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138 めいくあーっぷ
しおりを挟む みんなイイコだな。これは、私も手を上げるべきだね。
「あ、じゃぁ僕も。靴はいっぱいあるんだよ。それも外で履いたことない新品同様の」
なんせ、女の姿で外にでることなどほぼないので。
そのくせ、子煩悩な親馬鹿と、シスコンの兄馬鹿が、……遠い目。
「あー、リザークんとこいっぱい靴ありそうだなぁ。兄貴のお古なんて使わせずに新しいの作ってそうだもんな」
はい?
兄貴のお古?
や、やべっ!
うっかり女物の靴リスト持ってくるところだった!
「あ、は、はは、そうなんだ。なんせ、8人兄弟だからね……」
危ない。危ない。
「あ、あの、それで、えっと……ドレスとアクセサリー以外自由だという話なので、家からいくつか持ってきましたっ。ドレスに合わせることもできると思ってっ」
あ、そうそう、初めに声を上げた子を無視する形になっちゃった。ごめんね。みんな盛り上がるの早いから。
「これ……」
と、大きなカバンから……トントンと、箱をいくつも取り出した。
「メイクグッズと、それから……」
と、箱のふたを開けて皆に見せていく。
「うわー、すごい。プロの道具みたい!」
って、家が美容院だって言ってたから、プロの道具だと思うよ。
「本当はもう少し持ってきたかったんだけど、さすがにお店で使っているものは無理だって」
「あ、じゃあ、私も家のものを少し持ってきますわ」
「俺も、お袋確かいっぱい持ってたからちょっと借りてくるわ」
と、また次々に手が上がる。
「あの、それから……」
と、次の箱を開けると……。
「かつら……?」
かつらが入っていた。
「はい。Fクラスがドレスを選べるのは最後なので、髪の色や目の色に合わないドレスしか残っていなかったら……逆に、髪の色を変えたらどうかと。ルール違反にはならないはずなので……」
「ふふっ、それはうまいこと考えましたね」
フレッドが笑った。
「かつらなんて、禿げ頭を隠すためだけのものだと思っていましたが……」
「おい、これ女ものじゃねぇの?女もかつらなんて使うのか?」
箱の中をガサガサしていたマージが、長い髪のかつらを手にとった。
きれいな金髪のかつらだ。
「はい。女性用は、主に自分の髪色にコンプレックスのある人が、あこがれる金の髪やミルクティーカラーにしたいと使うものです」
そういわれれば、男性用のものは色がいろいろだ。……ダジャレではない。禿げ隠しに使うから急に髪の色が変わると不都合があるんだろう。
女性用は、明るい色がほとんど。暗い髪の色って人気ないのか。
サーシャの黒髪、私は好きなんだけどなぁ。
「なぁ、これ、あの子の髪に似てるんじゃないか?」
と、マージが長い金髪のかつらを持ち上げた。
あの子?金髪の長い髪なんてありふれてるじゃないか。
「いいや、ちっとも。彼女の髪はもっとつややかで滑らか。そして光輝いている」
と、フレッドが答えた。
=====
中等部……11歳のこどもが化粧というのは違和感ありますが、
日本だと……ですよね。場所が変わればピアスも普通にしてる国もありますし。
というわけで、この世界は社交界的な場での化粧は子供も普通にしてるとうことで……
普段はしません。
高等部に進むと少し、化粧な人が増える感じの世界感です。
「あ、じゃぁ僕も。靴はいっぱいあるんだよ。それも外で履いたことない新品同様の」
なんせ、女の姿で外にでることなどほぼないので。
そのくせ、子煩悩な親馬鹿と、シスコンの兄馬鹿が、……遠い目。
「あー、リザークんとこいっぱい靴ありそうだなぁ。兄貴のお古なんて使わせずに新しいの作ってそうだもんな」
はい?
兄貴のお古?
や、やべっ!
うっかり女物の靴リスト持ってくるところだった!
「あ、は、はは、そうなんだ。なんせ、8人兄弟だからね……」
危ない。危ない。
「あ、あの、それで、えっと……ドレスとアクセサリー以外自由だという話なので、家からいくつか持ってきましたっ。ドレスに合わせることもできると思ってっ」
あ、そうそう、初めに声を上げた子を無視する形になっちゃった。ごめんね。みんな盛り上がるの早いから。
「これ……」
と、大きなカバンから……トントンと、箱をいくつも取り出した。
「メイクグッズと、それから……」
と、箱のふたを開けて皆に見せていく。
「うわー、すごい。プロの道具みたい!」
って、家が美容院だって言ってたから、プロの道具だと思うよ。
「本当はもう少し持ってきたかったんだけど、さすがにお店で使っているものは無理だって」
「あ、じゃあ、私も家のものを少し持ってきますわ」
「俺も、お袋確かいっぱい持ってたからちょっと借りてくるわ」
と、また次々に手が上がる。
「あの、それから……」
と、次の箱を開けると……。
「かつら……?」
かつらが入っていた。
「はい。Fクラスがドレスを選べるのは最後なので、髪の色や目の色に合わないドレスしか残っていなかったら……逆に、髪の色を変えたらどうかと。ルール違反にはならないはずなので……」
「ふふっ、それはうまいこと考えましたね」
フレッドが笑った。
「かつらなんて、禿げ頭を隠すためだけのものだと思っていましたが……」
「おい、これ女ものじゃねぇの?女もかつらなんて使うのか?」
箱の中をガサガサしていたマージが、長い髪のかつらを手にとった。
きれいな金髪のかつらだ。
「はい。女性用は、主に自分の髪色にコンプレックスのある人が、あこがれる金の髪やミルクティーカラーにしたいと使うものです」
そういわれれば、男性用のものは色がいろいろだ。……ダジャレではない。禿げ隠しに使うから急に髪の色が変わると不都合があるんだろう。
女性用は、明るい色がほとんど。暗い髪の色って人気ないのか。
サーシャの黒髪、私は好きなんだけどなぁ。
「なぁ、これ、あの子の髪に似てるんじゃないか?」
と、マージが長い金髪のかつらを持ち上げた。
あの子?金髪の長い髪なんてありふれてるじゃないか。
「いいや、ちっとも。彼女の髪はもっとつややかで滑らか。そして光輝いている」
と、フレッドが答えた。
=====
中等部……11歳のこどもが化粧というのは違和感ありますが、
日本だと……ですよね。場所が変わればピアスも普通にしてる国もありますし。
というわけで、この世界は社交界的な場での化粧は子供も普通にしてるとうことで……
普段はしません。
高等部に進むと少し、化粧な人が増える感じの世界感です。
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