3 / 26
3
しおりを挟む
「大きな浄化魔法って何か気になる、早く使えよ」
「あはは、どうせ大したことないだろうが、もし本当にすごいことができるならやっぱり聖女だって認めてやってもいいよ」
「くっくっく、もし聖女だったら隣国に連れていってもらいなよ、側室くらいにはしてもらえるんじゃない?確か13番目になるっけ?」
ここで今浄化魔法を最大で発動したら、隣国にまで影響しちゃうけれど、いいのかな?と疑問に思うと、前世の私が【いいに決まってんじゃんっ!自業自得だから問題ないっ!むしろお礼言われるね!】と煽ってくる。
「ほら、一番大きな浄化魔法とやらを使って見ろよ!」
「世界が輝いて見えるんですかぁ?」
「そんな魔法なんてないんだろどうせ!嘘ついて騙そうとしたら、不敬だぞ」
「そうそう、王族、ここに4人いるんだし、4人に不敬働いたら、やっぱり……」
「死ぬしかないな」
「仕方ないか、そりゃ」
「庶民が王族に嘘ついた」
「多くの国民もだましていた」
「誰もお前を助けちゃくれねぇな」
【しかし、最大の浄化魔法って、どうなるんだろうね?徐々に効果が表れるのかな?】
と、私が脳内で魔法を発動していると前世の私が首を傾げる。
【少なくとも、死刑を回避できればそれでいい】
【まぁそうだよねぇ】
「殿下、式が始まります、お急ぎください!」
「どちらにいらっしゃいますか?陛下もお待ちです」
裏庭に人の声が聞こえてきた。
「やべぇ、汚い女に構ってるばあいじゃねぇわ」
「義姉だった庶民、さっさと出て行って二度と顔を見せないでくださいね」
「ばいばーい、あ、路銀恵んであげる」
ぽんっと金貨が1枚放り投げられた。
それで終わり。
彼らは裏庭から出て行った。
残された私は、金貨を拾うと、そのまま校舎の裏口から学園を出た。
「魔法、発動しちゃったけど、本当に何が起こるんだろう?」
私の独り言に、脳内で前世の私が答える。
【さぁねぇ。まぁどうでもいいじゃん。とにかくあいつらと縁が切れるなんてこんなにうれしいことは無いよ!卒業式の間は”私”を探すことはないだろうから、その間にできるだけ遠くに見つからないように逃げよう!】
うん、そうだよね。もう二度と関わりたくない。
「でも、最大の浄化魔法って、腐敗を浄化する……なんの腐敗を浄化するんだろう?」
前世の私が脳内で笑っている。
【しっかし、聖女の浄化魔法を使われるの恐れて貴族の養女にして皇太子の婚約者にまでしたのに……アホばっかりで本末転倒とかwクソ笑えるんだけどw】
どうも、前世の私は何を浄化するか分かっているようだ。
あの場に腐った物はなかった。
【物だけじゃないんだよ、腐るのは。腐敗するのは……。人も、政治も、国も……】
【え?何?】
前世の私が何か大事なことを言った気がしたけれど、どうやって逃げようか考えていて聞き逃してしまった。
【何でもないよ。とりあえず制服は目立つから着替えるところから、あと、絶対条件としてこの国と隣国以外に行きましょう】
「そうだね」
殿下たちにとって、金貨1枚ははした金かもしれないけれど、庶民にとってみれば大金だ。
ぎゅっと金貨を握り締め、急いで古着屋へと向かった。
「あはは、どうせ大したことないだろうが、もし本当にすごいことができるならやっぱり聖女だって認めてやってもいいよ」
「くっくっく、もし聖女だったら隣国に連れていってもらいなよ、側室くらいにはしてもらえるんじゃない?確か13番目になるっけ?」
ここで今浄化魔法を最大で発動したら、隣国にまで影響しちゃうけれど、いいのかな?と疑問に思うと、前世の私が【いいに決まってんじゃんっ!自業自得だから問題ないっ!むしろお礼言われるね!】と煽ってくる。
「ほら、一番大きな浄化魔法とやらを使って見ろよ!」
「世界が輝いて見えるんですかぁ?」
「そんな魔法なんてないんだろどうせ!嘘ついて騙そうとしたら、不敬だぞ」
「そうそう、王族、ここに4人いるんだし、4人に不敬働いたら、やっぱり……」
「死ぬしかないな」
「仕方ないか、そりゃ」
「庶民が王族に嘘ついた」
「多くの国民もだましていた」
「誰もお前を助けちゃくれねぇな」
【しかし、最大の浄化魔法って、どうなるんだろうね?徐々に効果が表れるのかな?】
と、私が脳内で魔法を発動していると前世の私が首を傾げる。
【少なくとも、死刑を回避できればそれでいい】
【まぁそうだよねぇ】
「殿下、式が始まります、お急ぎください!」
「どちらにいらっしゃいますか?陛下もお待ちです」
裏庭に人の声が聞こえてきた。
「やべぇ、汚い女に構ってるばあいじゃねぇわ」
「義姉だった庶民、さっさと出て行って二度と顔を見せないでくださいね」
「ばいばーい、あ、路銀恵んであげる」
ぽんっと金貨が1枚放り投げられた。
それで終わり。
彼らは裏庭から出て行った。
残された私は、金貨を拾うと、そのまま校舎の裏口から学園を出た。
「魔法、発動しちゃったけど、本当に何が起こるんだろう?」
私の独り言に、脳内で前世の私が答える。
【さぁねぇ。まぁどうでもいいじゃん。とにかくあいつらと縁が切れるなんてこんなにうれしいことは無いよ!卒業式の間は”私”を探すことはないだろうから、その間にできるだけ遠くに見つからないように逃げよう!】
うん、そうだよね。もう二度と関わりたくない。
「でも、最大の浄化魔法って、腐敗を浄化する……なんの腐敗を浄化するんだろう?」
前世の私が脳内で笑っている。
【しっかし、聖女の浄化魔法を使われるの恐れて貴族の養女にして皇太子の婚約者にまでしたのに……アホばっかりで本末転倒とかwクソ笑えるんだけどw】
どうも、前世の私は何を浄化するか分かっているようだ。
あの場に腐った物はなかった。
【物だけじゃないんだよ、腐るのは。腐敗するのは……。人も、政治も、国も……】
【え?何?】
前世の私が何か大事なことを言った気がしたけれど、どうやって逃げようか考えていて聞き逃してしまった。
【何でもないよ。とりあえず制服は目立つから着替えるところから、あと、絶対条件としてこの国と隣国以外に行きましょう】
「そうだね」
殿下たちにとって、金貨1枚ははした金かもしれないけれど、庶民にとってみれば大金だ。
ぎゅっと金貨を握り締め、急いで古着屋へと向かった。
844
お気に入りに追加
706
あなたにおすすめの小説

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
実家から絶縁されたので好きに生きたいと思います
榎夜
ファンタジー
婚約者が妹に奪われた挙句、家から絶縁されました。
なので、これからは自分自身の為に生きてもいいですよね?
【ご報告】
書籍化のお話を頂きまして、31日で非公開とさせていただきますm(_ _)m
発売日等は現在調整中です。


婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでのこと。
……やっぱり、ダメだったんだ。
周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中
※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。

【完結】え?今になって婚約破棄ですか?私は構いませんが大丈夫ですか?
ゆうぎり
恋愛
カリンは幼少期からの婚約者オリバーに学園で婚約破棄されました。
卒業3か月前の事です。
卒業後すぐの結婚予定で、既に招待状も出し終わり済みです。
もちろんその場で受け入れましたよ。一向に構いません。
カリンはずっと婚約解消を願っていましたから。
でも大丈夫ですか?
婚約破棄したのなら既に他人。迷惑だけはかけないで下さいね。
※ゆるゆる設定です
※軽い感じで読み流して下さい
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる