54 / 110
53話 鍛冶師の思い
しおりを挟む
この部屋に足を向けるのはいつぶりだろうか?
「最近は忙しかったからな……」
少し肌寒い真っ暗な部屋に入り、先ずすることは火炉に大量の炭をくべて火をつけるところからだ。
「灯せ」
ただ一言呟くだけで火炉に火が灯る、初めてこの世界に来た時はしばらく慣れなかったものだ。
「懐かしいな」
煌々と光る炎を見つめ思わず笑みが零れてしまう。
こっちに来て千年、あっちのと合わせて俺も千と百年近く生きてきた。
「さてと……」
どんな武器を作ろうか。
道具と鉱石を作業台に広げて構想を練る。
この輝煌石はどんな無理矢理な熱の加え方や形を変えても崩れず、研磨の仕方によって刀身の色が変わる、不思議で超がつくほどの貴重な鉱石。
それがこんなにも沢山あるのだから最高の物を作りたい。
あの少年には特に「こういったものにして欲しい」と言った提案は聞いてこなかったが前と同じような片手剣では芸がないというものだろう。
「ふふふ」
こうしてじっくりと武器のことだけを考えるのも久しぶりで楽しくなってくる。
できれば彼があっと驚く武器を作りたい。
「うーん………」
遠距離攻撃も可能な、ひとつの武器で完結するオールラウンダーな武器がいい。
この世界の遠距離攻撃と言えば、弓か魔法に限られる。しかし、剣に弓のギミックを組み込むのは在り来り過ぎるし、前にそんな感じの変身ギミックのついた剣を作ったような気もする……。
「うむむむ」
あまり時間が無いので早めに構想を決めたいが考えがなかなかまとまらない。
遠距離攻撃ができて、まだ作ったことがなくて、誰もがあっと驚くようなアイデア。
「………………………………あ!!!」
そう言えばまだあったな、俺が作ったことがなくて誰もが驚くような武器。
そう、あれはあっちの世界でどハマりしていたファイナルでファンタジーなゲームの武器……。
「面白くなってきた……!」
頭の中にイメージができれば後は早い、早速作業に取り掛かろう。
火炉の炎をさらに強く焚いて腰をあげる。
・
・
・
それを見た時、一瞬で心を奪われた。
流れるように輝く刀身、入念に研ぎ澄まされた刃、その中に静かに波打つ刃文、真っ白な皮で柄に施され柄巻きの美しさ。まだそれの凄さを表すのにたくさんの言葉があるのだろうけれどその時の自分にはそれぐらいしか頭に浮かばなかった。
仕事に行く前、何の気なしにテレビをつけてみると一本の綺麗な刀が目に飛び込んできた。
「なんだよこれ……」
生まれてきて40年、そろそろ社会というものにも慣れきった頃だった、カップに入れている途中だったコーヒーのことも忘れて俺はテレビ越しにその刀に目を奪われていた。
朝のニュース番組のとあるコーナーで刀の展示会を特集したものをたまたま見かけた。
自分もこんな素晴らしいものを作りたい。
漠然とそんなことを考えていたのを覚えている。
いつも退屈な日々だった。
何となく高校、大学と出て、何となく就職した食品系の会社で仕事をする、たまの休みには家から一歩もですネットやゲームをするだけの日々。
小さい頃、将来の夢だとかなりたい職業だとかあったような気がするけれどいつの間にかそんなものも忘れて無気力に生きていた。
「作りたい」
そんな俺の怠惰な日々を突然現れた一本の刀が尽くぶち壊していった。
その日は会社を休んであの刀を作ったのは誰なのか、どうやったら刀鍛冶になれるのか、どれくらい修行をすれば刀を作れるのか、わからないことを片っ端からネットで調べまくった。
そこから行動は早かった。
直ぐに会社を辞めて、刀鍛冶になりたい人達が集まる研修会に出て、刀鍛冶のところに直接入門体験をした後に自分が修行する刀鍛冶を見つけて、入門するために必死に鍛冶師の人を説得したりと色々あった。
幸いにも四十にもなって独り身、両親も既に他界して俺の刀鍛冶になりたいという遅すぎる夢を反対する人なんて誰一人としていなかった。
使うことがなく貯めに貯め込んでいた貯金を切り崩しながら俺の入門を認めてくれた師匠の元で10年間修行をした。初めてのことや辛いことばかりだったがとても充実していた。久しぶりに人生に楽しみというものを見出した。
そうしてしっかりと国の定める条件をクリアして刀鍛冶になれたのは五十を過ぎてからだった。
国の決まりとして一人の刀工が一年に制作が許されている刀の数は24本。
しかし、まだまだひよっこの刀鍛冶が打った刀なんて簡単に売れるようなものではなく展示会に入選して名が売れるまでかなりの時間がかかった。それに一つの刀を作る費用も馬鹿にならないのでとても苦しい生活が続いた。
初めて展示会に入選したのは七十後半の時。それもあの時テレビで見た刀が入選していた展示会と同じものだった。
今でもとても嬉しかったのを覚えてるし、そこからは自分の作った刀が飛ぶよう売れていった。最初の頃と比べれば生活もマシになっていった。
色々な刀剣展にも呼ばれるようになり、知名度もグングン上がっていった。
それからずっと死ぬまで刀を打ち続けたがあの時見た刀を超える一振りは完成しなかった。
そのままズルズルと時間は過ぎて行って、気づいたら刀を打つ元気も無くなっていた。
最期は唯一とっていた弟子に看取られながらこの世を去った。
「まだ打ち足りない」
死ぬ間際に一言、そう思った。
そうして目が覚めてみれば前世の記憶が残ったままこの世界に産まれ堕ちていた。
まさか自分が悪魔に転生しているとは思いもしなかったがそんなことはどうでもよかった。
「もう一度刀が打てる」
それだけで十分だった。
まあ、こうしてゆっくりと自分の好きなことに打ち込めるようになるまで随分と苦労した……。
戦争の後処理やら新しく魔王になったことで一から魔界領を統一したり……まあ今では良い思ひ出。
人生何が起きるかわからなものだ。
・
・
・
暗い部屋を照らすのは火炉の炎のみ。
灼熱の中、カンっ、カンっ、と響く鉄の音は5日間鳴り止まなかった。
何度か部下やメイド達がお食事を食べろだの、少しは体を休めろだの、煩かったが全て無視して作業を続けていた。
「夢中になりすぎた……」
流石に5日もぶっ続けで作業をしていたのはまずかった、意識が朦朧とする。
しかし、しょうがないと言うものだ。こんなに楽しかったのは久しぶりでつい熱が入ってしまった。
今までで最高の一振りが完成したと断言できるほど今回は自信作だ。
イメージ通りのものができた。
刀身の長さと色は以前と変わらないのだが遠距離攻撃を可能にするために初めて作ったパーツを作成したがそれも上手くできて一安心だ。
「きっと驚くぞ!」
上手くいった達成感から笑みが溢れてくる。
後は刀身に魔石をはめ込めば本当の完成だ。
「早く彼に見せに行かねば……」
そう思い立ち上がろうとしたところで体がふらつく。
あー、これはダメな奴だ。さすがに無理が祟ったか。
当然といえば当然だ。
いくら悪魔の体と言えど5日間も徹夜は体に響く。すぐにでも体を休めなければ。
………しょうがない。
彼には申し訳ないが少し休ませてもらおう。そうして、そのまま床に倒れて泥のように眠った。
「最近は忙しかったからな……」
少し肌寒い真っ暗な部屋に入り、先ずすることは火炉に大量の炭をくべて火をつけるところからだ。
「灯せ」
ただ一言呟くだけで火炉に火が灯る、初めてこの世界に来た時はしばらく慣れなかったものだ。
「懐かしいな」
煌々と光る炎を見つめ思わず笑みが零れてしまう。
こっちに来て千年、あっちのと合わせて俺も千と百年近く生きてきた。
「さてと……」
どんな武器を作ろうか。
道具と鉱石を作業台に広げて構想を練る。
この輝煌石はどんな無理矢理な熱の加え方や形を変えても崩れず、研磨の仕方によって刀身の色が変わる、不思議で超がつくほどの貴重な鉱石。
それがこんなにも沢山あるのだから最高の物を作りたい。
あの少年には特に「こういったものにして欲しい」と言った提案は聞いてこなかったが前と同じような片手剣では芸がないというものだろう。
「ふふふ」
こうしてじっくりと武器のことだけを考えるのも久しぶりで楽しくなってくる。
できれば彼があっと驚く武器を作りたい。
「うーん………」
遠距離攻撃も可能な、ひとつの武器で完結するオールラウンダーな武器がいい。
この世界の遠距離攻撃と言えば、弓か魔法に限られる。しかし、剣に弓のギミックを組み込むのは在り来り過ぎるし、前にそんな感じの変身ギミックのついた剣を作ったような気もする……。
「うむむむ」
あまり時間が無いので早めに構想を決めたいが考えがなかなかまとまらない。
遠距離攻撃ができて、まだ作ったことがなくて、誰もがあっと驚くようなアイデア。
「………………………………あ!!!」
そう言えばまだあったな、俺が作ったことがなくて誰もが驚くような武器。
そう、あれはあっちの世界でどハマりしていたファイナルでファンタジーなゲームの武器……。
「面白くなってきた……!」
頭の中にイメージができれば後は早い、早速作業に取り掛かろう。
火炉の炎をさらに強く焚いて腰をあげる。
・
・
・
それを見た時、一瞬で心を奪われた。
流れるように輝く刀身、入念に研ぎ澄まされた刃、その中に静かに波打つ刃文、真っ白な皮で柄に施され柄巻きの美しさ。まだそれの凄さを表すのにたくさんの言葉があるのだろうけれどその時の自分にはそれぐらいしか頭に浮かばなかった。
仕事に行く前、何の気なしにテレビをつけてみると一本の綺麗な刀が目に飛び込んできた。
「なんだよこれ……」
生まれてきて40年、そろそろ社会というものにも慣れきった頃だった、カップに入れている途中だったコーヒーのことも忘れて俺はテレビ越しにその刀に目を奪われていた。
朝のニュース番組のとあるコーナーで刀の展示会を特集したものをたまたま見かけた。
自分もこんな素晴らしいものを作りたい。
漠然とそんなことを考えていたのを覚えている。
いつも退屈な日々だった。
何となく高校、大学と出て、何となく就職した食品系の会社で仕事をする、たまの休みには家から一歩もですネットやゲームをするだけの日々。
小さい頃、将来の夢だとかなりたい職業だとかあったような気がするけれどいつの間にかそんなものも忘れて無気力に生きていた。
「作りたい」
そんな俺の怠惰な日々を突然現れた一本の刀が尽くぶち壊していった。
その日は会社を休んであの刀を作ったのは誰なのか、どうやったら刀鍛冶になれるのか、どれくらい修行をすれば刀を作れるのか、わからないことを片っ端からネットで調べまくった。
そこから行動は早かった。
直ぐに会社を辞めて、刀鍛冶になりたい人達が集まる研修会に出て、刀鍛冶のところに直接入門体験をした後に自分が修行する刀鍛冶を見つけて、入門するために必死に鍛冶師の人を説得したりと色々あった。
幸いにも四十にもなって独り身、両親も既に他界して俺の刀鍛冶になりたいという遅すぎる夢を反対する人なんて誰一人としていなかった。
使うことがなく貯めに貯め込んでいた貯金を切り崩しながら俺の入門を認めてくれた師匠の元で10年間修行をした。初めてのことや辛いことばかりだったがとても充実していた。久しぶりに人生に楽しみというものを見出した。
そうしてしっかりと国の定める条件をクリアして刀鍛冶になれたのは五十を過ぎてからだった。
国の決まりとして一人の刀工が一年に制作が許されている刀の数は24本。
しかし、まだまだひよっこの刀鍛冶が打った刀なんて簡単に売れるようなものではなく展示会に入選して名が売れるまでかなりの時間がかかった。それに一つの刀を作る費用も馬鹿にならないのでとても苦しい生活が続いた。
初めて展示会に入選したのは七十後半の時。それもあの時テレビで見た刀が入選していた展示会と同じものだった。
今でもとても嬉しかったのを覚えてるし、そこからは自分の作った刀が飛ぶよう売れていった。最初の頃と比べれば生活もマシになっていった。
色々な刀剣展にも呼ばれるようになり、知名度もグングン上がっていった。
それからずっと死ぬまで刀を打ち続けたがあの時見た刀を超える一振りは完成しなかった。
そのままズルズルと時間は過ぎて行って、気づいたら刀を打つ元気も無くなっていた。
最期は唯一とっていた弟子に看取られながらこの世を去った。
「まだ打ち足りない」
死ぬ間際に一言、そう思った。
そうして目が覚めてみれば前世の記憶が残ったままこの世界に産まれ堕ちていた。
まさか自分が悪魔に転生しているとは思いもしなかったがそんなことはどうでもよかった。
「もう一度刀が打てる」
それだけで十分だった。
まあ、こうしてゆっくりと自分の好きなことに打ち込めるようになるまで随分と苦労した……。
戦争の後処理やら新しく魔王になったことで一から魔界領を統一したり……まあ今では良い思ひ出。
人生何が起きるかわからなものだ。
・
・
・
暗い部屋を照らすのは火炉の炎のみ。
灼熱の中、カンっ、カンっ、と響く鉄の音は5日間鳴り止まなかった。
何度か部下やメイド達がお食事を食べろだの、少しは体を休めろだの、煩かったが全て無視して作業を続けていた。
「夢中になりすぎた……」
流石に5日もぶっ続けで作業をしていたのはまずかった、意識が朦朧とする。
しかし、しょうがないと言うものだ。こんなに楽しかったのは久しぶりでつい熱が入ってしまった。
今までで最高の一振りが完成したと断言できるほど今回は自信作だ。
イメージ通りのものができた。
刀身の長さと色は以前と変わらないのだが遠距離攻撃を可能にするために初めて作ったパーツを作成したがそれも上手くできて一安心だ。
「きっと驚くぞ!」
上手くいった達成感から笑みが溢れてくる。
後は刀身に魔石をはめ込めば本当の完成だ。
「早く彼に見せに行かねば……」
そう思い立ち上がろうとしたところで体がふらつく。
あー、これはダメな奴だ。さすがに無理が祟ったか。
当然といえば当然だ。
いくら悪魔の体と言えど5日間も徹夜は体に響く。すぐにでも体を休めなければ。
………しょうがない。
彼には申し訳ないが少し休ませてもらおう。そうして、そのまま床に倒れて泥のように眠った。
0
お気に入りに追加
39
あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

元Sランククランの【荷物運び】最弱と言われた影魔法は実は世界最強の魔法でした。
EAT
ファンタジー
生物が魔法という摩訶不思議な力を使えるようになってからもうかなりの時間が経った。人類は魔法の力によってより良い生活、文明を手に入れ、魔導具の著しい進化によって誰もが才能など関係なくある一定以上の魔法を使えるようになった。
空飛ぶ船や、高速に移動する乗り物のなど魔導具の発明で人々の暮らしはさらに豊かになっていた。今や、努力などしなくても生活レベル、それ以上の魔法を誰もが使える。
そんな魔法なんて珍しくも何ともなくなってきた世の中に一人。魔法を全くと言っていいほど使えない少年がいた。
少年の名はファイク・スフォルツォ。彼は何百年かに一度現れるかどうかの影魔法に適性をもった少年であった。
とても珍しい属性の魔法に適正のあったファイクだったがその希少性から影魔法の詳しい歴史、文献、使用方法は何一つ残っておらず、その属性に適応した魔導具もまったく存在しなかった。故に人々はその魔法をハズレと呼んだ。
魔法を使えることが当たり前となった世の中でただ一人、魔法が満足に使えないファイクは無能な『荷物運び』として周りから虐げられていた。
そんなファイクはある時、とある人(?)との出会いで無能だの劣等人だのと呼ばれていた日々から一遍、最強への道を歩み始める。
己の野望と影を胸に抱き、少年は前人未踏の『大迷宮』へと挑む。
※こちらの作品は小説家になろうでも連載しています。
文字制限により題名が短くなっておりますが同一作品です。
スローペースです。

姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?
果 一
ファンタジー
リクスには、最強の姉がいる。
王国最強と唄われる勇者で、英雄学校の生徒会長。
類い希なる才能と美貌を持つ姉の威光を笠に着て、リクスはとある野望を遂行していた。
『ビバ☆姉さんのスネをかじって生きよう計画!』
何を隠そうリクスは、引きこもりのタダ飯喰らいを人生の目標とする、極めて怠惰な少年だったのだ。
そんな弟に嫌気がさした姉エルザは、ある日リクスに告げる。
「私の通う英雄学校の編入試験、リクスちゃんの名前で登録しておいたからぁ」
その時を境に、リクスの人生は大きく変化する。
英雄学校で様々な事件に巻き込まれ、誰もが舌を巻くほどの強さが露わになって――?
これは、怠惰でろくでなしで、でもちょっぴり心優しい少年が、姉を越える英雄へと駆け上がっていく物語。
※本作はカクヨム・ノベルアップ+・ネオページでも公開しています。カクヨム・ノベルアップ+でのタイトルは『姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰し生活のための奮闘が、なぜか賞賛される流れになった件~』となります。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

何かと「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢は
だましだまし
ファンタジー
何でもかんでも「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢にその取り巻きの侯爵令息。
私、男爵令嬢ライラの従妹で親友の子爵令嬢ルフィナはそんな二人にしょうちゅう絡まれ楽しい学園生活は段々とつまらなくなっていった。
そのまま卒業と思いきや…?
「ひどいわ」ばっかり言ってるからよ(笑)
全10話+エピローグとなります。
ダンジョン美食倶楽部
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。
身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。
配信で明るみになる、洋一の隠された技能。
素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。
一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。
※カクヨム様で先行公開中!
※2024年3月21で第一部完!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる