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101 サーシャの動揺
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一番初めに動いたのは就学主任だった。数学主任がダッシュで私の前にやってくる。
やばいっ。怒らせた?
「教えてくれ!」
へ?
「あの難問を瞬時に解いた方法を教えてくれ!頼むっ!」
因数分解の式をかいた紙を奪うように取ってみている。
「この不可思議なものが、解くための秘密か?」
目をキラキラさせております。
あ、もしかして、この数学主任は不正ねつ造とか授業ボイコット指導とか何にも関わってない、ただの数学馬鹿……な気が……。
「主任、これを見てください。Fクラスのテスト用紙です。皆一様に、2桁3桁の問題は数字を上下に重ねています。これが、早く計算するための秘密なんだと思います」
イリス先生が、主任にテストの束を見せる。
「ほほう、これは、なるほど、なるほど。うむ、これならすぐに他の者にもできそうだ。ちょっとやってみて、よさそうなら皆に教えねば!」
と、主任とイリス先生は食堂を出ていった。
「ま、待ってください」
と、何人かの教師も後を追う。
「能力不足なら首……?」
「首になったら、その先どうしたら……」
不足してなきゃ首にならないのに。自信ないの?
ちらりとみると、すごい顔でセルシーオ先生が見てる。怖。
「あー、残念。失敗したぁ」
フレッドが教室に戻ると机に突っ伏した。
「なんだよ、ちゃんとテストの点数0点じゃなくなったんだから、失敗じゃないだろう?」
そうだよね。少なくとも、教頭の息がかかってそうな教師の何人かはいなくなりそうだし。それに、能力不足やFクラスの授業ボイコットで数学科の教師が辞めさせられたという噂が他の教科の先生にも広まれば、教師の質の向上はするんじゃないかな?
あからさまなFクラスディスがなくなるかどうかは知らないけど。……っていうか、ディスるためだけに授業に来る先生とかならいないほうがいいか。
で、廊下への点数の紙の張り出しはなし。私が破っちゃったじゃん?大きな紙を準備できないからだって。
午後の授業は、マナー。基本のマナーは、貴族はほぼ知ってる話で、平民は必死になって覚えようとしてる。
ので、聞くより実践とばかり、貴族と平民がセットになってマナー実習。うん、Fクラスはすっかりみんな仲良しさんだから、身分関係なく和気あいあいとして学べるのはいいところなんだよな。
「マージ、それ、違うぞ……」
貴族サイドなのに、いまいちマナーがなってないやつもいるけどさ……。
「女性の手を取るときは、こうするんだ」
と、サーシャの手をとって実演して見せる。
「あっ」
急に手を取ったもんだから、サーシャが驚いて小さな声を上げる。
「ご、ごめん、驚かせちゃった」
「い、いえ、その、女性扱いされることがないので、びっくりしちゃって」
え?
「そうですわよね、私、女性側のマナーを覚えないといけませんわね……」
「女性扱いされないとは?」
何気なく尋ねただけなのに、サーシャが肩を激しく動かした。
「そ、それは、その……、えっと、騎士になりたいなんて言っているものですから、あの……」
「ふふ、そうか。男みたいだとか言われるんだ。初等部ならそうかもね」
ちょっとほほえましくなる。そうだよなぁ。いくら頭がよくても、まだ11歳だもんなぁ。女性として扱われたことも少ないだろう。
やばいっ。怒らせた?
「教えてくれ!」
へ?
「あの難問を瞬時に解いた方法を教えてくれ!頼むっ!」
因数分解の式をかいた紙を奪うように取ってみている。
「この不可思議なものが、解くための秘密か?」
目をキラキラさせております。
あ、もしかして、この数学主任は不正ねつ造とか授業ボイコット指導とか何にも関わってない、ただの数学馬鹿……な気が……。
「主任、これを見てください。Fクラスのテスト用紙です。皆一様に、2桁3桁の問題は数字を上下に重ねています。これが、早く計算するための秘密なんだと思います」
イリス先生が、主任にテストの束を見せる。
「ほほう、これは、なるほど、なるほど。うむ、これならすぐに他の者にもできそうだ。ちょっとやってみて、よさそうなら皆に教えねば!」
と、主任とイリス先生は食堂を出ていった。
「ま、待ってください」
と、何人かの教師も後を追う。
「能力不足なら首……?」
「首になったら、その先どうしたら……」
不足してなきゃ首にならないのに。自信ないの?
ちらりとみると、すごい顔でセルシーオ先生が見てる。怖。
「あー、残念。失敗したぁ」
フレッドが教室に戻ると机に突っ伏した。
「なんだよ、ちゃんとテストの点数0点じゃなくなったんだから、失敗じゃないだろう?」
そうだよね。少なくとも、教頭の息がかかってそうな教師の何人かはいなくなりそうだし。それに、能力不足やFクラスの授業ボイコットで数学科の教師が辞めさせられたという噂が他の教科の先生にも広まれば、教師の質の向上はするんじゃないかな?
あからさまなFクラスディスがなくなるかどうかは知らないけど。……っていうか、ディスるためだけに授業に来る先生とかならいないほうがいいか。
で、廊下への点数の紙の張り出しはなし。私が破っちゃったじゃん?大きな紙を準備できないからだって。
午後の授業は、マナー。基本のマナーは、貴族はほぼ知ってる話で、平民は必死になって覚えようとしてる。
ので、聞くより実践とばかり、貴族と平民がセットになってマナー実習。うん、Fクラスはすっかりみんな仲良しさんだから、身分関係なく和気あいあいとして学べるのはいいところなんだよな。
「マージ、それ、違うぞ……」
貴族サイドなのに、いまいちマナーがなってないやつもいるけどさ……。
「女性の手を取るときは、こうするんだ」
と、サーシャの手をとって実演して見せる。
「あっ」
急に手を取ったもんだから、サーシャが驚いて小さな声を上げる。
「ご、ごめん、驚かせちゃった」
「い、いえ、その、女性扱いされることがないので、びっくりしちゃって」
え?
「そうですわよね、私、女性側のマナーを覚えないといけませんわね……」
「女性扱いされないとは?」
何気なく尋ねただけなのに、サーシャが肩を激しく動かした。
「そ、それは、その……、えっと、騎士になりたいなんて言っているものですから、あの……」
「ふふ、そうか。男みたいだとか言われるんだ。初等部ならそうかもね」
ちょっとほほえましくなる。そうだよなぁ。いくら頭がよくても、まだ11歳だもんなぁ。女性として扱われたことも少ないだろう。
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