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第二章 運命の出会いと砂漠の陰謀

【なろう累計15万pv達成記念話】魔術師団とお料理教室

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 いつも薔薇魔女をお読み頂き、ありがとうございます。
 なんと、なろう累計15万PVを達成致しました!
 本当に読んで下さる皆様のお陰です。
 ありがとうございます!m(_ _)m
 こちらはその記念書き下ろしです。
 もちろん飛ばして頂いても本編に影響はございません。
 これからも完結までコツコツと更新していきますので、
 引き続き応援宜しくお願い致します。



-----------------------------




 ローゼン公爵邸、レオナの私室。
 ベッドに入る前にメイドのマリーが持ってきてくれた、ラザール・アーレンツ王国魔術師団副師団長からの手紙には
「都合の良い時に、魔術師団本部で料理を教えて欲しい」
 と書かれていた。

 先日突然行うことになった、ブルザーク皇帝を招いた、ローゼン公爵邸での慰労会。
 レオナの手料理を所望されていたわけだが、準備時間は数時間しかなく、とてもレオナ一人では手が足りなかった。慌てて買い出しをしていたら、ラザールに王都の市場で偶然会い、急遽魔法での料理を手伝ってもらったのだ。
 もちろん誘いたかった彼を招くことがてきたのも嬉しかったが、王国最高位の魔術師と料理とはいえ魔法コラボできたことは、レオナにとって非常に良い経験となった。

「報酬は、後で請求する」

 ニヤリと笑っていた彼から、一体何を言われてしまうのだろう!? と少し怖かったレオナだが、料理教室ならとホッと安堵したのだった。

「うーん、でも料理と言っても、何を……?」

 寝る前のハーブティーを持ってきてくれたマリーに相談すると
「あそこの本部の食堂って、あんまり美味しくないんですよね」
 と教えてくれた。
「元は騎士団とか魔術師団で、怪我などで任務ができなくなった方々を再雇用している、いわば調理人ではない人達が作っていますから」
「なるほど、それは良いことだわ!」
 退役後の就職先としては、良い斡旋あっせんだと思うが
「でも美味しくないのって、ちょっと大変ね」
 食事は下手をすると士気に関わる。
「ええ。でもその代わり」
 マリーがイタズラっぽく笑う。
「元団員なので、魔力はありますよ」
「!!」
「副師団長も、その辺をお考えなのではと、勝手ながら」
「さすがマリーだわ!!」

 レオナは、いそいそと返事を書きながら、メニューを考え始め「遅くならないでくださいませ」とマリーに釘を刺されたものの、結局深夜まで考え続けてしまったのであった。

 

 ※ ※ ※



「おはよう、よく来てくれた」
「ごきげんよう、ラジ様」
「終わったか? 体調は大丈夫か?」
「……はい。お気遣いありがたく存じます。大丈夫ですわ」
「僕用事あるから付き添いはここまでだけどー。もし具合悪くなったりしたら無理せず……」
「かしこまりましたわ!」
「相変わらず過保護だな。さっさと行け」
「はいはーい。じゃあね、レオナ」
「ジョエル兄様、ありがたく存じます」
「……こちらこそだよ」
 
 ジョエルに頼んで、投獄されているアドワを極秘訪問したレオナ。フィリベルトやタウィーザと話をして決めたことを、万全の体制で実行することができた。あとはフィリベルト、タウィーザ、そしてヒューゴーに託すだけだ。
 
 その後マリーを伴って、魔術師団本部に案内されたわけだが、幹部が皆同じ部屋なのを見て驚いた。
「ああ、魔術師団は連携しなければならないからな。個室は師団長室と、あとは研究したい者だけが使っている」
「なるほど……」
「早速だが紹介しよう。ブリジットとトーマスは知っているな」
「ええ。いつも実習ではご指導賜り、ありがたく存じます」
「こちらこそですわ、レオナ様」
「わー! でもこんな近くでお話するの初めてで! お綺麗ですねー」
「まあ!」
「トーマス……」
 ブリジットの視線が絶対零度だ。多分背後のマリーも同じ目をしているだろう。背筋が若干寒い。
「はあ。離れろ」
「そんなあ! 副師団長ー!」
「んふふふ。大丈夫ですわよ、ラジ様」

 ハゲ筋肉に比べたら、多少のことには動じなくなるな、と思っていたのだが

「さすが薔薇の女神様!」
「めがみ?」
「トーマス!」

 ばん!

「あいたっ!」

 ブリジットが容赦なく、書類を挟んでいるバインダーのような木の板でトーマスの後頭部を叩くのには、驚いたのだった。

「はあ……すまない、レオナ嬢」
 くい、と眼鏡を人差し指で上げるラザールは、じろりとトーマスを睨む。
「不快なら、いつでも消すから、言ってくれ」


 ――ちょ! 物騒!


「僕、消されるんすか!?」
 あんまり同情心が湧かないのは、なぜだろう。
 
「で、あそこに座っているのが第一師団長のコリン、その向かいが第二師団長のブランドンだ」
 ブランドンは、確か魔力測定の時に会った。コリンは初対面。
「よろしくー」
 ひらり、と手を振るブランドンに対して、コリンはチラッと見ただけで、また手元の書面に視線を戻した。――人見知りさんかな? とレオナは気にしないようにした。
 
「第一副長がトーマス、第二副長がブリジットだから、一応魔術師団幹部全員に会ったことになる」
「かしこまりました。皆様、レオナ・ローゼンと申します。本日は、お邪魔させて頂きます」
「こちらが呼んだんだ。気を遣わなくて良い」
 と、ラザールが優しいので
「副師団長に、そんな思いやりがあっただなんて……」
 トーマスがまた失礼なことを言って、ブリジットにはたかれていた。


 
 ※ ※ ※


 
 「ここが、我らの食堂だ」
 騎士団と魔術師団が共通で使っている食堂は、木のテーブルと椅子が雑然と並べられている、大衆居酒屋のような雰囲気であった。


 ――なるほど大雑把!


 テーブルの上は、食器や武器や防具などで擦れるのだろう、傷だらけ。しかもその溝に食べこぼしや飲みこぼしが入り込んで……

「汚いでしょ? ここで食べる気には、ならないんですよね~」
 と溜息をつくのは、ブリジットである。
「確かに女性陣は、中庭のベンチや自分の机で食べる者が多いな。不味いからだと思っていたが」
「確かに、これでは……」
 食事処に大切なのは、味と清潔感だろう。
 
「一応トレイはあるのだが」
「急いで飲んだり食べたりで、使わない人がほとんどっすね」
「特に騎士達は、杯とお皿を直接持って、ドン! な感じね」
「なるほど……ラジ様、オリーブオイルの作り方は、覚えていらして?」
「ああ」
「ではすみませんが、トーマス様と大量に作って頂けますか? 材料は、食堂に届けるよう手筈は整えてありましたので」
「……分かった」
「ブリジット様は、私をお手伝い頂けますか?」
「ええ。でもレオナ様、その格好で何を?」

 レオナは、マリーに目で指示をする。
 マリーは、鞄からエプロンを取り出して、レオナの身につけた。
 念のため二枚持ってきて正解だったな、と思う。

「まずは、清潔感を!」
「は、はあ?」

 そして、杖を取り出し
「テーブルの表面を、薄く削ります」
 風魔法を唱える。
「このように」
 繊細な制御だが、ごま油の濾過ろかより簡単である。空気の刃で、表面をカンナのように削っていった。
「! 分かりましたわ!」
 ブリジットはさすが副長。見ただけで、同じように表面を削っていく。マリーには、その間椅子を拭いてもらうことにした。
 多少でこぼこになったところを調整しながら、さらに魔法を唱えていると
 
「わあ! なんだなんだ」
「魔法? なんで?」
 騎士団や魔術師団の人々が、やってきた。
 
「あ、ごめんなさい! 今ちょっと立ち入り禁止ですわ!」
 レオナが言うと
「は!? 薔薇の……」
「お、おおおおい、本物か!!」
「ちょ、俺も見たい!」
 みるみる野次馬が集まってきてしまった。

 調理場に引っ込んでいたラザールが、騒動に気づいて出てきて
「ほう? 邪魔するつもりか?」
 じろり、と見ると、またあっという間に退散していき、レオナはラザールの恐れられっぷりに笑ってしまった。

「レオナ嬢、これは……」
 床が木くずだらけだが、テーブルの表面はだいぶ綺麗になった。
「はい、お掃除お願い致しますわ」
「お、おう」
 ラザールは器用に風魔法で木くずを集めて、袋に入れる。まるで掃除機だな、とレオナは感心した。
 ちなみにブリジットとトーマスは「あのラザールに指示している!」と背後で戦慄していた。

「オリーブオイルは、いかがです?」
「結構できたぞ」
「では、少し分けてくださいませ」
 ごそごそとマリーがまた鞄から取り出したのは、ふきん。
「こちらに染み込ませて、テーブルを拭いていきます」
「え、オイルを、テーブルに?」
「ええ。油で、汚れを防ぐのです」
「はい……」
「それは手が荒れるだろう。おい!」
 ラザールが、調理場から調理人達を呼んだ。
「レオナ嬢の言う通りに」
「「「は、はいっ」」」
「まあ、皆様。ではお手数ですが、このように……」
 まずは、固く絞ったふきんで水拭き。
「おおすごい、綺麗になる!」
「新品みたいだ」
「すげえ!」
「ふふ。その後は乾かして……」

 火と風で、前世のドライヤーをイメージし、テーブルを乾かす。
 ブリジットが、目を丸くしていた。

「くく。相変わらず発想が面白い。その魔法は便利そうだな」
「ええ! きっと服や髪の毛も早く乾きます」
「それは良いな。訓練させよう」
「はい、是非! では乾いたら次に、オイルをすり込んでいきましょう」
 別のふきんにオリーブオイルを染み込ませて、拭いていく。
「!!」
「す、すごい」
「ぴかぴかだ」
「まあ! これなら!」
「ふふ、お食事できそうでしょうか?」

 そしてまた、ドライヤー。

「はい。綺麗になりましたわね!」
「「「……すごい」」」

 レオナからすると、自分で言うのもなんだが、魔法ってすごい、である。

「椅子も同じようにすると綺麗になりますが、後で時間を見つけて頂いてで……今日は、お料理教室ですから」
「「「はい!」」」
「くく。すっかり素直な生徒になったな」
 ラザールが、眉を下げる。
「うふふ。私、皆様のお好みなど知らないものですから、勝手に考えたものでもよろしくて?」
「「「はい!」」」
「揚げ鶏……」
「うふふ。ラジ様のご依頼は、ちゃーんと承っておりますわ」
「それは良かった」
「では、早速」
 レオナは、マリーに頼んで、エプロンを調理用に付け替える。
「騎士の皆様は、量が多くてお腹がいっぱいになりやすいもの。魔術師団の皆様は、片手で簡単に食べられるものと、甘いものを考えて来ましたわ」
 騎士は言わずもがなだが、魔術師達は常に魔導書や、書類を見ながら行動している者が多く、食事がおざなりになる、とラザールから聞いていた。
「そのためには、調味料も作れないといけません」
「調味料?」
 調理人の一人が、首を傾げる。
「はい。皆様は、切って焼くか煮て、出すだけでしたわね?」
 皆が、それが当然とばかりに顔を見合わせる、
「仕込みも、大事でしてよ!」

 バター、生クリーム、ごま油、オリーブオイル。
 出汁代わりに、鶏や獣の骨、野菜を煮立てたスープ。
 多少高価とはいえ、塩、胡椒、砂糖、ビネガーはあるのだから、それを活用しない手はないのだ。
 この世界には、残念ながら便利な顆粒かりゅうだしや、味噌や醤油、ケチャップやソースやマヨネーズは、ないのだから。

「おお……」
「すごい、これが、仕込み」
「はい。これらがあれば、味付けも自在ですわ」
「お腹減りましたー!」
 トーマスが、文字通りお腹を押さえている。
「ふふ! 試食しながら、作っていきましょう! 皆様、魔法は使えて?」
 全員頷いた。心強い! と始めようとすると。
 
「あ、あの」
 調理人の一人のうち、唯一の女性――キャサリンと言うらしい――が、恐る恐る申し出る。
「わ、わたしは魔法は使えますが、その足が」
 良く見ると、右足の膝から下が、ない。足の代わりに木の棒で、膝を支えている。
「まあ! 気づかずごめんなさい、立っているのは辛いですわね。どうぞ座ってらして? 座ったままでもできることは、たくさんありましてよ!」
「え、いいんですか?」
「もちろん! こちらの、マヨネーズの作り方をお教え致しますわね。ボウルに卵を割って、黄身だけ入れて頂けます? 黄身と白身を分けるんですの」
「わ、わた、わたし」
 彼女が突然泣き始めたので、レオナは戸惑う。
「どうしましたの? 私、何か気に触ることを……」
「違うんです! わたし、足がない女だって、何もさせてもらえなくて」
「!」
「でも、がんばりたいんです!」
「とっても素敵よ、キャサリン」
 
 レオナが、調理人達を振り返ると、全員が気まずそうにしている。
「ち、ちが! ただ、可哀想だなって!」
 調理人の一人が、叫ぶように言う。
「……そのお気持ちも、大事ですわね。でも」
 レオナは、す、と彼に近寄る。
「私にも、できることできないことが、ございます。それは皆様変わらないのでは? 人は皆、お互いを頼って生きている、と私は思うのです。ならば、分け合うことは、できるのではなくて?」
「分け合う……」
「ええ。貴方にできることは、貴方が。彼女ができることは、彼女が。例え思いやりでも……一方的なものは、辛くてよ」
「……そう……ですね……ごめん、キャサリン」
「うう、ごめんね。何もしないのが、わたし、辛くて」
「そうだよね……そうだ……」
「偉そうに、ごめんなさい。良かったら、今日からキャサリンは、調味料係になりましょう! たっぷり仕込みますわよ!」
「はいっ!」

 ラザールは微笑んでその光景を見守っていて、ブリジットは、そっと涙を拭った。
 トーマスは……

「お腹空いたし、感動したし、僕、僕ー!」

 号泣した。
 


 ※ ※ ※



 学院の、攻撃魔法実習終わりに。
「先日はありがとう。助かった」
 綺麗になった食堂が、薔薇の女神ことレオナが整えた結果だと知ると、途端に皆丁寧に使うようになったことは、あえて伝えないラザールである。
 
「いいえ! お役に立てたのでしたら、嬉しいですわ! でも、報酬にはならないのでは?」
「ふむ……じゃあ、留学後も定期的に焼き菓子を送ってくれるか?」
「まあ! それなら是非!」
「嬉しい」

 ラザールの優しい微笑み。
 最初は怜悧で神経質でとっつきにくそうな怖い人だったのにな、とレオナはおかしくなる。

「ジョエルが暴れて大変だぞ」

 屋内演習場から見送られながら、ラザールは深い息を吐く。

「ふふ。妹離れして頂かなくては、ですわね」
「うむ。私も寂しい。手紙をくれるか?」
「まあ! もちろんですわ!」
「はは、だが毎日書くはめになりそうだな。私には、気が向いた時で」
「ラジ様……」
「ん?」
「私、ラジ様のお陰で自信を持てるようになりましたわ」

 ラザールは、レオナの魔力を決して否定しなかった。
 そして、命懸けで、破邪の魔石を取りに行ってくれた。
 レオナにとって、まさに恩人である。

「自分が散々苦労したからな。少しはその苦労が分かったまでだ。――くれぐれも、解呪は使うな。それだけは、徹底しろ。良いな」
「はい!」
「よし。帰ってくるのを楽しみに待っている」
「今度こそ、お茶しましょうね!」
「……そうだな」


 ――二人で、と言うとまた面倒か……


 ラザールは、ぐ、と言葉を飲み込んだ。
「元気で」
「ラジ様も!」


 輝かしい魔力がレオナを覆っていて、ラザールはその眩しさに、目を細めるのであった。

 
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いよいよ次回、第三章の始まりです!
どうぞお楽しみに!!
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