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38話 再び少年は旅立つ
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まだ陽が登って間もない朝方、人目を忍ぶため俺はフード付きの灰色のボロボロのローブを身にまとい学園の校門に向かっていた。
「いたた、まだヒリヒリするな」
右頬に貼った大きな湿布をさすりながら一面霧がかかった道を歩いていく。
「君が下手な受け方するからだろう、自業自得だね」
俺の隣を歩く可愛らしい少女がこれまた可愛らしく呆れた顔をしてこちらの顔を見てくる。
ガヨウとの模擬戦から一日、この頬のキズは彼から貰ったものだ。
「あんなにタラタラと覚悟を決めるものだから何か勝つ算段があるのかと思ったら、何もしないで無様に負けるんだからびっくりだよね~」
少女は嫌味ったらしく大きな声で俺の耳元に言ってくる。
「うるさい。仕方ないだろあそこでお前の光魔法なんて使えばめんどくさい事になるのは目に見える、あそこはやられてでも隠し通す必要があったんだ」
「なーにが、『新しい出発点だ』だよ。恥ずかし~」
サラサラとした金糸雀色の髪を揺らした少女、リュミールは負けたことが納得出来ないようでネチネチの昨日のことをいじってくる。
リュミールの言った通り結局俺はガヨウとの模擬戦に負けた。それはもう完璧に負けた、気持ちいいぐらいにだ。
周りの生徒達はアニスを使っていた時の俺しか知らなかったので俺が負けたことに驚いていた。
そして今俺は学園の制服ではなく動きやすさを重視した軽装備とその上にボロボロの灰色のローブを羽織って、最低限の荷物と剣を腰に下げてある場所へ旅立とうとしていた。
その場所とは……。
「まったく、君はもうちょっと計画的に物事を考えた方がいいんじゃないか?まだ最低限の魔法しか使えるようになっていないのにもう魔界領に行くとは何事だい?」
そう、今彼女の言った通り俺達は魔界領に旅立とうとしていた。
「しっかりと考えてのこの結果だ。もう時間はあまりない、お前だってわかってるはずだ」
「まあそうなんだがね……つくづく君の人生は慌ただしいと思わざるを得ないよ。まさか魔石の魔力が弱まって来ているとは……」
眉間に皺を寄せてリュミールは納得できないような顔をする。
時間が無いというのはそういう事だ。日に日にアニスの魔石から魔力が弱まっていくことが昨日の夜わかったのだ。
このままのんびりと準備をしていればそのうちアニスの魔力が完全に消えてしまうと思い、急遽魔界領に行くことを決めた。
「それで、どうやって魔界領に行くつもりだい?」
「まあ、便利な移動魔法も使えなきゃ、移動手段もないから最初は歩きだな。それからどこかの街で馬でも調達して……」
俺の返答を聞いて途端にリュミールは自信気な顔をする。
「ふっふっふ、お困りのようですねお客さん」
仕舞いには変な小芝居まで始まってめんどくさくなって行く。それに別に困ってなどはいない。
「……なんだよ、なにかあるのか?」
相手をしたくないが無視するとさらに面倒になるので仕方なく相手をする。
「聞きたいかい?聞きたいよね~。なんとなんと!今なら軽く一年はかかる魔界領までの距離がたったの1週間で着くという超絶お得な隠しルートがあるんですよ!!」
「……嘘だろそれ」
「本当だよ、まあ誰でも使えるような道じゃないけど私と契約している君なら使えるさ」
ものすごいドヤ顔をしてこちらを見つめてくる。
「詳しく聞かせろ」
「もちろん。この王都から北に歩いて四日ほどするところに私が生まれた故郷の森があってだね、そこにある私たち精霊にしか使えない特別な魔導具があるんだ。それを使えば最短距離で魔界領に行くことが出来る」
魔導具……確かまだ人間と悪魔が戦争をしていたむかーし昔の時に使われていたものだとタイラスの授業で習った覚えがある。
「本当にまだそれは使えるんだろうな?」
記憶が正しければ魔導具とは何百年も前に作られたものでいくつかの遺跡や迷宮でそれらしきものを見つけたがそのどれもが全部使い物にはならないとタイラスが言っていた。
「安心したまえ!私達は何百年も前からそれを大事に大事に守り抜いてきたんだ、しっかりと使えるはずさ!!」
任せろ、と自信気にない胸を張る。
「……まあ、宛もないことだしとりあえずお前の故郷とヤラに行ってみるか」
今は後先考えていられない状況だ、とりあえず可能性があるのならば全て試す価値はある。
「よし、それじゃあ張り切って行こう!!」
リュミールは一人高々と右手を天に上げて意気揚々とすぐそこにまで見えてきた校門に走る。
その姿を見つめながら先の方まで見てみるとこんな朝早い時間だというのに校門前にひとつの人影が見える。
誰だ?
気になって目を凝らしながら校門まで歩いていくとよく見なれた少女の姿がハッキリと見えてきた。
「こんな時間にどうしたんだよ、散歩かラミア?」
「レイル君もこんな時間にどうしたの?それにその荷物、まるでこれからどこかに出かけるみたいだね?」
部屋で話した時以来、あからさまに避けられて話もろくにしなかったので彼女と言葉を交わすのが久しぶりに感じる。
「……まあ、また森にでも行こうかな~っと思ってね」
「……」
俺の返答を聞いて彼女は突然黙り込んでこちらを睨みつけてくる。
「……なんでそんな嘘つくのさ」
真っ直ぐな瞳で彼女はこちらを見据える。
まあ、普通に嘘だってわかるよな。
「それにその横にいる女の子は誰?」
俺の隣でずっと黙っていたリュミールを見て聞いてくる。
「私ね、将来はお兄ちゃんのお嫁さんになるの!!」
こちらの腕に無理やり抱きついて甘ったるい声でそんな問題発言をする。
おい、なんでお前はいきなりそんなめんどくさいことばかりするんだい?
この状況で言うことじゃないよね?
リュミールは姿だけ見れば、年齢10歳くらいの幼い少女に見える。今の発言は完全に駄目なやつだ。
「本当は悪ノリしてあげたいけど今はそれどころじゃないの、あなた誰なの?ただの女の子じゃないでしょ」
完全に勘違いすると思っていたラミアは表情ひとつ崩さずに少女を見つめる。
「ありゃ、てっきり騙されると思ったんだけど、君、なかなか見る目があるね」
悪戯が失敗したとわかるやいなや馬鹿精霊は俺から離れて一気に雰囲気を変える。
「どうも初めまして、私は精霊のリュミール。今はこの横にいる彼と契約しているんだ、よろしくね」
精霊が持つ独特の雰囲気でラミアの質問に答える。
「……そうか、ずっとレイル君からアニスちゃんの魔力じゃない魔力を感じていたけどその正体は貴方だったのね」
「ご名答。君もなかなかいい感覚を持っているね」
リュミールは嬉しそうに笑う。
「……うん、そこにいる女の子のことはわかった。それでこれからレイル君たちはどこに行くつもり?」
リュミールのことを精霊と知っても驚かずに静かにもう一度聞いてくる。
「……魔界領です」
「やっぱり……どうして最初にあんな嘘ついたの?」
俺の行き先を彼女は解っていたようでさらに聞いてくる。
「普通、誰かが一人で魔界領に行くって言ったら絶対止めるし、心配するだろ?」
「そんなの心配するに決まってるじゃない!!……でも止めはしないよ」
彼女はしおらしくなり俯いてしまう。
「だってもう決めたんでしょ?それに私はもう何も知らないし関係ないもん」
「それじゃあなんでこんな朝早くにこんな所にいるんだ?」
こちらももう一度、最初にした質問をする。
「いじわる………これあげる!」
小さく何かを呟いて、ラミアは俺に長い棒状の布を投げてくる。
「おっと」
難なくそれを受け取るとずっしりした重みが腕にのしかかる。
気になって布を避けてみると中は青白く輝く鋼の剣が包まれていた。
「これは?」
「餞別、そんな弱っちい剣ですぐに死なれたら困るし……」
そっぽを向いてラミアは答える。
「ぜったい、絶対に帰ってきなさいよ?それから君は私が倒すんだから絶対に負けないこと、いいわね!!」
ラミアはこちらから顔をそむけてしまう。
「……わかった、約束するよ。それから剣ありがとう、正直これで持つか心配だったんだ」
元々持っていくつもりだった鉄の剣を軽く叩いて苦笑いする。
「話は終わり!どこへでも行ったら?」
彼女は最後まで顔を見せないで学園の寮の方まで歩き出す。
「うん、行ってくる」
ラミアから貰った剣を腰に携え、最後に一方的な別れの挨拶をして俺も逆の方向へ歩き始める。
空を見るとそこには真っ赤に燃え上がる太陽が昇り、直視できないくらいに輝いていた。
「いたた、まだヒリヒリするな」
右頬に貼った大きな湿布をさすりながら一面霧がかかった道を歩いていく。
「君が下手な受け方するからだろう、自業自得だね」
俺の隣を歩く可愛らしい少女がこれまた可愛らしく呆れた顔をしてこちらの顔を見てくる。
ガヨウとの模擬戦から一日、この頬のキズは彼から貰ったものだ。
「あんなにタラタラと覚悟を決めるものだから何か勝つ算段があるのかと思ったら、何もしないで無様に負けるんだからびっくりだよね~」
少女は嫌味ったらしく大きな声で俺の耳元に言ってくる。
「うるさい。仕方ないだろあそこでお前の光魔法なんて使えばめんどくさい事になるのは目に見える、あそこはやられてでも隠し通す必要があったんだ」
「なーにが、『新しい出発点だ』だよ。恥ずかし~」
サラサラとした金糸雀色の髪を揺らした少女、リュミールは負けたことが納得出来ないようでネチネチの昨日のことをいじってくる。
リュミールの言った通り結局俺はガヨウとの模擬戦に負けた。それはもう完璧に負けた、気持ちいいぐらいにだ。
周りの生徒達はアニスを使っていた時の俺しか知らなかったので俺が負けたことに驚いていた。
そして今俺は学園の制服ではなく動きやすさを重視した軽装備とその上にボロボロの灰色のローブを羽織って、最低限の荷物と剣を腰に下げてある場所へ旅立とうとしていた。
その場所とは……。
「まったく、君はもうちょっと計画的に物事を考えた方がいいんじゃないか?まだ最低限の魔法しか使えるようになっていないのにもう魔界領に行くとは何事だい?」
そう、今彼女の言った通り俺達は魔界領に旅立とうとしていた。
「しっかりと考えてのこの結果だ。もう時間はあまりない、お前だってわかってるはずだ」
「まあそうなんだがね……つくづく君の人生は慌ただしいと思わざるを得ないよ。まさか魔石の魔力が弱まって来ているとは……」
眉間に皺を寄せてリュミールは納得できないような顔をする。
時間が無いというのはそういう事だ。日に日にアニスの魔石から魔力が弱まっていくことが昨日の夜わかったのだ。
このままのんびりと準備をしていればそのうちアニスの魔力が完全に消えてしまうと思い、急遽魔界領に行くことを決めた。
「それで、どうやって魔界領に行くつもりだい?」
「まあ、便利な移動魔法も使えなきゃ、移動手段もないから最初は歩きだな。それからどこかの街で馬でも調達して……」
俺の返答を聞いて途端にリュミールは自信気な顔をする。
「ふっふっふ、お困りのようですねお客さん」
仕舞いには変な小芝居まで始まってめんどくさくなって行く。それに別に困ってなどはいない。
「……なんだよ、なにかあるのか?」
相手をしたくないが無視するとさらに面倒になるので仕方なく相手をする。
「聞きたいかい?聞きたいよね~。なんとなんと!今なら軽く一年はかかる魔界領までの距離がたったの1週間で着くという超絶お得な隠しルートがあるんですよ!!」
「……嘘だろそれ」
「本当だよ、まあ誰でも使えるような道じゃないけど私と契約している君なら使えるさ」
ものすごいドヤ顔をしてこちらを見つめてくる。
「詳しく聞かせろ」
「もちろん。この王都から北に歩いて四日ほどするところに私が生まれた故郷の森があってだね、そこにある私たち精霊にしか使えない特別な魔導具があるんだ。それを使えば最短距離で魔界領に行くことが出来る」
魔導具……確かまだ人間と悪魔が戦争をしていたむかーし昔の時に使われていたものだとタイラスの授業で習った覚えがある。
「本当にまだそれは使えるんだろうな?」
記憶が正しければ魔導具とは何百年も前に作られたものでいくつかの遺跡や迷宮でそれらしきものを見つけたがそのどれもが全部使い物にはならないとタイラスが言っていた。
「安心したまえ!私達は何百年も前からそれを大事に大事に守り抜いてきたんだ、しっかりと使えるはずさ!!」
任せろ、と自信気にない胸を張る。
「……まあ、宛もないことだしとりあえずお前の故郷とヤラに行ってみるか」
今は後先考えていられない状況だ、とりあえず可能性があるのならば全て試す価値はある。
「よし、それじゃあ張り切って行こう!!」
リュミールは一人高々と右手を天に上げて意気揚々とすぐそこにまで見えてきた校門に走る。
その姿を見つめながら先の方まで見てみるとこんな朝早い時間だというのに校門前にひとつの人影が見える。
誰だ?
気になって目を凝らしながら校門まで歩いていくとよく見なれた少女の姿がハッキリと見えてきた。
「こんな時間にどうしたんだよ、散歩かラミア?」
「レイル君もこんな時間にどうしたの?それにその荷物、まるでこれからどこかに出かけるみたいだね?」
部屋で話した時以来、あからさまに避けられて話もろくにしなかったので彼女と言葉を交わすのが久しぶりに感じる。
「……まあ、また森にでも行こうかな~っと思ってね」
「……」
俺の返答を聞いて彼女は突然黙り込んでこちらを睨みつけてくる。
「……なんでそんな嘘つくのさ」
真っ直ぐな瞳で彼女はこちらを見据える。
まあ、普通に嘘だってわかるよな。
「それにその横にいる女の子は誰?」
俺の隣でずっと黙っていたリュミールを見て聞いてくる。
「私ね、将来はお兄ちゃんのお嫁さんになるの!!」
こちらの腕に無理やり抱きついて甘ったるい声でそんな問題発言をする。
おい、なんでお前はいきなりそんなめんどくさいことばかりするんだい?
この状況で言うことじゃないよね?
リュミールは姿だけ見れば、年齢10歳くらいの幼い少女に見える。今の発言は完全に駄目なやつだ。
「本当は悪ノリしてあげたいけど今はそれどころじゃないの、あなた誰なの?ただの女の子じゃないでしょ」
完全に勘違いすると思っていたラミアは表情ひとつ崩さずに少女を見つめる。
「ありゃ、てっきり騙されると思ったんだけど、君、なかなか見る目があるね」
悪戯が失敗したとわかるやいなや馬鹿精霊は俺から離れて一気に雰囲気を変える。
「どうも初めまして、私は精霊のリュミール。今はこの横にいる彼と契約しているんだ、よろしくね」
精霊が持つ独特の雰囲気でラミアの質問に答える。
「……そうか、ずっとレイル君からアニスちゃんの魔力じゃない魔力を感じていたけどその正体は貴方だったのね」
「ご名答。君もなかなかいい感覚を持っているね」
リュミールは嬉しそうに笑う。
「……うん、そこにいる女の子のことはわかった。それでこれからレイル君たちはどこに行くつもり?」
リュミールのことを精霊と知っても驚かずに静かにもう一度聞いてくる。
「……魔界領です」
「やっぱり……どうして最初にあんな嘘ついたの?」
俺の行き先を彼女は解っていたようでさらに聞いてくる。
「普通、誰かが一人で魔界領に行くって言ったら絶対止めるし、心配するだろ?」
「そんなの心配するに決まってるじゃない!!……でも止めはしないよ」
彼女はしおらしくなり俯いてしまう。
「だってもう決めたんでしょ?それに私はもう何も知らないし関係ないもん」
「それじゃあなんでこんな朝早くにこんな所にいるんだ?」
こちらももう一度、最初にした質問をする。
「いじわる………これあげる!」
小さく何かを呟いて、ラミアは俺に長い棒状の布を投げてくる。
「おっと」
難なくそれを受け取るとずっしりした重みが腕にのしかかる。
気になって布を避けてみると中は青白く輝く鋼の剣が包まれていた。
「これは?」
「餞別、そんな弱っちい剣ですぐに死なれたら困るし……」
そっぽを向いてラミアは答える。
「ぜったい、絶対に帰ってきなさいよ?それから君は私が倒すんだから絶対に負けないこと、いいわね!!」
ラミアはこちらから顔をそむけてしまう。
「……わかった、約束するよ。それから剣ありがとう、正直これで持つか心配だったんだ」
元々持っていくつもりだった鉄の剣を軽く叩いて苦笑いする。
「話は終わり!どこへでも行ったら?」
彼女は最後まで顔を見せないで学園の寮の方まで歩き出す。
「うん、行ってくる」
ラミアから貰った剣を腰に携え、最後に一方的な別れの挨拶をして俺も逆の方向へ歩き始める。
空を見るとそこには真っ赤に燃え上がる太陽が昇り、直視できないくらいに輝いていた。
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