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不敬?
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さすがに、皇太子が早世すると世継ぎ問題で国が荒れるので、浮気クソ男と言えども死なせるわけにはいかない。
ダメ押しで、信じさせるにはどうするかな……。
うーんと、夢を思い出す。18歳まで夢は見たから、8年前の部分……。10歳、皇太子と婚約が成立した後って、何があったっけ……。あ!思い出した!
「ふごぉぉぉぉっ!」
両手を天に上げて立ち上がる。
……くっ、なんで私、「ふごぉぉぉ」なんて奇声でお告げを受ける設定にしちゃったのかな?
本当に公爵令嬢らしくない。お嫁に行けなかったらどうしてくれる!
いや、皇太子、お前の嫁にはならんがな!……もうちょっと可愛らしい仕草と言葉を選べばよかったよ……とほほ。
「お告げです、北……辺境伯領……水害、村が3つ沈む……避難、10日前後あと……、20日ほどあとに、西のスーケン伯爵領イナゴの大群被害……国境沿いの村、収穫間近の稲、早めに刈り取る……」
うんうん、思い出したよ。
婚約が成立して、では改めて婚約締結書にサインをと、日程を決めたのにも関わらず、水害やらイナゴ被害やらの対応でバタバタになって先延ばしになったんだよね。
あれ、今思えば「この婚約やめとけ」っていうまさにお告げだったんじゃないのかな……。そんなに締結書サインの日程が先送りになるなんて……。
「俺に関係ないじゃん」
は?
「何言ってんの?あんた皇太子でしょ?国に災害が起きるってお告げがあるのに、関係ないわけないでしょうがっ!」
「いや、だって、俺まだ政務に関わらせてもらってないし」
「はぁ?政務に関わってないって言っても、情報を得たら誰かにすぐに伝えることくらいは出来るでしょうっ!」
「子供の戯言だって、一蹴されるかもしれないだろ」
「だったら何?相手にされなくたって伝えた事実さえ残れば、次に何かを伝えた時には一蹴されるようなことはなくなるでしょ?」
「でも、もしお告げが外れたら、デタラメ教えたって言って余計に相手にされなくなるんじゃないか?」
「ああ、そう。もともと相手にされてないのに、相手にされなくなることを恐れて災害の対策を怠るの?自分の身の方が、国民の命より大切なんだ。サイッテー!」
バンっと机を手でたたきつけて立ち上がり、薔薇園を後にする。
うん、不敬だわ。不敬な態度。でも社交界デビューするまでは子供のことだと許されるからいいや。それに嫌われるつもりなんだから何にも問題ない。
それよりも、思い出したからには宰相であるお父様にも伝えなければ。
お告げなんて言っても信じてもらえるかしら?
「お父様!殿下に会ったとたんに、えーっと、殿下の守護精霊なのか分かりませんが、謎の声が聞こえてきました!」
困ったら、殿下のせいにしてしまえ!聖女が現れて殿下との関わりが薄くなってきたら声が聞こえなくなるとい流れでいいよね。私が見た夢は18歳までのものなんだから。そっから先のことは何も分からないもん。
お父様は、さすがに関係ないなんて言わず、私の口にした情報の真偽は分からないのに迅速に対策をした。
結果、被害を最小限にとどめることができた。
=============
別サイトにもアップしてるのですが、口調が公爵令嬢らしくないというご意見をいただきました。
直しません。
子供時代である(社交界デビュー前)+夢でセイラの影響を受けている+できる子イイコちゃんはやめた
などいろんな理由があります。受け入れられない人には申し訳ないですけども。
口調を替えると物語が変わりますので。
ダメ押しで、信じさせるにはどうするかな……。
うーんと、夢を思い出す。18歳まで夢は見たから、8年前の部分……。10歳、皇太子と婚約が成立した後って、何があったっけ……。あ!思い出した!
「ふごぉぉぉぉっ!」
両手を天に上げて立ち上がる。
……くっ、なんで私、「ふごぉぉぉ」なんて奇声でお告げを受ける設定にしちゃったのかな?
本当に公爵令嬢らしくない。お嫁に行けなかったらどうしてくれる!
いや、皇太子、お前の嫁にはならんがな!……もうちょっと可愛らしい仕草と言葉を選べばよかったよ……とほほ。
「お告げです、北……辺境伯領……水害、村が3つ沈む……避難、10日前後あと……、20日ほどあとに、西のスーケン伯爵領イナゴの大群被害……国境沿いの村、収穫間近の稲、早めに刈り取る……」
うんうん、思い出したよ。
婚約が成立して、では改めて婚約締結書にサインをと、日程を決めたのにも関わらず、水害やらイナゴ被害やらの対応でバタバタになって先延ばしになったんだよね。
あれ、今思えば「この婚約やめとけ」っていうまさにお告げだったんじゃないのかな……。そんなに締結書サインの日程が先送りになるなんて……。
「俺に関係ないじゃん」
は?
「何言ってんの?あんた皇太子でしょ?国に災害が起きるってお告げがあるのに、関係ないわけないでしょうがっ!」
「いや、だって、俺まだ政務に関わらせてもらってないし」
「はぁ?政務に関わってないって言っても、情報を得たら誰かにすぐに伝えることくらいは出来るでしょうっ!」
「子供の戯言だって、一蹴されるかもしれないだろ」
「だったら何?相手にされなくたって伝えた事実さえ残れば、次に何かを伝えた時には一蹴されるようなことはなくなるでしょ?」
「でも、もしお告げが外れたら、デタラメ教えたって言って余計に相手にされなくなるんじゃないか?」
「ああ、そう。もともと相手にされてないのに、相手にされなくなることを恐れて災害の対策を怠るの?自分の身の方が、国民の命より大切なんだ。サイッテー!」
バンっと机を手でたたきつけて立ち上がり、薔薇園を後にする。
うん、不敬だわ。不敬な態度。でも社交界デビューするまでは子供のことだと許されるからいいや。それに嫌われるつもりなんだから何にも問題ない。
それよりも、思い出したからには宰相であるお父様にも伝えなければ。
お告げなんて言っても信じてもらえるかしら?
「お父様!殿下に会ったとたんに、えーっと、殿下の守護精霊なのか分かりませんが、謎の声が聞こえてきました!」
困ったら、殿下のせいにしてしまえ!聖女が現れて殿下との関わりが薄くなってきたら声が聞こえなくなるとい流れでいいよね。私が見た夢は18歳までのものなんだから。そっから先のことは何も分からないもん。
お父様は、さすがに関係ないなんて言わず、私の口にした情報の真偽は分からないのに迅速に対策をした。
結果、被害を最小限にとどめることができた。
=============
別サイトにもアップしてるのですが、口調が公爵令嬢らしくないというご意見をいただきました。
直しません。
子供時代である(社交界デビュー前)+夢でセイラの影響を受けている+できる子イイコちゃんはやめた
などいろんな理由があります。受け入れられない人には申し訳ないですけども。
口調を替えると物語が変わりますので。
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