96 / 105
少年時代
しおりを挟む
「命令はされてませんよ」
バーヌが少年に微笑んだ。
「は?命令されてないのに勝手に動くとか、奴隷としてダメじゃん。奴隷ギルドに報告すれば処罰対象だぞっ!」
少年が勝ち誇ったようにバーヌを指さした。
「そうだ、俺が奴隷ギルドにすぐに報告してやる。とんでもない奴隷がいると、すぐに処分したほうがいいって」
処分?
「命令はしていないけど、好きなようにしていいってちゃんと許可したんだから、勝手なことはしてないよ?主人の僕が認めてるのに、何、他人が勝手なことしようとしてるの?そういう勝手なことする人間を報告するところはないの?」
少し脅すような話し方になってしまったけれど仕方がない。
少年といったって、16か17歳にはなっているだろう。この世界だと、12歳から大人として扱われる。
ということは、大人として扱われ始めてからすでに何年もたっているはずです。
とはいえ、実際は15,6までは子供だと言われますけどね。
しかし成人しているかどうか的には、子供だから許される時代は終わっています。なのに、こうして空気が読めない、現実がわからない身勝手さは何なんでしょう。
「ああ、冒険者なら、冒険者ギルドに報告すればいい。犯罪に携われば一発で冒険者の資格はく奪だ」
「犯罪じゃなくても迷惑な行為を繰り返すならばペナルティーが課せられていく。ランクダウンやパーティー結成制限や、報酬何割か没収して被害者への弁済に充てるなど……最終的にはやはり冒険者の資格はく奪」
冒険者の二人が教えてくれる。
「ああ、そうそう、冒険者の資格がはく奪された後も繰り返せば、犯罪奴隷となる」
女性冒険者がにっと笑う。
「ああ、そうなんですね。えーっと、私の大切なバーヌにありもしない免罪をでっち上げ奴隷ギルドに報告するというのは、迷惑行為に当たりますか?」
少年が青ざめた。
「まぁ、まぁ、落ち着いて。街までは半日馬車の上でお互いの顔を見て過ごすわけですから。どうですか、みなさん」
40前後の中肉中背、特徴のない顔の商人が袋から酒の瓶を取り出した。
「いや、移動中何かあるといけないから酒は遠慮しておこう」
女性冒険者の言葉に、男性冒険者二人が残念な表情を見せる。
「大丈夫だろ?ってか、その奴隷に見張っておけって命令すりゃ済むじゃん。一応強いんだろ?」
頭に来た。
っていうか、ずっと頭にきてるんだけど。
「バーヌは、僕のものだよ。ほかの誰の奴隷でもないし、お前の奴隷でもない。それに、冒険者でもないから、馬車がモンスターに襲われたって、馬車を守る義務も、弱くてモンスターに襲われて死にそうになってるペーペーの冒険者を助ける義務もないっ!」
ぷはっと、50代の冒険者が噴出した。
「たしかに、坊主の言う通りだな。冒険者としての義務は一切ないわけだ。ああ、だからか。本来なら今頃事後処理をしてるはずだよな」
=======
ぺこり
m(_ _)m
最後のお願いに参りました。
ファンタジー大賞参加中なので、気に入りましたら投票ボタンをぽちりと……。
すいません、二部開始してるようなしてないような。とりあえず、何も考えずにしばらく書いています。
バーヌが少年に微笑んだ。
「は?命令されてないのに勝手に動くとか、奴隷としてダメじゃん。奴隷ギルドに報告すれば処罰対象だぞっ!」
少年が勝ち誇ったようにバーヌを指さした。
「そうだ、俺が奴隷ギルドにすぐに報告してやる。とんでもない奴隷がいると、すぐに処分したほうがいいって」
処分?
「命令はしていないけど、好きなようにしていいってちゃんと許可したんだから、勝手なことはしてないよ?主人の僕が認めてるのに、何、他人が勝手なことしようとしてるの?そういう勝手なことする人間を報告するところはないの?」
少し脅すような話し方になってしまったけれど仕方がない。
少年といったって、16か17歳にはなっているだろう。この世界だと、12歳から大人として扱われる。
ということは、大人として扱われ始めてからすでに何年もたっているはずです。
とはいえ、実際は15,6までは子供だと言われますけどね。
しかし成人しているかどうか的には、子供だから許される時代は終わっています。なのに、こうして空気が読めない、現実がわからない身勝手さは何なんでしょう。
「ああ、冒険者なら、冒険者ギルドに報告すればいい。犯罪に携われば一発で冒険者の資格はく奪だ」
「犯罪じゃなくても迷惑な行為を繰り返すならばペナルティーが課せられていく。ランクダウンやパーティー結成制限や、報酬何割か没収して被害者への弁済に充てるなど……最終的にはやはり冒険者の資格はく奪」
冒険者の二人が教えてくれる。
「ああ、そうそう、冒険者の資格がはく奪された後も繰り返せば、犯罪奴隷となる」
女性冒険者がにっと笑う。
「ああ、そうなんですね。えーっと、私の大切なバーヌにありもしない免罪をでっち上げ奴隷ギルドに報告するというのは、迷惑行為に当たりますか?」
少年が青ざめた。
「まぁ、まぁ、落ち着いて。街までは半日馬車の上でお互いの顔を見て過ごすわけですから。どうですか、みなさん」
40前後の中肉中背、特徴のない顔の商人が袋から酒の瓶を取り出した。
「いや、移動中何かあるといけないから酒は遠慮しておこう」
女性冒険者の言葉に、男性冒険者二人が残念な表情を見せる。
「大丈夫だろ?ってか、その奴隷に見張っておけって命令すりゃ済むじゃん。一応強いんだろ?」
頭に来た。
っていうか、ずっと頭にきてるんだけど。
「バーヌは、僕のものだよ。ほかの誰の奴隷でもないし、お前の奴隷でもない。それに、冒険者でもないから、馬車がモンスターに襲われたって、馬車を守る義務も、弱くてモンスターに襲われて死にそうになってるペーペーの冒険者を助ける義務もないっ!」
ぷはっと、50代の冒険者が噴出した。
「たしかに、坊主の言う通りだな。冒険者としての義務は一切ないわけだ。ああ、だからか。本来なら今頃事後処理をしてるはずだよな」
=======
ぺこり
m(_ _)m
最後のお願いに参りました。
ファンタジー大賞参加中なので、気に入りましたら投票ボタンをぽちりと……。
すいません、二部開始してるようなしてないような。とりあえず、何も考えずにしばらく書いています。
1
お気に入りに追加
2,851
あなたにおすすめの小説
異世界でお金を使わないといけません。
りんご飴
ファンタジー
石川 舞華、22歳。
事故で人生を終えたマイカは、地球リスペクトな神様にスカウトされて、異世界で生きるように言われる。
異世界でのマイカの役割は、50年前の転生者が溜め込んだ埋蔵金を、ジャンジャン使うことだった。
高級品に一切興味はないのに、突然、有り余るお金を手にいれちゃったよ。
ありがた迷惑な『強運』で、何度も命の危険を乗り越えます。
右も左も分からない異世界で、家やら、訳あり奴隷やらをどんどん購入。
旅行に行ったり、貴族に接触しちゃったり、チートなアイテムを手に入れたりしながら、異世界の経済や流通に足を突っ込みます。
のんびりほのぼの、時々危険な異世界事情を、ブルジョア満載な生活で、何とか楽しく生きていきます。
お金は稼ぐより使いたい。人の金ならなおさらジャンジャン使いたい。そんな作者の願望が込められたお話です。
しばらくは 月、木 更新でいこうと思います。
小説家になろうさんにもお邪魔しています。
異世界ソロ暮らし 田舎の家ごと山奥に転生したので、自由気ままなスローライフ始めました。
長尾 隆生
ファンタジー
【書籍情報】書籍2巻発売中ですのでよろしくお願いします。
女神様の手違いにより現世の輪廻転生から外され異世界に転生させられた田中拓海。
お詫びに貰った生産型スキル『緑の手』と『野菜の種』で異世界スローライフを目指したが、お腹が空いて、なにげなく食べた『種』の力によって女神様も予想しなかった力を知らずに手に入れてしまう。
のんびりスローライフを目指していた拓海だったが、『その地には居るはずがない魔物』に襲われた少女を助けた事でその計画の歯車は狂っていく。
ドワーフ、エルフ、獣人、人間族……そして竜族。
拓海は立ちはだかるその壁を拳一つでぶち壊し、理想のスローライフを目指すのだった。
中二心溢れる剣と魔法の世界で、徒手空拳のみで戦う男の成り上がりファンタジー開幕。
旧題:チートの種~知らない間に異世界最強になってスローライフ~
異世界転移した町民Aは普通の生活を所望します!!
コスモクイーンハート
ファンタジー
異世界転移してしまった女子高生の合田結菜はある高難度ダンジョンで一人放置されていた。そんな結菜を冒険者育成クラン《炎樹の森》の冒険者達が保護してくれる。ダンジョンの大きな狼さんをもふもふしたり、テイムしちゃったり……。
何気にチートな結菜だが、本人は普通の生活がしたかった。
本人の望み通りしばらくは普通の生活をすることができたが……。勇者に担がれて早朝に誘拐された日を境にそんな生活も終わりを告げる。
何で⁉私を誘拐してもいいことないよ⁉
何だかんだ、半分無意識にチートっぷりを炸裂しながらも己の普通の生活の(自分が自由に行動できるようにする)ために今日も元気に異世界を爆走します‼
※現代の知識活かしちゃいます‼料理と物作りで改革します‼←地球と比べてむっちゃ不便だから。
#更新は不定期になりそう
#一話だいたい2000字をめどにして書いています(長くも短くもなるかも……)
#感想お待ちしてます‼どしどしカモン‼(誹謗中傷はNGだよ?)
#頑張るので、暖かく見守ってください笑
#誤字脱字があれば指摘お願いします!
#いいなと思ったらお気に入り登録してくれると幸いです(〃∇〃)
#チートがずっとあるわけではないです。(何気なく時たまありますが……。)普通にファンタジーです。
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜
アーエル
ファンタジー
女神に愛されて『加護』を受けたために、元の世界から弾き出された主人公。
「元の世界へ帰られない!」
だったら死ぬまでこの世界で生きてやる!
その代わり、遺骨は家族の墓へ入れてよね!
女神は約束する。
「貴女に不自由な思いはさせません」
異世界へ渡った主人公は、新たな世界で自由気ままに生きていく。
『小説家になろう』
『カクヨム』
でも投稿をしています。
内容はこちらとほぼ同じです。
はずれスキル『模倣』で廃村スローライフ!
さとう
ファンタジー
異世界にクラス丸ごと召喚され、一人一つずつスキルを与えられたけど……俺、有馬慧(ありまけい)のスキルは『模倣』でした。おかげで、クラスのカースト上位連中が持つ『勇者』や『聖女』や『賢者』をコピーしまくったが……自分たちが活躍できないとの理由でカースト上位連中にハメられ、なんと追放されてしまう。
しかも、追放先はとっくの昔に滅んだ廃村……しかもしかも、せっかくコピーしたスキルは初期化されてしまった。
とりあえず、廃村でしばらく暮らすことを決意したのだが、俺に前に『女神の遣い』とかいう猫が現れこう言った。
『女神様、あんたに頼みたいことあるんだって』
これは……異世界召喚の真実を知った俺、有馬慧が送る廃村スローライフ。そして、魔王討伐とかやってるクラスメイトたちがいかに小さいことで騒いでいるのかを知る物語。
異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた
甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。
降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。
森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。
その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。
協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる