森の中で偶然魔剣を拾いました。

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92話 アリアの説明

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「本当に申し訳ございません……」

 しょんぼりと、萎れた花のように落ち込む少女と魔装機。

「全くだ……殺し合いを目的とした決闘をしてたわけじゃないんだ、もう少し限度ってものを考えてくれ……」

 そんな彼女を見て一瞬の罪悪感を覚えるが、よく考えなくてもそんな必要はナシ。ここはしっかり言わせてもらう。

 突如始まった決闘はご覧の通り、アリアの勝利で終わった。

 現在、500m程の距離を宙に舞っていたレイボルトを回収して回復中。

「気にしないでくれ、さっきの一発は本当に死ねると思った」

 青く生い茂る草原のど真ん中に寝かされて、剣聖は微笑みながら応える。

「お前は少し静かにしろ自殺志願者」

 呑気に笑っている剣聖を睨む。

「とりあえず終わったよレイル。もう少ししたら体を動かせるようになるだろう」

 レイボルトの回復を終えた精霊がそう言ってこちらによって来る。

「そうか、わかった。ありがとうなリュミール」

「ふふーんっ! もっと感謝してくれても構わないんだよ?」

 久しぶりの出番が嬉しかったのかリュミールは金糸雀色の髪を揺らしながらドヤ顔でこちらを見てくる。

 無い胸を張ってあからさまに調子に乗る精霊にうぜぇ……とまでは言わないが微妙に腹が立つ。こいつを調子に乗らせて良かったことが今までない。

「あーはいはい。本当にすごいすごい、リュミールちゃんはすごいでちゅね~」

 なのでこれ以上調子に乗らないように適当にあしらう。

「やる気ないな!? そしてすごく馬鹿にされた気分だ!!」

「……」

「なにか言いたまえ!!?」

 俺の反応が気に入らなかったのかリュミールはブーブーと不満を騒ぐが無視する。

 そんなことよりも今はもっと突っ込むべきことが多すぎる。

「さて、自殺志願者のレイボルトアホも減らず口を聞けるようになった事だし。色々と確認しようか」

「アホとは酷い良いようだねレイル……」

 勇者と剣聖の両者を見遣り、水を向けると片方のアリアが沈んでいた気を取り直し頷く。

「そうね。とりあえずレイボルト、貴方は私に負けた。それはいいわね?」

「確認の必要あるかなそれ? 完璧なぐらいに僕はキミに負けたよ。本当に僕は弱い……」

「貴方が『弱い』『これ以上強くなれない』の話は今はどうでもいいわ。それを今ここで正そうとかしたところで全部平行線になるのは目に見えているし、時間の無駄だから」

 自身の言葉に素直に頷いたレイボルトを見てアリアはバッサリとそれ以降の言葉を切り捨てる。

「約束通り、貴方は私たちの手伝いをしてもらうわ、いいわね?」

「……敗者は頷くだけさ。僕の力がキミたちの役に立つとは思えないけど、手伝わせてもらうよ」

「──」

 レイボルトの自虐的な言葉が気に入らないのかアリアはとても不機嫌に綺麗な眉宇を歪める。

「──本当に貴方って人はどうして…………いいわ、その腐った根性に自分がもっと強くなれるって事をこの旅の中で教えてあげる」

 続けて頭痛に苦しむように勇者は眉間を抑える。

「ふう、これで一段落だな」

 紆余曲折はあったものの無事(?)に目的のレイボルトを仲間にできた。

 本当に色々あった。あの自己中で協調性が皆無だと思っていた剣聖がいつの間にか自殺志願者になってるし、先程のアリアのこともそうだ。

 まだマーディアルに来て日は浅いと言うのに、もう既に数ヶ月くらいここに滞在している気分だ。

「そうね! それじゃあ、宿に戻って色々と準備を──「はい少し待とうね?」

 涼し気な顔で話を切り上げ、マーディアルに戻ろうとするアリアの首根っこを掴み、彼女の歩みを強制的に止める。

「うっ……何するのよレイル、びっくりしたじゃない」

 勇者は瞳に抗議の色を宿し「なんですか?」とこちらを見てくる。

「いや、びっくりしたのはこっちだよ。なにシレッと帰ろうとしてるの? 話はまだ終わってないけど?」

 が、こちらとしては白々しいにも程がある。

「な、なによさっきレイル『一段落だな』って言ったじゃない……」

「ああ、言ったよ。でもそれは。俺たちはまだ聞きたいことがあるんだ」

「そ、そんなにかしこまってどうしたの?」

 親に叱られるのを怖がる幼子のようにアリアは目を泳がせる。

 目の前の勇者は何をそんなに怖がっているのか?
 俺の脳裏に複数の疑問符が浮び上がる。

「はあ……何をそんなに怖がっているのか知らんが、別に今から叱ろうって訳じゃ無い。ただ、今まで確認してこなかったことを聞きたいだけだよ」

 大きなため息をついて、何かに怯える少女を落ち着かせる。

「え、そうなの?」

 俺の発言が意外だったのか勇者は目をまん丸にする。

「そうだよ。逆にいきなりそんな反応されると何か後ろめたいことがあるのか勘ぐりたくなってきた」

 眉を顰め、わざとらしく訝し気にアリアの瞳を覗き込む。

「私はてっきりみんなにギガルドと魔法の事を共有しなかったことを怒られるのだとばっかり……」

 アリアは俺の視線に気まずそうに顔を俯かせて目を逸らし、指同士を突き合わせる。
 ここだけ見るとただの子供みたいだな……。

「実際聞きたいことはその事なんだけど別に怒りはしないよ。そりゃあ言ってくれた方がこんなに驚かずに話を聞くこともなかったけど、今まで確認を取らなかった俺たちも悪い」

「れ、レイル………」

 俺の言葉にアリアは瞳に目一杯の雫を溜め込んで、今にも溢れだしそうだった。

「な、なんで泣きそうになってるんだよ!? もう一回言うけど別に怒ってないからな?」

 そんな彼女を見て、理由はどうあれ女子を泣かせそうになっていることに罪悪感が襲いかかってくる。

「だって……私、今まで仲間のあなた達に戦闘で重要なギガルドと魔法の事を黙っていたのよ? このことで皆を危険な目に合わせたかもしれないのに私、今までみんなに……」

「それは聞かなかった俺たちにも問題があるって言っただろ?俺達は互いに慢心していたんだ。凄まじい力を持つ魔装機使いがこれだけ集まればどんな非常事態が起きようと対処出来る。そんな慢心が全員にあった。だから特に戦闘や魔法に関する事を大した確認もせずここまで来てしまった。だからそんなに一人だけ悪く言うな」

 確実に慢心と言うものはどこかにあった。

 だから今回このような『今更な確認』が起こっている。
 それは誰か一人を責める、責任があるものではなく全員の問題だ。

「何度も言うが俺たちは怒っていない。そうだよな?」

「もちろん!」

「もちろんです!」

「うん!」

 俺の問いかけにローグ、マキア、ラミアは力強く頷く。

「な? みんな気にしてない。だからこれ以上『自分だけが悪い』みたいな顔するな。これは『みんなが悪い』。違うか?」

「レイル……みんな……ありがとう……!」

 そこでついにアリアは目尻に溜まった雫をゆっくりと頬に伝わせる。

 隠し事の一つや二つ、誰にだってあると言うに本当に彼女──アリア=インディデントと言う少女にとっては許し難い事だったのだろう。

 なんとも真面目というか……いや、これはもう超の付くバカ真面目さだ。

 アリアは優しい手つきで自身の目元から流れる雫を拭う。

「……ごめんなさい。ギガルドと魔法のことだったわよね」

「ああ。聞かせてもらえるか?」

「ええ、もちろんよ」

「それじゃあまずはギガルドの事を詳しく聞かせてくれ」

 そうして彼女の迷いの無くなった瞳を見て俺は質問をする。

 先程のレイボルトとの決闘の中、アリアはこう言っていた。
「悪魔の魔力が籠った魔石でなくて精霊の入った精霊石で作られた魔装機」それがギガルドだと。

 それはつまりギガルドは元々アリアと契約していた精霊と言うことだ。

「そうねまずはその方がいいかしら──」

 アリアは頷き言葉を続ける。

「──ギガルドは元々私と契約していた精霊で、出会ったのは私が十歳の頃だった」

 ……随分と前だ。

「『勇者』の天職はかなり特殊で、成人の儀で天職を授かる人より少し前に天職を神様から『勇者の転職』を直接授かるの。天啓って言うんだけど……その天啓は個人差はあれど必ず十歳までには来るようで、天啓を受けた人間はその証に右手の甲に勇者の痣が刻まれるの」

 右手の甲を前に出して『勇者の痣』とやらをアリアは見せてくれる。

 龍の顔のように見える雄々しい光の紋章がアリアの右甲に刻まれている。
 何となく痣があるのは知っていたがこうしてゆっくり、マジマジとソレを見ることは無かった。

「その痣が発現すると私はすぐに故郷の村から離れて、聖教教会の本拠地があるラルクネル帝国に保護された」

 ラルクネル帝国に聖教教会。

 マーディアル王国からみて北、馬車で三週間ほどの場所にラルクネル帝国はある。一年中白い雪が降る降雪地帯に位置することから別名『白銀帝国』なんて呼ばれ方もしている。

 聖教教会はパールメル大陸にある全教会の本元。神を信じ、崇拝することにより安寧の日々が送れることを信じる。

 その主な役割は大陸全土の教会を管轄、管理し神を崇拝することだが、いつ何処で現れるとも知れない神に愛された人間『勇者』をいち早く見つけ保護し、来たる災悪の時まで勇者の手助けをすることも役割の一つにある。

「教会で私は代々勇者が受け継いできた『インディデント』の姓と魔法剣を授かると、勇者として必要な教養、強さを叩き込まれた。その一環で教会が保有している代々勇者と契約してきたギガルドと契約をしたの」

 その時の事を思い出し、懐かしそうに勇者は瞼を閉じる。

「そして私は1年前──16歳の時に教会を出て旅を始めた、厄災と戦うために。最初の数ヶ月はわけも分からず色んな場所を旅したわ。だっていきなり「災悪から世界を守るのだ!」とか言われて旅に出されても何をしていいか分かるはずないじゃない?だって世界はとても平和だったんですもの」

 次は教会の人達を思い出しているのか、不機嫌そうに少し頬を膨らませる。

「でも旅をしていくうちにどうして教会の皆が「旅に出ろ」って言ったのか何となく分かってきたの。平和な世界を見ていく中で小さな違和感や歪みをどんどん覚えていった。魔物の活発化や不可解な事件、続く旅の中でそんな異変がどんどん重なっていった。厄災はすぐそこまで来ていたの」

 そう語るアリアの瞳は悲しそうに揺らぐ。

「それを一番感じたのはリヴァイアサンと戦った時」

「リヴァイアサン!?」

 彼女の口から放たれた魔物の名前に思わず声が荒くなる。

 神獣リヴァイアサン。
 神獣ベヒーモスと対となる神話級の魔物の一体。ベヒーモスが『大地』の神獣と言われ、その対となるリヴァイアサンは『大海』の神獣と言われている。

 書物などの言い伝えによるとその姿形は水中の中を速く、自由に動く為に鰓や尾鰭を引き締まった蛇のように長い躯体にヒラつかせた水龍だったと言われている。

 神の使いである神獣は全部で三体いて、ベヒーモス、リヴァイアサンともう一体シズと言う『大空』の神獣がいるがここでこ説明は省こう。

「神獣のリヴァイアサンと戦ったことがあるのか?一体どこで?」

 自身の聞き間違いではないか、確認のためもう一度聞く。

「そう言ったじゃない……4ヶ月前にリーベルト公国にある港街スイレンで戦ったの」

 リーベルト公国。
 ラルクネル帝国から西の方にある国だ。その港街スイレンはパールメル大陸最大の港街と呼ばれる水の街。

 そんな所でリヴァイアサンが悪さしているという話は初耳だ。

「最近のことだったし結構有名な話だと思うんだけど……知らなかったの相棒?」

 考えが顔に出ていたのか、ローグ達は不思議そうに俺の顔を覗き込む。

「え、ローグ達は知ってたのか?」

「勿論だよ。「大陸最大の港街が壊滅の危機だ!」って色んなところで騒いでいたからね」

「……」

 いや、ちょっと待て。4ヶ月前と言えば俺はちょうどアニスを治すために魔界領に行っていて、学園を離れていた。旅の道中、そういった情報を手に入れる手段なんてなかったし、俺がこの話を知らないのは仕方がないのでは?

 ……うん、いや、これは仕方ない。あの時は俺も必死だったし周りのことなんて気にする暇もなかったし、うん、ほんとに、ショウガナイ。

 自分の無知さを無理やりにそう言い聞かせて誤魔化す。

「えーと……元々神に仕える神獣のリヴァイアサンは魔王レギルギアに汚らわしい魔物の姿に変えられてスイレン付近の海域で暴れていたの。私はリヴァイアサンと戦って、元の神獣の姿に戻してあげて、その時にリヴァイアサンと直接話す機会があって「魔界領に行ってみるといい」ってリヴァイアサンに言われたの」

 俺が自問自答しているのを横目にアリアは話を続ける。

「そしてリヴァイアサンを倒した後、私は直ぐに復活しようとしている魔王がいるはずの魔界領に魔道具を使って向かったの。それが一ヶ月前の話」

 一ヶ月週間前ということはちょうど俺と入れ替わりでアリアは魔界領に行ったのか。初めて病院で会って話をした時に軽くそこら辺の話を聞いてはいたがまさかここまで最近の話だとは思わなかった。

 そこからの話は単純だった。

 魔界領には新しい魔王として復活しようとしている魔王レギルギアはいなく、代わりにアリアは魔装機の生みの親である魔王ヤジマと出会い、意気投合。リヴァイアサンとの戦いで疲弊していたアリアを心配したヤジマさんは彼女に魔装機を作ってあげた。しかもその魔装機の核となるのがギガルドという条件で。

 アリアとギガルドは快く、寧ろお願いしますと言わんばかりにその条件を呑み、ギガルドは無事に魔装機になったということだ。

 その時、ヤジマさんあの悪魔はとても嬉しそうだったに違いない。

「そしてギガルドが魔装機になった事で私は前よりも身体能力や魔力量が飛躍的に上昇して私の魔力にも変化が起きたの」

「変化?」

 続けて本命の魔法の説明をするアリアにマキアが首を傾げる。

「うん。私の魔法適正は炎でね、ギガルドと精霊の契約を結んでいた頃は炎と光の魔法を使えていたんだけど、ギガルドが魔装機になった事でどういう理屈かは分からないんだけど今まで二つ使えていた属性魔法が一つしか使えなくなったの。しかもその属性は私が知らない……いいえ、世界でも初めての属性だった」

 魔装機は使用者の天職を変化させたり、身体能力、魔力の上昇が起きるのは知っている。しかし属性の変化と言うのは初めてだ。

「まるで私の炎とギガルドの光が混ざり合った二重魔法に近い熱を持った光……私はこの新たに生まれた属性を『陽光』と呼ぶことにしたの」

「熱を持った光……それで氷をとかせたのか……」

 ずっと気になっていたことがここで分かる。どうしてアリアはレイボルトの氷を溶かすことができたのかと。

 普通の光魔法ではアリアのように氷を溶かすことは不可能なのだ。
 どういうことかと言うと、光魔法には物質の概念はあっても、温度の概念は存在しない。光魔法は光の壁や光の剣を生み出すことが出来ても、熱光線を生み出すことは出来ないのだ。痛みを知覚する上で熱い、冷たいといったものほどわかりやすい痛覚は無い。ただの物理攻撃よりもよっぽど効果があるのは当然の事。それが普通の光魔法には存在しない。

 しかし、アリアが今言った熱を持った光、『陽光』には温度、主に熱が存在する。炎と光の融合。言い得て妙だ。
 誰もが光は暖かいものだと言う認識がある。それは主に太陽が原因なのだろう、アリアの魔法『陽光』はその太陽を表したかのような魔法だ。

 そんな事を考えていると、アリアは光魔法の詳しい概要を理解していないローグ達に分かりやすく光魔法……自身の魔法の説明を終えて一息ついていた。

「なるほど! 何となくわかった!!」

「難しい……」

「興味深いですね」

 それを聞いていたローグ、ラミア、マキアの面々は各々そんな感想を漏らす。

「えっと、私から言えることはこれで全部だけど最後に改めて。ごめんなさい」

 全部話終わったあとでもアリアはまだ黙っていたことを気にしていたようでそう言うと深く頭を下げる。

「だから謝るなって、『みんなが悪い』そう言ったじゃないか」

「そ、そうなんだけど。どうしても謝らないと私の気が収まらなくて……」

 俺の言葉にアリアは歯切りの悪い返事をする。

 どこまでも真面目な勇者様だ。

「じゃあごめんなさいは本当にこれで最後だ、この話に関する謝罪は今後一切必要ナシ。いいな?」

「ええ。ありがとう」

「それと。こっちこそごめんなさい」

 みんな悪いのならばこちらも再び謝らなければいけない。

 微笑む彼女に習って俺も頭を下げてこの話に区切りをつける。

「さて、思いのほか話し込んじゃったな。このままレイボルトをだだ広い草原に放置しておくのも申し訳ないし、そろそろおしどり亭に戻ろう」

「そうね、そうしましょうか」

 そうして俺たちは今度こそ話に区切りをつけて、未だ動くことの出来ない剣聖を抱えて宿へと足を向けた。
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