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動き出した歯車

26話 領主ともに迫りくる時間(1)

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ログインした時には朝だったのにもうお昼の3時になりました~。いぇーい。ってのは嘘で最悪です。
枕の匂いもくさいし気分もダダ下がりだよ…
てことでゲームにログインするしかないね!レッツゴー

「ただいま~異世界?」

結局この世界はデジタル作り物なのだろうか?
彼女…いやカナミさんのあの表情を見ればそう考えてしまう。あれには本物の感情が宿っていた。
僕もAIとかに詳しいわけじゃないけど見てわかった。だから僕はあの世界をゲームではなく現実として受け取った。もうひとつの世界「魔法世界マジックアース」と呼ぶようにした。
そんな話は置いといて宿屋のおばさんに挨拶済ませ目指すは森の深く…と言いたいが首飾りで戦闘時以外獣の森にテレポート可能なので利用さしてもらおう。
バレるとなにか騒がれそうなので人混みのない路地裏のような場所でテレポートを使う。視界が薄汚れた壁から守護者の管理部屋と部屋の役割をするドアの前に変わる。これ…便利すぎては?
こんな施設街にあったら便利なのにな~
「かなみさんおじゃまします~!」

「やとちゃんいらっしゃい。なんだか遅かったね」

椅子に座る。4人用のテーブルでいすが4つあったが、向かい合うようにして座った。

「ごめんなさいぐっすり眠っちゃってました…」

「いいのよ。そんなにしょんぼりしなんくて」

「ありがとうございます…」

「ほら悲しいお顔よりも今のお顔の方がよっぽど可愛くていいじゃない。私はやとちゃんの笑ってるお顔が大好きよ」

「そんな可愛いなんて///」

くそぅ…。褒め殺されてしまいそう。
褒めには弱いんだよ…嬉しいけど恥ずかしい~!!
なんか心しかかなみさんが微笑ましくこちらを見ているような…

「そう言えばやとちゃん守護者の仮面は使わないの?」

「守護者の仮面ってなんですか?」

「ごめんね。説明し忘れてたね」

「昨日はお洋服で終わりましたからね…」

「ごほん…それは置いといてよ。守護者の仮面はね自身のMPを10分の1消費して作ることが出来るわよ」

「へぇ~そうなんですね!でもどうやるんですか?」

「やとちゃんは手のひらに魔力を集めれる?」

「はい。最初に入ってくる時もやったので」

「忘れちゃってたけどそうだったね。なら話は早いわ。手のひらに魔力を集めてやとちゃんの考える仮面を思い浮かべてみて。それを魔力に付与するの」

「僕の思う仮面…」

仮面って言ったらやっぱり狐だよな~。祭りとかでよくあるやつ。昔誰かわからないけど買ってもらった記憶があるんだよね。あれ?誰だっけ…? 
なんで思い出せないんだろ。
分からない、思い出せない。
…考えても仕方ない。とりあえずこのイメージで仮面を作ってみよう。また作り直せば良いでしょ!
目をつぶる。スキル強化の容量で手に魔力を集めてそれを仮面の形に固めるようイメージして色や細かいデザインのイメージも魔力に付与する。完成するとともに、少し力が抜けていく感覚がした。
目を開ける。僕の手の上にはイメージした通りの狐のお面があった。
なんだかその人のことを考えると安心できるんだよね。ほんとに誰からだっけ…

「可愛いね。とやちゃんセンスあるんだね。でもなんでこれにしたの?」

考え込んでいたところに急に話しかけられたものだからびっくりしすぎて心臓が痛くなった。これホラー映画でも見たら死にそうな気がする…

「わっ!!   ごほん、なんででしょう?僕にもわからなくて…。でもこれに絶対したいって思ったんです」

かなみさんに聞かれてさっきまで思い出そうとしてした何かを思い出せなくなってしまった。
なんだか何を考えていたか覚えていないけれど、けど、モヤモヤとした気持ちだけが残っている。思い出さなくてはいけないような気がする。
…ほんともうなんなんだよ。

「分からない?」

「そうなんですよね。ははは」

「やとちゃん考え込んじゃってどうしたの?」

「大したことじゃないから大丈夫です」

「…分かったわ。もし私の力になれることがあったら教えてね。もしクソ男の話になったら私に任せなさい!こうグッてしてあげるから」

「分かりました。そのときは…って辞めてください!?」

「おっ?否定しないということは~!」

「う、うるさいですよ!それで昨日言ってた話の続きってなんですか!」

「照れるやとちゃんは可愛いね~!はぁ最高。」

「かなみさん!」

これ以上はやめてくれ!
まじで顔の温度で鉄が解かせるから!恥ずかしさを誤魔化すように少し怒った口調で言う。

「はーい…。話は戻るけどやとちゃんは守護者になるとともにこの森にある街…今はまだないけどその領土の領主になったんだよ」

「なるほど~!・・・・へ?」

「簡単に言うとこの森の領主権を持ってるよ」

「あ、それはわかりますけど…え?」

「ほらステータスの称号のところ見て見て」

「…分かりました」

メニュー画面を開ステータス画面を開く。なんか全体的にステータス上がってる。しかもなんかスキルも増えてる。これも気になるけど先に称号…っとって…えーー!
なんか2つも増えてる。しかもレアの方の称号。
えっと1つ目が獣の守護者これはそのままの名前だね。効果は至ってシンプルでステータスが全て平均1.2倍になる。この時点で強いんですがなんかLv3分の1とかかいてますね。
つよつよなのは置いといてもうひとつは領域保持者ですね。なんでなんか厨二病みたいな名前なんだよ!普通でいいじゃん!まぁまぁ落ち着こう。深呼吸深呼吸…
すーはー。すーすーはー。よし。
効果は支配魔物のステータス2倍になるというものだ。う~ん強い。2倍はやばい。このゲー…世界は倍が好きなのか?バケモン生まれるぞいつかこれ。

「ありました。これまじですよね?」

「そうだよ。夢だったら面白いかも?」

「面白くないですよ!むしろ夢だったら覚めて欲しいなって思ってますよ…」

「ともちゃんそんなに怖がらなくてもいいよ。私が手伝うから。どんどん街を作っていこうね。」

「街ですか?」

「そうだよ。昔は獣人と人が共存している街があったんだよ。今はもう廃れて無くなっているけどね」

「でもここってなんかの条件がなければ入れませんよね?」

「そうだよ」

「昔はどうしてたんですか?」

「みんな普通に入ってこれていたよ。今はここには獣人しか入れないようにしてあるよ」

「人は入れないんですか?」

「そういうことになるね。理由は言えないのごめんね。でも色々いじることで誰でも入れるようにすることは出来るけど、おすすめはしないよ」

「分かりました」

ちょうど聞こうとしたタイミングで言われて少し焦った。心でも読まれてるかな?そんな魔法があるならやばいかも…。ほかの種族か~。今は聞いても教えてくれないだろうけどいつか教えて貰えるように頑張ろう。
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