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動き出した歯車
20 余裕...?
しおりを挟む「これは...」
僕が戸惑っているうちにデビルベアの鋭い爪がウルフに横殴りに切り裂く。ウルフは赤い負傷エフェクトを出しながらとばされる。
飛ばされたウルフは勢いよく木にぶつかる...と思ったが、木に当たる直前なにかにぶつかりドンッという鈍い音ともに地面に落ちてエフェクトともに消滅していく。
ウルフがぶつかったところを目を凝らして見てみると、薄い青色のものがドーム状に広がっていた。
しかもそれに僕も中に入っている。
「もしかして...やっぱりダメか」
嫌な予想が当たってしまった。これの正体は多分ボス戦なんでよくある"逃げられない"ってやつだろ。
まぁボス戦から逃げられないのは分かるけど、僕もまで巻き込まれてるっていう。
て、いうか戦ってるのウルフだし...
う~んどうしたものか。よし刀のスキルレベル上げたいし、倒すことにしよう。
仮にウルフに襲われても勝てる自信あるからね。
となれば...
「はっ!」
グサッという音と手に肉を切り裂いたような気持ちの悪い感覚がした。とりあえずスキル効果なしで2連撃をお見舞した。
「やっぱり硬い」
前よりステータスが上がったのにあまり深くまで斬れなかった。スキルなしでこの感じなら余裕そうだ。デビルベアは自分を傷をけれたことでこちらを敵として認識したようだ。
ここは自分から攻めてもいいがあの硬い皮膚のせいで弱点を攻撃しないとほとんどダメージが入らない。まず好きを作らなくては...
僕は動かずにデビルベアの動きを待つ。
やはり魔物は魔物だ。我慢できずに右手の爪で切り裂いてくる。それを後ろに下がることでかわす。戦闘前に身体強化を使ったせいか余分に引きすぎてしまった。
「次はちょっとひかえめに...っと!」
逃がすかと言うように、デビルベアが突進で追撃してきた。それをギリギリまで引き付けて横に避けることでいなして無防備な胴体に刀を刺してデビルベアの勢いを利用して斬る。デビルベアかブレーキをかけて低い姿勢から上体を上げてくる。
僕は刀を抜いて、避けようとするが思うように刀が抜けなかった。
これはもう避けることは出来ない。少しでもダメージを抑えるために後ろにジャンプし、両手を胸の前でクロスして衝撃備える。デビルベアのタックルが当たり、体が浮いた。いや正確には吹っ飛ばされたが正しいと思う。僕は地面に落ちて勢いのあまり地面を跳ねるようにして転がりバリアに当たって止まる。
「痛っ!!」
3分の1は減るのは覚悟していたが3割ぐらい持っていかれた。不安だから回復をしたいところだがデビルベアがその隙を逃してくれるわけがないので却下。
思ったんだけど痛みあるのしんどすぎじゃない。
痛みだけじゃない両手は軽く痺れて手が震えているし、服の一部も敗れてる。これ死んだら相当しんどい。3割でこの痛みだったら...
「考えるのや~めた!」
今度はこっちから仕掛ける。身体強化をもう一度かけ、デビルベアの横に回り込む。いきなりのことに戸惑っていたデビルベアが横殴りに引き裂いてきたのでそれを少しだけ後ろに飛ぶことで回避する。
「せーの!」
突きを発動させる。スキルの効果により刃先がデビルベアの固い皮膚を突き抜けてその奥まで届く。
今回は弱点を狙った訳ではないので大したダメージは入らない。しかし、今回の目的はここからだ。スキルの硬直で動きが一瞬止まる。デビルベアはこちらに攻撃してこようとしてくる。乱暴に硬直を解除して、それよりも早くデビルベアに刺さっている刀を乱暴に動かす。これが効いたようでデビルベアは攻撃を辞める。
デビルベアに刺さっている刀を抜き、鞘に収める。僕はうしろに飛びながら意識を刀に集中させる。怒りを露にしたデビルベアが風魔法を使う。風が発生し、それらがデビルベアの爪の周りに集まる。
デビルベアの爪そのものが風になったかのように感じた。
「......今」
僕は加速しながら抜刀を発動させる。本来の抜刀ならそれは弱い敵を吹っ飛ばす程度の威力しか出なかっただろう。
しかし、結果は違った。デビルベアの体に1本の美しい線がついた。それから何秒か遅れて風を斬る音がなった。デビルベアは血を吹き出しながら倒れる。本当に今日は最悪の日かもしれない。デビルベアはこちらに倒れてきた。今はスキル硬直で動けない。
だから...やばい! 待って本当に嫌すぎる。自分で斬ったとはいえあんな血だらけの下敷きなりたくない。
「あ、おわった」
お父さん、お母さん、え~とおばあちゃん達今までありがとう!うん。死ぬかもしれない精神的に...
僕は全てを悟り、目を閉じた。
あー今度からあのよく分からん晴人とかいうやつに優しくしよう
突然何かに引っ張られる感覚がし、目を開けると目の前にデビルベアの死体が倒れていた。
「...助かったのかな?」
「オゥン!」
声...というか鳴き声がした方を見ると実家のおばあちゃんの家にいた犬のようなウルフがいた。正確に言うとめっちゃ懐かれてる。
とりあえず鑑定してみた。
〈グレーウルフLv7〉
なんだろうめっちゃ可愛い。僕はグレーの前で腰を下ろす。
「オゥン?」
グレーが不安そうに鳴き声をあげる。僕は...
「可愛いね~~!!」
もふもふを堪能させてもらうことにした。
その後しばらく獣の森には腑抜けたウルフの声が響いたそうな。
皆様お久しぶりでございます。私は絶対に投稿サボル・マンなのでどうぞ生暖かい目でご覧になってください。
まじごめんなさい( ´・ω・`)
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