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第二章 運命の出会いと砂漠の陰謀

〈80〉砂漠の王子13

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  ――公開演習まであと六日。


「ゼル! おはよう!」
 場違いに明るく大きな声が、クラスルーム中に響いた。

 いつもは講義開始ギリギリ、もしくは多少遅刻してくる残念王子ことエドガーが、なぜかきらきらの笑顔でそこに立っていた。
「お、おぉ……おはようございます?」
 ゼルが面食らっている。
 それはそうだろう、今までこんなことはなかったのだから。
 後ろの席のシャルリーヌ、レオナ、ヒューゴーは三人揃ってぽかんとしてしまって、反応ができなかった。

「水臭いではないか! アザリーの王子だったのだな! 王子同士仲良くしよう!」


 ……は?

 は??

 今こいつ、なんつった!?


「……なんのことだ」
 ゼルから、地を這うような低い声が出る。
 クラスルームにはほとんどの学生がすでに登校しており、いつの間にか全員が、固唾かたずを飲んでそのやり取りを見守っていた。
「ん? 昨日王宮でそなたの兄のザウバア殿とお茶をしてな! 弟を宜しく頼むと言われたのだ!」

 えへん、と胸を張り両腰に手を添えて。
 どうだ偉いだろう、のあのポーズをするエドガーが、果てしなく幼稚に見えてしまう。
 
「俺は、ゼル・コンラートだ」
 ゼルが毅然と言うが
「だが、ザウバア殿が……ん? なぜ隠すのだ?」
 エドガーも引かない。

 

 なんで本人が否定しているのに分からないの!?
 ――あーダメ、イライラしちゃダメ!

 
 
「あの。殿下!」
 慌てたセリノがクラスルームに入って来た。
「なんだセリノ。呼んでいないぞ。外に控えておけ。近衛は中に入らない約束だ」
 焦った彼は、それでも歯を食いしばって何かに耐えている。恐らく任務と良心との狭間はざまで、もがいている。
「……」
「控えよ、と言ったぞ」
「……ですが……」
 セリノは懸命にゼルを助けようとして口を挟んだが、逆にまずかった。
「いいから下がれ!」
 エドガーが怒鳴り散らすと、レオナの中の何かがぷちん、と言った。
 

 ――あっ、ダメッ、キレそう……
 

 とその時。

「一体なんの騒ぎですか?」
 カミロが入室してきた。
 気づくと、講義開始時間が迫っていた。
「みなさん、時間ですよ。すぐに席に着いてください」
「むっ。ではゼル、また後でな!」
 さすがにエドガーは講義の邪魔をする気はないようだ。
 セリノはホッと息を吐いて一礼すると、廊下へ戻る。
 野次馬のように二人のやり取りを見ていた学生たちも、自席に着いていく。
 
「っ!……レオナ様ッ」
 ヒューゴーが小声で呼び掛けるが、レオナは溢れ出そうな魔力を制御するのに必死で、反応ができない。
 ゼルが
「レオナ。大丈夫だ。俺は大丈夫だぞ」
 そう言ってくれる声に合わせて、シャルリーヌが優しく肩を撫でてくれる。
 


 ――ああ助けるどころか、迷惑ばかりかけてる……

 
 ごめんなさい、私……


 やっぱり、薔薇魔女なのかも……アア、アアァ

 

 コツコツ、コツコツ。
 品の良い革靴が鳴らす足音もまた品が良いな、と少し現実から意識が乖離かいりしかけている頭で、辛うじてそう思ったレオナに
「レオナ嬢、具合が悪そうですね。大丈夫ですか?」
 柔らかく穏やかな声が、じんわり浸透する。
 カミロは教壇から、一番上段の端に位置するレオナの席まで、わざわざ上がって来てくれ『貧血ですかね? どこか痛むところは?』と声を掛けながら、そっとブラウスの上からペンダントトップのある辺りに人差し指を向け
「……発動」
 小声で確かにそう言った。
 

 ちりり。


 かすかに焼けるような痛みがして、レオナはハッと我に返る。
 目の焦点が、カミロの心配そうな顔に合い
「……カミロ先生?」
 とレオナが言うと
「うん。――ふぅ、良かった。もう大丈夫そうですね」
 微笑みが返ってきた。
 ヒューゴーも、詰めていた息をホッと吐き出し、肩の力を抜いた。
「少し休んだ方が良さそうですね。ヒューゴー君、お手数ですが休養室へ付き添いをお願いできますか?」
「承知致しました」

 断ろうと口を開きかけたレオナだが、カミロが自分の首元をそっと指さしたので、言葉を飲み込んだ。レオナのペンダントのことを意味している、と察したからだ。


 ――そういえば、発動、と仰ったわ……?


 目礼を返し、レオナは素直にヒューゴーのエスコートに従うことにして、クラスルームを出た。シャルリーヌの不安そうな顔を置いてけぼりにしたので、良心が傷んだ。急いで整えてなるべく早く戻らねば、と思いながらヒューゴーを見やると
「……とりあえず研究室に」
 短く言われた。

 また命を投げ出させることにならなくて良かった、と、レオナが速めに歩きながら誕生日パーティの時のことを思い返すと
「心配せずとも、もう無茶はしませんよ」


 ――え?


「だから、何考えてるか大体分かりますって」
 困ったようにヒューゴーは笑う。
「心を読めるの? お父様といい、お兄様といい、ヒューゴーといい、不思議だわ」
 ヒューゴーはそれには答えず、ポケットから鍵を取り出して研究室の扉を開けると、中へと手で促す。素直に従って入ると、ガチャり、と施錠してから
「っ……ぷはあー」
 突如うずくまった、専属侍従。
「ヒュー!?」
 レオナが驚いて呼ぶと
「あーすんません……すげー気ぃ張ってたんで」
 はあ、と彼はいわゆるヤンキー座りで頭をガシガシかいた。
「……ごめんなさい」
 レオナは申し訳なさで、謝るしかできない。
 
「いや、違うっすよ! 俺が! 俺が不甲斐ないんすよ……カミロ先生がそれ発動してくれて、助かりました」
「えっ、もしかしてこれって」
 レオナが首元に手をあてると
「そのペンダントには、フィリ様がカミロ先生と協力して、結界を入れてくれています。魔力暴走が起こっても大丈夫なようにってことで。だからレオナ様が魔力を込めて握らないと発動しないんす」
 と説明してくれた。
 そういえば、フィリベルトが破邪の魔石を付けてくれた時に言っていた。『魔力を込めて強く握って』と。
「そうだったのね……」
「はい。護る結界でもあります」
「お兄様……」
 レオナは、フィリベルトの寄り添う気持ちを感じて、切なくなる。


 ――いつだったか、私が暴走しても大丈夫なようにって、言ってくれていたわ……
 


「今まだ発動してます。気持ちが落ち着いたら、魔力をこめて握ってみてください」
「……ずっと発動させとくのはだめ?」
「ダメです。負担かかります」
 なにせドラゴンから獲た物なのだ。尋常ではない力が内包されているのかもしれない、とレオナは納得した。
「分かったわ」
「お茶淹れますね」
 ソファに座らせてくれた後で、堂々とズル休みですね、とヒューゴーが、なんでもないかのように笑う。

「ヒューゴーは、怖くないの? 私のこと」
「怖くないすよ」
 即答だった。
「でも、わた、わたくしは……薔薇魔女なの、きっと。みんなが言う通り、恐ろしいものだわ……最近ちょっとしたことでこんな、……怖いの。自分が、怖くて……」
 
 一度あふれ出たらもうダメだった。
 自分で自分の手のひらを、見つめる。
 ガタガタと震える。
 
「絶対にいつか誰かを……傷つけてしまう! わたくしはそれが恐ろしい。恐ろしくて……ああ」
 顔を両手で覆って。
 絶望から、起き上がれない。
 
「……レオナ」
 ヒューゴーは、お茶を用意する手を止めて、躊躇ためらう。

 ――だが、すぐに意を決して。



 レオナを真正面からぎゅうっと抱き締めた。

 

「ヒュー!?」
「怖くねえっ!」
 
 ぐっ、と力がこもって。
 ヒューゴーの叫びが、レオナの魂を殴りつける。
 

「怖くねえよ! 俺の……大事な人だ!」
「ヒューゴー……」
「薔薇魔女って誰だよ! レオナはレオナだろう!」
 

 ああ。なんて、――温かい。

 
「昔も! 今も! ずっと、俺の大事な人だ!」
「ヒューゴー」
「くそ、俺が……ちゃんとまもるから、次は絶対! 絶対誰にも何もさせねえから!」


 
 ああ。そうだ。
 フィリベルトの側にいながらと、一番自分を責めていたのはヒューゴーだった。

 
 ――私はまた自分のことばかり。主人失格ね。


「ごめんね……」
「謝るな!」
「ふふ、怒られちゃった」
 レオナは、ヒューゴーのおでこに自分のおでこをコツンとくっつける。小さな頃、喧嘩した後で、仲直りする時によくやってくれた、兄妹の儀式。
「弱い主人ね」
「……その魔力で傲慢ごうまんだったら、それこそ国が滅ぶだろ。だから、そのままで良いんだ」
「私のままで……」
「そうだ。つうか今まで我慢しすぎ」
 ぴん、とおでこを軽く弾かれる。
「いたっ!」
「たまには爆発したっていいじゃねえか。人間なんだし」

 ヒューゴーが公爵家に来たばかりの頃は、よくくだらないことを言い合って何度も喧嘩した。フィリベルトも加わって、三人で大暴れして、花壇を壊したり花瓶を割ったりして、ルーカスに怒られて。
 いつの間にか『公爵令嬢たるもの』に縛られていたのは、自分自身だったのか。

「あの残念王子について、ちゃんと話そうぜ。どうするか。多分講義終わったら……」
 すっかり昔の『兄貴』の口調な侍従の態度が嬉しくて、レオナの気持ちも少しずつ落ち着いてきた。

 コンコン
「ゼルだ。いるか?」

 ほらな、とヒューゴーは表情で言う。

「おう」
 即座にレオナから離れ、立ち上がって研究室の扉を開けて迎えると、そこにはしかめっ面のゼルが立っていた。
「はー、やれやれだ」
 どかり、とレオナの横に無遠慮に腰を下ろす。
「早くねえか?」
「……あいつに捕まったら面倒だからな。早めに抜け出してきた」
「なるほどな」
 あいつ、とは言わずもがなエドガーのことだろう。
「仲良くしてたから、てっきりとっくに打ち明けてるんだと思ってたぜ?」
 お茶の準備を再開しながら、ヒューゴーが意地悪な口調で言う。先程までのシリアスさはどこへやら、だ。
 
「あれはな……」
 ティーカップを受け取りながら
「ユリエという女がいるだろう? あれが何故か俺の出自しゅつじを知っていたんだ」
 爆弾を落とすゼル。
「「は?」」
「エドガーも含めて決して誰にも言うな、と口止めはしていたんだが、その代わりに、レオナをエドガーに近づけさせるなと」
「まてまてまてまて」
 ヒューゴーが慌てる。
「なんだ?」
「初耳だぞ!?」
「……お?」
 なんだ、てっきり話したと思い込んでいた、と独りごちるゼルに、なぜか寒気がしてきたレオナである。

 ここにきて、ユリエ。
 なぜか不気味に思えた。

「エドガーと結婚するために頑張っている、と言っていたから、レオナにその気はないぞと言ったが、どうやら信じていないようでな。それで大袈裟な態度をしたことも……」


 ――レオナに向けられるあの謎の敵意はなんなのか。
 憎悪とも言える。


「ま、まあそれはおいおい対処するとして、今は置いといてだな……問題はあの暴露だ! ったくあの馬鹿が!」
 ヒューゴーが向かいに腰掛けながら話を本筋に戻す。
 ゼルが紅茶をずず、と飲んで
「やられたな」
 まるで他人事のように言う。
「ゼル?」
 レオナが心配して彼の二の腕に手を添えると、ゼルはカップを置いてからそれに自身の手を重ね
「まあ、王国に報告した時点で覚悟はしていたさ」
 とレオナを見つめて苦笑う。
「ほんと?」
「ああ。ずっと逃げ回るわけにもいかんだろう。いずれはこうなると……レオナ」
「なあに?」
「……辛くないか? 何らかの波動を感じる」


 
 は!
 結界止めるの忘れてた!


 
 ヒューゴーも気がついて、額に手を当てる。
 あちゃー、のそれだ。
 
「ごごごめんなさい!」

 慌ててブラウスの上からペンダントトップを握ってみる。
 ――ちりり、とまた微かに熱を感じて。
 その後、ずしん、と身体が重くなった。

「!?」
 自身を支えきれず、咄嗟にゼルに寄りかかってしまったレオナを、
「おお、大丈夫か?」
 とすかさず腰を抱き寄せ、頭を肩に乗せる格好にして支えてくれる。
 傍から見たら完全にイチャイチャカップルだな、とレオナはなんだか恥ずかしくなった。だが、だるくて全く動けなかった。
「ごめんなさい、ゼル。ちょっと動けなくて」
 
 ――作動させたままなど、絶対に無理だと悟った。それぐらい強力な結界なのだ、と安心もできたが。
 
「良いぞ、いくらでも」
「……うおい、こら」
「妬くな妬くな」
 ヒューゴーの額にみるみる青筋が浮かんでくる。
「妬いてねえ。腰を抱くな。触んな」
「仕方がないだろう?」
「……ぐ」
「それよりだな、否定はしたものの焼け石に水だったからな。騒ぎになるかもしれん」

 それはそうだろう。
 なにせ、他国のとはいえ、王子だ。

「セリノの態度を見るに、近衛への情報伝達は済んでいるようだな」
 ゼルが言うと、ヒューゴーが気持ちを切り替えて真剣な顔で問う。
「ああ。既に通達されたと聞いた。ザウバアは一体何がしたいんだ?」
「……嫌がらせと炙り出しだな」
「あぶりだし?」
 レオナは、未だだるさが抜けず思考もにぶい。
「アザリーは一枚岩ではなさそうだと言ったろう?」
「つまり、ザウバアの手の者が既に学院に潜入しているが、他の勢力も入っている。それを、ゼルを標的にして明らかにしようとしているわけだな?」
「さすが番犬」
「てめえ」
「……気が重い」
 ゼルは、ふー、と深く息を吐く。
「俺はもうアザリーとは無関係と思っていたが、向こうが関わってくる以上、やはりアザリーの人間なんだと痛感する」

 ゼルは、自身が王子なのだと思ったことは一度もない。
 母や周りの人々を死に追いやった呪われた身だと思っていた。
 ただ、自由に生きて欲しいと願った母の言葉に従っているだけで。

「受け入れる」
 毅然と、ゼルは言う。
「向こうが陰謀を巡らせるなら、俺は正攻法がいい」
「だろうと思ったし、お前みたいな単細胞にはいくら作戦立てても無駄だしな。それがいい」
 ヒューゴーがしかめっ面で腕を組んで言う。完全に仕返しである。
「おいこら」
「ふふ、仲良し」
 思わずレオナが笑うと、二人ともとても優しい顔をした。
「「仲良くはない」」
「ふふ」
 レオナが身体を起こそうとすると、ゼルにぐっと力を込められ、はばまれた。
「?」
「レオナ、頼みがある」
 真剣な声が、頭上からとんでもないセリフとともに降ってきた。

「……婚約者になってくれ」
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