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13話 筆記試験
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試験会場は受付をした中央広場から少し離れたところにある。
例年学園の試験を受ける者は数多く、そのため1部と2部で分けて試験を行う。昨日が1部で今日が2部となっている。
朝早くから集合して4科目の筆記試験を行った後に実技試験として試験官との模擬戦を行い終了となる。
筆記試験の教科は言語、数学、歴史、魔法学の4科目で自信が無い科目は数学と魔法学だ。
この2つに関しては全くやってこなかった。元々俺は魔法適性がなく、計算も得意ではないのだ。
この3ヶ月で勉強はしてきたが圧倒的にスタートが遅すぎる。とても不安なところだ。
筆記用具と一昨日の受け付けの時に貰った受験番号を持ち、試験会場の中へとはいる。
ちなみにアニスは会場に入る前に受付の人に預けた。まあ、武器の持ち込みなんて危険だし当たり前なのだが、アニスは俺の頭の中に直接文句をたれまくっていた。
席につき周りを見ると皆各々に魔法の本を読んだり、徹夜の疲れからか眠るものだったり、自由に過ごしていた。
「ああ~! レイル君だー」
のんびりとした聞いたことのある声が聞こえる。
「えーと、あんたはたしかアンネットさん?」
「ラミアでいいよ~、名字で呼ばれるのあんまり好きじゃないんだ~」
「あ、そうかごめん。じゃあラミアで」
「うん」
声をかけてきたのは広場であった黒髪ポニーテールのラミアだった。
「レイル君も2部の方の試験だったんだね~。あっ! しかも隣の席だ~、すっごい偶然だね」
ラミアは自分の受験票を見て俺の隣へと座る。
「確かに、これだけ人がいて隣になるのはすごいな」
少し椅子を横にずらしラミアとの距離を離す。
「よろしくね~」
「こちらこそ」
お互いに挨拶をすませ、前の方を向くと試験官の人が会場に入ってきた。
「それではこれよりバルトメア魔法騎士学園入学試験、第2部を行う!」
その声に受験生達は身を引きしめ真剣な顔をする。
「今から諸君には4科目の筆記試験を昼の12時まで行ってもらう」
前の上の方にかけられた時計を指し説明を始める。
「それから1時間の休憩を取ってもらい午後からの実技試験を行ったあと今日は解散とし。2日後に合否を広場の方で掲示する」
時計の針はちょうど8時を指し、テスト用紙が前の方から裏側で配られる。
「1つ目の教科は言語、時間は50分始め!」
試験管の声と同時に用紙をめくる音が一斉にし問題を解き始める。
こうして俺の人生を決める試験は始まった。
・
・
・
「つ、疲れた…………」
午前の筆記試験が終わり、試験会場の中にある食堂で昼休憩を取っていた。
「結構難しかったもんね~」
ラミアは俺の目の前に座り美味しそうに野菜のシチューを頬張っていた。
「誰のせいで疲れたと思ってるんだ……」
試験でのことを思い出し、どっと疲れがやってくる。
何があったかと言うと、試験が始まってものの数分もしないうちにラミアは問題全て解き終わり、ニコニコしながらこちらをガン見してくるというよくわからない行動を全ての試験が終わるまでずっとしてきた。
そのおかげで俺は変な緊張感に襲われまともに試験を受けることができず。試験のできはお世辞にもよろしいとは言えなかった。
「う~ん?」
とぼけた顔をして5皿目の野菜シチューを頬張る。
「てか、よく食うな……」
「頭を使ったからお腹がペコペコなんだ~」
いつの間に食べ終わったのかもう7皿目のシチューを口に運ぶ。
「お食事のところ申し訳ありませんがひとつよろしいでしょうか?」
「なーに~?」
8皿目に手をかけながら言う。
「なんで試験中ずっと俺の方見てたの?ラミアのせいで全く試験に集中できなかったんだけど」
責任転嫁は宜しくないがあれはさすがにおかしいすぎるので聞いてみる。
「えっと……その……言わせないでよ、ばか………」
俺の質問にラミアは顔を真っ赤にして席を離れてしまった。
え?なにその反応?俺の予想とかなり違うんだけど?なんでそんなにお顔を真っ赤にするの?オレヨクワカンナイ……。
例年学園の試験を受ける者は数多く、そのため1部と2部で分けて試験を行う。昨日が1部で今日が2部となっている。
朝早くから集合して4科目の筆記試験を行った後に実技試験として試験官との模擬戦を行い終了となる。
筆記試験の教科は言語、数学、歴史、魔法学の4科目で自信が無い科目は数学と魔法学だ。
この2つに関しては全くやってこなかった。元々俺は魔法適性がなく、計算も得意ではないのだ。
この3ヶ月で勉強はしてきたが圧倒的にスタートが遅すぎる。とても不安なところだ。
筆記用具と一昨日の受け付けの時に貰った受験番号を持ち、試験会場の中へとはいる。
ちなみにアニスは会場に入る前に受付の人に預けた。まあ、武器の持ち込みなんて危険だし当たり前なのだが、アニスは俺の頭の中に直接文句をたれまくっていた。
席につき周りを見ると皆各々に魔法の本を読んだり、徹夜の疲れからか眠るものだったり、自由に過ごしていた。
「ああ~! レイル君だー」
のんびりとした聞いたことのある声が聞こえる。
「えーと、あんたはたしかアンネットさん?」
「ラミアでいいよ~、名字で呼ばれるのあんまり好きじゃないんだ~」
「あ、そうかごめん。じゃあラミアで」
「うん」
声をかけてきたのは広場であった黒髪ポニーテールのラミアだった。
「レイル君も2部の方の試験だったんだね~。あっ! しかも隣の席だ~、すっごい偶然だね」
ラミアは自分の受験票を見て俺の隣へと座る。
「確かに、これだけ人がいて隣になるのはすごいな」
少し椅子を横にずらしラミアとの距離を離す。
「よろしくね~」
「こちらこそ」
お互いに挨拶をすませ、前の方を向くと試験官の人が会場に入ってきた。
「それではこれよりバルトメア魔法騎士学園入学試験、第2部を行う!」
その声に受験生達は身を引きしめ真剣な顔をする。
「今から諸君には4科目の筆記試験を昼の12時まで行ってもらう」
前の上の方にかけられた時計を指し説明を始める。
「それから1時間の休憩を取ってもらい午後からの実技試験を行ったあと今日は解散とし。2日後に合否を広場の方で掲示する」
時計の針はちょうど8時を指し、テスト用紙が前の方から裏側で配られる。
「1つ目の教科は言語、時間は50分始め!」
試験管の声と同時に用紙をめくる音が一斉にし問題を解き始める。
こうして俺の人生を決める試験は始まった。
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「つ、疲れた…………」
午前の筆記試験が終わり、試験会場の中にある食堂で昼休憩を取っていた。
「結構難しかったもんね~」
ラミアは俺の目の前に座り美味しそうに野菜のシチューを頬張っていた。
「誰のせいで疲れたと思ってるんだ……」
試験でのことを思い出し、どっと疲れがやってくる。
何があったかと言うと、試験が始まってものの数分もしないうちにラミアは問題全て解き終わり、ニコニコしながらこちらをガン見してくるというよくわからない行動を全ての試験が終わるまでずっとしてきた。
そのおかげで俺は変な緊張感に襲われまともに試験を受けることができず。試験のできはお世辞にもよろしいとは言えなかった。
「う~ん?」
とぼけた顔をして5皿目の野菜シチューを頬張る。
「てか、よく食うな……」
「頭を使ったからお腹がペコペコなんだ~」
いつの間に食べ終わったのかもう7皿目のシチューを口に運ぶ。
「お食事のところ申し訳ありませんがひとつよろしいでしょうか?」
「なーに~?」
8皿目に手をかけながら言う。
「なんで試験中ずっと俺の方見てたの?ラミアのせいで全く試験に集中できなかったんだけど」
責任転嫁は宜しくないがあれはさすがにおかしいすぎるので聞いてみる。
「えっと……その……言わせないでよ、ばか………」
俺の質問にラミアは顔を真っ赤にして席を離れてしまった。
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