75 / 110
74話 始まりの夜
しおりを挟む
暗い水の中に落ちたみたいだ。
俺は死んだのだろうか?
仮に死んだとしてまだこうして自問できているのは何故なのか?
身動きを取ろうとしても浮遊感と水が邪魔をしてくる。
ふと、水の中だというのにさっきの陽の香りを強く感じる。
温かい匂いだ。
……やっぱり死んだんだよな。
今こうして意識があるのは何故か知らないし、どうでもいい、もう少しこの浮遊感に溺れていたい。
抵抗することなく、流れに任せて水の中を彷徨う。
「……ごほっ」
肺に溜まっていた空気が口から抜け出して、だんだんと息が苦しくなっていく。
……怖い。
死の恐ろしさを改めて噛み締める。
嫌だ、逃げたい、抗いたい、嫌だ、嫌だ………………死ぬのは嫌だ。
でもこれで本当に終わりだろう……。
・
・
・
「──ちゃだめ!」
「………」
完全に死んだと思った意識がどうしてかまだある。何故か全身ずぶ濡れで気持ち悪い、息も上手くできない。
それに誰かが何かを言っていたような気がする。
「希望を捨てちゃだめよ! 死ぬなんてダメ!!」
体を激しく揺すられながら顔に何か液体をかけられ続ける。
かけられるごとに息ができなくなっていき手をばたつかせて藻掻く。
「あ……ごめんなさい!!」
声の主は自分がやりすぎていることに気づいたのか謎の液体をかけるのを止める。
「………ぶはっ!!!」
目を見開き完全に覚醒する。
最初に目に入ったの真白な綺麗な月と柑子色の綺麗な髪を揺らして顔を覗かす少女だった。
「……誰?」
状況が全く掴めず気の抜けた声が出てしまう。
「マスター!!!」
「レイル!!!」
少女の返事を待っているとその前にアニスとリュミールがものすごい勢いで俺に抱きついてくる。
「クソ! 心配したんだからな!!」
「本当ですよマスター! 私たちがどんな気持ちで……!!」
目頭にたくさんの大粒の涙を溜め込んで二人は俺の体をギュッと力強く締め付ける。
「うお!?そんな勢いよく締め付けたらキズが痛……まない?」
ボロボロになったはずの体は痛まず、むしろ先程よりも調子がいい。
「うん、それだけ護衛がいれば安心だね。じゃあそこでじっとしててね」
俺に謎の液体を掛けていた少女はアニスとリュミールを見ると安心した顔をして立ち上がる。
「君は……?」
「お話は後でね。今は魔王を何とかしなきゃ」
「そ、そうだ! 魔王は!?」
少女の言葉で思い出す、こうして寝てる場合ではない。
「ふっ……!」
少女はこちらの質問に答えず地面を蹴って魔王の元まで飛んでいく。
「なあアニス、リュミール、これはどうなって……」
「「……」」
全く離れる気配のない二人に状況を聞いてみるが質問の答えは返ってこなさそうだ。
「何がどうなってるんだ……?」
次から次へと畳み掛けてくる状況に脳は混乱していく。
空では今まさに少女と魔王レギルギアが対面していた。
「さあ、やっと見つけたわよ魔王レギルギア!」
「なんだ君は? 私の邪魔をするってことは死ぬ覚悟ができているんだろうね?」
魔王は何度目かの邪魔が入って流石に気に入らないのか、青筋を浮かべて少女を見る。
「それはこっちの台詞よ、貴方にはここで死んでもらう。この勇者アリア=インディデントが貴方を殺す!!」
少女の体には少し大きな獅子の鬣を思わせる槌を振りかぶって勇者と名乗ったアリアは叫ぶ。
「勇者だと!? ……確かにその手の甲の紋章は……」
魔王は勇者という単語に反応して直ぐに防御の姿勢を取る。
「うらあぁあ!!」
勢いよく振り抜かれた大槌は轟音を立てて魔王に直撃する。
「ぐっ……!! やはりまだ勇者は無理か……」
白い剣で何とか大槌を受け止めるが魔王は口から血を吹き出して、初めて苦しそうな顔を見せる。
「まだまだあ!!」
「……ッ! ハクノ、退くぞ……」
間髪入れずに少女は追撃を加えようとするが既のところで魔王は何かしらの魔法を使って姿を消す。
「チッ……外しちゃった」
少女は舌打ちをしながら首を彷徨わせまだ近くにいるであろう魔王を探す。
『諸君、今日の挨拶はこれぐらいにして私は失礼させてもらうよ。それではまた近いうちにお会いしよう』
どこからともなく聞こえてきた魔王の声はそう言い残して完全に気配を消す。
「終わったのか……?」
今の出来事で脳は破裂しそうなほど混乱していた。
魔王の襲撃、死にかける、勇者にそれを助けられる、その勇者が魔王を退ける。一つ一つの出来事が凄すぎて一つも俺だけでは処理できない。
「うっ……!」
何とか状況をまとめようと脳を全力使っているといきなり激しい頭痛が襲ってくる。
「大丈夫ですかマスター!?」
「おいレイル!?」
頭を抑えて苦しそうに唸る俺を見てアニスとリュミールが慌てて声をかけてくる。
「……う……あ……」
これ以上二人に心配をかけないように何とか声を出そうとするが上手く発声する事が出来ない。
傷は治っていても疲労までは回復していなかったのだろう。起きたばかりだというのに無理をしすぎた。
「……く、そ……」
ゆっくりと瞼が重くなっていき目が閉じていく、再び意識が途切れる。
・
・
・
強い陽の光で目が覚める。
「ここは……?」
目の前には白い天井が広がる、他に人の気配はなく個室のようだ、おそらく王都の治療院だろう。
「……ん?」
何とか体を動かそうとするが上手く身動きが取れない。首以外がガッチリと固定され、手足を動かそうとすると柔らかいものに動きをとめられる。
「これは……どういう状況?」
視線を横にやると右にはアニス、左にはリュミールが俺の腕と足に抱きついて静かに寝息を立てていた。
……確か俺は魔王に殺されかけて、それを勇者の女の子に助けて貰って、激しい頭痛で意識がなくなったんだ。
それが起きたらこの状況はなんなんだ?
なんかとっても柔らかいし、甘いいい香りが二人からしてくる。思考が上手くまとまらない。
「いやいや、これはいかんでしょ!」
まだ寝惚けていた頭を振るって、状況の深刻さに気づく。
何とかこの拘束から抜け出すべく、腕をゆっくり、慎重に、なるべく肌の感覚を己から切り離して動かしていく。
ギュッ。
「ひゃうっ!?」
しかし、アニスとリュミールは寝ながら無意識に俺の腕が逃げ出そうとすると直ぐに身を縮めてガッチリと固定してくる。
「ああ……あああぁぁぁあああ!」
その瞬間、両腕からとてつもなく精神的に宜しくない柔らかさが俺に襲いかかってくる。アニスはアニスで全身がふっくらと程よい肉付きをしておりそれらが俺の体を包み込む。リュミールはリュミールで全体的に小さいながらもぷにぷにとした柔らかい感覚が体を包む。
なんとも程よい塩梅で俺の男心を骨抜きにしていく。
これはいけない!本当にいけない!今までなんとか沈めていたけど本当にこれはいけませんよ!
このままこの何とも言えない快楽に溺れたい気分になってくるよ!!
「あの~お二人さ~ん、起きてくださ~い……」
何とか平静を装って二人に声をかけるが頭の中では俺の理性は爆発寸前。
「んっ……」
「うーん……」
アニスとリュミールは起きる気配はなく、艶っぽい声を上げて身をさらに縮めて密着してくる。
「ひいっ!!」
本当に駄目だ、これ以上は俺の理性が持たない。あまり乱暴な手段は取りたくなかったのだが仕方がない。
「すう…………起きろ二人とも!!!!」
大きく息を吸って、朝から喉に負担をかける大声を上げて二人を無理やり起こす。
「きゃっ! ま、マスターどうしました!?」
「どうした! 敵か!?」
こちらの目論見通り俺の叫びを聞いて二人は慌てて身を起こす。
「やっと開放された……」
悲しいような、嬉しいような。
しかしあのまま行けば俺は二人の主人としてやってはいけない所までやる所だった。
これでいいのだ……。
「二人ともおはよう……」
完全に気疲れして、ぐったりとベットに身を預ける。
「お目覚めになられたのですねマスター!」
「全く君はどれだけ私たちを心配させれば気が済むんだ!」
俺の挨拶に二人は今にも泣きだしそうなほど嬉しそうに笑って答える。
「ごめんな二人とも心配かけた」
安心させるために何とか腕を上げて二人の頭を撫でる。
「ま、マスター……」
「子供扱いするなよ……」
二人は恥ずかしそうに、しかし抵抗はせずに目を細めて撫でられる。
やっと気分が落ち着いてきた。
「はあ……」
二人の姿にホッコリしながら気を整えていると扉の叩く音がする。
「「あ……」」
その音で手を下ろして「どうぞ」と声をかける。
「入るわね」
明るい声と共に扉が開いて一人の少女が入ってくる。
「キミは……」
その姿には覚えがあり、柑子色の綺麗な髪を揺らして少女はこちらを見据えていた。
俺は死んだのだろうか?
仮に死んだとしてまだこうして自問できているのは何故なのか?
身動きを取ろうとしても浮遊感と水が邪魔をしてくる。
ふと、水の中だというのにさっきの陽の香りを強く感じる。
温かい匂いだ。
……やっぱり死んだんだよな。
今こうして意識があるのは何故か知らないし、どうでもいい、もう少しこの浮遊感に溺れていたい。
抵抗することなく、流れに任せて水の中を彷徨う。
「……ごほっ」
肺に溜まっていた空気が口から抜け出して、だんだんと息が苦しくなっていく。
……怖い。
死の恐ろしさを改めて噛み締める。
嫌だ、逃げたい、抗いたい、嫌だ、嫌だ………………死ぬのは嫌だ。
でもこれで本当に終わりだろう……。
・
・
・
「──ちゃだめ!」
「………」
完全に死んだと思った意識がどうしてかまだある。何故か全身ずぶ濡れで気持ち悪い、息も上手くできない。
それに誰かが何かを言っていたような気がする。
「希望を捨てちゃだめよ! 死ぬなんてダメ!!」
体を激しく揺すられながら顔に何か液体をかけられ続ける。
かけられるごとに息ができなくなっていき手をばたつかせて藻掻く。
「あ……ごめんなさい!!」
声の主は自分がやりすぎていることに気づいたのか謎の液体をかけるのを止める。
「………ぶはっ!!!」
目を見開き完全に覚醒する。
最初に目に入ったの真白な綺麗な月と柑子色の綺麗な髪を揺らして顔を覗かす少女だった。
「……誰?」
状況が全く掴めず気の抜けた声が出てしまう。
「マスター!!!」
「レイル!!!」
少女の返事を待っているとその前にアニスとリュミールがものすごい勢いで俺に抱きついてくる。
「クソ! 心配したんだからな!!」
「本当ですよマスター! 私たちがどんな気持ちで……!!」
目頭にたくさんの大粒の涙を溜め込んで二人は俺の体をギュッと力強く締め付ける。
「うお!?そんな勢いよく締め付けたらキズが痛……まない?」
ボロボロになったはずの体は痛まず、むしろ先程よりも調子がいい。
「うん、それだけ護衛がいれば安心だね。じゃあそこでじっとしててね」
俺に謎の液体を掛けていた少女はアニスとリュミールを見ると安心した顔をして立ち上がる。
「君は……?」
「お話は後でね。今は魔王を何とかしなきゃ」
「そ、そうだ! 魔王は!?」
少女の言葉で思い出す、こうして寝てる場合ではない。
「ふっ……!」
少女はこちらの質問に答えず地面を蹴って魔王の元まで飛んでいく。
「なあアニス、リュミール、これはどうなって……」
「「……」」
全く離れる気配のない二人に状況を聞いてみるが質問の答えは返ってこなさそうだ。
「何がどうなってるんだ……?」
次から次へと畳み掛けてくる状況に脳は混乱していく。
空では今まさに少女と魔王レギルギアが対面していた。
「さあ、やっと見つけたわよ魔王レギルギア!」
「なんだ君は? 私の邪魔をするってことは死ぬ覚悟ができているんだろうね?」
魔王は何度目かの邪魔が入って流石に気に入らないのか、青筋を浮かべて少女を見る。
「それはこっちの台詞よ、貴方にはここで死んでもらう。この勇者アリア=インディデントが貴方を殺す!!」
少女の体には少し大きな獅子の鬣を思わせる槌を振りかぶって勇者と名乗ったアリアは叫ぶ。
「勇者だと!? ……確かにその手の甲の紋章は……」
魔王は勇者という単語に反応して直ぐに防御の姿勢を取る。
「うらあぁあ!!」
勢いよく振り抜かれた大槌は轟音を立てて魔王に直撃する。
「ぐっ……!! やはりまだ勇者は無理か……」
白い剣で何とか大槌を受け止めるが魔王は口から血を吹き出して、初めて苦しそうな顔を見せる。
「まだまだあ!!」
「……ッ! ハクノ、退くぞ……」
間髪入れずに少女は追撃を加えようとするが既のところで魔王は何かしらの魔法を使って姿を消す。
「チッ……外しちゃった」
少女は舌打ちをしながら首を彷徨わせまだ近くにいるであろう魔王を探す。
『諸君、今日の挨拶はこれぐらいにして私は失礼させてもらうよ。それではまた近いうちにお会いしよう』
どこからともなく聞こえてきた魔王の声はそう言い残して完全に気配を消す。
「終わったのか……?」
今の出来事で脳は破裂しそうなほど混乱していた。
魔王の襲撃、死にかける、勇者にそれを助けられる、その勇者が魔王を退ける。一つ一つの出来事が凄すぎて一つも俺だけでは処理できない。
「うっ……!」
何とか状況をまとめようと脳を全力使っているといきなり激しい頭痛が襲ってくる。
「大丈夫ですかマスター!?」
「おいレイル!?」
頭を抑えて苦しそうに唸る俺を見てアニスとリュミールが慌てて声をかけてくる。
「……う……あ……」
これ以上二人に心配をかけないように何とか声を出そうとするが上手く発声する事が出来ない。
傷は治っていても疲労までは回復していなかったのだろう。起きたばかりだというのに無理をしすぎた。
「……く、そ……」
ゆっくりと瞼が重くなっていき目が閉じていく、再び意識が途切れる。
・
・
・
強い陽の光で目が覚める。
「ここは……?」
目の前には白い天井が広がる、他に人の気配はなく個室のようだ、おそらく王都の治療院だろう。
「……ん?」
何とか体を動かそうとするが上手く身動きが取れない。首以外がガッチリと固定され、手足を動かそうとすると柔らかいものに動きをとめられる。
「これは……どういう状況?」
視線を横にやると右にはアニス、左にはリュミールが俺の腕と足に抱きついて静かに寝息を立てていた。
……確か俺は魔王に殺されかけて、それを勇者の女の子に助けて貰って、激しい頭痛で意識がなくなったんだ。
それが起きたらこの状況はなんなんだ?
なんかとっても柔らかいし、甘いいい香りが二人からしてくる。思考が上手くまとまらない。
「いやいや、これはいかんでしょ!」
まだ寝惚けていた頭を振るって、状況の深刻さに気づく。
何とかこの拘束から抜け出すべく、腕をゆっくり、慎重に、なるべく肌の感覚を己から切り離して動かしていく。
ギュッ。
「ひゃうっ!?」
しかし、アニスとリュミールは寝ながら無意識に俺の腕が逃げ出そうとすると直ぐに身を縮めてガッチリと固定してくる。
「ああ……あああぁぁぁあああ!」
その瞬間、両腕からとてつもなく精神的に宜しくない柔らかさが俺に襲いかかってくる。アニスはアニスで全身がふっくらと程よい肉付きをしておりそれらが俺の体を包み込む。リュミールはリュミールで全体的に小さいながらもぷにぷにとした柔らかい感覚が体を包む。
なんとも程よい塩梅で俺の男心を骨抜きにしていく。
これはいけない!本当にいけない!今までなんとか沈めていたけど本当にこれはいけませんよ!
このままこの何とも言えない快楽に溺れたい気分になってくるよ!!
「あの~お二人さ~ん、起きてくださ~い……」
何とか平静を装って二人に声をかけるが頭の中では俺の理性は爆発寸前。
「んっ……」
「うーん……」
アニスとリュミールは起きる気配はなく、艶っぽい声を上げて身をさらに縮めて密着してくる。
「ひいっ!!」
本当に駄目だ、これ以上は俺の理性が持たない。あまり乱暴な手段は取りたくなかったのだが仕方がない。
「すう…………起きろ二人とも!!!!」
大きく息を吸って、朝から喉に負担をかける大声を上げて二人を無理やり起こす。
「きゃっ! ま、マスターどうしました!?」
「どうした! 敵か!?」
こちらの目論見通り俺の叫びを聞いて二人は慌てて身を起こす。
「やっと開放された……」
悲しいような、嬉しいような。
しかしあのまま行けば俺は二人の主人としてやってはいけない所までやる所だった。
これでいいのだ……。
「二人ともおはよう……」
完全に気疲れして、ぐったりとベットに身を預ける。
「お目覚めになられたのですねマスター!」
「全く君はどれだけ私たちを心配させれば気が済むんだ!」
俺の挨拶に二人は今にも泣きだしそうなほど嬉しそうに笑って答える。
「ごめんな二人とも心配かけた」
安心させるために何とか腕を上げて二人の頭を撫でる。
「ま、マスター……」
「子供扱いするなよ……」
二人は恥ずかしそうに、しかし抵抗はせずに目を細めて撫でられる。
やっと気分が落ち着いてきた。
「はあ……」
二人の姿にホッコリしながら気を整えていると扉の叩く音がする。
「「あ……」」
その音で手を下ろして「どうぞ」と声をかける。
「入るわね」
明るい声と共に扉が開いて一人の少女が入ってくる。
「キミは……」
その姿には覚えがあり、柑子色の綺麗な髪を揺らして少女はこちらを見据えていた。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる