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ギルド長視点

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……あ、そういえば騎士団長が今度光属性の騎士を見てほしいと言っていたが、屋敷に帰るタイミングを見失って見れてないんだよな。
 ……アリスは明日もここにきて光魔法の実験をするんだろう。
 ってことは、屋敷で鉢合わせすることもないよな?明日の午後にでも屋敷に行くか。
 ノックの音が響いた。
「入れ」
 ギルドの職員の女性が一人入って来た。
「どうした?まだ残っていたのか?何か事件か?」
 女性職員の勤務時間は夕方までとなっていたはずだ。夜は男性職員が数人残って緊急時に備えるだけで、通常業務は終わっている。
「アリスさんに、光魔法を教えてもらいました」
 ああ、そう言えば受付業務をしているが光属性だったな。
 弓の使い手で、中級の魔物までなら難なく倒せたものの、それ以上となると攻撃魔法には劣るし、近距離戦も出来ないということで限界を感じてギルドの職員として働くようになったと記憶している。
 ってことは……。
「火光魔法を教えてもらったのか?そりゃいい。君ならすぐに壁の外に出られるだろ?」
 ガルダが満足げに頷く。
「他にも、元冒険者として活動していた戦える光属性魔法の者たちがいたはずだな。真面目な人間ほど、努力で実力をつけていくが、逆に真面目すぎるがゆえに、限界を感じたとき無謀な選択をせずに冒険者としての道を諦めていく。そんな奴らが……。声をかけてみるか。それで……そうだ、火光魔法を教えてくれないか?」
 女性職員が首を傾げた。
「あの、火光魔法ってなんですか?」
「「え?」」
 ガルダと俺の言葉が重なった。
「知らないのか?いや、そうか、見たのは倉庫整理をしていた人間だけか……じゃあ、何を教えてもらったんだ?」
 ガルダの疑問に、女性職員の代わりに答える。
「もしかして、あの絵を描く光魔法か?絵を描けるようになったという報告なら……」
 わざわざする必要もないと思う。
「いや、待てよ、サラは絵の代わりに光で文字を書いていたな。あれを応用すれば、できるようになったのか?」
 女性職員が頷いた。
「ええ、例えば……数字の5なら……【LED】【LED】……」
 小さな光の丸を次々に出して並べ、空中に数字の5が現れた。
「ほー、こりゃ、遠方に情報を伝える手段として使えるな。狼煙よりも多くの情報が伝えられるってことか」
 ガルダが感心したように宙に浮かんだ5の数字を見た。
「想定外の大物に遭遇した時の救援要請なんかに使えるのか。出現した魔物の名前まで伝えられるといいが、文字数が多くなると難しいか」
 ガルダがいろいろと実用化について考え始めた。
「これを、見てください」
 俺とガルダの前に女性職員が紙を1枚出した。

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