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ロアさんを見たら、寂しそうな顔のままぶつぶつと何かをつぶやいていた。
「お兄ちゃん……もう、ロアお兄ちゃんとは呼んでくれないんですか?」
えええ!それ?そこ?大事な話なの?
【……ああ、この木こりもどき、残念なタイプだ……。まぁ、どう見ても木こりに見えないのに、木こりだって言い張ってるあたり、相当残念だとは思ってたけど……】
「ロ、ロアお兄ちゃんっ、私とロアお兄ちゃんのこと、勘違いされてるから、ちゃんと言ってあげて」
おばさんが私がロアさんのことをお兄ちゃんと呼んだことで勝手に解釈を始める。
「あら、もしかして似てないけれど兄妹かい?ロアお兄ちゃんって呼び慣れてないことを考えると、母親違いの兄妹かねぇ?生き別れてたのが最近遭遇したとか?」
【はは、想像力豊かだよね。似てなさすぎなのに、どうしてそういうはっそうになるのか】
複雑な表情をすると、おばさんが振り返って私の表情を見て口をつぐむ。
「ごめんごめん、詮索はしないよ。何やら事情があるんだろう。分かるよ、ロアもマリーも、とても立ち振る舞いが庶民っぽくないからねぇ。もしかしたらお貴族様と侍女の許されない恋なんて想像しちゃったよ。いや、詮索する気はないんだ。ただ娯楽が少ないと、いろいろ想像するくらいしか楽しみがなくてねぇ」
え?
【ああああ、そういうことか!ロアが木こりに見えないように、”私”も庶民に見えないってことか!】
私は庶民だよ。少しの間侯爵家に引き取られていただけで。
【その侯爵家で12年過ごしたんだし、家庭教師にしごかれたし、周りは貴族ばかりだったんだから……身についちゃってるのよ、歩き方とか姿勢とかっ!ロア見てたらわかるでしょ、ロアみたいになってるのよ、”私”も!】
え?それって……。
【聖女を探してる人の耳に「そう言えば庶民とは思えない女の子が」みたいな話が届いたら足取りを追われるわね】
まずいのでは?
【逆に、貴族の兄妹がお忍びで来ていたってことになれば、聖女とは関係ないなって思ってもらえるんじゃないかな】
なるほど。……ロアさんを利用するようで申し訳ないけれど……。
【いいわよ。お兄ちゃんって言われて喜んでるんだから、ウィンウィンよ!日本ならお兄ちゃんって呼んでもらうのもただじゃないんだから。スチャパで課金よ課金。お金出したらお兄ちゃんって呼んであげるシステムとかあるくらいなんだから!】
……変なの。
そうこうしてる間に、馬車はおばさんの家の前に来た。
「どうなったか見に行ってみましょう」
ロアさんは荷台から飛び降りると、私に手を差し出した。
ちょこんと手を載せる。
「あはは、本当に二人はお貴族様みたいだねぇ」
おばさんの笑い声に、しまったという顔をすると、ロアさんも慌てて否定する。
「騎士とお姫様ごっこを……」
おばさんが笑った。
「そうかい、完璧な騎士様とお姫様だ。さぁ、井戸はあっちだよ、行こう」
おばさんのの後を二人でついていく。
【ロアはいったい何者なんだろうね?それに、ロアは”私”を怪しんでないのかな?】
私、ロアさんが何者か知らないけど、本物の庶民だから、何者か聞かれても庶民ですとしか……。
前世の私が小さくため息をつく。
「お兄ちゃん……もう、ロアお兄ちゃんとは呼んでくれないんですか?」
えええ!それ?そこ?大事な話なの?
【……ああ、この木こりもどき、残念なタイプだ……。まぁ、どう見ても木こりに見えないのに、木こりだって言い張ってるあたり、相当残念だとは思ってたけど……】
「ロ、ロアお兄ちゃんっ、私とロアお兄ちゃんのこと、勘違いされてるから、ちゃんと言ってあげて」
おばさんが私がロアさんのことをお兄ちゃんと呼んだことで勝手に解釈を始める。
「あら、もしかして似てないけれど兄妹かい?ロアお兄ちゃんって呼び慣れてないことを考えると、母親違いの兄妹かねぇ?生き別れてたのが最近遭遇したとか?」
【はは、想像力豊かだよね。似てなさすぎなのに、どうしてそういうはっそうになるのか】
複雑な表情をすると、おばさんが振り返って私の表情を見て口をつぐむ。
「ごめんごめん、詮索はしないよ。何やら事情があるんだろう。分かるよ、ロアもマリーも、とても立ち振る舞いが庶民っぽくないからねぇ。もしかしたらお貴族様と侍女の許されない恋なんて想像しちゃったよ。いや、詮索する気はないんだ。ただ娯楽が少ないと、いろいろ想像するくらいしか楽しみがなくてねぇ」
え?
【ああああ、そういうことか!ロアが木こりに見えないように、”私”も庶民に見えないってことか!】
私は庶民だよ。少しの間侯爵家に引き取られていただけで。
【その侯爵家で12年過ごしたんだし、家庭教師にしごかれたし、周りは貴族ばかりだったんだから……身についちゃってるのよ、歩き方とか姿勢とかっ!ロア見てたらわかるでしょ、ロアみたいになってるのよ、”私”も!】
え?それって……。
【聖女を探してる人の耳に「そう言えば庶民とは思えない女の子が」みたいな話が届いたら足取りを追われるわね】
まずいのでは?
【逆に、貴族の兄妹がお忍びで来ていたってことになれば、聖女とは関係ないなって思ってもらえるんじゃないかな】
なるほど。……ロアさんを利用するようで申し訳ないけれど……。
【いいわよ。お兄ちゃんって言われて喜んでるんだから、ウィンウィンよ!日本ならお兄ちゃんって呼んでもらうのもただじゃないんだから。スチャパで課金よ課金。お金出したらお兄ちゃんって呼んであげるシステムとかあるくらいなんだから!】
……変なの。
そうこうしてる間に、馬車はおばさんの家の前に来た。
「どうなったか見に行ってみましょう」
ロアさんは荷台から飛び降りると、私に手を差し出した。
ちょこんと手を載せる。
「あはは、本当に二人はお貴族様みたいだねぇ」
おばさんの笑い声に、しまったという顔をすると、ロアさんも慌てて否定する。
「騎士とお姫様ごっこを……」
おばさんが笑った。
「そうかい、完璧な騎士様とお姫様だ。さぁ、井戸はあっちだよ、行こう」
おばさんのの後を二人でついていく。
【ロアはいったい何者なんだろうね?それに、ロアは”私”を怪しんでないのかな?】
私、ロアさんが何者か知らないけど、本物の庶民だから、何者か聞かれても庶民ですとしか……。
前世の私が小さくため息をつく。
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