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76話 退院と正式な場
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あれから一日が経って俺は何事もなく治療院を退院した。
「開放感が凄い!」
大きく伸びをして外の空気を肺に取り込む。
「マスター、退院おめでとうございます」
「うん、ありがとうなアニス」
「それでこれからどうするんだい?」
リュミールがだらしなく欠伸をしながら今日の予定を聞いてくる。
「さっき治療院の受付の人が学園から迎えの馬車が来るって言っていたからすぐに学園に戻る。……けどまだ来てないみたいだな」
何やら学長直々にお話があるようで退院したらすぐに学園に戻るように言われた。
色々と今後の準備をしたかったのだがまあいいだろう。
近くの三人がけのベンチに適当に腰を下ろして迎えの馬車を待つ。
あの後アリアは話し合いが終わると「やることがある」と言ってすぐにどこかへ行ってしまった。勇者だから色々と大変なのだろう。
「勇者か……」
「どうかしましたかマスター?」
俺の独り言にアニスが反応する。
「いや、なんでもない」
勇者と言う言葉を聞いてとある話を思い出した。
勇者。
神に最も愛された天職。
ありとあらゆる加護を授けられ、誰よりも強い力を手に入れる。
世界に厄災が訪れる時に神に最も愛された人間が授かる職業。
生まれや血筋などは関係なく、なんの規則性もなく誰かに授けられる天職。
小さい頃によく母に勇者の昔話を読み聞かされた子供は少なくないだろう。俺もよく聞かされたものだ。
昔話に出てくるいくつもの厄災を退ける勇者に小さい子供たちは憧れずにはいられなかった。
しかし『自分も神に選ばれた勇者になりたい』と思う子供は誰一人居ないだろう。
なぜなら勇者が現れるということは世界に災いが起き始めている合図だというのはこの世界に生きる人ならば誰もが知っていることとだからだ。
ある意味でいえば勇者という神に愛された天職は人間にとってただの厄介者でしかなかったのかもしれない。
栄誉ある素晴らしい天職なのだろうがそれと同時に重く辛い責任のある天職。
アリアは最初に自分の天職が勇者と知った時どう思ったのだろうか。
「お! あれじゃないかい?」
「ん? ああ、あれだな」
そんなことを考えているとリュミールが指をさして馬車の到着を教えてくれる。
「お待たせしました。どうぞお乗り下さい」
年老いた御者の男が俺達の目の前に馬車を止めて、扉まで開けてくれる。
「すみません、ありがとうございます」
御者の気遣いにお礼を言って俺は学園に戻った。
・
・
・
一時間ほど馬車にゆっくり揺られて俺は学園に戻るとそこにはタイラスが待っていた。
「待っていたぞレイル、調子は良さそうだな」
その姿はとても痛々しく全身を包帯でぐるぐる巻きにして、左腕は動かないようにしっかりと固定されていた。
「動いて大丈夫なんですか先生!?」
アラトリアムと戦った時より酷い怪我を負っているのに何故この人は平気そうにしているのだろうか?不思議でならない。
「問題ない、それより学長がお待ちだ、行くぞ」
「は、はい」
アニスとリュミールに先に俺の部屋に戻るように言って、俺はタイラスの後について行く。
「学長! レイルを連れてきました、入ります!」
コンコンと二回ほど扉を叩いてタイラスは学長の部屋に入る。
俺もそれに続いて中に入ると見慣れた顔ぶれがいた。
「あ! 相棒も呼ばれたの?」
「レイルさん、お怪我は大丈夫ですか?」
「こ、こんにちは……」
そこに居たのはローグにマキア、ラミアと……。
「一昨日ぶりねレイル」
アリアの姿があった。
「うむ、これで全員揃ったな」
その奥には学長、レイブン=アーゲードが高価な椅子に腰を下ろしていた。
「ああ、そういうこと……」
ローグ達やアリアが居ることを確認してこれが何の集まりなのか察しがつく。
「おほん! それじゃあ始めようか。今回ここに君たちを呼んだのは勇者アリア君に頼まれたからじゃ。二日前の魔王レギルギア襲撃の後、各国は新魔王軍との戦いに向けて今急いで戦力の準備をしている。その戦いで君たちが使う武器、魔装機はとても重要な役割を持ってくる。アリア君はこれから色々な国や街を回って君達のような魔装機使いを集めて魔王が覚醒する前に先行して魔王と戦うそうなのじゃ。それで君たちにはそのアリア君の仲間集めを手伝ってもらい一緒に魔王と戦って欲しいのだ」
ふむやはり一昨日アリアと話した時と同じ内容だ。これがこの前アリアの言っていた『正式な場』ということか。
「レイルにはもうお願いしたけれど、お願いします、私と一緒に戦ってくれませんか?」
学長の言葉の後にアリアはそう言って深く頭を下げる。
「できる限りの事はするよ」
手伝うのは、もう決めたことだ。
俺はアリアに再び了承する。
「……正直、魔王と戦うのはすごく怖いけど、こうして勇者様に頭を下げてお願いされたら断れないよ。どこまで力になれるか分からないけど、僕でよければ微力ながら手伝わせてもらいます」
ローグは一瞬顔を曇らせたが覚悟を決めてアリアの瞳を見て答える。
「わ、私もどれほどお役に立てるかわかりませんがお手伝いさせてください!」
マキアも覚悟を決めたのかアリアにそう答える。
「……」
最後にラミアの答えだが彼女は俯いたまま喋る気配はない。
俺達は急かすことなくゆっくりとラミアが話すのを待つ。
少しの静寂が続いて、
「……私が本当に手伝っていいことなのかな?」
と彼女は静かに話し出した。
「レイル君達は知ってると思うけど私は自分勝手で皆に迷惑をかけてばかりで、自分の目標も忘れちゃうくらい馬鹿で、きっと私は何の役にも立たないと思います」
いつもの元気で調子の良い声はなく、とても弱々しいものだ。
「でも皆がもしよければ私はやり直したい。たくさん迷惑をかけるかもしれない、また間違えちゃうかもしれない、でもここで何もしなかったら私は本当に駄目になっちゃう。調子のいいことを言っているのはわかってる。……でも! もう一度私にチャンスを、私にも手伝いわせてください!!」
涙を流しながらラミアは大きな声で言って頭を下げる。
「うん……ラミアだったかしら? あなたに色々とあったのは分かったわ、是非あなたの力を貸してくれる?」
アリアはラミアの言葉に深く頷いて、彼女に手を差し出す。
「はい!」
ラミアは顔を上げてアリアの手を強く掴む。
「レイル、ローグ、マキアもとても心強いわ、これからよろしくね」
これで全員がアリアの手伝いをすることに決まった。
「レイル君、ローグ、マキア、その……今更謝っても遅いけど、今までごめんなさい! 自分勝手に行動して三人にはたくさん迷惑をかけた、なのに三人は優しく何度も私と仲良くしてくれて……。本当に何回お礼を言っても足りないくらい……。それで……その調子がいいことを言ってるのは分かってるけど、私ともう一度友達になってくれませんか?」
こちらに振り返り再びラミアは頭を下げて謝罪をする。
「何言ってるのさ、そんなのぜんぜん気にしてないよ!」
「そうです! 私達は今もこれからもずっと友達です!」
「やっぱりラミアにしおらしいのは似合わないな、こっちの調子が狂うよ」
「みんな……ありがとう!」
ラミアは泣きじゃくりながら綺麗に笑う。
「……」
それを遠目からアリアは羨ましそうに見ているような気がした。
「うむ、君たちの中でどうやら意見はまとまったようだな。学園側からも君たちを最大限支援しよう」
学長は俺たちの話を聞いてゆっくりと椅子に座り直す。
「あのー、質問いいですか」
するとローグが手を挙げる。
「なんじゃねローグ君」
「僕達が旅に出る間は学園の出席とかはどうなるんですか?」
なんとも学生らしい質問をローグはする。しかしそれは俺もすごく気になっていたことだ。
「そこら辺は気にするでない、世界のために戦ってくれるのだそこは融通しよう」
「あ、それなら良かった」
学長の答えを聞いてローグは安心した顔をする。
「俺もいいですか?」
「なんじゃね?」
「俺の処分はどうなるですか? 俺は学長の条件をクリアすることはできませんでした。もし今回の魔王との戦いが終わっても俺は学園を退学になるんですか?」
俺はローグに続いて学長に聞いてみる。
「おお! そう言えばそんなことあったの~。まあ今回は状況が状況じゃし……そうだなアリア君と共に魔王を倒し、無事に生きて帰ってくれば退学の話はなしということでいいのだろう」
と、そんな呑気な間延びした声で学長は提案をする。
「わ、分かりました」
『それでいいのか?』と一瞬思ったが考えるのはやめよう。
「他に質問はないかな? ……それじゃあ後は君たちに任せよう」
そうして学長は最後にそう言って俺達は部屋を後にした。
「開放感が凄い!」
大きく伸びをして外の空気を肺に取り込む。
「マスター、退院おめでとうございます」
「うん、ありがとうなアニス」
「それでこれからどうするんだい?」
リュミールがだらしなく欠伸をしながら今日の予定を聞いてくる。
「さっき治療院の受付の人が学園から迎えの馬車が来るって言っていたからすぐに学園に戻る。……けどまだ来てないみたいだな」
何やら学長直々にお話があるようで退院したらすぐに学園に戻るように言われた。
色々と今後の準備をしたかったのだがまあいいだろう。
近くの三人がけのベンチに適当に腰を下ろして迎えの馬車を待つ。
あの後アリアは話し合いが終わると「やることがある」と言ってすぐにどこかへ行ってしまった。勇者だから色々と大変なのだろう。
「勇者か……」
「どうかしましたかマスター?」
俺の独り言にアニスが反応する。
「いや、なんでもない」
勇者と言う言葉を聞いてとある話を思い出した。
勇者。
神に最も愛された天職。
ありとあらゆる加護を授けられ、誰よりも強い力を手に入れる。
世界に厄災が訪れる時に神に最も愛された人間が授かる職業。
生まれや血筋などは関係なく、なんの規則性もなく誰かに授けられる天職。
小さい頃によく母に勇者の昔話を読み聞かされた子供は少なくないだろう。俺もよく聞かされたものだ。
昔話に出てくるいくつもの厄災を退ける勇者に小さい子供たちは憧れずにはいられなかった。
しかし『自分も神に選ばれた勇者になりたい』と思う子供は誰一人居ないだろう。
なぜなら勇者が現れるということは世界に災いが起き始めている合図だというのはこの世界に生きる人ならば誰もが知っていることとだからだ。
ある意味でいえば勇者という神に愛された天職は人間にとってただの厄介者でしかなかったのかもしれない。
栄誉ある素晴らしい天職なのだろうがそれと同時に重く辛い責任のある天職。
アリアは最初に自分の天職が勇者と知った時どう思ったのだろうか。
「お! あれじゃないかい?」
「ん? ああ、あれだな」
そんなことを考えているとリュミールが指をさして馬車の到着を教えてくれる。
「お待たせしました。どうぞお乗り下さい」
年老いた御者の男が俺達の目の前に馬車を止めて、扉まで開けてくれる。
「すみません、ありがとうございます」
御者の気遣いにお礼を言って俺は学園に戻った。
・
・
・
一時間ほど馬車にゆっくり揺られて俺は学園に戻るとそこにはタイラスが待っていた。
「待っていたぞレイル、調子は良さそうだな」
その姿はとても痛々しく全身を包帯でぐるぐる巻きにして、左腕は動かないようにしっかりと固定されていた。
「動いて大丈夫なんですか先生!?」
アラトリアムと戦った時より酷い怪我を負っているのに何故この人は平気そうにしているのだろうか?不思議でならない。
「問題ない、それより学長がお待ちだ、行くぞ」
「は、はい」
アニスとリュミールに先に俺の部屋に戻るように言って、俺はタイラスの後について行く。
「学長! レイルを連れてきました、入ります!」
コンコンと二回ほど扉を叩いてタイラスは学長の部屋に入る。
俺もそれに続いて中に入ると見慣れた顔ぶれがいた。
「あ! 相棒も呼ばれたの?」
「レイルさん、お怪我は大丈夫ですか?」
「こ、こんにちは……」
そこに居たのはローグにマキア、ラミアと……。
「一昨日ぶりねレイル」
アリアの姿があった。
「うむ、これで全員揃ったな」
その奥には学長、レイブン=アーゲードが高価な椅子に腰を下ろしていた。
「ああ、そういうこと……」
ローグ達やアリアが居ることを確認してこれが何の集まりなのか察しがつく。
「おほん! それじゃあ始めようか。今回ここに君たちを呼んだのは勇者アリア君に頼まれたからじゃ。二日前の魔王レギルギア襲撃の後、各国は新魔王軍との戦いに向けて今急いで戦力の準備をしている。その戦いで君たちが使う武器、魔装機はとても重要な役割を持ってくる。アリア君はこれから色々な国や街を回って君達のような魔装機使いを集めて魔王が覚醒する前に先行して魔王と戦うそうなのじゃ。それで君たちにはそのアリア君の仲間集めを手伝ってもらい一緒に魔王と戦って欲しいのだ」
ふむやはり一昨日アリアと話した時と同じ内容だ。これがこの前アリアの言っていた『正式な場』ということか。
「レイルにはもうお願いしたけれど、お願いします、私と一緒に戦ってくれませんか?」
学長の言葉の後にアリアはそう言って深く頭を下げる。
「できる限りの事はするよ」
手伝うのは、もう決めたことだ。
俺はアリアに再び了承する。
「……正直、魔王と戦うのはすごく怖いけど、こうして勇者様に頭を下げてお願いされたら断れないよ。どこまで力になれるか分からないけど、僕でよければ微力ながら手伝わせてもらいます」
ローグは一瞬顔を曇らせたが覚悟を決めてアリアの瞳を見て答える。
「わ、私もどれほどお役に立てるかわかりませんがお手伝いさせてください!」
マキアも覚悟を決めたのかアリアにそう答える。
「……」
最後にラミアの答えだが彼女は俯いたまま喋る気配はない。
俺達は急かすことなくゆっくりとラミアが話すのを待つ。
少しの静寂が続いて、
「……私が本当に手伝っていいことなのかな?」
と彼女は静かに話し出した。
「レイル君達は知ってると思うけど私は自分勝手で皆に迷惑をかけてばかりで、自分の目標も忘れちゃうくらい馬鹿で、きっと私は何の役にも立たないと思います」
いつもの元気で調子の良い声はなく、とても弱々しいものだ。
「でも皆がもしよければ私はやり直したい。たくさん迷惑をかけるかもしれない、また間違えちゃうかもしれない、でもここで何もしなかったら私は本当に駄目になっちゃう。調子のいいことを言っているのはわかってる。……でも! もう一度私にチャンスを、私にも手伝いわせてください!!」
涙を流しながらラミアは大きな声で言って頭を下げる。
「うん……ラミアだったかしら? あなたに色々とあったのは分かったわ、是非あなたの力を貸してくれる?」
アリアはラミアの言葉に深く頷いて、彼女に手を差し出す。
「はい!」
ラミアは顔を上げてアリアの手を強く掴む。
「レイル、ローグ、マキアもとても心強いわ、これからよろしくね」
これで全員がアリアの手伝いをすることに決まった。
「レイル君、ローグ、マキア、その……今更謝っても遅いけど、今までごめんなさい! 自分勝手に行動して三人にはたくさん迷惑をかけた、なのに三人は優しく何度も私と仲良くしてくれて……。本当に何回お礼を言っても足りないくらい……。それで……その調子がいいことを言ってるのは分かってるけど、私ともう一度友達になってくれませんか?」
こちらに振り返り再びラミアは頭を下げて謝罪をする。
「何言ってるのさ、そんなのぜんぜん気にしてないよ!」
「そうです! 私達は今もこれからもずっと友達です!」
「やっぱりラミアにしおらしいのは似合わないな、こっちの調子が狂うよ」
「みんな……ありがとう!」
ラミアは泣きじゃくりながら綺麗に笑う。
「……」
それを遠目からアリアは羨ましそうに見ているような気がした。
「うむ、君たちの中でどうやら意見はまとまったようだな。学園側からも君たちを最大限支援しよう」
学長は俺たちの話を聞いてゆっくりと椅子に座り直す。
「あのー、質問いいですか」
するとローグが手を挙げる。
「なんじゃねローグ君」
「僕達が旅に出る間は学園の出席とかはどうなるんですか?」
なんとも学生らしい質問をローグはする。しかしそれは俺もすごく気になっていたことだ。
「そこら辺は気にするでない、世界のために戦ってくれるのだそこは融通しよう」
「あ、それなら良かった」
学長の答えを聞いてローグは安心した顔をする。
「俺もいいですか?」
「なんじゃね?」
「俺の処分はどうなるですか? 俺は学長の条件をクリアすることはできませんでした。もし今回の魔王との戦いが終わっても俺は学園を退学になるんですか?」
俺はローグに続いて学長に聞いてみる。
「おお! そう言えばそんなことあったの~。まあ今回は状況が状況じゃし……そうだなアリア君と共に魔王を倒し、無事に生きて帰ってくれば退学の話はなしということでいいのだろう」
と、そんな呑気な間延びした声で学長は提案をする。
「わ、分かりました」
『それでいいのか?』と一瞬思ったが考えるのはやめよう。
「他に質問はないかな? ……それじゃあ後は君たちに任せよう」
そうして学長は最後にそう言って俺達は部屋を後にした。
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