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ほいほい

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 ……そうなんだよね。きららは生きていくのが上手い。
 私は、つい、甘えちゃだめだとか、ずるはいけないとか思い込みすぎて……不器用な損な生き方になっちゃう。もちろん、自分で選んだ生き方なのだから、後悔もしてないし、誇りもある。
 でもね、この世界で、私が生きていくだけのためとは違って、子供達が……いいえ、魔力ゼロの街を追い出されてしまう人たちが皆、この先安心して今よりはもう少し暮らしやすい場所を作るために魔法は一切使わないと意地を張っても仕方がないんだよね。
 ずっと頼り切りにならないものなら使って、魔法なしで生活できる基盤を整えるべきなんだよね。
 ほら、借金はしないと思っても、何か事業を起こすための初めの借金は必要だったりするじゃない?ずっと借り続けるものじゃない必要な借金。
 ってことで。獣対策を魔法や魔法系の道具を使わずに立てるために情報を収集するためには、色々使えるものは使おう。
「ねぇ、ディラ、もし危険な獣に出会った時に何とかする道具はないの?」
 どんな獣に出会うか分からない。もしかしたら、危険な生き物なんていないかもしれない。森に入って見なければ分からないのだ。
 とりあえず危険な生き物が本当にいるのか知りたい。
『んー、もう少し鍛えれば……ネウスを……』
「え?ネウス君を鍛える?いや、そりゃ自分たちでやっつけられる力をつけるのが一番だけれど」
 後々はそうしないと駄目だろう。獲物を確保するにも弓や剣、いろいろ武器を使って戦っていくしかない。魔法が使えなくたって、熊と戦ってきたんだよ。人類は!……たぶん。
「今の私でも何とかできる物は無いの?」
 ディラが悲しそうな顔をする。
『だめ、ユキが危険にさらされるなんて、僕には耐えられないから、教えないっ』
 ……いや、だから、危険を回避する方法を教えてくれと言っているのに。
 教えてくれないと、むしろ私が危険なんだけど……。
「じゃぁ、危険に遭遇したときに対処できなくて死にそうになるかもしれないけれど、仕方がない……エリクサーで何とかしろってことね……」
『ガーン、ユキ、ユキ、駄目だよ、危険に遭遇するような行動取らないで、あ、待って、森の中に入るの、僕も連れてって、あ、ねぇ、ユキっ」
 剣を森の入り口の木に立てかけて、森の中に足を踏み入れる。
 後ろから悲壮な声が聞こえてくる。少し距離を置いて振り返った。
「ディラは、私が危険を回避するための道具のことを教えてくれないんでしょう?そうよね。ディラに頼り切るのは私の我儘だったと反省したの。自分の力で何とかしようと思ったら、まずは重たい剣を持って行くべきではないと思ったの」
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