【本編完結】公爵令嬢は転生者で薔薇魔女ですが、普通に恋がしたいのです

卯崎瑛珠

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第三章 帝国留学と闇の里

〈149〉ガチンコ従軍キャンプです 中

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「……魔法、みたいですね」
 ヤンが、木に身を隠しながら言う。
「うむ、便利だな」
 マクシムの方は、あえて姿を現しての護衛、である。
 抑止力になればそれで良いし、それでも仕掛けてくるのなら容赦しない、という意味だ。
 
「それにしてもあのラマンは」
「……なんらかの魔道具、ですかね」
「気配を消す何か、か」
「狩りのためと言われると」
「……取り上げる名目にはならん」

 最悪は、ヨナターンに中止を打診するしかないか、と渋い顔で注視するマクシムを、別班の学生たちは
「すご……」
「怖っ」
 と畏怖の目で見ていた。
 それもそのはず。目が合った学生に、わざと殺気を放っているからだ。

「ヤン、決して気を抜くな」
「はい。いやーな予感しますね」
「ああ」

 じめりとした、森の中。
 さして多くはない人数が、狩りのためにバラけているわけだが――


「ミハル様は、なぜこの実習に?」
 レオナはこの機会を逃さず、彼を知りたいと思っている。粟立つような鳥肌が立っているのはきっと、木陰の涼しさのせいだ。

「なぜって、必修だからだよ」
「……左様ですか」
「まさか、僕が何か狙っているとか? くすくす」
「いいえ」
「ふふ」


 ――いつもこの人から感じるのは、なんなのだろう。


 レオナは、ミハルから向けられる得体の知れない何かが、怖い。
 
「ん、なんだありゃ」
 道を作りながら進んでいたディートヘルムが、立ち止まった。
「穴……か?」

 木々の向こう、岩肌にぽっかりと空いた洞窟のようなものが見える。
 
「……怖い」
 ペトラが、レオナの左腕にしがみついてきた。
 巨大だが、手前も奥も塗りつぶされているように真っ黒で、ここからでは全く中が見えない。
「薄気味悪いな」
 ディートヘルムは回避しようとしたが
「待って」
 ミハルが止める。
「ああ?」
「しっ、何か……聞こえる」

 ザワザワと風で鳴る葉の音。
 時折耳の近くを飛んでいく、虫の羽音。
 チチッと小さく鳴く、鳥。

 森の中で違和感のある音は――


 ……しゅー、しゅー……


「!」
「な、んだ……?」
 ほんの微かだが、空気が漏れるような音が、漂ってきた。
 

 ……しゅー、しゅー……


「ひっ」
 ペトラにも聞こえたようだ。
「離れましょう」
 レオナが即座に言う。が、
「待て」
 ミハルは動かない。
「ああん!?」
 ディートヘルムがイラつくと
「しっ!」
 とミハルは口に人差し指を当てて、眉を寄せた。


 ……けて!


「っ!」
 レオナが、ばっ、と洞窟を見ると、奥からか細く。


 ……けて!


「ディート!」
「ちっ、聞こえた。助けを呼んでやがる」
 ディートはすかさずマクシムにハンドサインを送った。
 
「どうしましたっ」

 すぐに駆け寄った中佐に対し、
「あの洞窟から人の声が聞こえたと思う。どうしたら良いか」
 冷静に判断を仰ぐディートヘルム。
「……ここでお待ちを」
 マクシムが、懐から何かを取り出して、シュ、と振ると、サーベルのような細い剣になった。左手には、ポケットから取り出した小さなライトのような物。
「見て来ます」

「うし、俺らは安全確保」
「ディート、すごいね」
 ペトラが意外そうな顔をしている。
「……一応、な」
 過去には、軍人としての訓練を、真面目にやっていたのかもしれない。

 ――パシュッ

「!」
 乾いた音がした、と思うや否や、ディートヘルムから鮮血が散った。
「ディートッ!」
 レオナが慌てて怪我を確かめると、
「ぐ、ってえ」
 左肩の外側が、深くえぐれている。
 急いで鞄から布を取り出し、ぐるぐる巻いていき、血を止めるために強く手で押さえる。
 ミハルがキョロキョロと周りを見渡すが、
「……誰もいない……」
 と呆然とするのみだ。

「伏せて」
 レオナが傷口を押さえながら言う。
「狙われているかもしれないわ」
「なんでよ!」
 ペトラが、真っ青な顔で叫ぶ。
「俺への恨み、かもなあ」
 脂汗を滴らせて、ディートヘルムが苦笑する。
「……しっ」
 また、ミハルが静かにするよう、人差し指を口に当てた。

 
 ――バシュウッ!

 ぎゃあ!

 たすけてっ!


「戦闘音と悲鳴っ!」
 レオナが咄嗟に言うが
「くそ、加勢も逃走もできん」
 ディートヘルムは傷が深い。血を止めなければならない。ペトラは、足が震えて動けない。
「周辺問題なし。とにかく、慌てず止血を!」
 呼ぶまでもなく、ヤンが姿を現した。索敵してくれたようで、みんなひとまず安心する。
「ヤン。三人をお願い」
「レオナ様!?」
 レオナは破邪の魔石のネックレスを外すと、ペトラに付けた。
「ペトラ。これお護り。貴方を守ってくれる」
「レオナ?」
「マクシムが危ないわ」
 すくっと立ち上がるや否や、走り出した。

「待っ! あー! 俺、絶対怒られるっ」
 ヤンが、頭を抱えてへたりこみ
「しゃーねえっ!」
 そしてすぐに立ち直って懐から出したハンドガンに、ポケットから出した矢弾を装填して、空へ撃った。
 黄色い煙を吐き出しながら、しゅるるるる、と上がっていくそれを見て
「……要救護者、か。情けねえ」
 ディートヘルムは、悪態をついた。
 

 洞窟近くにやってきたレオナは、異様な匂いに顔をしかめた。生臭く、鉄臭い。そして、凄惨な光景に、目を逸らしかけた。

 ――洞窟から顔を出した巨大な黒蛇が、大きく口を開けて睨んでいたのだ。
 マクシムが一人対峙し、学生を背に剣を構えているが、防戦一方。こめかみや二の腕からは血が流れ、動きも鈍い。

 レオナは咄嗟に、一般レベルの回復魔法を唱えた。念のため毒消しも。

「! いけませんレオナ様っ。ダークサーペントです! お逃げください!」
 気づいたマクシムが、対峙したまま叫ぶ。
 
 あろうことか、サーペントの最上位種だ。
 
 こんなところに生息しているとは、軍も思わなかったに違いない。
 その革は高級品だが、手練てだれの冒険者パーティでなんとか狩るぐらいの獲物だ。

 レオナは、さっと周りの状況を把握した。足を怪我している学生、手から流血している学生、マクシム。学生二人には回復魔法を施したものの、恐怖で動けない様子。
 ダークサーペントはマクシムを警戒しているが、背を向けた瞬間に、がぶり! だろう。

「サーペントは熱感知よ」
 テオから聞いた話を、思い出しながら言う。彼は、トール湖でサーペントに対峙したことがある、と言っていた。
「今からみっつ数えて、炎を出すわ。気がそれたら、みんな走って逃げて」
「レオナ様っ!」
「じゃないと、逃げられない」
「くっ」
 マクシムは、自分が背後に庇っている学生を背負って逃げる覚悟を決めた。もう一人の、手を怪我していた男子学生には
「合図したら走れ! 軍人の端くれだろう!」
 と発破をかける。
「……いくわよ!」
 レオナは、こういう時猶予を与えてはいけない、と強引にカウントを開始した。
 
「さん! にい! いち!」
 
 ぼわ! と出した火の玉を、即座に空中に放り投げると、思惑通りダークサーペントは、そちらに気を取られてくれた。
「今だ走れ!」
 マクシムの合図で学生が走り、もう一人は背負われて、サーペントの間合いから無事脱出した。
 

 ――シャアアアア


 レオナは、あえてサーペントの鼻っ面をかすめるように、炎の玉を動かして、気をそらし続ける。ガブリ、と噛み付こうとして、避けられて、追いかけて……だ。
 
「レオナ様っ」
 学生を置いたマクシムが、すぐに戻って来た。
 レオナは魔法を維持しつつ
「二人は大丈夫? あれの弱点と注意を教えて?」
 と、情報を集めつつ打開策を考える。
「大丈夫です。奴は炎が弱点です。毒霧と素早さに注意、それと……」
 マクシムは、一瞬言い淀んだ。
「呪いです」
 そして懐からヤンと同じようにハンドガンを出し、空に撃とうとしたが
「待って、撃たないで」
「なぜですか? 緊急信号です。ヨナターン様が気づいてくだされば」
「巨大魔獣を想定した装備は?」
「っ……残念ながら」
「犠牲が増えるだけだわ」

 ダークサーペントは、蛇と言いつつその胴は丸太十本分はあろうかという巨大さだ。その真っ赤な目で睨まれると、恐ろしさで足がすくんでしまう。

「あまり目を合わせてはいけません、呪われます」
「マクシムは、あれとの戦闘経験は」
「座学のみです」

 知識があるだけ、マシと思えた。

「まさか戦う気ですか!?」
「……」
 正直迷っていた。
 眠らせて逃げるか。
 魔法で戦うか。
 

 ――薔薇魔女の実力を知る、チャンスでもあるのよね……


「マーカムの女性は勇ましいね」
「ミハル様!?」
 マクシムが、驚いている。
「ディートは、止血してあのヤンという人が運んだよ。ペトラが付き添っている」
「何しに来たの?」
 レオナが振り返らず簡潔に問う。
「祈りに」


 ――本気?


「レオナ様っ!」
「レオナさん!」
 マリーとジンライだ。
 時間稼ぎには、成功できたようだ。
「ダークサーペント!」
「うわー! サーペントの十倍ぐらいあるっす!」
「目を合わせすぎると、呪われるわ!」
 レオナが注意を飛ばすと
「毒霧と、素早さに注意ですっ」
 マクシムもそれにならった。
「風上に行かないとっすね」
 ジンライが、頷きながらクロスボウを構える。
「手持ちの武器では倒しきれません」
 マリーが、冷静に言いつつ数秒考えたのち。
 
「作戦、言います。中佐、レオナ様の盾に」
「! 御意」
「ジンは、足止めと弱体」
「ういっす」
「レオナ様は――やりますか?」
「やるわ」
「……分かりました。私が囮に」
「マリー殿!?」
「時間がない」

 ダークサーペントが、イラついて尻尾を上げている。
 あれをガラガラと振り出したら、毒霧で近づけなくなる。

「マリー」
 レオナが、強化魔法を唱えると
「ふ。では」
 ナイフを二刀流で構えて、躊躇いなく走り出した。

「ジン、いくわよ! 思い切って!」
「了解っす!」
 ジンライの放った麻痺と足止めの魔法が、黒蛇の動きを鈍らせた。すかさずマリーがナイフで尾を狙う。蛇の魔獣の攻撃力は、主に牙と尾。ナイフで牙を削るのは至難、と判断してのことだろう。
 レオナは――

「覚悟、決めないとね……」
 すー、ふー、と深呼吸をした。
「よし」
 ラザールにもらった魔導書のうちの一つは、彼が得意な結界魔法。そっと栞が挟んであったそのページは『空間隔離』だった。

 恐らくダークサーペントを焼き尽くすほどの炎魔法を唱えたら、マリーが巻き添えを食らう――隔離しなければ。


 ――さすがラジ様、『薔薇魔女』を想定済ね!
 
 
 マクシムが、緊張感を走らせている。
 ミハルが背後で、ひざまずいた気配がした。

 

 ※ ※ ※


 
「……ひひっ」
 湧き上がる笑みで、彼は顔を歪める。
「死ね、死ね、死ね」


 君の血で、起きるよ。
 呪いの魔獣が。
 みんな死んだら、僕の祈りで鎮めてあげるね。
 そしたら君は、英雄になれる。


 身を隠す魔道具なんて、親父の書斎にいくらでもある。
 人の弱みを握るのが趣味だからな。
 ボレスラフなんか、娼館の女どもを嬉々として痛めつけるらしいぜ。特にディートヘルムの相手した女とか。
 究極のクズだよな!


「俺は、絶対、ああならない」
 ラマンは、ずっと、



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お読み頂き、ありがとうございました!
大ピンチです。明日どうなるか、続きをお楽しみに♡
 
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