56 / 110
55話 説明と提案
しおりを挟む
「…………」
「…………」
「えーと、それじゃあ、話してもいいかな?」
横からそんなニヤニヤした表情で魔王が現れて時が止まる。
「ヒューヒュー!」
「ネメア様、それは流石に可哀想です……」
野次馬のそんな茶化しも今は反論できない。
「………え?」
「いやー、熱い抱擁だったね。見てるこっちまで恥ずかしくなったよ」
いつの間にか精霊石から出ていたリュミールは魔王の隣で大爆笑している。
「あわ、あわわわわわわ!!」
今までのやり取りを全て見られていたアニスは顔を林檎のように真っ赤に染めてそんな可愛らしい声を上げる。きっと俺の顔も真っ赤なのだろう。
「再会を邪魔をしたのは悪いと思ってるけど、放っているといつまでもあのままの気がしたから止めさせてもらったよ」
依然として顔をニヤニヤさせたまま魔王は言ってくる。
「いえ、こっちこそすみません……」
クソ、恥ずかしすぎて前を見れない。
「いやー、やっぱり君は面白いなあ!!」
リュミールは笑いすぎて苦しそうにヒーヒー言いっている。
……覚えてろよ、あの馬鹿精霊。
「す、すみませんマスター、私嬉しくてつい……」
俯きながらアニスは謝ってくる。
「いや、まあ、あれはしょうがないと思う……」
先程まで抱き合っていたのに、今更になってアニスの顔を直視できない。
「おほん! それじゃあ、話をさせてもらうよ」
「あ、はい」
そこから魔王が切り出し、説明が始まる。
「見ての通りアニスは無事に治った、一日遅くなってしまったのはすまない」
「いえそんな」
「今回は魔石を埋め込む依代を前の片手剣ではなく、全く新しいものとして作ったのだが今まで最高の物が出来上がった。それこそネメアや他の魔刄機と遜色ないいやそれ以上と言っていい」
「……えっと、それはつまりどういうことですか?」
「つまりアニスは魔装機ではなく魔刄機として進化したってことだよ。前より魔力の量や能力向上の恩恵が大幅に強化されている」
魔王は嬉しそうに大きく手振り身振りしながら説明する。
「えっと……そうなのアニス?」
説明だけではしっくりこないので本人に聞いてみる。
「魔刄機と言うのが何かはわかりませんが、創造主様の言う通りだと思います。以前より力が湧き出てきます」
アニスはどこか落ち着かない様子で肯定する。
本人がそう言っているのならどうやらそうなのだろう。
それからもう1つ気になる言葉があった。
「あの、依代は片手剣じゃないってことは何なんですか?」
魔王の口振りからするとアニスは片手剣ではなく別の武器に姿を変えられるような言い方だ。
「フッフッフッ……よくぞ聞いてくれた!」
さっきのニヤニヤした笑顔ではなく、本当に嬉しそうに笑う。
「まずは見てもらおう、アニス変身だ!!」
「は、はい!」
魔王の異常なまでの興奮ぶりに戸惑いながらもアニスは武器の姿に変身して俺の手に収まる。
瞬間、不思議な力が湧き上がる感覚がする。
「っ!!」
アニスの姿は美しい黒色で刀身の長さは以前とあまり変化がない。
しかし、明らかに違う部分がいくつかあり、変なくるくると回る鉄の筒がついていたり柄の部分に変な突起があり、形も少しおかしい。
「これはなんていう武器なんですか?」
どう使うのかわからず聞いてみる。
「それは、ガンブレードという名前の遠距離攻撃の可能な武器だ!」
「がん……ぶれーど?」
初めて聞く名前だ。
「ガンは銃、ブレードは剣の意味だよ。……ああそうかこの世界には銃がないのか、まあ銃というのは弓のようなものだ」
「……はあ」
いまいち要領が掴めない。
「そのガンブレードは振動剣の一種で刀身に超振動を発生させることで斬る物体の結合部分を弱めて、破壊力を引き上げることが出来る剣なんだ。これにはいくつか種類があるんだけど今回は私の一番好きな回転式銃剣型を採用した。やっぱり銃と言ったらリボルバーだよね!柄の部分についているのはトリガー、引き金を引くことによって超振動を起こしたり強力な遠距離射撃ができる。弓の場合、弓矢を撃つだろ?このガンブレードは鉄弾を撃つんだけどそれだとこの世界ではコスパが悪いから魔力で代用出来るようにした魔弾っていう物を撃つ。使ってみればわかると思うけれどこの魔弾がとても凄い威力でね、使う時は注意が必要。それから………」
早口でたくさんの言葉が羅列されていく。
「………」
全く訳が分からない。
りぼるばー?だったり、こすぱ?だったり訳の分からない言葉が時折出てきて理解不能。
しかも魔王の話は終わりそうにもなくだんだん関係ない話になっている気がする。
「魔王様!! レイルが頭から煙を出してます……」
そんな所に助け舟を出してくれたのはネメアだった。
「おっと、いかんいかん。ついはしゃいでしまった」
「た、助かった……」
「まあ、聞くより実践! 使ってみるに限る。ネメア、相手をしてあげて」
恥ずかしそうに頬をかいて魔王はそんな提案をしてくる。
「あ! それいいですね!! 私も気になります」
「え……?」
いきなりすぎません?
まだアニスだって治ったばかりで……。
「そうですね、やりましょうか」
「え?」
なんでアニスさんもやる気満々なんですか!?
「アニスがいいならいいですけど……」
「決まり!!」
何故かその場のノリでネメアと再び戦うことになった。
「おっと、戦う前にあと少し。レイル君、アニスを手にした瞬間わかったと思うけど君の天職はもう戻ったよ、前と変わらず魔剣士だ」
いつの間に鑑定したのか魔王は教えてくれる。
「はい、何となく感じました。なんか懐かしい感じです……」
「ねえねえ、そろそろ私のことは紹介してくれないの?今回の功労者だと思うんだけど」
すると今まで空気だったリュミールが口を開く。
「ああ、忘れてた」
「君は私に対する扱いが雑すぎじゃないかい!?」
リュミールはこちらに来て大声でツッコむ。
「マスター、この方は?」
悪魔の姿に戻ったアニスが興味津々でこちらを見てくるので説明しよう。
「えっと、こいつは光の精霊のリュミール。戒めの迷宮で暴走してた俺の事を助けてくれて、俺と契約してここまで来るのを助けてくれたんだ」
「そう! 私が今回の功労者、光の精霊リュミールだ!!以後よろしく」
こうやって本当のことを言うとリュミールが調子に乗るからあまり言いたくないのだが、今回ばかりは仕方ない。
「……私が言うのはおかしいかもしれませんが、マスターを助けていただきありがとうございました、リュミールさん」
真剣な顔でアニスは頭を下げる。
「アハハ! いいってことさ、私も退屈しなかったしね。それとリュミールでいいよ、同じ主を持つもの同士、仲良くやろう」
「は、はい!」
アニスは嬉しそうにリュミールが差し出した手を掴み握手する。
「ねえ、もう終わった? 早く殺ろうよ、私待ちくたびれちゃった」
我慢の限界が来てネメアが急かしてくる。
「今なんか怖いこと言わなかった?」
ただの模擬戦だよね?殺し合いじゃないよね?
「いいから早く~」
腕を掴まれて、ズルズルと引っ張られる。
「やるなら中庭を使いなさい」
「わかりました、魔王様!!」
ネメアは大きな返事をするとものすごい勢いで中庭まで連れていかれる。
「あ、マスター!」
「ちょっと待ちたまえ!」
それを追いかけるようにアニスとリュミールも玉座を後にする。
「さてと、トシミツ暇だろ? 君も付き合いなさい」
「いいんですか!?」
「もちろん」
今まで一番の空気だったゴブリンが嬉しそうに魔王と一緒に中庭まで向かう。
「…………」
「えーと、それじゃあ、話してもいいかな?」
横からそんなニヤニヤした表情で魔王が現れて時が止まる。
「ヒューヒュー!」
「ネメア様、それは流石に可哀想です……」
野次馬のそんな茶化しも今は反論できない。
「………え?」
「いやー、熱い抱擁だったね。見てるこっちまで恥ずかしくなったよ」
いつの間にか精霊石から出ていたリュミールは魔王の隣で大爆笑している。
「あわ、あわわわわわわ!!」
今までのやり取りを全て見られていたアニスは顔を林檎のように真っ赤に染めてそんな可愛らしい声を上げる。きっと俺の顔も真っ赤なのだろう。
「再会を邪魔をしたのは悪いと思ってるけど、放っているといつまでもあのままの気がしたから止めさせてもらったよ」
依然として顔をニヤニヤさせたまま魔王は言ってくる。
「いえ、こっちこそすみません……」
クソ、恥ずかしすぎて前を見れない。
「いやー、やっぱり君は面白いなあ!!」
リュミールは笑いすぎて苦しそうにヒーヒー言いっている。
……覚えてろよ、あの馬鹿精霊。
「す、すみませんマスター、私嬉しくてつい……」
俯きながらアニスは謝ってくる。
「いや、まあ、あれはしょうがないと思う……」
先程まで抱き合っていたのに、今更になってアニスの顔を直視できない。
「おほん! それじゃあ、話をさせてもらうよ」
「あ、はい」
そこから魔王が切り出し、説明が始まる。
「見ての通りアニスは無事に治った、一日遅くなってしまったのはすまない」
「いえそんな」
「今回は魔石を埋め込む依代を前の片手剣ではなく、全く新しいものとして作ったのだが今まで最高の物が出来上がった。それこそネメアや他の魔刄機と遜色ないいやそれ以上と言っていい」
「……えっと、それはつまりどういうことですか?」
「つまりアニスは魔装機ではなく魔刄機として進化したってことだよ。前より魔力の量や能力向上の恩恵が大幅に強化されている」
魔王は嬉しそうに大きく手振り身振りしながら説明する。
「えっと……そうなのアニス?」
説明だけではしっくりこないので本人に聞いてみる。
「魔刄機と言うのが何かはわかりませんが、創造主様の言う通りだと思います。以前より力が湧き出てきます」
アニスはどこか落ち着かない様子で肯定する。
本人がそう言っているのならどうやらそうなのだろう。
それからもう1つ気になる言葉があった。
「あの、依代は片手剣じゃないってことは何なんですか?」
魔王の口振りからするとアニスは片手剣ではなく別の武器に姿を変えられるような言い方だ。
「フッフッフッ……よくぞ聞いてくれた!」
さっきのニヤニヤした笑顔ではなく、本当に嬉しそうに笑う。
「まずは見てもらおう、アニス変身だ!!」
「は、はい!」
魔王の異常なまでの興奮ぶりに戸惑いながらもアニスは武器の姿に変身して俺の手に収まる。
瞬間、不思議な力が湧き上がる感覚がする。
「っ!!」
アニスの姿は美しい黒色で刀身の長さは以前とあまり変化がない。
しかし、明らかに違う部分がいくつかあり、変なくるくると回る鉄の筒がついていたり柄の部分に変な突起があり、形も少しおかしい。
「これはなんていう武器なんですか?」
どう使うのかわからず聞いてみる。
「それは、ガンブレードという名前の遠距離攻撃の可能な武器だ!」
「がん……ぶれーど?」
初めて聞く名前だ。
「ガンは銃、ブレードは剣の意味だよ。……ああそうかこの世界には銃がないのか、まあ銃というのは弓のようなものだ」
「……はあ」
いまいち要領が掴めない。
「そのガンブレードは振動剣の一種で刀身に超振動を発生させることで斬る物体の結合部分を弱めて、破壊力を引き上げることが出来る剣なんだ。これにはいくつか種類があるんだけど今回は私の一番好きな回転式銃剣型を採用した。やっぱり銃と言ったらリボルバーだよね!柄の部分についているのはトリガー、引き金を引くことによって超振動を起こしたり強力な遠距離射撃ができる。弓の場合、弓矢を撃つだろ?このガンブレードは鉄弾を撃つんだけどそれだとこの世界ではコスパが悪いから魔力で代用出来るようにした魔弾っていう物を撃つ。使ってみればわかると思うけれどこの魔弾がとても凄い威力でね、使う時は注意が必要。それから………」
早口でたくさんの言葉が羅列されていく。
「………」
全く訳が分からない。
りぼるばー?だったり、こすぱ?だったり訳の分からない言葉が時折出てきて理解不能。
しかも魔王の話は終わりそうにもなくだんだん関係ない話になっている気がする。
「魔王様!! レイルが頭から煙を出してます……」
そんな所に助け舟を出してくれたのはネメアだった。
「おっと、いかんいかん。ついはしゃいでしまった」
「た、助かった……」
「まあ、聞くより実践! 使ってみるに限る。ネメア、相手をしてあげて」
恥ずかしそうに頬をかいて魔王はそんな提案をしてくる。
「あ! それいいですね!! 私も気になります」
「え……?」
いきなりすぎません?
まだアニスだって治ったばかりで……。
「そうですね、やりましょうか」
「え?」
なんでアニスさんもやる気満々なんですか!?
「アニスがいいならいいですけど……」
「決まり!!」
何故かその場のノリでネメアと再び戦うことになった。
「おっと、戦う前にあと少し。レイル君、アニスを手にした瞬間わかったと思うけど君の天職はもう戻ったよ、前と変わらず魔剣士だ」
いつの間に鑑定したのか魔王は教えてくれる。
「はい、何となく感じました。なんか懐かしい感じです……」
「ねえねえ、そろそろ私のことは紹介してくれないの?今回の功労者だと思うんだけど」
すると今まで空気だったリュミールが口を開く。
「ああ、忘れてた」
「君は私に対する扱いが雑すぎじゃないかい!?」
リュミールはこちらに来て大声でツッコむ。
「マスター、この方は?」
悪魔の姿に戻ったアニスが興味津々でこちらを見てくるので説明しよう。
「えっと、こいつは光の精霊のリュミール。戒めの迷宮で暴走してた俺の事を助けてくれて、俺と契約してここまで来るのを助けてくれたんだ」
「そう! 私が今回の功労者、光の精霊リュミールだ!!以後よろしく」
こうやって本当のことを言うとリュミールが調子に乗るからあまり言いたくないのだが、今回ばかりは仕方ない。
「……私が言うのはおかしいかもしれませんが、マスターを助けていただきありがとうございました、リュミールさん」
真剣な顔でアニスは頭を下げる。
「アハハ! いいってことさ、私も退屈しなかったしね。それとリュミールでいいよ、同じ主を持つもの同士、仲良くやろう」
「は、はい!」
アニスは嬉しそうにリュミールが差し出した手を掴み握手する。
「ねえ、もう終わった? 早く殺ろうよ、私待ちくたびれちゃった」
我慢の限界が来てネメアが急かしてくる。
「今なんか怖いこと言わなかった?」
ただの模擬戦だよね?殺し合いじゃないよね?
「いいから早く~」
腕を掴まれて、ズルズルと引っ張られる。
「やるなら中庭を使いなさい」
「わかりました、魔王様!!」
ネメアは大きな返事をするとものすごい勢いで中庭まで連れていかれる。
「あ、マスター!」
「ちょっと待ちたまえ!」
それを追いかけるようにアニスとリュミールも玉座を後にする。
「さてと、トシミツ暇だろ? 君も付き合いなさい」
「いいんですか!?」
「もちろん」
今まで一番の空気だったゴブリンが嬉しそうに魔王と一緒に中庭まで向かう。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
良いものは全部ヒトのもの
猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。
ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。
翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。
一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。
『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』
憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。
自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう
天宮有
恋愛
「お前との婚約を破棄したい」それが伯爵令嬢ルナの婚約者モグルド王子の口癖だ。
侯爵令嬢ヒリスが好きなモグルドは、ルナを蔑み暴言を吐いていた。
その暴言によって、モグルドはルナとの婚約を破棄することとなる。
ヒリスを新しい婚約者にした後にモグルドはルナの力を知るも、全てが遅かった。
〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。
藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。
学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。
そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。
それなら、婚約を解消いたしましょう。
そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる