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番外編 妹サイド 5
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「とにかく、長期戦で、落ち着いて弱点が見つかれば」
「ちょっと、長期戦って、いったい何日を想定してるの?私はお腹が空いてるの。食べないと死んじゃうんだよ?食べ物持ってないんでしょ?あのさ、私、どう見ても小さいでしょ?あなたよりうんと体小さいでしょ?蓄えてるエネルギーだって少ないんだからね!」
……少女が支離滅裂な叫びで訴え始めた。
確かに蓄えられるエネルギーは少ないかもしれないが、ルークは動き回っている分消費するエネルギーが多いので、トントンではないだろうか。
「あ、大丈夫だよ。母さんに人は1週間くらい食べなくても、水飲んで塩舐めてれば生きられるって」
「戦場か!兵が塩だけ持たされて放り出された戦場なの?せめてマヨネーズ持たせてよっ!チョコレート持たせてよ!遭難してもマヨネーズあれば1週間は、私も耐えられるかもしれないけど……いや、やっぱりチョコレートがいいかな……」
少女は錯乱中。
「マヨネーズ?チョコレート?えっと、よくわからないけど、母さんはその、立派な冒険者だったから言うことは間違いなくて……」
少女がルークを睨み上げる。
マザコンかよっ。
「うっ、なんか、ズキューン」
ルークは睨む少女もかわいいと、胸を打たれた。もうだめだルーク、お前につける薬はない(天の声)。
「で、水はどうやって飲むの?まさか、岩肌から染み出てる水をなめろとか、そういうレベルの話?」
少女がダンジョンの壁を見る。ところどころキラキラと薄く光を反射している個所がある。
果たして、それは水が染み出ているのか、ナメクジが触れた粘液が光っているのか……。喉が渇いてどうにもならなくなっても近寄りたくないと少女は思った。
「あ、ほら、水の魔石があるから、これで【水よ出てこい】」
ルークがポッケから取り出した小さな貝でできたボタンのような石を指でこすった。
水よ出てこい?少女が首をかしげると、じゃーと、水がボタンから出てきた。
「うわ、水、何、手品?奇術?なんか、あったよね、扇子の先とかから水が噴き出てくるやつとか、って、違う、魔石って言った?魔法の石?なんでもいいけど、ちょっと、水が落っこちてる、飲めないって!頂戴、飲ませて頂戴っ」
少女が上を向いて口を大きくぱかっと開ける。
「え、あ、えっと……」
水をちょうだいと乞われ、目の前で無防備に口を開く少女。
まるでひな鳥が親の帰りを待って巣の中でぴーちく鳴いているようではあるが、20歳のルークには、親心になれなどまだ無理であった。心に色々な思いと欲望が湧き出て、色々な妄想が飛び出し、それはもう、自分が何なのか分からなくなって、ひたすらかわいすぎる、かわいすぎる、むぎゅっとしたい、と、少女に触れたい欲望を抑えていた。
「こ、これ、えっと、指で触れて【水よ出てこい】と言えばその、出て来るから、使って」
少女に水の魔石を指し出すのが精いっぱいであった。
「ありがとう」
魔石を素直に受け取る少女の指がルークに触れる。
「!」
まるでそこが火のついたように熱く感じるルーク。
==========
ちょっとした気まぐれで妹サイドも書き始めたけど、妹の性格がギャルすぎて書きにくい……。
でもルークは幸せそうだからいいのかなぁ……(´・ω・`)
虚勢を張ってるだけで実はいいこなんだよと思ってください。好感度低そうだわぁ……。
本当はいいこ、本当はいいこ、ね?
「ちょっと、長期戦って、いったい何日を想定してるの?私はお腹が空いてるの。食べないと死んじゃうんだよ?食べ物持ってないんでしょ?あのさ、私、どう見ても小さいでしょ?あなたよりうんと体小さいでしょ?蓄えてるエネルギーだって少ないんだからね!」
……少女が支離滅裂な叫びで訴え始めた。
確かに蓄えられるエネルギーは少ないかもしれないが、ルークは動き回っている分消費するエネルギーが多いので、トントンではないだろうか。
「あ、大丈夫だよ。母さんに人は1週間くらい食べなくても、水飲んで塩舐めてれば生きられるって」
「戦場か!兵が塩だけ持たされて放り出された戦場なの?せめてマヨネーズ持たせてよっ!チョコレート持たせてよ!遭難してもマヨネーズあれば1週間は、私も耐えられるかもしれないけど……いや、やっぱりチョコレートがいいかな……」
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少女がダンジョンの壁を見る。ところどころキラキラと薄く光を反射している個所がある。
果たして、それは水が染み出ているのか、ナメクジが触れた粘液が光っているのか……。喉が渇いてどうにもならなくなっても近寄りたくないと少女は思った。
「あ、ほら、水の魔石があるから、これで【水よ出てこい】」
ルークがポッケから取り出した小さな貝でできたボタンのような石を指でこすった。
水よ出てこい?少女が首をかしげると、じゃーと、水がボタンから出てきた。
「うわ、水、何、手品?奇術?なんか、あったよね、扇子の先とかから水が噴き出てくるやつとか、って、違う、魔石って言った?魔法の石?なんでもいいけど、ちょっと、水が落っこちてる、飲めないって!頂戴、飲ませて頂戴っ」
少女が上を向いて口を大きくぱかっと開ける。
「え、あ、えっと……」
水をちょうだいと乞われ、目の前で無防備に口を開く少女。
まるでひな鳥が親の帰りを待って巣の中でぴーちく鳴いているようではあるが、20歳のルークには、親心になれなどまだ無理であった。心に色々な思いと欲望が湧き出て、色々な妄想が飛び出し、それはもう、自分が何なのか分からなくなって、ひたすらかわいすぎる、かわいすぎる、むぎゅっとしたい、と、少女に触れたい欲望を抑えていた。
「こ、これ、えっと、指で触れて【水よ出てこい】と言えばその、出て来るから、使って」
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「ありがとう」
魔石を素直に受け取る少女の指がルークに触れる。
「!」
まるでそこが火のついたように熱く感じるルーク。
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ちょっとした気まぐれで妹サイドも書き始めたけど、妹の性格がギャルすぎて書きにくい……。
でもルークは幸せそうだからいいのかなぁ……(´・ω・`)
虚勢を張ってるだけで実はいいこなんだよと思ってください。好感度低そうだわぁ……。
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