異世界転移聖女の侍女にされ殺された公爵令嬢ですが、時を逆行したのでお告げと称して聖女の功績を先取り実行してみた結果

富士とまと

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お菓子が食べられない

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「ちょ、何してるんだ」
「降りてきました……見えます、呪いの正体が……ふごぉぉぉぉっ!」
「はぁ?意味が分かんねぇ。お前さ、公爵令嬢がふごぉぉぉとか言うか?おかしいんじゃねぇか?」
 うっせーわ。……おっといけませんわ。言葉遣いがつい……。
 聖女に付き合った2年間で影響を受けてしまったようです。夢だけど。
「聖鳥様の呪いを受けておいでです」
「いや、だから、ふごぉぉぉぉっって何だよ、王家の秘密を知ってる理由を聞いてるんだ!奇声を上げて誤魔化そうとしたってダメだぞ!」
「殿下、呪いの症状が出るのは、午後、とりわけ夕方以降が多かったりいたしませんか?」
「ん?ああ」
「ケーキなど美味しいお菓子を頂いた日に出ておりませんか?それも、たくさん食べた日は特に強く」
 殿下が怪しむ顔をする。
「何故、そこまで知っている?俺は、たくさん食べた日に呪いが強く出ると知られないようしていたはずだ」
 ぶほっ。それ、お菓子をいっぱい食べてはいけませんと言われたくないから内緒にしてるってこと?
 ということは、うすうす気が付いてたのね。呪いの発動条件が食べ物……それもお菓子に関係するって。
 やだなー。呪いとお菓子を天秤にかけて、お菓子を取るとか……子供か!
 いや、子供か。12歳だもんな。
「私、時々何か謎めいたものが見えることがあるのですわ。殿下の呪いも、今見えました。幼き日に、誤って聖なる鳥である聖鳥様の卵を割ってしまったことが原因です。心当たりはありませんか?」
 嘘だけど。心当たりがないって言われたらどうするかな。
「聖鳥様の卵?知らない……あ……なんか変った模様の卵みたいな形の石を割ったことがある」
「それは石ではなく卵だったのです!」
 よしよし、殿下はそうだったのかって顔をし始めたぞ。
「それで、卵を食べると体調を崩す呪いがかけられたのです。ですから、殿下今後は卵を用いた料理を口にしないようにすれば呪いは発動しません」
「えー、やだ」
 ……。
 そうですね。お菓子食べられないの嫌ですよね……。
「ふごぉぉぉぉぉぉっ、このまま呪われ続けると、20歳まで生きられない……」
 再び奇声を上げると、殿下がびくりと肩を揺らした。
 ふっ。すっかり私のデタラメお告げを信じてますね。くっ。たわいもない。
「う、嘘だろう……?嘘だよな?」
 知らんよ。セイラは食物アレルギーでアナフィラキシーショックで死んじゃうこともあるとか言ってたけど。何言ってんのか全然分かんなかったんだよね。まぁ、卵食べて死ぬことがあるって話かなぁ?と思ったけど、セイラには私から質問することは許されてなかったのでそれ以上聞けなかった。




==============
好き嫌いとアレルギーは違うのは、若い人間には当たり前になっていますが……。
アレルギーって生まれつき持っている物ではないのを知らない人はまだいますよね。
花粉症になっちゃった!くらいな感じで食べ物もある日突然アレルギーになっちゃうんですよね。
それまで食べれていた物が食べられなくなった知り合いいます。
その子は甲殻類のアレルギーになり、海老蟹系ダメになりました。
駄目になってから、気が付いたらしいのですが、思った以上に世の中甲殻類が使われている。
カップラーメンのスープとか!大好きなカップラーメンが食べられなくなったと嘆いていました。

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