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うおー、息が、息が苦しい……肺もやられてるのかっ。
「ああ、それからお姉さま、怪我には気を付けてくださいね?もう、私はいないのですから。馬車が谷底に転落して大怪我しても、私なら治せるでしょうけど」
くそ、ユメリアめぇ!
「見事なフラグを立ててくれたもんだ……」
シューシューと息がどこから洩れる情けない声でつぶやく。
肺がマジでやばそう。
死なない!死ぬもんか!
まだ16歳だぞ!うら若き乙女だ!
推し活には体力も必要なんだよ!16歳といえば、心の体力が一番ある!推して推して推して、狂おしいほど推しまくれる心の体力が!
いや、ほら、推しに寝癖がついてるだけで、3日はご飯がおいしく食べられるじゃろ?あれはな、アラフォーになると、推しの寝癖で仕事が頑張れるのは1日だけとかになるんよ……。どんどん新しく補給していかないと仕事で疲れ切った心は癒されない。だから課金しちゃうのだよ……。
って、遠い目をしたら、そのまま息を引き取りそうになった!
あっぶなぁーい!
「【光】」
何が周りを明るくするだけの役に立たない魔法だ!
どんどん上がっていけ!
信号弾、空高く上がって。
私がここにいることを、誰かに知らせて……。
日が陰ってきた。私の上げた信号弾……照明弾ともいうんだろうか?暗くなればなるほど目立つはずだ。
私はここ。見つけて。死にたくない。お願い!
何とか、動く右手を突き上げ、光魔法を打ち上げ続ける。
灯台がなきゃ、船は方向を失うし、信号機がなければ交通事故だらけだし、飛行機だって夜間飛行するには光がいるんだぞ。
光を馬鹿にするな!
光通信がなければ、インターネットで動画も快適に見られないんだから!光は大事!
目が覚めた。
「知らない天井だ……」
あんなにしょぼしょぼしてもう何も見えなくなっていたのに、しっかり知らない天井が見えた。
部屋が薄暗いので、まぁぼんやりな感じはある。
「【光】」
得意の……というかそれしか使えない魔法を発動すると、部屋が明るくなる。
石造りの壁。地下牢が一瞬思い浮かんだけれど、私が今寝ているベッドも、ドレッサーや机やソファも立派な物で、牢屋というわけではなさそうだ。
息苦しさもないし、どうやら本当に助かった……助けられたみたいだ。
まずはほっと息を吐きだす。
「ああ、目が覚めましたか奥様」
部屋に、30代半ばに見える侍女が入って来た。服装から侍女と判断したけれど、誰?
「まぁ、明るい。早速照らしていただけるなんてなんと奥様はお優しいのでしょう」
優しい?別に大したことしてないのに。
「これほどまでに明るい光、魔力が多いと聞いてはおりましたが、体にご負担ではございませんか。奥様……無理をなさらないでくださいまし」
いや、体に負担とか全然だけど?無理なんてしてないけど?
というか、奥様?
「あの、私……」
いったいどうなってんの?
まさか、16歳の侯爵令嬢であった私は死んで、さらに転生してるとか?
いやでも、光魔法は私の魔法だよね?いや、再び光属性の人間に転生したとか?
「ああ、それからお姉さま、怪我には気を付けてくださいね?もう、私はいないのですから。馬車が谷底に転落して大怪我しても、私なら治せるでしょうけど」
くそ、ユメリアめぇ!
「見事なフラグを立ててくれたもんだ……」
シューシューと息がどこから洩れる情けない声でつぶやく。
肺がマジでやばそう。
死なない!死ぬもんか!
まだ16歳だぞ!うら若き乙女だ!
推し活には体力も必要なんだよ!16歳といえば、心の体力が一番ある!推して推して推して、狂おしいほど推しまくれる心の体力が!
いや、ほら、推しに寝癖がついてるだけで、3日はご飯がおいしく食べられるじゃろ?あれはな、アラフォーになると、推しの寝癖で仕事が頑張れるのは1日だけとかになるんよ……。どんどん新しく補給していかないと仕事で疲れ切った心は癒されない。だから課金しちゃうのだよ……。
って、遠い目をしたら、そのまま息を引き取りそうになった!
あっぶなぁーい!
「【光】」
何が周りを明るくするだけの役に立たない魔法だ!
どんどん上がっていけ!
信号弾、空高く上がって。
私がここにいることを、誰かに知らせて……。
日が陰ってきた。私の上げた信号弾……照明弾ともいうんだろうか?暗くなればなるほど目立つはずだ。
私はここ。見つけて。死にたくない。お願い!
何とか、動く右手を突き上げ、光魔法を打ち上げ続ける。
灯台がなきゃ、船は方向を失うし、信号機がなければ交通事故だらけだし、飛行機だって夜間飛行するには光がいるんだぞ。
光を馬鹿にするな!
光通信がなければ、インターネットで動画も快適に見られないんだから!光は大事!
目が覚めた。
「知らない天井だ……」
あんなにしょぼしょぼしてもう何も見えなくなっていたのに、しっかり知らない天井が見えた。
部屋が薄暗いので、まぁぼんやりな感じはある。
「【光】」
得意の……というかそれしか使えない魔法を発動すると、部屋が明るくなる。
石造りの壁。地下牢が一瞬思い浮かんだけれど、私が今寝ているベッドも、ドレッサーや机やソファも立派な物で、牢屋というわけではなさそうだ。
息苦しさもないし、どうやら本当に助かった……助けられたみたいだ。
まずはほっと息を吐きだす。
「ああ、目が覚めましたか奥様」
部屋に、30代半ばに見える侍女が入って来た。服装から侍女と判断したけれど、誰?
「まぁ、明るい。早速照らしていただけるなんてなんと奥様はお優しいのでしょう」
優しい?別に大したことしてないのに。
「これほどまでに明るい光、魔力が多いと聞いてはおりましたが、体にご負担ではございませんか。奥様……無理をなさらないでくださいまし」
いや、体に負担とか全然だけど?無理なんてしてないけど?
というか、奥様?
「あの、私……」
いったいどうなってんの?
まさか、16歳の侯爵令嬢であった私は死んで、さらに転生してるとか?
いやでも、光魔法は私の魔法だよね?いや、再び光属性の人間に転生したとか?
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