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56 剣術大会が終わったら、次は

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 終わりました。学年対抗剣術大会。
 無学年生トーナメントがあったり、全学年一斉に運動会みたいな感じだったから、うっかり忘れそうになりましたが。
 所詮は学年での順位を競う大会です。
 結果、剣術大会の順位は、1位がSクラス、2位がAクラス……おいおい、順当だな。
 ってか、差が縮まるどころか開いたじゃないか。
「我が、Fクラスは、3位ですっ!」
 ソフィア賛成の言葉に、クラスメイト達がわーっと、歓声をあげる。
 いやいや、SクラスとAクラスと差が開いたよ?
 と、思っていると、隣のEクラスがすんごい目で私たちを見てた。
 はい。Eクラスなら近いうちに抜けるかもしれません。
「いい気になるなよ、たまたまラッキーだったくらいで」
「そうだ。たかが1回いい順位だったからって。次は……数学のテストだからなっ」
「クラスに一人二人優秀な人間がいたって、あてずっぽうに数字を書いてラッキーで点数が取れる人間が一人いたって駄目なんだからなっ!」
 ん?
 あてずっぽうに数字書いて当てるっての、私のことでしょうかね?
 すっかりラッキーで生きてる人キャラに仕立て上げられている。まぁいいけど。
「クラス全員の合計点が加点されるんだ。お前たちはもともと馬鹿集団だからな、頑張ったって、無駄なんだよっ」
 あー。
 まぁ、正直ねぇ。
 100点のテストだもんなぁ。平均点80点のクラスと、平均点50点のクラスだと、900点も一気に差が開くんだよなぁ。
 剣術大会とか、いくら1位でも100点しかもらえないんだし……。
 ……なんか、配点おかしいよね。逆転しずらい仕組みになっているとしか思えない。
 いや、でも、……無学年トーナメントの優勝クラスは1000点もらえるとか言ってたから、そういうボーナス的な何かがあるからそうでもないのか?
 うーむ。
「いい気になどなれるわけない……」
 フレッドが暗い顔をしている。
 ギリギリと奥歯をかみしめたその顔。うわー。黒い煙が。
「もし、あの時剣の型で不正がなかったとしても4位がせいぜい。4位だったとしても……Sクラスには逆転できなかった……」
 あ、不正って言っちゃったよ。
 変だとは思ったけど、フレッドは不正だと断言した。何か思い当たることあるのかな?
「まだまだだ。もっと力をつけなければ……」
「おいおい、フレッド、みんな喜んでるんだ。反省とか次への教訓とかそんなん後回しで、喜ぶところは一緒に喜ぼうぜ!」
 マージがフレッドの背中をバンバンと叩く。
 あ、黒い煙がどっか消えた。
「そうですね。5位か6位で終わると思っていたのが、3位です!リザークのおかげですっ!」
 フレッドが明るい声を出すと、クラスメイト達もリザークよくやった。リザークありがとうと、私に声をかけてきた。
「ううん、みんなが頑張ったおかげだよ。次は数学のテストみたいだけど、みんなで頑張ろうね!」
 にこっと笑う。
「私、数学苦手なんだ……」
「大丈夫、私が教えてあげるよ」
「また、残って特訓するか?」
「そうだね!また日が暮れるまで特訓しましょう!」
 えー、日が暮れるのはやばいんですけど……。いっそ、早朝特訓にしません?ねぇ?
「サーシャは数学のテスト満点だったんだよね!いろいろ教えて!」
 サーシャが困った顔をする。
「ごめんなさい、あの、私、家には暗くなる前に帰らないといけないので……」
 よし。私一人帰るわけじゃなきゃ、不自然じゃなさそう。
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