3 / 51
一章 白鷹と少年は、出会う
第3話 必然的なパーティ
しおりを挟む家の中に案内され好きな所に座って寛いでくれと言われるも、散らかった部屋に一同ドン引きしている。
「ドリューン、あなた少しは部屋を片付けなさい!! ガラクタだらけじゃない!!」
「何言ってるんだ!! ガラクタじゃない! 整理していつでも必要な物が分かるように置いてるんだ!!」
あ~、片付けられない人の典型だ…。
自分の中で必要な物をいつでも使えるように出しっぱなしにしてるから整理してると思ってはいるけど、実際の所、滅多に使う事の無いものまで出しっぱなしにしてる。
うん、気持ちは分かる。
ここまで広い家で無くワンルームマンションに住んでて手の届く範囲にいずれ使うかもしれない物が無いと何となく心配なんだよね…。
ただ自分の部屋はここまで散らかってなかったはずだ!!
そう言えば家にある薄い本とPCに入ってるエロ画像データってどうなったんだ?
今まで特に気にはしてなかったけど、多分親か妹が片付けをしてるはずだけど…。
…、最悪だ!!
絶対に酔って階段から落ちて死んだだけじゃなく、人を巻き込んだうえ、部屋の片づけをしたら薄い本やエロ画像が詰まったPCを見られてる。
「カツヒコ、どうしたの? 何か壊しでもしたの? だったら気にしなくても良いわよ、どうせここにあるのはガラクタばかりなんだから」
「いや、前世の事を思い出してて…」
「そう、前世で既にやらかしてるんだから今更でしょ?」
まあそうなんでけどね…。
そうなんだけど、思い出してしまったら肉親にどう言われてるのかが気になるんだよね。
絶対に冥福を祈られてないだろうし、最悪棺に薄い本を詰め込まれて火葬されてそうだし…。
うん、忘れよう!!
「それでドリューンさんは、ここに引きこもって何してるんですか?」
前世の黒歴史を振り払い、ドリューンさんに素朴な疑問を投げかける。
うん、男には忘れたい事もあるんだ!! 忘れる為には他人と話をしてその事を忘れるに限る!!
そんな思惑を知らないドリューンさんは、いつも座って居るのであろうソファーの物が置いていない場所に腰を下ろした後、少し考えた後口を開いた。
「まあ俺はここでしてる事と言えば魔道具の開発だな、迷宮も育ちきったし、毎日宝箱が出現するからその中身を確認し魔道具の材料にして新たな魔道具を作る。 そんな所だ!!」
「それで、どんな魔道具があるんですか?」
「そうだな、最近の新作だと町の宿屋にコッソリ設置した極小魔法陣から送られてくる映像を見る事が出来る魔道具だ!! これがあれば女冒険者の入浴や着替えが見放題だぞ!!!」
「サイテーですね…」
「まあ見られても減るもんじゃないけど、覗きはな…」
「はぁ~、昔から思ってたけどもっとまともな物を作れないの?」
胸を張って自信満々に盗撮魔道具の存在を暴露したドリューンさんを女性陣が冷たい視線で見てる…。
迷宮の最下層に住み着いて盗撮魔道具開発って…。
「それはそうとして、迷宮が育ちきったってどういう事ですか? 迷宮が育ちきったってどうやったら分かるんですか?」
「んん? そんなもん、さっきも言ったが俺が育てたんだから成長が止まれば分かるに決まってるだろう!」
なんか凄い短気な人だ…。
短気なのに凄い?魔道具を製作する人ってなんか矛盾しているような。
直ぐにキレて魔道具制作を投げだしそうな気がするんだけど、これが職人気質という奴なのか?
「じゃあ迷宮を育てるってどうやって育てたんですか?」
「そんな事か? まあ秘密と言う訳じゃないから教えてやるが、単純な事だぞ?」
そう言いながらドリューンさんが迷宮の育て方について語り出した。
迷宮が産まれる原理は判明していないものの、迷宮には核となる魔力の結晶があり、その結晶が成長する事で段々と深く広くなり、結晶から流れ出る魔力により魔物が産まれるとの事らしい。
なので、ドリューンさんいわく、魔力の結晶を見つけそれを魔道具化して魔物など魔石に宿る魔力や自身の魔力を注ぎ着込み成長促進を促すとの事だ。
勿論、大地から流れ出る魔力も吸収するよう魔道具化している為、育て方によっては普通の迷宮の数十倍の速度で育つらしい。
そして魔道具化した事で、階層ごとに自然型、遺構型、洞窟型と階層ごとに異なる型にする事ができるとの事だった。
ドリューンさんはその魔道具を使い自給自足が出来る迷宮を育て最下層に住み着き誰にも邪魔をされず魔道具開発をしているとの事だ。
何故か遺構型階層に出現する宝箱から得られる物、洞窟型階層から取れる金属、自然型階層から取れる食料、そのすべてを一つの迷宮で得られる魔道具化された迷宮の核となる結晶。
ドリューンさんに頼んだらあっさりと見せてくれたけど、結晶が何重にも層のようになっており、話を聞くと、この層の1つ1つが増える度に階層の構造を決める事が出来るらしい。
「簡単じゃないですよね? そもそもそんな魔道具なんて普通…、いや、それこそ国のお抱え魔道具師でも作れませんよね? しかも階層の構造を決めるとか聞いてもどうやったらそんな事が出来るのか想像もつきませんよ!!」
「それはお前に知識と技術が無いからだろ!!」
なんて言えばいいんだろう、自分が凄い事をしているという認識がない人に、凄い事だと言っても信じて貰えない感覚だ。
「あと疑問なのが迷宮の中に町や村がありますけど、住んでいる人がここで生まれてここで死ぬのが普通って感じだったんですけど、それもその迷宮を育てる魔道具の力とかですか?」
「ああ~、それは魔道具の力と言えば力だが、どちらかと言うと迷宮で生まれる魔物と同じだな、あの人間達は元々、迷宮から生まれた人、いや魔物と言うべきか、それの子孫だからだろうな」
「迷宮から生まれた? 元々魔物だったんですか? そうは見えなかったんですけど…」
「当たり前だ、迷宮を育てるという事は階層ごとに生まれる魔物もある程度決められるし創る事も出来るんだから、人間と同じものを生み出すようにする事なんか簡単だろう。 まあ丁度良い階層に数百生み出された時点で別の魔物が生み出されるようにしたから永遠と生まれる事は無いがな」
「だから迷宮で生まれ育ちそこで一生を終えるのに疑問を持たないという事ですか? なんだか禁忌に触れているような…」
そう言う自分に、自分で農作業や製鉄などすべてをしてたら魔道具作りに集中できないだろう!!
平然と言い放つドリューンさん、自信満々に言われると確かにと思いそうになるけど、何か違う気がする。
そんなドリューンさん「今では迷宮に潜る冒険者なんかと結婚したりして血が混ざっているからそのうち外の世界に出て行く奴もいるだろうし特に問題はないだろ」と完全に他人事だ…。
まあ人を襲って食べたりしないし、迷宮の外に出ても普通に生きて行けるんだろうけど、まさか元々が迷宮から生まれた人間を模した魔物だったとは。
だけどドリューンさん、迷宮の育て方はどう考えても簡単じゃありませんよ!!
そもそもそんな魔道具なんか思いつきもしないし、運用方法も教えられても使いこなせるかどうか…。
この感覚が400年以上前に大勢いたと言われる魔道具師や錬金術師などの感覚なのかな。
だとしたらここ400年近くで相当技術レベルが衰退してるような。
「ドリューン、あなた少しは部屋を片付けなさい!! ガラクタだらけじゃない!!」
「何言ってるんだ!! ガラクタじゃない! 整理していつでも必要な物が分かるように置いてるんだ!!」
あ~、片付けられない人の典型だ…。
自分の中で必要な物をいつでも使えるように出しっぱなしにしてるから整理してると思ってはいるけど、実際の所、滅多に使う事の無いものまで出しっぱなしにしてる。
うん、気持ちは分かる。
ここまで広い家で無くワンルームマンションに住んでて手の届く範囲にいずれ使うかもしれない物が無いと何となく心配なんだよね…。
ただ自分の部屋はここまで散らかってなかったはずだ!!
そう言えば家にある薄い本とPCに入ってるエロ画像データってどうなったんだ?
今まで特に気にはしてなかったけど、多分親か妹が片付けをしてるはずだけど…。
…、最悪だ!!
絶対に酔って階段から落ちて死んだだけじゃなく、人を巻き込んだうえ、部屋の片づけをしたら薄い本やエロ画像が詰まったPCを見られてる。
「カツヒコ、どうしたの? 何か壊しでもしたの? だったら気にしなくても良いわよ、どうせここにあるのはガラクタばかりなんだから」
「いや、前世の事を思い出してて…」
「そう、前世で既にやらかしてるんだから今更でしょ?」
まあそうなんでけどね…。
そうなんだけど、思い出してしまったら肉親にどう言われてるのかが気になるんだよね。
絶対に冥福を祈られてないだろうし、最悪棺に薄い本を詰め込まれて火葬されてそうだし…。
うん、忘れよう!!
「それでドリューンさんは、ここに引きこもって何してるんですか?」
前世の黒歴史を振り払い、ドリューンさんに素朴な疑問を投げかける。
うん、男には忘れたい事もあるんだ!! 忘れる為には他人と話をしてその事を忘れるに限る!!
そんな思惑を知らないドリューンさんは、いつも座って居るのであろうソファーの物が置いていない場所に腰を下ろした後、少し考えた後口を開いた。
「まあ俺はここでしてる事と言えば魔道具の開発だな、迷宮も育ちきったし、毎日宝箱が出現するからその中身を確認し魔道具の材料にして新たな魔道具を作る。 そんな所だ!!」
「それで、どんな魔道具があるんですか?」
「そうだな、最近の新作だと町の宿屋にコッソリ設置した極小魔法陣から送られてくる映像を見る事が出来る魔道具だ!! これがあれば女冒険者の入浴や着替えが見放題だぞ!!!」
「サイテーですね…」
「まあ見られても減るもんじゃないけど、覗きはな…」
「はぁ~、昔から思ってたけどもっとまともな物を作れないの?」
胸を張って自信満々に盗撮魔道具の存在を暴露したドリューンさんを女性陣が冷たい視線で見てる…。
迷宮の最下層に住み着いて盗撮魔道具開発って…。
「それはそうとして、迷宮が育ちきったってどういう事ですか? 迷宮が育ちきったってどうやったら分かるんですか?」
「んん? そんなもん、さっきも言ったが俺が育てたんだから成長が止まれば分かるに決まってるだろう!」
なんか凄い短気な人だ…。
短気なのに凄い?魔道具を製作する人ってなんか矛盾しているような。
直ぐにキレて魔道具制作を投げだしそうな気がするんだけど、これが職人気質という奴なのか?
「じゃあ迷宮を育てるってどうやって育てたんですか?」
「そんな事か? まあ秘密と言う訳じゃないから教えてやるが、単純な事だぞ?」
そう言いながらドリューンさんが迷宮の育て方について語り出した。
迷宮が産まれる原理は判明していないものの、迷宮には核となる魔力の結晶があり、その結晶が成長する事で段々と深く広くなり、結晶から流れ出る魔力により魔物が産まれるとの事らしい。
なので、ドリューンさんいわく、魔力の結晶を見つけそれを魔道具化して魔物など魔石に宿る魔力や自身の魔力を注ぎ着込み成長促進を促すとの事だ。
勿論、大地から流れ出る魔力も吸収するよう魔道具化している為、育て方によっては普通の迷宮の数十倍の速度で育つらしい。
そして魔道具化した事で、階層ごとに自然型、遺構型、洞窟型と階層ごとに異なる型にする事ができるとの事だった。
ドリューンさんはその魔道具を使い自給自足が出来る迷宮を育て最下層に住み着き誰にも邪魔をされず魔道具開発をしているとの事だ。
何故か遺構型階層に出現する宝箱から得られる物、洞窟型階層から取れる金属、自然型階層から取れる食料、そのすべてを一つの迷宮で得られる魔道具化された迷宮の核となる結晶。
ドリューンさんに頼んだらあっさりと見せてくれたけど、結晶が何重にも層のようになっており、話を聞くと、この層の1つ1つが増える度に階層の構造を決める事が出来るらしい。
「簡単じゃないですよね? そもそもそんな魔道具なんて普通…、いや、それこそ国のお抱え魔道具師でも作れませんよね? しかも階層の構造を決めるとか聞いてもどうやったらそんな事が出来るのか想像もつきませんよ!!」
「それはお前に知識と技術が無いからだろ!!」
なんて言えばいいんだろう、自分が凄い事をしているという認識がない人に、凄い事だと言っても信じて貰えない感覚だ。
「あと疑問なのが迷宮の中に町や村がありますけど、住んでいる人がここで生まれてここで死ぬのが普通って感じだったんですけど、それもその迷宮を育てる魔道具の力とかですか?」
「ああ~、それは魔道具の力と言えば力だが、どちらかと言うと迷宮で生まれる魔物と同じだな、あの人間達は元々、迷宮から生まれた人、いや魔物と言うべきか、それの子孫だからだろうな」
「迷宮から生まれた? 元々魔物だったんですか? そうは見えなかったんですけど…」
「当たり前だ、迷宮を育てるという事は階層ごとに生まれる魔物もある程度決められるし創る事も出来るんだから、人間と同じものを生み出すようにする事なんか簡単だろう。 まあ丁度良い階層に数百生み出された時点で別の魔物が生み出されるようにしたから永遠と生まれる事は無いがな」
「だから迷宮で生まれ育ちそこで一生を終えるのに疑問を持たないという事ですか? なんだか禁忌に触れているような…」
そう言う自分に、自分で農作業や製鉄などすべてをしてたら魔道具作りに集中できないだろう!!
平然と言い放つドリューンさん、自信満々に言われると確かにと思いそうになるけど、何か違う気がする。
そんなドリューンさん「今では迷宮に潜る冒険者なんかと結婚したりして血が混ざっているからそのうち外の世界に出て行く奴もいるだろうし特に問題はないだろ」と完全に他人事だ…。
まあ人を襲って食べたりしないし、迷宮の外に出ても普通に生きて行けるんだろうけど、まさか元々が迷宮から生まれた人間を模した魔物だったとは。
だけどドリューンさん、迷宮の育て方はどう考えても簡単じゃありませんよ!!
そもそもそんな魔道具なんか思いつきもしないし、運用方法も教えられても使いこなせるかどうか…。
この感覚が400年以上前に大勢いたと言われる魔道具師や錬金術師などの感覚なのかな。
だとしたらここ400年近くで相当技術レベルが衰退してるような。
4
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!

職種がら目立つの自重してた幕末の人斬りが、異世界行ったらとんでもない事となりました
飼猫タマ
ファンタジー
幕末最強の人斬りが、異世界転移。
令和日本人なら、誰しも知ってる異世界お約束を何も知らなくて、毎度、悪戦苦闘。
しかし、並々ならぬ人斬りスキルで、逆境を力技で捩じ伏せちゃう物語。
『骨から始まる異世界転生』の続き。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる