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79 元ギルド長ガルダ視点
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そして、レッドも連れてすぐに魔物が出る森へと足を運んだ。
火を怖がる魔物が出る場所へ。
「レッド、いたぞ、倒すなよ、脅かせ」
レッドが言われるままに、小さなファイアーボールを30体ほどの小型の魔物の群れに打ち込む。
すると、魔物は火球を避けるように距離を取った。
「次は、光魔法、さっき覚えたやつ飛ばせるか?」
光属性魔法使いのジョンが、先ほど覚えたばかりの魔法を使う。【火光】と呪文を唱えると、ファイアーボールのような見た目の魔法が魔物の群れに向かって放たれた。
火を恐れる魔物は、火光の球を恐れてさらに距離を取る。
「あっ、はははっ!魔物のやつ、騙されてるぞ!見たか、レッド、なぁ?どう思う?」
うんと、レッドが大きく頷いた。
「熱に反応しているのではなく目で判断してるのか」
「ああ。蛇なんかは温度で獲物を見つけるらしいが、あいつらは目のようだ。だから、火魔法と光魔法の区別がつかないんだろう」
「ってことは……ジョン、退路を塞いでくれ!」
レッドが火属性魔法持ちにいつもやらせていることを、指示した。
いつもの戦い方を見て知っているジョンはすぐに【火光】魔法を連打し、ファイアーボールのような球を群れの後ろに並べる。
「こいっ!」
逃げ場を失った魔物を挑発すると、1匹飛び出してきた。それを皮切りに、一斉に魔物が動く。
「ばらばらに逃げられると倒しにくいがな、逃げなきゃ楽に倒せるんだよな!」
剣を振って次々に倒していく。
それを見て、火を恐れる魔物がなんとか火球の囲いを突破しようと突っ込んでいく。実際は火球ではなく火光へと。
「まずい、レッド!」
火光は熱くない。偽物の火だとばれて学習されては困る。
「分かってる」
レッドが火光にめがけて駆けていく魔物にファイアーボールをぶち当てた。
火光が危険だと思わせるためだ。
群れの掃討はあっという間に終わる。
「どうだ、レッド」
「ああ、これはずいぶん戦い方が楽になるな。火属性魔法持ちの魔力が大幅に節約できる。それに、これなら森を燃やす心配をせずに囲めるということだろう?」
うんと頷く。思わず笑いがこみ上げる。
レッドも嬉しそうだ。
「ジョン、光属性魔法の使える冒険者を集めて、火光を教えてやってくれ。それから火属性魔法使いとの連携訓練を行う」
レッドがジョンに声をかける。
「それから、実験も必要だぞ?魔物によっては、蛇のように熱で感知するやつもいるだろうからな。どの魔物に有効な手段なのか見極めが必要だ。それから、どれくらいの継続時間のある火光をいくつ出せるのかも知る必要があるな」
「ああ、それならアリスが昨日子供たちとそれぞれの魔力量を測る実験をしていたそうだ。基準を作ったとかなんとか。それで、魔力の多さが分かれば、あとは魔力の少ない者がいくつ出せるのかを元に大体分かるだろう」
ああまったく。
レッドの頭を乱暴に撫でる。
「規格外だなぁ」
レッドも規格外なら、嫁も規格外。
これも、似たもの夫婦ってやつか。
実に似合いの二人じゃないか。
まぁ、アリスの嬢ちゃんの方は、公爵の時のレッドと顔を合わせてはいないようだが。さっさと正体を明かしてよろしくやればいいのに。
「ジョン、忙しくなるが頼んだぞ!」
ジョンに声をかけると、涙ぐんでいるのが見えた。
「それから、下半身の強化も怠るなよ」
光属性魔法の冒険者たちが、攻撃魔法が使えないことにコンプレックスを大なり小なり感じていることは知っている。そのため人一倍努力をして体を鍛えていることも。ジョンもそうだ。
「お前の剣の腕に期待している」
今までの努力は無駄じゃない。今までのお前たちの生き方を俺は認めている。
攻撃魔法が使えようと使えまいと、光魔法が役立とうが立ちまいが、関係ない。光魔法が役に立つことになったからといって、評価を変えるような真似はしない。
だが、努力を怠らない彼らを光属性だからというだけで馬鹿にしていた者たちがどんな顔をするのか見るのは楽しみだ。
=============
ひょーい!いつもありがとうございます!
次から視点戻ります。
てなわけで、火光は、火球(ファイヤーボール)の偽物として魔物よけや、フェイント攻撃にと活用しまぁす!
魔力も無限じゃないので、火球の節約になるのはめちゃんこありがたいこと。
そして、火光は、エネルギー量が少ないのよ。火球よりね。まぁ、熱にエネルギー使わず光だけだからね。
魔力めっちゃ少なくて済むのよ。火球に比べて。
……ってところは、ガルダでは分からないところだけども。
いったいいくつ出せるんだとそのうち驚くでしょう。ふふふ。
てなわけで、リリアリスさん、知らない間にいろいろやらかしてます。
本人「火光なんて、暗いから役にたたないじゃろ。LEDじゃ。LED」としか思ってない……。
さ、引き続きよろしくお願いします。
火を怖がる魔物が出る場所へ。
「レッド、いたぞ、倒すなよ、脅かせ」
レッドが言われるままに、小さなファイアーボールを30体ほどの小型の魔物の群れに打ち込む。
すると、魔物は火球を避けるように距離を取った。
「次は、光魔法、さっき覚えたやつ飛ばせるか?」
光属性魔法使いのジョンが、先ほど覚えたばかりの魔法を使う。【火光】と呪文を唱えると、ファイアーボールのような見た目の魔法が魔物の群れに向かって放たれた。
火を恐れる魔物は、火光の球を恐れてさらに距離を取る。
「あっ、はははっ!魔物のやつ、騙されてるぞ!見たか、レッド、なぁ?どう思う?」
うんと、レッドが大きく頷いた。
「熱に反応しているのではなく目で判断してるのか」
「ああ。蛇なんかは温度で獲物を見つけるらしいが、あいつらは目のようだ。だから、火魔法と光魔法の区別がつかないんだろう」
「ってことは……ジョン、退路を塞いでくれ!」
レッドが火属性魔法持ちにいつもやらせていることを、指示した。
いつもの戦い方を見て知っているジョンはすぐに【火光】魔法を連打し、ファイアーボールのような球を群れの後ろに並べる。
「こいっ!」
逃げ場を失った魔物を挑発すると、1匹飛び出してきた。それを皮切りに、一斉に魔物が動く。
「ばらばらに逃げられると倒しにくいがな、逃げなきゃ楽に倒せるんだよな!」
剣を振って次々に倒していく。
それを見て、火を恐れる魔物がなんとか火球の囲いを突破しようと突っ込んでいく。実際は火球ではなく火光へと。
「まずい、レッド!」
火光は熱くない。偽物の火だとばれて学習されては困る。
「分かってる」
レッドが火光にめがけて駆けていく魔物にファイアーボールをぶち当てた。
火光が危険だと思わせるためだ。
群れの掃討はあっという間に終わる。
「どうだ、レッド」
「ああ、これはずいぶん戦い方が楽になるな。火属性魔法持ちの魔力が大幅に節約できる。それに、これなら森を燃やす心配をせずに囲めるということだろう?」
うんと頷く。思わず笑いがこみ上げる。
レッドも嬉しそうだ。
「ジョン、光属性魔法の使える冒険者を集めて、火光を教えてやってくれ。それから火属性魔法使いとの連携訓練を行う」
レッドがジョンに声をかける。
「それから、実験も必要だぞ?魔物によっては、蛇のように熱で感知するやつもいるだろうからな。どの魔物に有効な手段なのか見極めが必要だ。それから、どれくらいの継続時間のある火光をいくつ出せるのかも知る必要があるな」
「ああ、それならアリスが昨日子供たちとそれぞれの魔力量を測る実験をしていたそうだ。基準を作ったとかなんとか。それで、魔力の多さが分かれば、あとは魔力の少ない者がいくつ出せるのかを元に大体分かるだろう」
ああまったく。
レッドの頭を乱暴に撫でる。
「規格外だなぁ」
レッドも規格外なら、嫁も規格外。
これも、似たもの夫婦ってやつか。
実に似合いの二人じゃないか。
まぁ、アリスの嬢ちゃんの方は、公爵の時のレッドと顔を合わせてはいないようだが。さっさと正体を明かしてよろしくやればいいのに。
「ジョン、忙しくなるが頼んだぞ!」
ジョンに声をかけると、涙ぐんでいるのが見えた。
「それから、下半身の強化も怠るなよ」
光属性魔法の冒険者たちが、攻撃魔法が使えないことにコンプレックスを大なり小なり感じていることは知っている。そのため人一倍努力をして体を鍛えていることも。ジョンもそうだ。
「お前の剣の腕に期待している」
今までの努力は無駄じゃない。今までのお前たちの生き方を俺は認めている。
攻撃魔法が使えようと使えまいと、光魔法が役立とうが立ちまいが、関係ない。光魔法が役に立つことになったからといって、評価を変えるような真似はしない。
だが、努力を怠らない彼らを光属性だからというだけで馬鹿にしていた者たちがどんな顔をするのか見るのは楽しみだ。
=============
ひょーい!いつもありがとうございます!
次から視点戻ります。
てなわけで、火光は、火球(ファイヤーボール)の偽物として魔物よけや、フェイント攻撃にと活用しまぁす!
魔力も無限じゃないので、火球の節約になるのはめちゃんこありがたいこと。
そして、火光は、エネルギー量が少ないのよ。火球よりね。まぁ、熱にエネルギー使わず光だけだからね。
魔力めっちゃ少なくて済むのよ。火球に比べて。
……ってところは、ガルダでは分からないところだけども。
いったいいくつ出せるんだとそのうち驚くでしょう。ふふふ。
てなわけで、リリアリスさん、知らない間にいろいろやらかしてます。
本人「火光なんて、暗いから役にたたないじゃろ。LEDじゃ。LED」としか思ってない……。
さ、引き続きよろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
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