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第二章 運命の出会いと砂漠の陰謀

〈100〉砂漠の王子33

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  ――ファンファーレが、鳴り響く。

 ザワついていた客席が静かになり、国王の挨拶が始まった。

「マーカム王国国王、ゴドフリーである!」

 悠々と両腕を広げ、マーカム国王は歓迎の意を表する。

「例年行ってきた騎士団公開演習だが、今年は周辺諸国との合同演習と相成った!」

 たっぷりと間を置いて客席を見やったあと、国王は続ける。

「ブルザーク帝国軍、ガルアダ傭兵部隊、アザリー・ナハラ部隊に対するは、我が第一騎士団、第二騎士団、魔術師団であるっ」

 ピィーッ! ピィ、ヒュイッ!
 客席から、口笛が鳴った。

「双方遠慮なくぶつかり合い、その実力を、遺憾いかん無く発揮せよ! 客席諸君も、しかと応援せよ! では、開幕っ!!」

 もう一度ファンファーレが鳴り響き、ぞろぞろと入場してきたのは、第二騎士団とガルアダ傭兵部隊だ。日頃から協力関係にあるため、どこか馴れ馴れしい雰囲気があり、それほど緊張感がない。

 レオナは、ブルザーク皇帝と共に高い席から演習場を見守っている。
 前回の復興祭交流試合よりも、王族の席に近い。
 ちらりと様子を窺うと、国王、王妃、第一王子とその婚約者ミレイユ・ガルアダ王女、エドガー第二王子、ピオジェ公爵夫妻とフランソワーズが座っている。

 宰相であるベルナルドは、かけられた嫌疑によって公開演習の指揮者を外され、今はオーギュスト・ピオジェが取り仕切っているそうだが……実際は経費を湯水のように使って、王国の財政をかなり圧迫している、とフィリベルトが苦笑いで言っていた。


 ――お父様、復帰するなり、吹雪かな


 思わず脳内で五七五を作ってしまったレオナである。
 
「ほう、これは素晴らしい障壁だな」
 ブルザーク皇帝ラドスラフが、客席と演習場を隔てる障壁を見ながら紅茶を楽しみ、その後ろではサシャがもりもり焼き菓子を頬張っていた。リスのように頬に詰め込んでいるが、大丈夫なのだろうか? と心配になる。
 
「お褒め頂きありがたく存じますわ! お兄様が、王国随一の魔道具師様と共同で開発したのです」
「……ブルザークに留学していたんだったな」
「ええ!」
「知っていれば歓待したんだが――余裕がなくてな」
 
 当時の帝国は、今よりももっと国政が不安定であったはずだ。
 
「とんでもございませんわ。受け入れて頂けただけで、感謝しておりますの。たくさんの技術を学べたと申しておりましたわ」
「そうか、それは嬉しいな」
 緩やかに微笑む皇帝は、艶のあるオーラを隠そうともせず、隙を見てはレオナの髪や頬や指先に触れてくるから困る。
 サシャが懸命にかばってはくれるのだが、その攻防すら楽しんでいるようだ。
「知識や学力は、見えない財産であるからな」
「! 私も、そう思いますわ!」
「ふむ……余もそなたの通う学院を見てみたい」
「へ!?」
 

 それこそ、大騒ぎになるんじゃないかしら……ゼルですらああなのに……
 

「くく。せっかくだ、打診してみよう」


 あ、面白がってるう~しーらないっ


「お、始まるか?」

 演習場中央には、騎士団長ゲルルフ。
 さすがに今日は自ら取り仕切るらしい。
 

「双方、向かいあって、構えぇい!」


 え、いきなり?

 
 思わず振り返ると、ラドスラフも苦笑している。
「情緒もなにもないな」
「ごごごゴリラですもんね。ゲルゴリラって影でよよ呼ばれてるらしいですよ」
「ぶふふふふ、確かにゴリラだ。ゲルゴリラとは! 面白いな、サシャ」


 ――サシャったらー。
 ありがと、言ってくれて!


「いつもはジョエル兄様なのですが」
「ぶふふ。これはこれで」
 完全に別の意味で楽しんでるな~とレオナは肩をすくめる。
 
 眼下では、第二師団長のウルリヒが、走り回って方々に指示を出し、陣形を整えている。
 本来であれば、それぞれの組織の紹介があり、部隊長や師団長の紹介、特色の説明があり、とせっかくの行事なのだから存分にアピールする場を設けるのが普通だが。
 ゴリラにそのセンスを求める方が、きっと間違っているのだろう、とレオナはヒューゴーを呼び寄せた。

「ラース様。せっかくですし私の侍従の方から補足をさせて頂けませんこと? ジョエル兄様の弟弟子ですの」
「うむ! それは良い考えだな、是非頼む――その所作、只者ではないと思っておった。弟弟子であったか! 侍従にはもったいないな。今日は特別に直接話すことを許すぞ」

 本来であれば、侍従は皇帝と直接話をすることなどできない。が、さすがの配慮であった。
 
「は。大変光栄に存じます、皇帝陛下。ヒューゴーと申します。恐縮ですが、傍らにてご説明を差し上げます」
「お、弟弟子……すすす素敵……ヤンチャさの中にしし忍ぶ繊細さ……ぐふふふ尊い……」
「くくく、サシャも気に入ったとは、僥倖ぎょうこう
「……は」

 困惑のヒューゴーは、気を取り直して解説を始めた。

「まずガルアダ傭兵部隊ですが、……」



 ※ ※ ※



 ガルアダ傭兵部隊と第二騎士団との演習は、引き分けで終わった。両方とも、魔獣に対する戦術には秀でていても、対人は難しかったようだ。
 戦力に優れた騎士や傭兵が点と点で闘い、それを囲んで見ているような、始終そんな様子だった。

「次は、我が帝国軍だな」
「はっ。マーカム王国魔術師団がお相手を」
「良い組み合わせだ。実に興味深い!」
「興味深い、のですの?」
「うむ。我が帝国軍は、魔力は少ないが、それを補う魔道具を武器防具として採用している。今日はさすがに殺傷能力の高いものは持っていないがな」
「機動力と攻撃力に秀で、指揮官の命令も良く伝達され、非常に強いとの評判です」
「アレクセイ……帝国軍陸軍大将なのだが、だいぶ張り切っておったぞ。対するは……」
「ラザール・アーレンツ魔術師団副師団長でございます」
 サシャがびくりとする。
「我が王国随一の魔法使いであり、戦略家です」


 ――あっ、またゲルゴリラめ! 突然始めようとしてるー


「はは、さすがに客席も戸惑っておるな。どれ」

 ラドスラフがおもむろに立ち上がり、演習場ギリギリに立った。
 サシャが慌てて、傍らに備えられている拡声の魔道具を起動する。

「皆の者! ブルザーク帝国皇帝、ラドスラフである!」

 おおおお!
 と客席が突如として盛り上がった。
 大きな拍手と歓声が湧き上がる。
 それに大きく手を振って応える、大国の皇帝。

「こたびの演習、大儀である。帝国軍は、魔道具を駆使した別名魔道部隊。マーカムの誇る魔術師たちとの対戦、期待しておるぞ! ラザール・アーレンツ副師団長!」

 ラザールが、応えて深く礼をする。

「アレクセイ・ツルハ帝国陸軍大将!」

 アレクセイもまた、気合いを入れた敬礼。
 
「全力を、見せいっ!」
「「おおーっ!」」

 盛り上がる会場と観客席。
 ゲルルフの声も埋もれるほどだ。
 

 ――わーい! こうじゃなくっちゃね!
 さすが皇帝陛下!
 

 ラドスラフがゲルルフに手で合図を送り、サシャは魔道具を切った。
「ふう、こんなものか」
「お疲れ様でございますわ」
「お、良いな、レオナに労ってもらえるのは」
「まあ! うふふ」


 始まった演習は、お互い気合い十分で、これぞ! というボルテージで進んでいった。
 
 アレクセイの率いる陸軍は、さすが動きに無駄がない。
 陣形を巧みに変え、魔術師団のスタミナが切れたところを確実に狙っていく。
 
 一方のラザールは、防御が無駄と見るや攻撃主体に切り替え、多種多様な属性の攻撃魔法をいくつもはなち、自身はその得意技である土属性最高位の『クラスィフィクション』を披露し、陸軍の機動をことのごとく潰していた。

 攻防は一進一退であったが、やがて魔力切れを起こした小隊から総崩れとなり、結果帝国軍の勝利となった。――最後は苦笑いのラザールと、ドヤ顔のアレクセイが握手を交わしていた。

「まままたいい気になるですよ……はあ……」
 どうやらサシャは、アレクセイが苦手なようだ。
 ラドスラフは、立ち上がって双方に拍手を贈り、たたえている。
「いや、さすがマーカムの誇る魔術師団だ。人のみであれほどの力を出せるとは、脅威であるぞ」
「……魔術師団に前衛は、向いておりませんから」
 ヒューゴーが謙遜しつつ、補足すると
「そうよな。騎士団と共に来られたらと思うと、恐ろしい」
 感嘆する皇帝に、レオナも気づく。
「そうですわね、必ず騎士団と一緒ですわ……」
「その通りだよレオナ。さすが切れ者の副師団長殿だな。うまく帝国に花を持たせてくれた」
 皇帝が満足げに頷くと、ヒューゴーもレオナに頷いてみせた。


 ――さすがラジ様、高度な接待をやってのけたのね……!

 
「見よ、観客を」
 マーカム王国民がほとんどだが、全員が両方に賛辞を送っている。
「これこそ、この演習で見たかったことよ。サシャ、副師団長に名誉勲章を用意せよ」
「はははい!」
「まあ! 大変嬉しゅう存じますわ!」
 レオナが喜んでみせると
「ん? 副師団長とも知り合いか?」
 ラドスラフがすぐに反応する。
「ええ! 学院で、攻撃魔法を教わっておりますの」
「ほほう。是非それも見学したいものだ」


 ――もうこれ、絶対視察に来る気だよねー


「では次ですが……最後の組み合わせですね」

 今は、魔法で荒れた演習場の砂地を整えるため、休憩時間となっている。次が恐らく、ゲルゴリラの待ち望んでいた、本番。
 
「アザリーのナハラ部隊とマーカム第一騎士団、です」
「ナハラ部隊とはな」
「……ええ、戦闘力特化の殺人部隊です。よく入国が許可されたと……あ、失礼を致しました」
 ヒューゴー、わざと口を滑らした風だな? とレオナが横目で見ると、しれっとしていた。
「ははは! よいよい。その通りだ。我が耳にもその評判は届いておる。さて、どう出るかな」
「タウィーザ様であればきっと」
「……レオナは本当に顔が広いな? タウィーザとも知り合いか?」
「え? ええ、その、学院のクラスメイトにアザリーの第九王子、ゼルヴァティウス殿下がおりますの」
「ほう? ――ん? 第九、だと?」

 ラドスラフが、険しい顔をする。

「それは誠か?」

 えっ、言っちゃいけなかった!?

「いやなに、シュルークの生まれ変わりと評判だったそうだが、幼い頃に殺されたと聞いていたから、驚いてな」
「は、はい。我が王国にて密かに保護を」
「なるほど、さてはベルナルドだな。そういうことが好きだからなぁ」


 ――好き? なのかな? でもなんか否定できない!


「是非会ってみたいぞ」
「はい、私で良ければ、後ほどご紹介させて頂きますわ」
「……うむ。あ、言い忘れておった、レオナ」
「はい?」
「タウィーザ殿と、塩胡椒貿易協定の話をした」
「へ!?」
「手紙で言っただろう?」


 言ったけど、ほんとにやっちゃうとは思ってないし!


「驚き……ましたわ!」
「嬉しいか?」
「嬉しゅうございます! お料理に、幅が出ます」
「うむ。レオナの手料理も、食べたいな」
「へ!?」
「ベルナルドに言うか……」
「はい!?」
「くくくく」


 なんか今日、ものすごーく好き勝手言ってない!?


「へへ陛下は、はは羽を伸ばしすぎです」
「良いではないか、サシャよ。ジョエルも誘おう」
「ぎょわ! ふぐぐぐぐ」


 ――あ、迷ってるね。うん。これは用意しないとだあ。


「そろそろ始まるようです」
 ヒューゴーが、現実に引き戻してくれた。

 演習場に入ってきたナハラ部隊は、二十名しかいない。
 全員が浅黒い肌で、屈強。
 だが、殺気は感じない。

「ん? ……様子が」
 皇帝は、すぐに気づいた。

 一見して、あからさまに、

「……残念ですが」
 ヒューゴーが苦しげに吐き出す。
「タウィーザ殿下への引継ぎがままならなかったと、お聞きしております」
「ふうむ」

 ラドスラフにも、ザウバアの件は内政に関わらない程度、つまり演習参加が困難になった、と情報が共有されている。

「ヒューゴーと言ったか」
「は」
「事実を申せ」

 ピリッ

 覇気が、ヒューゴーへ向けられる。
 ヒューゴーはそれを受け止め、レオナに目で是非を問う。
 
 それを受けてレオナは
「ラース様。私の侍従を、そういじめないでくださいませ」
 ニコリと、わざと貼り付けた顔で笑う。
「王国の恥を晒すのは、気が引けますわ」
「!」
 ラドスラフが、目をみはった。

 
「全ては」
 パタパタ、パタパタ。
 ゆっくり扇を開きながら、レオナはゲルルフを見下ろす。
「あれの一存でございます。ですが、私は友と共に」
 扇の中でラドスラフの耳に寄って……ささやく。


 ――あがいておりますのよ?
 
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