【本編完結】公爵令嬢は転生者で薔薇魔女ですが、普通に恋がしたいのです

卯崎瑛珠

文字の大きさ
上 下
200 / 229
最終章 薔薇魔女のキセキ

〈187〉卒業パーティ 中

しおりを挟む


 アデリナが見立てた卒業のドレスは、深紅ベースのサテン生地。黒いレースがふんだんに使われたワンショルダーの、非常に大人っぽいデザインだった。パニエでのボリュームはそこそこに、身ごろ部分には黒サテンのフリルがついているデザインで、全体にビジューを散りばめられたまさに『夜会』なドレス。首には黒サテンのチョーカーとブラックダイヤ。耳にはルビーとブラックオニキスが組み合わされたイヤリング。大胆に出した、レオナの華奢な肩の上で揺れるイヤリングが、大人の魅力を引き出してくれている。
 トップにまとめて結い上げられた髪の毛には、ルビーとブラックオニキスが埋め込まれた薔薇のバレッタ――ルスラーンからのプレゼントである。

 ともすれば、とげとげしい魔女のようになりがちなデザインを、さすがマダム、洗練された大人の女性として引き立つようなラインに仕上げてくれていた。

 開かれたダンスホールの扉の向こうには、色とりどりのタキシードやドレスを身にまとう学生たち。
 思い思いに飲み物を飲んだり、おしゃべりをしたり、別れを惜しんだり。
 騒がしい会場の中へ、ローゼン公爵令嬢レオナは、足を踏み入れる――


「っ……薔薇魔女……!」

 誰かが、そうつぶやいたのが聞こえた。

 深紅に黒いレースのドレスだもんね。そう言われても致し方ないか、と肩をすくめそうになるのをこらえて、レオナは正面を見据え、堂々と入場していく。

「美しいわ」
「薔薇魔女様」
「素敵……」
「ほう」

 
 ――ん?

 
「さすが薔薇魔女様」
「あふれる魔力が素敵だわ」
「深紅がお似合いですわね」


 ――んん?


「お美しい」
「踊ってくださるだろうか」
「薔薇魔女様っ」


 ――んんんん!?


「もう、悪口じゃないんですよ、レオナ様」
 ヒューゴーがささやく。
「え?」
「薔薇魔女は、学生の間で、尊敬の名前に変わりました」
「えっ……」
 
 ステージ上の国王、第一王子に形通りのあいさつを済ませ、ジョエルとシャルリーヌの待つテーブルへ近寄りながら、レオナはなおも首を傾げる。

「尊敬? て?」
「相変わらず、ご自身のことには鈍感ですね」
 ヒューゴーが苦笑する。
「この二年間、貴方様が成し遂げてきたことを思えば当然でしょう」
 きょとりとするレオナに、果実水の入ったグラスを差し出すシャルリーヌも
「ほんと鈍感! ……言われないとわからないのよね」
 苦笑いを遠慮しない。
「まあ、そこがレオナのいいところだしー?」
 ジョエルが、シャルリーヌの腰を抱いたまま微笑む。
「女性の初留学を成し遂げてー、革命的な魔道具を作ってー、ダイモンイチゴの販路を確立してー、さらにベヒモスを倒すのに貢献したんだからねえ」
「そっ……うね?」
「あとはー?」
 ジョエルが促すと、ヒューゴーが
「下位貴族へも分け隔てなく接し、マーカムのマナー慣習の浸透に尽力。平民のジンライを救い、帝国留学への後押し、さらには」
 と続け、シャルリーヌの
「ブルザーク皇帝陛下、ガルアダ王太子殿下、アザリー王子殿下、ブルザーク陸軍大将閣下子息から求婚されるぐらいの淑女っぷり」
 ウインクで締めくくられた。

「えっと……そう改めて聞くと、誰のことかなって……」
 
 いつの間にか合流した、ジンライ、ペトラ、ゼル、ディートヘルムも加わって。
 
「「「「「「「レオナ・ローゼン!」」」」」」」

 ひえええ、である。
 みんな、満面の笑みだ。

「んもう!」
 
 当然、恥ずかしくなってしまったレオナは、それをごまかすように
「あれ? そういえば、テオは?」
 キョロキョロするが、見当たらない。
「あっちだぞ」
 ゼルが、にやりと親指で背後を差すその先に、壁際で女性に囲まれて出られなくなっているテオがいる。
「卒業実習以来、あの通りだ。平民だって言ってもローゼンの侍従であれば、引く手あまただ。くく」
「まあ!」
 
 レオナは、そんなゼルを見やって
「ゼル、まだ無理しちゃダメよ?」
 と眉尻を下げた。
「分かっている。意外とこいつがうるさいからな」
「おいこら、肩貸してやらねーぞ」
 こいつ呼ばわりされたディートヘルムが「うげえ」の顔をするが、内心嫌がっていないのは知っている。すっかり仲良くなったな、とレオナは嬉しくなった。
「今日、マクシムたちは別任務で、残念がっていた」
「あら……それは本当に残念だわ。皆様お元気かしら?」
「ああ。毎日めちゃくちゃ鍛えられていると言っていたがな」
「ふふふ。大変ね!」
 
 マクシムは、ベヒモス戦での功績が認められて、王国騎士団内での扱いがぐんと上がったらしい。今まで魔力がない奴なんて……と下に見ていた者たちも、途端に見直してくれたそうなのだ。おかげでさらにあちこちの任務をあてがわれて大変らしいが。

「プロムが終わったら、一緒に帰国する」
 ディートヘルムのその言葉に、レオナはずきん、と胸が痛む。
「ディート……」
「いいさ。レオナが帝国に来てくれないことは、わかっている。今日のドレスが物語っているよな」
 その横で唸るゼル。
「ぐぬぬぬ」
「ゼル……わたくしは」
 
 そう顔を上げたレオナだったが――

「皆の者!」

 国王の挨拶が始まってしまった。
 いつの間にか、エドガーの入場も済んでいたらしい。ステージ上の王族席に並んで座っている。
 ゼルの苦笑が返ってきたので、レオナが肩をすくめてみせると、ディートヘルムは無言でゼルの肩を支えて、椅子に座らせる。意外と面倒見が良いのは本当らしい。

 
 ――卒業、かあ……


 レオナの胸の内に、二年間の思い出が溢れる。
 嬉しいが、寂しい。
 皆と離れ離れになるのだから。
 寂しさが、シャルリーヌに伝わったのだろう。いつの間にか、ぎゅ、と手を握られていた。

 
 ――せめて今日は、めいっぱい楽しもう。


「プロム、開幕である!」
 
 
 
 ※ ※ ※


 
 ――あとはもう、断罪イベントしかない!

 
 ユリエは独り、思いつめていた。
 卒業実習でイベントが起こったはずなのに、エドガーからはまだ求婚されていない。ドレスだって結局買ってもらえず、仕方なく復興祭の時のものを無理矢理着ている(小さいし、短い)。異母妹のボニーはドレスがないからと、プロムには出られなかった。
 かつて、エドガーと仲睦まじくするユリエにすり寄って来ていたクラスメイト達は、卒業実習後ぱたりと挨拶にすら、来なくなった。
 

 ――婚約できてないからだわっ!


 そう握りしめる拳は、ピンク色の絹手袋の中で青黒く染まっている。
 原因はわからないが、右手の甲のシミが、どんどん広がってきているのだ。
 何かの病気か? と思うと怖くてたまらない。
 早く婚約して、王宮のお抱え治癒士に診てもらわなくては、と焦るが、実習以来なぜかエドガーには会えなかった。
 
 アリスター第一王子による処遇が決定するまでは「エドガーは王宮から一切出てはならない」という実質軟禁の指示だったわけだが、ユリエがそれを知る由もない。
 
 
 ――やっと、やっと会えた……


 ユリエにはもう「エドガーと婚約するために、レオナを断罪する」という思いしかない。
 周りの状況を見ることも、自分の行動でどうなるのか想像することも、ましてや、自身が今どのような立場に置かれているのかも……全く考えてこなかった。
 自分の地位も、学院の勉強も、周りの評価も、全て『ヒロインたる自分』であれば優遇されて当然なのに、この世界はおかしい! と憤り……憤っただけだった。
 努力も工夫も、現状を顧みることすらもせず、ゲームなら丸ボタン連打で済んだのに、という気持ちだけで――寝て起きて学院に通ったの二年間。

 そんな『ヒロイン』ユリエの集大成は、


「薔薇魔女、レオナ・ローゼン! あの恐ろしいバケモノを召還した犯人は、あなたよ!」


 プロムの会場で声高に叫ぶことから、始まった。


 
 ※ ※ ※
 


「どうかお帰りください」

 ピオジェ公爵邸、応接室。
 父のオーギュストとともにゲルルフに相対していた公爵令嬢フランソワーズは、冷ややかな声を出した。
 それを聞いて、ガシャガシャと帯剣している武器が鳴るぐらい、ゲルルフは立ち上がって興奮しはじめた。

「なぜだ! 今からでも間に合う、行こう!」
「行きません、と申し上げています」
「まあまあ。座りたまえ、団長」
「むう」

 フランソワーズは、頭を抱えそうになるのをかろうじてこらえていた。
 卒業実習で負った頬の傷を理由に、屋敷に引きこもっていたのだが、復活したゲルルフが毎日のように訪ねてくる。心配だ、顔を見せてくれ、一緒にプロムに出よう……フランソワーズの気持ちを無視した横暴な振る舞いに、いい加減辟易としていた。もうこれは、面と向かって断らなければ埒が明かないな、と思って出てきたが、やはり無駄だったようだ。
 
「プロムだぞ!」
「存じ上げております」
「なぜ、行かないなどと」
「行きたくないからです」
「プロムなのだぞ!」

 
 ――平行線ね。
 
 
 フランソワーズは、フィリベルトでないのであれば、誰であろうとお断りだ。
 卒業実習で彼に抱えられた時、自身の気持ちがはっきりと分かってしまった。この世の全てを恨んでしまいたいぐらいに、強く恋焦がれた。もう遅いかもしれないが、これから彼に見合う女性になって――と夢見ても良いではないか。あの自由な薔薇魔女のように。
 
 だが父のオーギュストは、エドガーとの婚約には、もう益がないやもしれぬ、となんとゲルルフに方向展開し始めているのだ。ゲルルフは騎士団長でしかないが、彼が持つ様々な情報をオーギュストに流しているらしい。特に他国の動向は、商売人に高値で売れる情報だ。
 
 吐き気がする。
 こんな、暴力的で女を見下しているゴリラのような男に、娘をすすんで嫁がせたい親がいるとは。


 ――フィリ様でないのなら……


 オーギュストは、やはり白狸と呼ばれるだけあって、フランソワーズのそのような気持ちはお見通しだった。
 頑なにゲルルフの申し出を断る娘を、横目で侮蔑するように見てから
「フランソワーズ。無駄だぞ」
 と吐き捨てる。
「……何がでしょうか」
「おまえは知らないと思うが、おまえの母親がしたことだ」
「な……んのお話でしょうか」

 フランソワーズの母親は、ピオジェ第二夫人ガブリエラである。
 病のため王都郊外のタウンハウスに隔離されていて、表舞台どころかフランソワーズも十年以上会っていない。

「かつてガブリエラが、四歳のレオナに毒を盛るよう指示をしたのだ。当然ローゼンはそれを知っているぞ」
「え?」
「シャルルが産まれて焦ったんだろう」

 シャルルというのは、第一夫人の息子だ。
 オーギュストがこれでもかと大切に育てている、跡取りである。フランソワーズの異母弟であるが、話したことはないどころか顔すら合わせない。
 
「レオナ……を?」
「そうだ。殺そうとしたんだ。はたして妹を溺愛している男が、そんな女の娘をどう思うか? 考えよ」
「そ、んな、ことって……!!」
 オーギュストは立ち上がると、絶句するフランソワーズを見下ろして「ふん」と襟を整えてから
「行かぬなら、ゲルルフとどこかへ出かけてはどうだ? ん? デートぐらいしてもバチはあたらんだろう」
 と言い放ち、応接室を出て行った。

 ゲルルフが、デートという単語に反応してそわそわしているその向かいで。

 
 ――フランソワーズは、ショックのあまり、気を失った。
 


-----------------------------


お読み頂き、ありがとうございました!
フランソワーズ、相当ショックだったと思います……
しおりを挟む
感想 44

あなたにおすすめの小説

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした 

結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

蕾令嬢は運命の相手に早く会いたくて待ち遠しくて、やや不貞腐れていました

しろねこ。
恋愛
ヴィオラは花も恥じらう16歳の乙女なのだが、外見は10歳で止まっている。 成長するきっかけは愛する人と共に、花の女神像の前に立ち、愛を誓う事。 妹のパメラはもう最愛の者を見つけて誓い合い、無事に成長して可憐な花の乙女になった。 一方ヴィオラはまだ相手の目処すら立っていない。 いや、昔告白を受け、その子と女神様の前で誓いを立てようとしたのだけれど……結果は残念な事に。 そうして少女の姿のまま大きくなり、ついたあだ名は『蕾令嬢』 このまま蕾のままの人生なのか、花が咲くのはいつの日になるのか。 早く大きくなりたいのだけど、王子様はまだですか? ハッピーエンドとご都合主義と両想い溺愛が大好きです(n*´ω`*n) カクヨムさんでも投稿中!

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!

珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。 3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。 高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。 これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!! 転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...