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進展?

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「ちょっと、ちょっと待って、今の話、えっと、落ち着いてゆっくり考えたいわ」
 ジョジョリさんとクラノルさんが顔を見合わせています。
「確かに、今の話を聞いていると、誰も損しないような気がするな」
「冒険者がやりたがらない仕事を奴隷にやらせるということもできるように」
 クラノルさんの言葉にはっと胸を抑えました。
 冒険者がやりたくない仕事を奴隷に押し付けるですって?そこまでは考えていませんでした。
「ああ、違う違う。冒険者ってやつは、冒険がしたくて……剣を握って戦う姿にあこがれてなったような奴が多いからなぁ。地味な薬草探しとか、荷物運びだとか、ギルドに依頼が入っても、なかなかな、受け手がいなくて。緊急だとこっちも困ることがあって」
 なるほど、そういう意味でしたか……。
 危険の少ない仕事でしたら、むしろ安心して奴隷も働けるのではないでしょうか。
「奴隷ギルドと相談してみるか?」
「なかなか買い手がつかない奴隷の扱いに困っているようなことも言っていたが」
「もしかすると、奴隷ギルドが奴隷派遣を始めるって言うかもしれないな」
 フィーネさんが私の手を取りました。
「どうなるか分からないけれど、ギルドに持ち帰ってギルド長と話し合います。どうにかしてみせると約束はできないけれど……。奴隷という立場の人にもお金が渡るような仕組みを作れるように力を尽くすわ」
「あ、ありがとうございます」
 ぺこりと頭を深く下げました。
「すぐに改革はできないだろうから、今回の報奨金については、バーヌの分はユーキが受け取って、バーヌに渡してもらえる?」
 今度は素直にはいと返事をしました。
 バーヌが剣をフィーネさんに差し出します。お金が出るなら剣は返すということでしょうか。
「受け取りなさい」
「ギルドに拘束されるわけにはいかない」
「いいの?剣があればご主人様をしっかり守れるんじゃない?」
 ちらりとフィーネさんが私を見ました。
「うっ」
「いくら金狼でも、剣がなければ守り切れないこともあるでしょう?」
 ちらりと、フィーネさんの視線が私たちの後ろに向いきました。つられて振り返って後ろを確認すると、ルクマールさんが近づいてきました。
「ユーキ!お前のおかげでマジ助かったぜ!」
 ルクマールさんが、私の両脇に手を差し入れて、持ち上げました。うぎゃぁ。
 子供扱いですよ。
「話せ、ルクマール」
 バーヌが、剣を構えてルクマールに向けました。
「ふふ、早速剣が役に立っているみたいね」
 フィーネさんが笑っています。
 え、ちょっと、さすがに剣の使い方は間違っていると思うんですよ。
 人に向けてはいけません。
「バーヌ、なんでルクマールさんに剣を向けるの?」
「あ、れ?ユーキ、お前、坊主じゃなかったのか?」
 ルクマールさんが慌てて私を地面におろしました。
「すまん、坊主だとばかり思って……」
 あ、女だってばれた?まぁ、男の子と女の子……私は子じゃないけど、だと、触れば肉の軟かさが違うし分かる人には分かりますよね。

========
言われなきゃバレてないと思うユーキのうかつさ。
バーヌにもぎゅってされてるでしょうっ!
っていうか、初対面からすでにバレバレですけどね。匂いで。
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