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香水

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「エミリーのお母様は情報に敏感なのね?」
「あ、うん、そうなの。あまり趣味は合わないけれどね。センスはいいわよ?」
 そうなのか。趣味が合わないということは、かわいいドレスとは違って、シックなドレスを好むということかな?
 センスがいいと、さらりと母親のことを褒められる当たり、エミリーは素敵だわ。
「なら、お母様は、流行の最先端のものを否定するようなことはないわよね。ふふふ、ふふふふ」
 嬉しくなって思わず笑ってしまう。
「なぁに?突然気持ち悪いくらい笑い出して」
「だって、エミリーが手元に可愛い物を置いて置ける作戦が成功しそうなんですもの」
「え?私が、可愛いものを手元に?どういうことなの?」
 ポケットに入れて置いた、男性用の小さなブーケ・ド・コサージュを取り出す。
「エミリー、こういうの好き?」
 手のひらの半分ほどの小さなコサージュ。私の胸元やスカートの切り返し部分につけてある大きな物と比べれば本当に小さい。
 だけれど、小さいけれど、可愛さは負けてないと思うんだ。小さな布で作った花が3つ。少し色を変えたオレンジの花。小さいけれど手を抜くことなく丁寧に作られている。そして、あたしが縁取りレースを施したリボンが結んである。オレンジ色に白が映えて可愛さ満点だ。
「すっ……」
 す?
「す……」
 す?
「すっごく、素敵。ああ、かわいい。何これ、なんなの?ずっと眺めていられるわ!そうだわ、これに花の香りの香水を少しかけたらどうかしら?」
「エミリー!それいいわね!ああ、同じ香りを身にまとうなんて、ますますラブラブがアピールできそうね!」
「ラブラブ?……え?どういうことかしら?私とリリーがラブラブ?」
 エイミーがポッと頬を染める。
「あ、まだ説明してなかったわね。えーっと、まずこれなんだけれど、ブーケ・ド・コサージュって言って……」
 と、コサージュの説明から、男性用の小さいものを女性が贈るという行為を流行らせようという計画までをエミリーに話した。
「ああ、リリー……。私が可愛いものを持っていても、取り上げられないように……そこまで考えて……」
 エミリーの目がうるんでいる。
「だって、大好きなエミリーに笑顔でいてほしいもの」
「やだ、また泣けちゃうわ。もう、どれだけ私を泣かせれば気が済むのよ。リリーったら
 ふふふ。
 泣いちゃうほど喜んでもらえて、嬉しくて、胸がいっぱいだ。
「だからね、お母様に見つかったら、これは流行の最先端のものだと言ってね。女性からの贈り物で男性が本来持つものだからエミリオが持っていても不自然はない。贈ってくれた女性の気持ちを大切にしたいから処分はできない……と言えば、よほどでなければ手元に置いて置けると思うの」


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感激の嵐。

まだまだ、二人の逢瀬。

えーっと、そう、香水には詳しくない。おすすめの花の香りあったら教えて……と、また教えてを繰り返す……。
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