森の中で偶然魔剣を拾いました。

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88話 剣聖は目覚める

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 少年はそこで目を覚ます。

「………」

 酷く懐かしく、思い出したくもない嫌な記憶。
 身体は大量の脂汗をかいており、目覚めの悪さと同時に不快感が募る。

「どこだ……ここ?」

 戦闘中に気を失い、次に目を開けた瞬間は見知らぬ部屋のベットの上。
 そういった経験は少年には初めてのことで彼は一瞬自分がどういう訳でこうなったのか、状況を理解することが出来ない。

「お目覚めになられたのですねマスター!」

 少年が困惑の色で表情を曇らせているとすぐ横で椅子に座っていた少女が少年が目覚めたことに気づき声を掛ける。

「……ああエリス、とりあえずおはよう……でいいのかな?」

 聞きなれた声と見慣れた綺麗な顔が視界に入ったことで少年は安堵し、少しづつ冷静さを取り戻し思考が働き始める。

「マスター……申し訳ございません、エリスが不甲斐ないばかりに……」

「───そうか、僕は負けたんだねエリス」

 彼女の今にも泣き出しそうな表情と再び働き出した思考のおかけでどうして自分がベットの上で寝ているのか、先程の悪魔との戦闘でどうなったのかを少年は理解していく。

 あの時から。
 とある日、とある誓いを立ててから少年は誰かから負ける……敗北と言うものを味わったことはなかった。

「負けたのか……」

 もう一度噛み締めるように呟く。
 少年は自分が誰かに敗北した時はもっと敗北を否定して、取り乱すものだろうと思っていた。

 しかし、実際に起きてみると納得までとは言わないが自分が負けたことを少年は冷静に認識して、落ち着いてた。

「マスター……申しわけ……ございません……」

 少年の言葉に少女はついに泣き出してしまう。

「───泣かないでくれエリス……」

 少女の涙を見て少年は脳裏にあの記憶が再び焼き付く。
 同時に彼女の泣いている姿がどうしようもなく嫌で、彼女に初めて向けるとても優しい声音でそう言う。

「……っ! はい、分かりましたマスター……」

 その言葉で少女は目を見開き強く目元を拭う。

「ここに運んでくれたのはアイツだろ? 呼んできて貰えるかエリス?」

 力強く頷いた少女を見て、少年は少し微笑むと頼み事をする。

「畏まりました、ただいま呼んで参ります」

 少女は椅子から立ち上がるとそのまま部屋から静かに退出する。

「……」

 その後ろ姿を普段では絶対にすることの無い穏やかな表情で見送る。

 少年の心は決まっていた。

 ・
 ・
 ・

 アニスに呼ばれて俺達はレイボルトが寝ている部屋の前までやって来た。
 彼の部屋の前で待機していた魔装機達に「もう戻っても大丈夫」ということをお礼の言葉と一緒に伝えてその場から離れてもらう。

「スー……ハー───」

 扉の前でアリアは深く深呼吸し、何かしらの気合を入れる。

「──入っても大丈夫かしら?」

 三回ほど子気味良く扉を叩いて、入室の確認をする。

 すぐに「どうぞ」と言うレイボルトの落ち着いた声が返ってきて俺達は静かに部屋に入る。

「具合の方はどうだレイボルト?」

 第一声は初めましてのアリアではなく、少なからず面識のある俺が放つ。

「レイルか……まだ身体中痛むけど、すぐに無くなると思う」

 もっとツンケンした言葉が返って来ると思っていたのだが、実際はかなり素直で落ち着いた声がレイボルトから聞こえてきた。

「そ、そうか、それなら良かった……」

 予想と違う反応に少し驚く。

 先程までとは雰囲気が全く違う。
 俺の知るレイボルトと言う男は誰とも群れない、一匹狼だ。他の人間とは強さ、考え方、生き方、どれもが別次元だ。現に彼の発言からもそれが強く感じられた。
 しかし今、少し彼と言葉を交わしただけで、そんな彼は影を潜め、とても穏やかで落ち着いた何処にでもいる普通の少年に感じられた。

「それで……隣の人は誰かな?」

 そんなことを考えているとレイボルトは視線を俺から隣にいるアリアへと移す。

「初めまして剣聖レイボルト=ギルギオン。私は勇者のアリア=インディデントと言います」

 その視線にアリアはすぐに気づくと姿勢を正し、深くお辞儀をして挨拶をする。

「……ああ、君がレイルの言っていた勇者か。僕のことは知ってるみたいだけど、改めて……レイボルト=ギルギオンだ。まともな挨拶もできずこんな状態ですまない、見ての通り全身ボロボロでね。体を起こすことも一人じゃあままならないんだ」

 レイボルトはバツの悪そうに困ったように笑う。

 本当に同一人物か?

「……」

 そんな思考が脳裏に過ぎる。

 気を失っていた間の彼に一体どういった感情の変化があったというのか。
 今、目の前にいる彼は自分の知る、剣聖レイボルト=ギルギオンでは無い。

「気にしないで、相当無理をしたとレイルから聞いてるから。むしろこっちこそごめんなさいいきなり押し掛けて」

 レイボルトの発言にアリアは急いで首を横に振ると謝る。

「それこそ気にしないでくれ、むしろ感謝しているんだ。色々と聞きたいことがあったしね。君たちもそうだろ?」

 エリスに手を貸してもらいレイボルトは体を起こす。

「そうね。それじゃあレイル、まずはさっきの話を……」

「そうだな──」

 アリアの言葉に頷き俺は一歩前に出る。

 そうして俺はレイボルトが気を失った後の事、敵の正体、襲ってきた理由など、レイボルトの知らない情報を踏まえながら色々と説明をした。

 レイボルトはその話をただ静かに黙って聞いているだけだった。
 質問をするでもなく、敵の正体が明確になり復讐心に燃えるでもなく、自身の失態を嘆くでもなく、ただ静かに。

「危険だったとは言えお前の邪魔をしたのは悪かった。それに四天王も倒し損ねた」

 全てを話し終え、俺は頭を下げて殴ったことをレイボルトに謝る。

「頭を上げてくれレイル、君が僕に謝罪するのはおかしい。むしろ謝るのは僕の方だ。迷惑をかけてすまなかった、ごめん。そして助けてくれてありがとう」

 レイボルトは目を閉じて真摯にそう謝る。

「……レイボルト、お前はあの四天王フレディン=ガスターと戦っている時どこまで正気を保っていた?」

 ふと、レイボルトとガスターが戦っている時の事を思い出し目の前の本人に聞く。
 最後の方、レイボルトに意識と言うものを感じなかった。それこそ超過限界を起こすほどの魔力暴走も引き起こしているのだ。本人がどこまで覚えているのか気になる。

「どこまで……か……どうだろうね。全部覚えてるような気もするし最初から覚えてないような気もする。一言だけ明確に言えることは僕は弱かった……それだけだよ」

「そんなことありませんッ! マスターは弱くなんか……」

 自嘲気味に笑うレイボルトの手を掴み少女は少し大きな声で言う。

「……」

 まるで主人の発言が信じられないように強く放たれた言葉にレイボルトは何も答えない。

「あー、と……レイボルト、俺からはこれだけなんだが何か分からないこととか気になったことはあるか?」

 何となくその空気が耐えられず俺は質疑応答がないか確認をする。

「……いや、特にないよ。それで次は貴方かな?」

 剣聖は首を横に振るとアリアの方を見て言葉を待つ。

「──っマスター……!」

 少女は主人の次の言葉が聞けず不満の声を上げるがそれに続く言葉を押し止めて静かになる。
「えーと……それじゃあお話をさせてもらうわね?」

 アリアも困ったように笑いながら確認をする。

 レイボルトが頷いたのを見てアリアは口を開く。

「レイルから聞いているとは思うけど私達は今、復活した魔王を倒すために仲間集めの旅をしているの」

「うん、知ってるよ」

「復活した魔王レギルギアは魔装機を集めて───」

「それも聞いたよ。僕にも魔王討伐を手伝ってくれって言うんだろ?」

 再び一から話をするアリアの言葉をレイボルトは遮り、簡潔に本題を持ってくる。

「──ええ、とても危険で、ましてや四天王と戦ったばかりで負傷している貴方にこんな事を頼むのは間違っているけれど……お願い!私と一緒に戦ってください!!」

 アリアは頭を深く下げて誠意を持って頼む。

 部屋に静寂が訪れる。

「───」

 レイボルトは再び目を閉じて何かを考えているようだ。
 ただの予想に過ぎないが『今の彼ならばこの頼みを受けてくれるのではないか』と思ってしまった。

 期待にも似た何とも言葉にし難い感情が胸の内で渦巻く。
 彼の返答を待つ数秒の間が数刻にも感じられて変な汗が首筋に伝う。

「───ごめん。それは無理だ」

 そうしてやっと開かれた彼の口から放たれたのは『仲間にはならない』と言う否定の言葉。

「っ……一応理由を聞いてもいいかしら?」

 俺の前に立ち話していた少女は握る掌の力を一瞬強めると、冷静に断る理由を問う。

「僕が君たちの手伝いをしたところで役に立てないよ」

「そんなことない。貴方の強さは魔物行軍の時も見せてもらったし、レイル達からもよく聞いている。きっと貴方は私たちを助けてくれる」

 短く答えた剣聖の言葉に勇者は首を振る。

「レイルから僕の話を聞いてるなら知ってるだろ? 僕は我儘で自分勝手なんだ、とても団体行動なんてできる質じゃないし、今回もこの様だ。そんな弱い奴を仲間にしたところで無意味じゃないかな?」

「レイル達から聞いた貴方はそうだったけど、今ちゃんと顔を合わせて話してみた貴方からは全くそうは思わない。自分の非も認められるし、謝れる。とても強い人だと私は思うわ」

 彼の自虐的な発言に彼女はすぐさま言葉を重ねて否定する。

「違う僕は強くなんかない、コレは違うんだ……あの僕だってただの虚勢で本当の僕は本当に弱くて、何にもできないクズなんだ……出来損ないなんだ……」

「そんなことない。今まで一人でそこまで強くなれたんだもの、一人じゃなければ貴方はもっと強くなれる。貴方は出来損ないなんかじゃないわ」

 何かを懺悔するように剣聖は弱気な言葉を吐き出す。
 しかし何度でも勇者はそれを否定し励ます。

「君は僕の何を知ってるって言うんだよ……何も知らないじゃないか! 上辺だけの優しい言葉で僕の言葉を否定するな、僕のことは僕にしか分からないんだ……」

「ええそうね、全くその通りだわ。私は貴方のことをまだ全然知らない──」

 レイボルトの言葉に素直に頷き勇者はゆっくりと彼の元に近づく。

「──でもこれだけは分かる、貴方は誰かを想うことが出来るとても優しいくて強い人なんだって」

 そうして優しく勇者は少年の体を優しく抱き締めて頭を撫でる。

「違う……僕はそんな立派な人間なんかじゃない……君たちが想像する完全無欠の剣聖なんかじゃない……僕は弱い、強い勇者の君とはちがうんだ……!」

 少年は否定する。

「剣聖とか勇者とか天職なんて関係ない──」

 小さく震える少年の体を勇者の少女はさらに強く抱き締める。

「──あなたはあなたじゃない、レイボルト──」

「……っ!!」

 少年の鼓動が一つ、高く脈打つ。
 自然と少年の頬に熱い雫が流れる。

「──私は貴方の事を知らない。だからこれから教えて?貴方のことを。私は優しい貴方のことを深く知りたい」

 彼は泣いた。

 今まで溜め込んできたモノを吐き出すように静かに。

「ああ……君になら僕は──」

 涙を流しながら少年は何かを言ったような気がするがそれは涙と一緒に流れて、聞き取ることは出来ない。

「聞いてもいいかな?」

 雫を零しながら少年は少女に問う。

「何かしら?」

 少女は泣きじゃくる我が子をあやすように、とても愛おしそうに彼の背中を撫でる。

「君にとって『強さ』って何なのかな?」

 そんな短い質問。
 しかし答えなんてあってないような質問。

「そうね……私にとっての『強さ』は誰かの事を想って一緒に泣いて、一緒に笑えて、一緒にその苦難に立ち向かえること……かな?」

 恥ずかしそうに笑いながら少女は首を傾げて答える。

「そうか……それが君の『強さ』なんだね──」

 力強く頷いて彼は言葉を続ける。

「──やっぱり僕は君たちとは行けないよ。ごめん……」

「そう……」

 少年の答えを聞いて少女は頷く。

「……こんな事を君にお願いするのは間違ってるのは分かってるけど。最後に僕の願いを叶えてくれないかな?」

 レイボルトはアリアの腕をゆっくり解いて、彼女の瞳を見つめる。

「何かしら?」

 アリアは次の彼の言葉を持つ。

「アリア──」

 レイボルトはそこで初めて彼女の名前呼ぶ。

「うん」

 彼女もレイボルトの瞳を真っ直ぐに見つめる。

「──僕を殺してくれ」

 そうしてそんな短い願いごとが彼の口から放たれた。
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