。
 しかし。レントゲンで、母に、肝がんの兆しアリ。とのことで。母は紹介された大学病院に行くことになったのです。
 だけど、予約して行ったというのに、すっごい待たされて。一日、病院にいる感じになった。長いよ。ただでさえ、病気でしんどいのに、しかも、予約してあるのに。なんで、そんなに待たせるのでしょう?
 診察を待っている間に、具合が悪くなること。ここに限らず、たびたびあるのですよね? でも、みんな黙って待っているから。仕方ないから待っているけど。
 今は、予約制の病院が増えてきて。それほど待たないのかもしれませんが。どうしても、病院に行くと半日はつぶれてしまいますね。待ち時間が、一番疲れる。
 結局、母は肝がんではなかったのですが。
 私も。肝炎になると値が上がるという、血液検査の項目、GOTとGPT(正常値は、5~30程度)が、それぞれ110以上になったことで。肝炎ウィルスが活発化してきた傾向が見え始めていた。
 なので、渋々ながら、インターフェロン治療ができる病院を探すことになりました。
 肝臓の検査自体は、どこの内科でもできるのですが。インターフェロン治療ができる病院は少ないのです。病院に、肝臓内科という、肝臓を専門に診られる部署がないと。本格的なインターフェロン治療は出来ません。たぶん、今もそうだと思います。
 これが、なかなかに大きな病院じゃないと、ないのですよ。
 まぁ、母が精密検査を受けた大学病院は、もちろん、治療ができるのですが。待ち時間がすっごく長かったから。あそこは嫌だね、みたいな。
 肝臓を患っていると。普通にしていて、疲れるので。本当に、待ち時間が長いのは嫌なのですよ。我が儘なのかもしれないけれど。ただ診察しただけで、家に帰ったら、ぐったりしてしまうのです。それで、インターフェロン治療なんかしたら。高熱とか、体力がごっそり削られる。い…嫌じゃーって。なるわけです。
 それで、良い病院を探しつつ、クリニックでウルソという肝臓の飲み薬を処方され、炎症を誤魔化しつつ。二年ほど、インターフェロン難民をしていました。
 そうしたら、なんとなんと、うちの近所。家から車で十分くらいの場所に、でっかい病院が建ったのです。
 やった。これぞ、神の采配。
 その病院の肝臓内科の先生も、とっても良い方で。親身になってくれて。
 母の肝がんの疑いも晴れて。ちなみに、肝がんになってしまうと、インターフェロン治療は出来ないようです。
 でも、違ったので。ここから、母子ともども、インターフェロン治療を開始することになるのだった。

 しかしながら。やっぱり、インターフェロン治療はすっごくつらい。一回目の治療から、結構時間が経って、インターフェロンの種類も多くなってきたというのに。副作用は相変わらずに、きっつい。
 なにがつらいのかというと、やはり高熱が出るところ。さすがに、一回目に治療したときのように、毎回38度台の熱が出る、わけではなかったが。それでも必ず37度台までは上がるし。そうなると、体がしんどくなって。なにもやる気が起きないし。でも食欲は落ちないから痩せないし。
 肝炎の兆しがあるから、治療はした方が良い。それはわかっているが。つらい治療はしたくないんです。でも、やらなければ、ずっとつらいと思って。ここが踏ん張りどころと思って。治療を続けていくわけでした。

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