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28話 通りすがりの剣聖さん
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「はぁあああ!!」
グサッと刃が肉に突き刺さる音が聞こえ、それと同時に魔物のうめき声が響く。
「よしこれで48匹目!!」
ラミアは楽しそうに魔物を次々と串刺しにしていき迷宮に入って1時間もしないうちにすでに目標数の半分が終わろうとしていた。
しかも下級や中級の魔物ではなく上級の狼型の魔物、スパイラルウルフだけを倒してこのペースだ。
普通の生徒なら逃げるしかないのだが魔装機使いの俺たちからすればちょうどいい強さでバッサバッサとスパイラルウルフをなぎ倒していた。
「なんかつまんなくなってきた~」
しかしラミアはスパイラルウルフを倒すのに飽きてきたようで文句をたれる。
「つまんなくって……もうここら辺にはスパイラルウルフより強い魔物なんていないぞ」
「んー、じゃあもっと奥の方に行ってみようよ~」
ラミアは一人で迷宮の奥の方に走っていってしまう。
「あ!おい待て!!……たく」
呼び止め用としても無駄、ラミアは俺の声を無視して消えた。
「しょうがない、行くしかないね相棒!」
ローグはどこか嬉しそうに奥の方に歩く。
「だ、大丈夫でしょうか?」
マキアもべったりローグの後ろをついていく。
なんで嬉しそうなんですかね?
もうちょっと慎重に行動して欲しいだけど……。
"それは少し難しい話ではないでしょうか?"
アニスがボソッと呟く。
「うん、知ってる」
俺も3人のあとを追いかけて迷宮の奥へと進んでいく。
「うわ~!すっごーい!!」
ゆっくりと歩いていると先に走って行ったラミアの声が聞こえてくる。
走って行ってみるとそこには1本の長い鼻と二本の太い牙を携えた巨大な象の魔物がいた。
「こんなの初めて見たよ……」
「は、早く逃げましょう!」
二人も驚いて素早く来た道を戻ろうとするが。
「何言ってんのさ二人とも!こんな魔物滅多にお目にかかれないよ~」
1人だけやる気満々で軽く20mは超える象に突っ込んでいく。
「お、おい!」
止めるのはまあ不可能。ラミアは象のこめかみまでものすごい跳躍をしてガーロットで思いっきり一突きする。
「!!!!!!」
像は今の一撃で完全に戦闘態勢に入り俺たちを敵とみなす。
「はあ、やるしかないのかやっぱり……」
わかりきっていたことではあるが認めたくなかった。
「ローグは俺と一緒にあの象を攻撃!マキアは後ろから弓と魔法で援護を頼む!」
「了解!」
「はい!」
簡単に指示を出してラミアに加勢する。
踏み潰されれば一溜りもない象の大きな前足を俺とアッシュで左右からチクチクと攻撃する。
ラミアは依然、こめかみの上で攻撃を続ける。
「はあぁ!!」
縦に一閃、剣を薙ぐが皮が厚く攻撃をしている感じが全くしない。
いやいや、硬すぎるでしょ、こんなの倒せるはずない。
やっぱり撤退するべきだ。
「おいラミア…………」
ラミアに声をかけようとしたその瞬間、バコンと激しい音と象の悲痛の叫びが響く。
「!?」
見るとラミアは魔法を使って象の牙の片方を根元からポッキリと砕いていた。
「やった~!これ楽しい~!!」
今回の訓練の中で一番の笑顔をしながらラミアは叫ぶ。
マジかよ……あの人強過ぎない???
軽く思考が停止して自分が何をしようとしていたのか忘れる。
……あ!!そうだ逃げなきゃ!
「おいラミア、もう満足したろ!?流石にもう危険だ退くぞ!!」
何をしようとしていたか思い出して大声で言う。
「何言ってるのさレイル君、まだまだこれからだよ~!」
わがままお嬢様はまだ満足していないようでもう一本の牙を折りに行こうとする。
しかし、象は自分の牙が折れたことに理性が狂い。長い鼻を適当に振り回して大暴れする。
「きゃ!!」
「やばい!」
「アリスさ~ん!」
三人とも一気に吹き飛ばされて攻撃を食らう。
「だ、大丈夫ですか!?」
援護していたマキアがこちらに近づいてくる。
「わかったかラミア!?これ以上は危険だ退くぞ!!」
「嫌だ!絶対に倒す!!」
俺の言葉にラミアは本当に駄々を捏ねて拒否をする。
「仲間の命があることも考えろ!今お前は一人で戦ってるんじゃないぞ!!」
そのまま魔物のことなんて忘れてラミアと言い合いになってしまう。
「ふ、二人とも今はそれどころじゃ……」
「うるさい!!」
「うるさい変態!!」
ローグが仲裁に入ってくるがそんなの関係なく言い合いを続ける。
「!!!!!!」
すると象の咆哮が耳の中に響き、身動きが取れなくなる。
やばい……!!
正気に戻ったところでもう遅く、象はこちら目がけて長い鼻を鞭のようにしならせて攻撃してくる。
全員が死を覚悟した。
しかし攻撃が当たる直前、何かの影が現れて象の長く硬い皮の鼻を真っ二つに斬る。
「!!!!!!」
象は大きくのけ反り鳴き叫ぶ。
「大丈夫ですか?」
目の前には俺たちとは違う訓練服を着た1人の短い金髪の少年がいた。
少年はたまたま通りがったような軽い感じで話しかけてくる。
「き、キミは……」
事態が上手くつかめず言葉が出てこない。
「話しは後で、今はこの魔物です。少し待ってくださいね」
少年はこちらを振り向かずに言って、象に黒い剣を向ける。
「いくよ、エリス」
ひとつ呟いて少年は迅雷が如く、目に止まらぬ速さで象を攻撃していく。
右前脚、左前脚、牙、左後脚、右後脚、最後に胴体を綺麗に真っ二つ。
全てに無駄がなく剣に迷いがなかった。
なんだよこれ……。
夢でも見ているよな感覚に陥りながら漠然としていた。
象の魔物は何一つ反撃することができず、赤子の手を捻るように少年に倒されてしまった。
「すみません、お待たせしました」
少年は汗ひとつかかず、平然とした様子でこちらに戻ってくる。
「えーと、バルトメア魔法騎士学園の方ですよね?」
少年は質問してくるがこちらは誰も言葉を発さない。
「あのー……」
「あ!ご、ごめん。助けてくれてありがとう、君のおかげで死なずにすんだよ」
少年の困った顔を見てようやくなにか話さなければいけないことに気がつく。
「俺の名前はレイル、君は……」
「僕はレイボルト=ギルギオン、レイボルトでいいですよ」
レイボルトは破顔しながら握手を求めてくる。
「よろしく。あ、こいつらは……」
後ろのラミアたちの方を見る。
「助けてくれてありがとう僕はローエングリン、ローグでいいよ」
「ま、マキア=レイベルトです。助けていただきありがとうございます」
「……」
二人とも自己紹介をして礼を言うがラミアだけ何故か黙りとしている。
「あの、ギルギオンって名字もしかして剣聖の一族のギルギオン家ですか?」
「はい、そうです。僕は5代目の剣聖なんですよ」
レイボルトがマキアの質問に丁寧に答える。
「……剣聖?」
するとラミアが剣聖という言葉に反応しピクっと身を動かす。
「おいラミア、ちゃんとお礼を……」
「ねえ、剣聖ってことは君ものすごく強いよね?私と闘ってよ」
俺の言葉を遮りラミアはいきなり突拍子もないことを言う。
「おい!助けてもらったのに失礼だろいきなり」
槍を構えてレイボルトへ近づこうとするラミアを止めようとするが……。
「うるさいなぁ!レイル君には関係ないでしょ!?」
激しく俺の手を払いラミアは怒鳴る。
「……え?」
ラミアがこんなに怒ったのは初めてで思考がまた止まる。
「さ、やろうよ。君も元々そのつもりだったんでしょ?」
ゆっくりと前を歩きレイボルトを挑発する。
"マスター、あの男が持っている剣、魔装機です。今まで気づきませんでした。かなり高度な隠蔽系のスキルを使っていたと思われます"
アニスがとんでもないことを言ってくる。
「あれ?バレてた?僕もまだまだだな~、こんな格下にバレちゃうなんて。まあいいか、こんな一気に魔装機使いと会えるなんてないだろうし楽しませてくれよ三下」
先程の優しい人間味のある顔は消え去り、酷く引き攣った邪悪な笑が浮かんでいる。
なんだ?さっきと全然雰囲気が違う。それに今のアニスの言葉、レイボルトが魔装機使い?
レイボルトの剣を注意深く見る。その姿はアニスと瓜二つで同じ部分に赤い魔石が埋め込まれていた。
「見せてあげるよ、魔王が一番最初に創り上げた魔装機、エリスの力を!!」
レイボルトの言葉が終わると、ラミアは一直線に攻撃を始めた。
グサッと刃が肉に突き刺さる音が聞こえ、それと同時に魔物のうめき声が響く。
「よしこれで48匹目!!」
ラミアは楽しそうに魔物を次々と串刺しにしていき迷宮に入って1時間もしないうちにすでに目標数の半分が終わろうとしていた。
しかも下級や中級の魔物ではなく上級の狼型の魔物、スパイラルウルフだけを倒してこのペースだ。
普通の生徒なら逃げるしかないのだが魔装機使いの俺たちからすればちょうどいい強さでバッサバッサとスパイラルウルフをなぎ倒していた。
「なんかつまんなくなってきた~」
しかしラミアはスパイラルウルフを倒すのに飽きてきたようで文句をたれる。
「つまんなくって……もうここら辺にはスパイラルウルフより強い魔物なんていないぞ」
「んー、じゃあもっと奥の方に行ってみようよ~」
ラミアは一人で迷宮の奥の方に走っていってしまう。
「あ!おい待て!!……たく」
呼び止め用としても無駄、ラミアは俺の声を無視して消えた。
「しょうがない、行くしかないね相棒!」
ローグはどこか嬉しそうに奥の方に歩く。
「だ、大丈夫でしょうか?」
マキアもべったりローグの後ろをついていく。
なんで嬉しそうなんですかね?
もうちょっと慎重に行動して欲しいだけど……。
"それは少し難しい話ではないでしょうか?"
アニスがボソッと呟く。
「うん、知ってる」
俺も3人のあとを追いかけて迷宮の奥へと進んでいく。
「うわ~!すっごーい!!」
ゆっくりと歩いていると先に走って行ったラミアの声が聞こえてくる。
走って行ってみるとそこには1本の長い鼻と二本の太い牙を携えた巨大な象の魔物がいた。
「こんなの初めて見たよ……」
「は、早く逃げましょう!」
二人も驚いて素早く来た道を戻ろうとするが。
「何言ってんのさ二人とも!こんな魔物滅多にお目にかかれないよ~」
1人だけやる気満々で軽く20mは超える象に突っ込んでいく。
「お、おい!」
止めるのはまあ不可能。ラミアは象のこめかみまでものすごい跳躍をしてガーロットで思いっきり一突きする。
「!!!!!!」
像は今の一撃で完全に戦闘態勢に入り俺たちを敵とみなす。
「はあ、やるしかないのかやっぱり……」
わかりきっていたことではあるが認めたくなかった。
「ローグは俺と一緒にあの象を攻撃!マキアは後ろから弓と魔法で援護を頼む!」
「了解!」
「はい!」
簡単に指示を出してラミアに加勢する。
踏み潰されれば一溜りもない象の大きな前足を俺とアッシュで左右からチクチクと攻撃する。
ラミアは依然、こめかみの上で攻撃を続ける。
「はあぁ!!」
縦に一閃、剣を薙ぐが皮が厚く攻撃をしている感じが全くしない。
いやいや、硬すぎるでしょ、こんなの倒せるはずない。
やっぱり撤退するべきだ。
「おいラミア…………」
ラミアに声をかけようとしたその瞬間、バコンと激しい音と象の悲痛の叫びが響く。
「!?」
見るとラミアは魔法を使って象の牙の片方を根元からポッキリと砕いていた。
「やった~!これ楽しい~!!」
今回の訓練の中で一番の笑顔をしながらラミアは叫ぶ。
マジかよ……あの人強過ぎない???
軽く思考が停止して自分が何をしようとしていたのか忘れる。
……あ!!そうだ逃げなきゃ!
「おいラミア、もう満足したろ!?流石にもう危険だ退くぞ!!」
何をしようとしていたか思い出して大声で言う。
「何言ってるのさレイル君、まだまだこれからだよ~!」
わがままお嬢様はまだ満足していないようでもう一本の牙を折りに行こうとする。
しかし、象は自分の牙が折れたことに理性が狂い。長い鼻を適当に振り回して大暴れする。
「きゃ!!」
「やばい!」
「アリスさ~ん!」
三人とも一気に吹き飛ばされて攻撃を食らう。
「だ、大丈夫ですか!?」
援護していたマキアがこちらに近づいてくる。
「わかったかラミア!?これ以上は危険だ退くぞ!!」
「嫌だ!絶対に倒す!!」
俺の言葉にラミアは本当に駄々を捏ねて拒否をする。
「仲間の命があることも考えろ!今お前は一人で戦ってるんじゃないぞ!!」
そのまま魔物のことなんて忘れてラミアと言い合いになってしまう。
「ふ、二人とも今はそれどころじゃ……」
「うるさい!!」
「うるさい変態!!」
ローグが仲裁に入ってくるがそんなの関係なく言い合いを続ける。
「!!!!!!」
すると象の咆哮が耳の中に響き、身動きが取れなくなる。
やばい……!!
正気に戻ったところでもう遅く、象はこちら目がけて長い鼻を鞭のようにしならせて攻撃してくる。
全員が死を覚悟した。
しかし攻撃が当たる直前、何かの影が現れて象の長く硬い皮の鼻を真っ二つに斬る。
「!!!!!!」
象は大きくのけ反り鳴き叫ぶ。
「大丈夫ですか?」
目の前には俺たちとは違う訓練服を着た1人の短い金髪の少年がいた。
少年はたまたま通りがったような軽い感じで話しかけてくる。
「き、キミは……」
事態が上手くつかめず言葉が出てこない。
「話しは後で、今はこの魔物です。少し待ってくださいね」
少年はこちらを振り向かずに言って、象に黒い剣を向ける。
「いくよ、エリス」
ひとつ呟いて少年は迅雷が如く、目に止まらぬ速さで象を攻撃していく。
右前脚、左前脚、牙、左後脚、右後脚、最後に胴体を綺麗に真っ二つ。
全てに無駄がなく剣に迷いがなかった。
なんだよこれ……。
夢でも見ているよな感覚に陥りながら漠然としていた。
象の魔物は何一つ反撃することができず、赤子の手を捻るように少年に倒されてしまった。
「すみません、お待たせしました」
少年は汗ひとつかかず、平然とした様子でこちらに戻ってくる。
「えーと、バルトメア魔法騎士学園の方ですよね?」
少年は質問してくるがこちらは誰も言葉を発さない。
「あのー……」
「あ!ご、ごめん。助けてくれてありがとう、君のおかげで死なずにすんだよ」
少年の困った顔を見てようやくなにか話さなければいけないことに気がつく。
「俺の名前はレイル、君は……」
「僕はレイボルト=ギルギオン、レイボルトでいいですよ」
レイボルトは破顔しながら握手を求めてくる。
「よろしく。あ、こいつらは……」
後ろのラミアたちの方を見る。
「助けてくれてありがとう僕はローエングリン、ローグでいいよ」
「ま、マキア=レイベルトです。助けていただきありがとうございます」
「……」
二人とも自己紹介をして礼を言うがラミアだけ何故か黙りとしている。
「あの、ギルギオンって名字もしかして剣聖の一族のギルギオン家ですか?」
「はい、そうです。僕は5代目の剣聖なんですよ」
レイボルトがマキアの質問に丁寧に答える。
「……剣聖?」
するとラミアが剣聖という言葉に反応しピクっと身を動かす。
「おいラミア、ちゃんとお礼を……」
「ねえ、剣聖ってことは君ものすごく強いよね?私と闘ってよ」
俺の言葉を遮りラミアはいきなり突拍子もないことを言う。
「おい!助けてもらったのに失礼だろいきなり」
槍を構えてレイボルトへ近づこうとするラミアを止めようとするが……。
「うるさいなぁ!レイル君には関係ないでしょ!?」
激しく俺の手を払いラミアは怒鳴る。
「……え?」
ラミアがこんなに怒ったのは初めてで思考がまた止まる。
「さ、やろうよ。君も元々そのつもりだったんでしょ?」
ゆっくりと前を歩きレイボルトを挑発する。
"マスター、あの男が持っている剣、魔装機です。今まで気づきませんでした。かなり高度な隠蔽系のスキルを使っていたと思われます"
アニスがとんでもないことを言ってくる。
「あれ?バレてた?僕もまだまだだな~、こんな格下にバレちゃうなんて。まあいいか、こんな一気に魔装機使いと会えるなんてないだろうし楽しませてくれよ三下」
先程の優しい人間味のある顔は消え去り、酷く引き攣った邪悪な笑が浮かんでいる。
なんだ?さっきと全然雰囲気が違う。それに今のアニスの言葉、レイボルトが魔装機使い?
レイボルトの剣を注意深く見る。その姿はアニスと瓜二つで同じ部分に赤い魔石が埋め込まれていた。
「見せてあげるよ、魔王が一番最初に創り上げた魔装機、エリスの力を!!」
レイボルトの言葉が終わると、ラミアは一直線に攻撃を始めた。
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