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第一話

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「エマリー、婚約破棄」
「承知いたしました。婚約破棄がしたいというのですね?では、御前を失礼させていた……」
 目の前に立っているのは、10歳になる私の婚約者である、ルイ皇太子。
 今いるのは、王室主催の舞踏会だ。
 本来の社交界デビューは15歳になってからだが、皇太子ということで10歳ながらルイ殿下は特別に出席が許されている。
「エマリー何を言ってるの?僕はエマリーと婚約破棄なんて絶対にしないからね?」
 大きな瞳でルイ殿下が私を見上げている。
 ええ、ええ、見上げられていますよ。
 公爵令嬢の私の名はエマリー。
 今年社交界デビューを果たした、15歳。
 殿下が10歳。私が15歳。
 もう、お分かりですね。
 私、絶対、殿下にふさわしい婚約者者ありませんっ!
 すくすくと女性にしては身長の伸びた私。今現在170センチ、さらに靴は低めだけれどヒールが5センチ。
 175センチという、男性の平均身長。
 そして、まだ成長期前の少年であるルイ殿下は、10歳でも小さめの130センチ。
 皆の前でダンスを踊るとか、滑稽でしかないよね。
 これが、姉弟というのであれば、微笑ましいで済んだ。……従姉弟というんでも問題なかっただろう。
 クスクスと、口元を覆った扇の奥で声を殺して笑っているのが伝わってくる。
 そうでしょう、そうでしょう。
 私もね、なんで、5歳も年上の私が婚約者に選ばれたか、全く分からないのよっ!
 殿下が7歳、私が12歳。
 殿下と釣り合いの取れるご令嬢は、公爵家に当時7歳、侯爵家に8歳2人、7歳4人、6歳5人、5歳3人、4歳……と、とてもたくさんいたのよ?もちろん、王妃様ご懐妊と共に、生まれてくる子が女でも男でも、側近や婚約者にしようと、こぞって野望のある貴族たちが内にも外にも子供を作った結果、このあたりの年代の子供は多いわけで……。
 しかもよ、しかも、当時5歳の妹が私にはいたわけ。7歳の皇太子と5歳の公爵令嬢。もう、これこそ、理想的!
 理想的なカップルというものじゃない?
 ぶっちゃけ、当時の皇太子ってば、女の子にも間違えるほどの美少年っぷり。妹のマリリーは、まさに天使!天使!天使!
 二人が並ぶ姿は、もう眼福そのもの。
 早く、絵師を読んで、二人の並んでいる姿を余すことなく書き留めてちょうだい!と、心の中で絶叫。
 まぁとにかく、我が家に婚約の打診があった時、両親も私も、マリリーにだと信じて疑わなかった。
「婚約をお受けいたします」
 お父様がそう言った時、私は心の中で、絵師!絵師を早う!二人の婚約したての初々しい姿をこの世に残さねば!
 と、叫んでいた。
 ……のに。






=================
ひゃー、間に合う気がしない。明日中に終わるの?
取りあえず書き始めた。短編10本ノックの3本目。週1ペースは何気にハードル高かったわ……。ぐぬぬ。
短めで行こう。
この設定も楽しそうだけど、ささっと、終わりまする……。


年下皇太子だぞー。ふへへ。
あー、眠い。続きは明日にしよう……。
暑くて、暑くて、ひからびそう……。


あ、そうそう=====以下はあとがきです。本文ではありません。
何度か「あとがきうぜーくそがっ!」という感想をいただいております。(いえ、本当にそういう口調の感想が何度も来るんですよ。別作品も含め……びっくりでしょう?いるんですよ……2年ほど前はいなかったのにね)
わざわざ言わずに、そっと閉じてお終いにしていただけますでしょうか。却下削除作業も手間ですので。
あなたが言わなくても、すでに何度かいただいたうえで、この方式です。
それから、後書きなしの、物語だけバージョンは別サイトに完結後アップしております。

アルファポリスさんでは読者様と一緒に作品を作り上げている感覚なので、この方式です。
実際、いただいた感想や、情報を元にストーリーが展開することもあります。
と、いうことなので、ぜひぜひ、色々感想いただけると嬉しいです。
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