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「嬢ちゃんの言うことはもっともだ。しかしな、レッドを許してやってくれ。まだギルド長になって日も浅い。冒険者たちの育成までは手が回らないんだ。とはいえ、確かに必要なことだからな。俺が引き受けよう。おい、まだ今日の依頼が決まってないやつは訓練所へ来い。鍛えてやる」
 ガルダ様が幾人かの冒険者に声をかけて立ち去った。
 う、後姿まで素敵。
「好きぃ……むりぃ……萌えしぬぅ……」
 足を踏み出すたびに動く筋肉ぅ。
「アリス、俺を見ろよ!俺だって、あと10年もすりゃああなる。ああなってみせる」
 レッドが私の腕を掴んで自分の方に向けた。
「……光源氏計画……」
「は?」
「成長の過程を見守るのも立派な推し活……」
 私が完成させる筋肉……。う、それも素敵かも。
「あ、あのぉ、ギルド長、話が続くようならギルド長室にお通ししては?」
 困ったような顔で、受付のお姉さんが声をかけてきた。
 はっ!そうだったわ。筋肉に惑わされるところだった。
「ごめんなさい。カイ、ギルド長の相手をしていてくれる!私はやることがあるんだから!」
 朝食食べて急いできたのに、時間を無駄にしちゃうところだわ。
「え?僕が、ギルド長の相手を……」
 カイがぎょっとした表情を見せる。恋人と二人きりにさせてあげるのよ。気が利くでしょ。
 ぱちりとウインクしたかったけどウインク苦手なのでやめた。
「今日の光魔法の依頼を見せてくれる?」
「あ、はい。こちらになります」
 依頼表の値段を確認して振り分ける。
 銅貨1枚の依頼が40枚、銅貨2枚の依頼が17枚、銅貨3枚の依頼が8枚。
 全部でも銅貨65枚か。
「これは何人くらいの人が依頼を受けてこなしてるの?」
「はい。冒険者として現役で活動している光属性の子が12名と、人が足りないときは今は別の仕事をメインにしている人に助っ人として頼んでいます」
 なるほど。
「っていうことは、65枚を12人でこなすから、平均して一人銅貨5枚くらいの稼ぎ?」
 500円か。子供の小遣いだ。いや、光属性の子だと受付嬢は言ったし、助っ人は別の仕事をメインにしていると言っていたから、本当に子供ばかりなのかもしれない。光属性では冒険者としてやっていけないのか、それとも冒険者でも光魔法の依頼は受けなくなるのか。
「はい。魔力が弱い子は1日に1つか2つの依頼しか受けられません。多い子でも合計で銅貨10枚を超えるか超えないかです」
 なるほど。だったら十分足りそうだ。
 わさっと仕分けた依頼表をまとめてお姉さんに差し出す。
「これ、全部受けるわ」
「おい!そんなことをしたらっ」
 ギルド長が声を上げた。まだいたのか。


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ご覧いただきありがとうございます!
カイが……不憫wwwいいぞ、もっとやれー!案件か?www
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