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第6章 会戦
終わらない舞曲
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誰もが待ちに待った祝祭のこの日、それまでじわじわと高まり続けてきた期待と興奮は午前のうちからすでに最高潮に達しようとしていた。
久遠はわくわくと胸を躍らせながら額に手をかざして辺りをぐるりと見渡した。
「おお、すごい!今年も早速盛り上がってるみたいだなぁ」
久遠の隣で静夜は驚きの目を見張っていた。大森林はどこもかしこも星中からすべての原礎が集結したのかと思わせるほどの大変な人出だ。実際毎年この日に合わせて星養いの旅から帰ってくる者も多く、そうではなく大森林に暮らす者も、休める仕事や修行は休んで参加していいという慣例になっているからだ。子供たちはいつも以上にきゃっきゃと大はしゃぎで走り回っているし、普段は品行方正で取り澄ました大人たちも歌や踊りや飲み食いに夢中で、今日だけは、と祝祭の雰囲気にどっぷり浸かっている。木陰にひしめく屋台では食べ歩くのに向いた軽食やお菓子やジュースがふんだんに振る舞われ、皆克己心も罪悪感もどこへやら、日頃は遠ざけている誘惑にここぞとばかりに舌鼓を打っている。古めかしい楽器を演奏しながら堂々と行進する音楽隊あり、軽業や奇術を披露する者、ゲームや籤に興じる者、木によじ登って色とりどりの花吹雪を撒き散らす者もあり、ものみなすべてが熱気と歓喜に包まれていた。
「遠征が見合わされたのは祭りが近いからってこともあるんだろうな。俄様も瞬様も、きっと同胞たちにみんなと一緒にこの日を迎えさせてあげたかったんだよ。今日は家族や友人、大切な人たちと集まって過ごす日でもあるから」
「そうだったのか…」
育った環境が普通の子供とは違う静夜は祭りというものを知らない。はめを外して浮かれ騒ぐ原礎たちの姿に興味をかき立てられ、これが祭りというものか、とつい心を奪われていると、突然目の前に何かが突き出された。欅の器にひと盛りの干し果実と種実類だった。
「はい。静夜、これ好きだろ?食べなよ」
「あ、ああ…ありがとう」
言われるまま静夜が器を手に取ると久遠は上機嫌でにっこりした。自分の好物に気づいてくれていたことは嬉しかったが、だからといっていきなり手をつけるわけにはいかなかった。
「待て、久遠。これはどこで買った?代金は?」
「代金なんていらないよ。もともと大森林ではお金なんて必要ないし」
「でも」
どこでもらったのか、と静夜が尋ねようとすると久遠は日陰に密集する屋台を指差した。驚いたことに、皆そこに並べられた食べ物や飲み物、花や飾りや雑貨、子供はおもちゃやお菓子などを次々と躊躇いなく手に取って持っていくのだ。食べ物をその場で口に放り込む者も多い。久遠はこう説明した。
「今日こうやって置いてあるものは誰でも、何でも自由に取ったり食べたりしていいんだ。ただし、手に持ちきれないとか食べきれないほどたくさんは取らないことが唯一の決まり。みんなで分け合い、譲り合って、みんなが平等に楽しめるように」
確かに、よく見ているとほとんどの者は現実的な量だけ取って綺麗に平らげたり大切そうに抱いて持ち帰ったりしているようだ。だが、中には誰も見ていない瞬間を見計らってこっそり多めに取りそそくさと姿を消す者もいた。当然誰も咎めないし、誰かが困るわけでもない。豊かで自由で寛容だが、静夜はこれはある種の試験なのかもしれないと考えた。すなわち自己の裁量と行動次第でいくらでも私することのできる誘惑を前に、自分で自分に課す試験であると。欲望と道徳を天秤にかけ、自身を高めるか卑しめるか、試験官や監視者の代わりに己が己の心を試す時宜なのだ、と。
今日は星の恵みと命に感謝する日だ、と久遠は言った。感謝する心さえあれば、たったひと皿でも魂は満たされるだろう。過去の自分と今の自分がそう気づかせてくれる。
両手の中の収穫物の小さな器を静夜は温かく、また同時に少しほろ苦い思いで見つめた。
(感謝します…この恵みと、命と、たくさんの出会いに)
好物なのになかなか手をつけようとしない静夜を、久遠は少し不思議そうに小首を傾げながら優しく見守っていた。
それから二人は祭りならではの出し物や美食に賑わう森を見て回りながらあちこちそぞろ歩いた。静夜は相変わらず行き遭う女性の注目の的で、特に遠征や鍛練で顔なじみの珠鉄の女戦士たちや、煌狩りを抜けて彼に導かれてきた人間の女性たちからうっとりと熱い視線を向けられている。不安などはないものの、邪魔者を寄せつけないように久遠は鈍感で脇が甘い静夜の腕をがっちり捕まえて自分の存在を見せつけることを忘れなかった。静夜がふと言った。
「…今気づいたが、俺以外の人間を中に入れてもらって大丈夫なのか?事前に相談はなかったんだが」
「彼兄が言ってたけど、今日は人間たちも非武装と親睦を条件に特別に中に入ってお祭りを楽しむことが許されたんだって。きっと今頃暁良さんや耶宵さんも…あっ、ほら、いたよ」
久遠が手を振った方を見ると、永遠と耶宵が飴を絡めた果物の串を手に仲良く談笑しながら歩いているのが人混みの隙間に見え隠れしていた。永遠もやはり修行を中断して遊びに出てきていたのだ。二人はこちらに気づくと笑顔で手を振り返してくれたが、こちらをちらちらと見ながらひそひそ、くすくすと何事かささやき合っただけで行ってしまった。永遠は元気そうに見えたが依然として顔は青白く、耶宵はそんな永遠を甲斐甲斐しく気遣っているようだった。
「…永遠も楽しんでるみたいだな」
「うん。耶宵さんも一緒で、ほんとによかった」
安堵の笑顔を交わし、二人も彼女たちを追わずそっとその場を離れた。その後は暁良や部下の若者たち、曜率いる黒鳥兵団の面々、界とその取り巻き、せっせとお菓子を運ぶ麗、そして四季と未来が引率する子供たち、とすっかりおなじみの顔ぶれに遭遇してはその都度捕まって足止めを食らう二人だった。
正午になり、琥珀の館では宇内と十二礎主による祈りが行われた。過ぎた一年に感謝を、そして新たな一年に願いを込めた厳かな儀式が粛々と進められる間、混雑を極める中心部から閑静な外縁部の末端まで、大森林は神聖な祈りの空気に普く包まれた。
祈りの刻がつつがなく終わり午後になると、いよいよ大人たちが待ちわびていた最大のお楽しみが始まった。いったいどこに貯蔵されていたのか、巨大な酒樽がいくつも運ばれてきて次々と開栓された。持参したゴブレットに直接葡萄酒を注いでその場で飲むのが伝統らしく、早速酒好きたちを完全に虜にしていた。
久遠もひそかに心待ちにしていた美酒を前に思わず舌なめずりをし、静夜の腕を摑んだ。
「なあ静夜、僕たちも久しぶりに飲もうよ。ほら、葡萄酒はもちろん、エールに杏やベリーの果実酒、それに林檎の泡立つ酒もあるぞ」
だが静夜は首を横に振った。
「いや、俺は遠慮する」
「え?なんで?嫌いじゃないだろ?」
「嫌いじゃないが、もし酔ってぼんやりしたり眠くなったりしたら今日という日があっという間に終わってしまう。うまい酒よりも、君と過ごす時間を大切にしたい」
興ざめを起こしかけていた久遠は、何のてらいも小細工もない真っ向からのその言葉にはっと声を失った。酔ってもいないのに、まるで焚き火の炎に当たったかのように頬が熱くなった。しかしその反応から静夜は自分が拗ねて臍を曲げたと受け取ったようだった。
「でも、君は飲みたかったら飲んでくれて全然構わない。飲まないのは俺の勝手だから」
今度は久遠が首を振る番だった。
「僕もいい。おまえがそうしたいなら、僕も一緒にそうしたいから」
「本当に?」
「うん。最後、帰る前に少し分けてもらって夜家で飲むことにしよう。それならいいだろ?」
「うん」
酒は逃げないから、と納得して二人は酒樽に一時の別れを告げた。
常日頃は温厚で堅実な印象の原礎たちだが、その反動ゆえか、酒精の誘惑にはめっぽう弱いらしい。恥も外聞もなくたがが外れたように盃をあおり、陽気な笑い声を上げるその姿は一日の仕事終わりに酒盛りをする人間とさして変わらない。そう言えば、動物の中にも限界まで熟して発酵した果実をわざわざ食べて酩酊状態に陥るものがいると聞いたことがある。静夜が久遠と歩きながら酒の魔力は種族の壁を超えるのかなどと考えていたとき、よく知る二人の人物とばったり遭遇した。
「これはこれは、噂のお二人」
「やあ。君たちも楽しんでいるみたいだね」
俄と瞬だった。正午の祈りが終わって役目から解放され、祭りに繰り出してきたのである。
「俄様、瞬様」
「正午のお祈り、ご苦労様でした」
「苦労というほどのこともないよ、毎年恒例の型どおりの行事だから。ただ俄が朝から落ち着かなくて…」
苦笑混じりの瞬の視線を追って俄を見ると、すでに相当きこしめしているようで、ご機嫌の赤ら顔だった。
「当たり前だ、一年に一度のこの日に落ち着いてなどいられるか!瞬、なぜおまえはそうまで冷静なんだ。つまらん奴…今日ほど酒がうまい日はないというのに」
「ほぼ毎日おいしく飲んでいるじゃないか。まったく、酒飲みの屁理屈は僕には理解できないよ」
そう言う瞬は下戸ということだ。もともと対等な立場の礎主同士であり、遠征にも同行していたことから、二人はかなり親しい間柄のようだった。そんな彼らに、たまたま通りがかった原礎たちが物珍しげで興味津々のまなざしを注いでくる。静夜に対する笞刑の執行人である二人が元罪人である静夜と和気藹々と雑談をしている光景が不思議かつ奇妙でならないのだ。
俄は静夜に絡むように肩を組んできた。
「ところで静夜殿、いったいいつになったら俺と試合をしていただけるのかな?貴殿は曜とも同じ約束をしていて、そちらもずっとすっぽかしているそうだが、よもや人間の間では約束はすっぽかすためにあるなどとはおっしゃるまい?」
「とんでもない。そんなことはありません。ただ今は身体にまだ万全でないところがあり、全力で臨めない以上は失礼にあたりますので」
答える静夜の声に含むものは一切ないが、半分は事実で、半分は当てこすりと取ろうと思えば取れる台詞も、微酔している俄は豪快に笑い飛ばした。
「そうだったな。ならば、俺と一献傾けていただこう。いつか全力で試合をするという約束の証に」
俄が新しいゴブレットをずいっと突き出してきたので、久遠の誘いすら断っている静夜は困惑した。そして返答に窮し言葉に迷っていると、静夜と久遠の顔色を探った瞬がすかさず話に割り込んだ。
「やめなよ俄、静夜くんは久遠と二人きりで素面で祭りを楽しみたいんだ。盃の無理強いは無粋だよ」
「む…それもそうだな…」
さすが瞬は察しが良く機転も利いた。俄はしぶしぶ引き下がり、二人はほっと胸を撫で下ろした。
不調法を詫びながら瞬は俄を引っ張って祭りの人だかりに消えていった。
「俄様とも試合する約束してたんだ、静夜」
「約束というか、いつの間にかそういう話になってた」
「でも、背中もあばらもまだ痛むんだろ?無理するなよ」
「ときどき、少し…ただ身体を動かして温めることが治りを早くすると治療師たちに言われてるから、通常の鍛練に問題は…」
それを聞いた久遠の耳がぴくっとした。
「軽く身体を動かすのは大丈夫?」
「うん」
「じゃあ…ちょっと身体動かして、温まってみる?」
問いかける久遠の声が少し鼻にかかる色合いに変わり、ぱっと見下ろすと、うずうずと無言の期待に満ちたつぶらなエメラルドの瞳とぶつかって静夜はきょとんとした。と、袖口を摑まれて見知らぬ方角に連れていかれる。
「久遠?いったいどこへ…」
「いいからついてきて」
慌てて足を運ぶ静夜の腕を離さず引っ張って、久遠は意気揚々と森の中を歩いていった。
リボンや旗や花で飾られた木々の間を縫う小径を奥へと進むほどに、陽気に弾むような音楽が流れてくる。誰しも一度は聞いたことがあるような素朴で軽妙な音色と調子だ。小径はやがて左右に色鮮やかなブーケをあしらった門のような口を抜けて林間に開けた空き地に出た。
そこは野外の臨時の舞踏会場だった。二人ひと組になって楽しげに踊っているたくさんの原礎たちを、楽器を手にした楽師たちと見物人がぐるりと囲んで盛り立てている。ツィターにハープにリュート、フルートにリングベル。使い込まれて趣のある楽器の演奏と手拍子と歌声に合わせて、大きなひとつの円の中でそれぞれが思い思いの得意な振り付けやステップを披露し、ダンスを楽しんでいた。男女はもちろん、女性同士、男性同士の組もある。飛び入り参加も途中退出も自由で、とにかく型にとらわれないのが流儀のようだ。華やかな舞踏と演奏が繰り広げられる舞踏会場へ、久遠は静夜の手を引いて嬉々として近づいた。
「ダンスは久しぶりだ。静夜、僕たちも踊ろう!」
「待て久遠、俺はダンスなんて人生で一度も…」
場違いな空気を感じて尻込みする静夜を久遠は優しく励まし、促す。
「大丈夫。僕がリードするし、おまえは立ってるだけで構わないから」
「でも…あっ」
断る猶予も与えられず、久遠に導かれるままどんどん前に進み出て、気づくとすでに踊り手たちの輪の中だった。ここまで来ると逃げ出す方がかえって目立ってしまう。もうどうにでもなれ、と赤っ恥も覚悟で静夜はすべてを久遠に委ねることにした。互いに恭しく一礼して手と手を結ぶと、久遠はささやいた。
「僕の動く方向に合わせてくれればいいから。さあ、ついてきて」
「わ、わかった」
そして二人は踊り始めた。案の定静夜はへどもどして本当にただ久遠についていくのが精一杯だった。周囲では誰もが自然に身についた華麗な踊りを披露していて、どう見ても自分ひとりが浮いている。いたたまれない気持ちに苛まれたが、久遠はこんな自分がパートナーでも幸せそうにダンスを楽しんでいる。思い返せば久遠は歌と同じくらい踊ることが好きで、気分のいいときはひとりでに身体が動いて踊っているような人だった。
(…久遠が楽しいなら、それでいい…)
そう考えると余分な力が抜けた。気負いがなくなり、代わりに集中力が増す。
踊りに慣れ親しんだ久遠の身振りやステップはあたかも蝶が花と戯れるように優美かつ巧みで、右も左もわからずほとんど突っ立っていた静夜を立派なパートナーに変身させていった。歓声がわあっと上がり、口笛と拍手がいっそう高まった。
静夜は緊張がほぐれて久遠の動きが少しずつ読めてくると他の踊り手たちの見様見真似でそれらしい振りをつけてみた。久遠が身体を寄せると腰の後ろに手を添え、離れる気配を感じると一瞬早く腕を開いて送り出す。右に移動すると円を描くように反対側へーー静夜の進歩を敏感に察知した久遠の表情がみるみる明るくなる。
もともと身体を動かすことは苦にしないのだ。ステップが剣術の足さばきに似ているところがあることに気づくと、そこからは驚くほど気楽に、軽快に爪先を運ぶことができた。久遠は嬉しさのあまり笑顔と声を弾けさせた。
「いいぞ、静夜!すごく上手だ!」
静夜もそれに応えて笑み綻んだ。いつしか二人は息をぴったり合わせ、ダンスの輪の中央で皆の注目を一身に浴びて踊っていた。七色の花吹雪が二人を祝福するように降り注ぎ、花冠のように久遠の髪を彩った。会場全体がひとつになったような連帯感に包まれて、人々はいつまでも踊り続けた。
満足がいくまで踊りきった二人は頃合いを見て会場を抜け出した。
「やるじゃないか静夜。初めてとは思えなかったぞ。みんなも大盛り上がりだったし、最高だったな!」
「ああ。楽しかった」
「ほんとに?えへへ…やっぱり、誘ってよかったぁ…」
久遠は照れたようにはにかんだ。快い運動を終えて白い頬をほんのり薔薇色に上気させ息を弾ませている久遠の様子に静夜の心臓は不意にとくんと膨らみ、声と息とを一度に奪って彼をもてあそんだ。今まで感じたことのない生々しいその苦しさは、彼がまだひた隠しにしている醜い本性を揺さぶるだけ揺さぶって、嘲笑うように駆け去った。
「…まないか?なあ、静夜」
「…」
「静夜?聞いてる?」
「え?」
潮のいつか再び満ちてくる予感に支配され取り残されていた静夜ははっと我に返った。久遠はぱっちりとした目をさらに丸くして不思議そうに自分を見上げていた。
「どうかした?そんなにぼーっとして」
「いや…何でもない」
悟られたくなくてとっさに笑顔を取り繕う。
「喉渇かない?水かジュースでも飲んでから、どっかでひと休みしよう」
「うん」
静夜の心中もよそに、久遠はるんるんと楽しげな歩調で元来た道を戻った。大森林中が祝祭に沸いた一日は、はや夕暮れを迎えようとしていた。
久遠はわくわくと胸を躍らせながら額に手をかざして辺りをぐるりと見渡した。
「おお、すごい!今年も早速盛り上がってるみたいだなぁ」
久遠の隣で静夜は驚きの目を見張っていた。大森林はどこもかしこも星中からすべての原礎が集結したのかと思わせるほどの大変な人出だ。実際毎年この日に合わせて星養いの旅から帰ってくる者も多く、そうではなく大森林に暮らす者も、休める仕事や修行は休んで参加していいという慣例になっているからだ。子供たちはいつも以上にきゃっきゃと大はしゃぎで走り回っているし、普段は品行方正で取り澄ました大人たちも歌や踊りや飲み食いに夢中で、今日だけは、と祝祭の雰囲気にどっぷり浸かっている。木陰にひしめく屋台では食べ歩くのに向いた軽食やお菓子やジュースがふんだんに振る舞われ、皆克己心も罪悪感もどこへやら、日頃は遠ざけている誘惑にここぞとばかりに舌鼓を打っている。古めかしい楽器を演奏しながら堂々と行進する音楽隊あり、軽業や奇術を披露する者、ゲームや籤に興じる者、木によじ登って色とりどりの花吹雪を撒き散らす者もあり、ものみなすべてが熱気と歓喜に包まれていた。
「遠征が見合わされたのは祭りが近いからってこともあるんだろうな。俄様も瞬様も、きっと同胞たちにみんなと一緒にこの日を迎えさせてあげたかったんだよ。今日は家族や友人、大切な人たちと集まって過ごす日でもあるから」
「そうだったのか…」
育った環境が普通の子供とは違う静夜は祭りというものを知らない。はめを外して浮かれ騒ぐ原礎たちの姿に興味をかき立てられ、これが祭りというものか、とつい心を奪われていると、突然目の前に何かが突き出された。欅の器にひと盛りの干し果実と種実類だった。
「はい。静夜、これ好きだろ?食べなよ」
「あ、ああ…ありがとう」
言われるまま静夜が器を手に取ると久遠は上機嫌でにっこりした。自分の好物に気づいてくれていたことは嬉しかったが、だからといっていきなり手をつけるわけにはいかなかった。
「待て、久遠。これはどこで買った?代金は?」
「代金なんていらないよ。もともと大森林ではお金なんて必要ないし」
「でも」
どこでもらったのか、と静夜が尋ねようとすると久遠は日陰に密集する屋台を指差した。驚いたことに、皆そこに並べられた食べ物や飲み物、花や飾りや雑貨、子供はおもちゃやお菓子などを次々と躊躇いなく手に取って持っていくのだ。食べ物をその場で口に放り込む者も多い。久遠はこう説明した。
「今日こうやって置いてあるものは誰でも、何でも自由に取ったり食べたりしていいんだ。ただし、手に持ちきれないとか食べきれないほどたくさんは取らないことが唯一の決まり。みんなで分け合い、譲り合って、みんなが平等に楽しめるように」
確かに、よく見ているとほとんどの者は現実的な量だけ取って綺麗に平らげたり大切そうに抱いて持ち帰ったりしているようだ。だが、中には誰も見ていない瞬間を見計らってこっそり多めに取りそそくさと姿を消す者もいた。当然誰も咎めないし、誰かが困るわけでもない。豊かで自由で寛容だが、静夜はこれはある種の試験なのかもしれないと考えた。すなわち自己の裁量と行動次第でいくらでも私することのできる誘惑を前に、自分で自分に課す試験であると。欲望と道徳を天秤にかけ、自身を高めるか卑しめるか、試験官や監視者の代わりに己が己の心を試す時宜なのだ、と。
今日は星の恵みと命に感謝する日だ、と久遠は言った。感謝する心さえあれば、たったひと皿でも魂は満たされるだろう。過去の自分と今の自分がそう気づかせてくれる。
両手の中の収穫物の小さな器を静夜は温かく、また同時に少しほろ苦い思いで見つめた。
(感謝します…この恵みと、命と、たくさんの出会いに)
好物なのになかなか手をつけようとしない静夜を、久遠は少し不思議そうに小首を傾げながら優しく見守っていた。
それから二人は祭りならではの出し物や美食に賑わう森を見て回りながらあちこちそぞろ歩いた。静夜は相変わらず行き遭う女性の注目の的で、特に遠征や鍛練で顔なじみの珠鉄の女戦士たちや、煌狩りを抜けて彼に導かれてきた人間の女性たちからうっとりと熱い視線を向けられている。不安などはないものの、邪魔者を寄せつけないように久遠は鈍感で脇が甘い静夜の腕をがっちり捕まえて自分の存在を見せつけることを忘れなかった。静夜がふと言った。
「…今気づいたが、俺以外の人間を中に入れてもらって大丈夫なのか?事前に相談はなかったんだが」
「彼兄が言ってたけど、今日は人間たちも非武装と親睦を条件に特別に中に入ってお祭りを楽しむことが許されたんだって。きっと今頃暁良さんや耶宵さんも…あっ、ほら、いたよ」
久遠が手を振った方を見ると、永遠と耶宵が飴を絡めた果物の串を手に仲良く談笑しながら歩いているのが人混みの隙間に見え隠れしていた。永遠もやはり修行を中断して遊びに出てきていたのだ。二人はこちらに気づくと笑顔で手を振り返してくれたが、こちらをちらちらと見ながらひそひそ、くすくすと何事かささやき合っただけで行ってしまった。永遠は元気そうに見えたが依然として顔は青白く、耶宵はそんな永遠を甲斐甲斐しく気遣っているようだった。
「…永遠も楽しんでるみたいだな」
「うん。耶宵さんも一緒で、ほんとによかった」
安堵の笑顔を交わし、二人も彼女たちを追わずそっとその場を離れた。その後は暁良や部下の若者たち、曜率いる黒鳥兵団の面々、界とその取り巻き、せっせとお菓子を運ぶ麗、そして四季と未来が引率する子供たち、とすっかりおなじみの顔ぶれに遭遇してはその都度捕まって足止めを食らう二人だった。
正午になり、琥珀の館では宇内と十二礎主による祈りが行われた。過ぎた一年に感謝を、そして新たな一年に願いを込めた厳かな儀式が粛々と進められる間、混雑を極める中心部から閑静な外縁部の末端まで、大森林は神聖な祈りの空気に普く包まれた。
祈りの刻がつつがなく終わり午後になると、いよいよ大人たちが待ちわびていた最大のお楽しみが始まった。いったいどこに貯蔵されていたのか、巨大な酒樽がいくつも運ばれてきて次々と開栓された。持参したゴブレットに直接葡萄酒を注いでその場で飲むのが伝統らしく、早速酒好きたちを完全に虜にしていた。
久遠もひそかに心待ちにしていた美酒を前に思わず舌なめずりをし、静夜の腕を摑んだ。
「なあ静夜、僕たちも久しぶりに飲もうよ。ほら、葡萄酒はもちろん、エールに杏やベリーの果実酒、それに林檎の泡立つ酒もあるぞ」
だが静夜は首を横に振った。
「いや、俺は遠慮する」
「え?なんで?嫌いじゃないだろ?」
「嫌いじゃないが、もし酔ってぼんやりしたり眠くなったりしたら今日という日があっという間に終わってしまう。うまい酒よりも、君と過ごす時間を大切にしたい」
興ざめを起こしかけていた久遠は、何のてらいも小細工もない真っ向からのその言葉にはっと声を失った。酔ってもいないのに、まるで焚き火の炎に当たったかのように頬が熱くなった。しかしその反応から静夜は自分が拗ねて臍を曲げたと受け取ったようだった。
「でも、君は飲みたかったら飲んでくれて全然構わない。飲まないのは俺の勝手だから」
今度は久遠が首を振る番だった。
「僕もいい。おまえがそうしたいなら、僕も一緒にそうしたいから」
「本当に?」
「うん。最後、帰る前に少し分けてもらって夜家で飲むことにしよう。それならいいだろ?」
「うん」
酒は逃げないから、と納得して二人は酒樽に一時の別れを告げた。
常日頃は温厚で堅実な印象の原礎たちだが、その反動ゆえか、酒精の誘惑にはめっぽう弱いらしい。恥も外聞もなくたがが外れたように盃をあおり、陽気な笑い声を上げるその姿は一日の仕事終わりに酒盛りをする人間とさして変わらない。そう言えば、動物の中にも限界まで熟して発酵した果実をわざわざ食べて酩酊状態に陥るものがいると聞いたことがある。静夜が久遠と歩きながら酒の魔力は種族の壁を超えるのかなどと考えていたとき、よく知る二人の人物とばったり遭遇した。
「これはこれは、噂のお二人」
「やあ。君たちも楽しんでいるみたいだね」
俄と瞬だった。正午の祈りが終わって役目から解放され、祭りに繰り出してきたのである。
「俄様、瞬様」
「正午のお祈り、ご苦労様でした」
「苦労というほどのこともないよ、毎年恒例の型どおりの行事だから。ただ俄が朝から落ち着かなくて…」
苦笑混じりの瞬の視線を追って俄を見ると、すでに相当きこしめしているようで、ご機嫌の赤ら顔だった。
「当たり前だ、一年に一度のこの日に落ち着いてなどいられるか!瞬、なぜおまえはそうまで冷静なんだ。つまらん奴…今日ほど酒がうまい日はないというのに」
「ほぼ毎日おいしく飲んでいるじゃないか。まったく、酒飲みの屁理屈は僕には理解できないよ」
そう言う瞬は下戸ということだ。もともと対等な立場の礎主同士であり、遠征にも同行していたことから、二人はかなり親しい間柄のようだった。そんな彼らに、たまたま通りがかった原礎たちが物珍しげで興味津々のまなざしを注いでくる。静夜に対する笞刑の執行人である二人が元罪人である静夜と和気藹々と雑談をしている光景が不思議かつ奇妙でならないのだ。
俄は静夜に絡むように肩を組んできた。
「ところで静夜殿、いったいいつになったら俺と試合をしていただけるのかな?貴殿は曜とも同じ約束をしていて、そちらもずっとすっぽかしているそうだが、よもや人間の間では約束はすっぽかすためにあるなどとはおっしゃるまい?」
「とんでもない。そんなことはありません。ただ今は身体にまだ万全でないところがあり、全力で臨めない以上は失礼にあたりますので」
答える静夜の声に含むものは一切ないが、半分は事実で、半分は当てこすりと取ろうと思えば取れる台詞も、微酔している俄は豪快に笑い飛ばした。
「そうだったな。ならば、俺と一献傾けていただこう。いつか全力で試合をするという約束の証に」
俄が新しいゴブレットをずいっと突き出してきたので、久遠の誘いすら断っている静夜は困惑した。そして返答に窮し言葉に迷っていると、静夜と久遠の顔色を探った瞬がすかさず話に割り込んだ。
「やめなよ俄、静夜くんは久遠と二人きりで素面で祭りを楽しみたいんだ。盃の無理強いは無粋だよ」
「む…それもそうだな…」
さすが瞬は察しが良く機転も利いた。俄はしぶしぶ引き下がり、二人はほっと胸を撫で下ろした。
不調法を詫びながら瞬は俄を引っ張って祭りの人だかりに消えていった。
「俄様とも試合する約束してたんだ、静夜」
「約束というか、いつの間にかそういう話になってた」
「でも、背中もあばらもまだ痛むんだろ?無理するなよ」
「ときどき、少し…ただ身体を動かして温めることが治りを早くすると治療師たちに言われてるから、通常の鍛練に問題は…」
それを聞いた久遠の耳がぴくっとした。
「軽く身体を動かすのは大丈夫?」
「うん」
「じゃあ…ちょっと身体動かして、温まってみる?」
問いかける久遠の声が少し鼻にかかる色合いに変わり、ぱっと見下ろすと、うずうずと無言の期待に満ちたつぶらなエメラルドの瞳とぶつかって静夜はきょとんとした。と、袖口を摑まれて見知らぬ方角に連れていかれる。
「久遠?いったいどこへ…」
「いいからついてきて」
慌てて足を運ぶ静夜の腕を離さず引っ張って、久遠は意気揚々と森の中を歩いていった。
リボンや旗や花で飾られた木々の間を縫う小径を奥へと進むほどに、陽気に弾むような音楽が流れてくる。誰しも一度は聞いたことがあるような素朴で軽妙な音色と調子だ。小径はやがて左右に色鮮やかなブーケをあしらった門のような口を抜けて林間に開けた空き地に出た。
そこは野外の臨時の舞踏会場だった。二人ひと組になって楽しげに踊っているたくさんの原礎たちを、楽器を手にした楽師たちと見物人がぐるりと囲んで盛り立てている。ツィターにハープにリュート、フルートにリングベル。使い込まれて趣のある楽器の演奏と手拍子と歌声に合わせて、大きなひとつの円の中でそれぞれが思い思いの得意な振り付けやステップを披露し、ダンスを楽しんでいた。男女はもちろん、女性同士、男性同士の組もある。飛び入り参加も途中退出も自由で、とにかく型にとらわれないのが流儀のようだ。華やかな舞踏と演奏が繰り広げられる舞踏会場へ、久遠は静夜の手を引いて嬉々として近づいた。
「ダンスは久しぶりだ。静夜、僕たちも踊ろう!」
「待て久遠、俺はダンスなんて人生で一度も…」
場違いな空気を感じて尻込みする静夜を久遠は優しく励まし、促す。
「大丈夫。僕がリードするし、おまえは立ってるだけで構わないから」
「でも…あっ」
断る猶予も与えられず、久遠に導かれるままどんどん前に進み出て、気づくとすでに踊り手たちの輪の中だった。ここまで来ると逃げ出す方がかえって目立ってしまう。もうどうにでもなれ、と赤っ恥も覚悟で静夜はすべてを久遠に委ねることにした。互いに恭しく一礼して手と手を結ぶと、久遠はささやいた。
「僕の動く方向に合わせてくれればいいから。さあ、ついてきて」
「わ、わかった」
そして二人は踊り始めた。案の定静夜はへどもどして本当にただ久遠についていくのが精一杯だった。周囲では誰もが自然に身についた華麗な踊りを披露していて、どう見ても自分ひとりが浮いている。いたたまれない気持ちに苛まれたが、久遠はこんな自分がパートナーでも幸せそうにダンスを楽しんでいる。思い返せば久遠は歌と同じくらい踊ることが好きで、気分のいいときはひとりでに身体が動いて踊っているような人だった。
(…久遠が楽しいなら、それでいい…)
そう考えると余分な力が抜けた。気負いがなくなり、代わりに集中力が増す。
踊りに慣れ親しんだ久遠の身振りやステップはあたかも蝶が花と戯れるように優美かつ巧みで、右も左もわからずほとんど突っ立っていた静夜を立派なパートナーに変身させていった。歓声がわあっと上がり、口笛と拍手がいっそう高まった。
静夜は緊張がほぐれて久遠の動きが少しずつ読めてくると他の踊り手たちの見様見真似でそれらしい振りをつけてみた。久遠が身体を寄せると腰の後ろに手を添え、離れる気配を感じると一瞬早く腕を開いて送り出す。右に移動すると円を描くように反対側へーー静夜の進歩を敏感に察知した久遠の表情がみるみる明るくなる。
もともと身体を動かすことは苦にしないのだ。ステップが剣術の足さばきに似ているところがあることに気づくと、そこからは驚くほど気楽に、軽快に爪先を運ぶことができた。久遠は嬉しさのあまり笑顔と声を弾けさせた。
「いいぞ、静夜!すごく上手だ!」
静夜もそれに応えて笑み綻んだ。いつしか二人は息をぴったり合わせ、ダンスの輪の中央で皆の注目を一身に浴びて踊っていた。七色の花吹雪が二人を祝福するように降り注ぎ、花冠のように久遠の髪を彩った。会場全体がひとつになったような連帯感に包まれて、人々はいつまでも踊り続けた。
満足がいくまで踊りきった二人は頃合いを見て会場を抜け出した。
「やるじゃないか静夜。初めてとは思えなかったぞ。みんなも大盛り上がりだったし、最高だったな!」
「ああ。楽しかった」
「ほんとに?えへへ…やっぱり、誘ってよかったぁ…」
久遠は照れたようにはにかんだ。快い運動を終えて白い頬をほんのり薔薇色に上気させ息を弾ませている久遠の様子に静夜の心臓は不意にとくんと膨らみ、声と息とを一度に奪って彼をもてあそんだ。今まで感じたことのない生々しいその苦しさは、彼がまだひた隠しにしている醜い本性を揺さぶるだけ揺さぶって、嘲笑うように駆け去った。
「…まないか?なあ、静夜」
「…」
「静夜?聞いてる?」
「え?」
潮のいつか再び満ちてくる予感に支配され取り残されていた静夜ははっと我に返った。久遠はぱっちりとした目をさらに丸くして不思議そうに自分を見上げていた。
「どうかした?そんなにぼーっとして」
「いや…何でもない」
悟られたくなくてとっさに笑顔を取り繕う。
「喉渇かない?水かジュースでも飲んでから、どっかでひと休みしよう」
「うん」
静夜の心中もよそに、久遠はるんるんと楽しげな歩調で元来た道を戻った。大森林中が祝祭に沸いた一日は、はや夕暮れを迎えようとしていた。
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