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特別編3:異世界
それぞれの家
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降伏した3人の異世界帰還者は自分達も地球に帰る方法を探していたらしく、そこに偶然アレクスの作ったゲートが繋がってこちらにやって来たらしい。
『我々が研究していたのは常に行き来できる門だったんだ。予期せずこちらに来てしまった我々は、今度はレコジアンに帰る方法を探す事になった』
「向こうが嫌になって地球に来た訳じゃないのね」
私を化け物呼ばわりした男性、アロンザさんの言った事にリオさんが聞き返している。
『ああ、快適な世界さ。のびのびと生きる事ができていたよ』
もう一人の男性、グラニトさんが答える。
『今思えば地球に行きたいなんて、愚かな考えだったわ』
「もう少し早く気付けば痛い目に遭わずに済んだのに」
唯一の女性メレーヌさんに言っているのはソラちゃん。
本部は崩壊して、攻撃もほぼ無くなり部隊は撤退を開始していた。残念ながら逃してあげるつもりはなく、《インクリースホディ》で増えた私達が捕縛。全員使徒さん達に引き渡す事になっている。
因みに建物に残っていた幹部の人も、《レイブラスター》の直撃を免れていたので救助。眠らせた上で一人ずつ拘束して使徒さん達へ引き渡し待ちの状態だ。
「3人はレコジアンに帰りたいですか?」
『ああ。叶うなら帰りたい』
「じゃあ帰しましょう」
『…は?』
『君なら出来るのかい?』
『嘘でしょ?』
3人は驚いている。
「受取拒否されるかも」
「それは…ドルミレイトと同じ状況なら何とか神様を説得してみるよ」
ソラちゃんの言う通り、ユルグさんの二の舞になりかねない。ここはレコジアンの神様にしっかり話して3人が戻れる様にお願いしよう。
ーーーー
神界側の私がレコジアンに行って、何とか3人が帰れる様に話してくれた。
ドルミレイト同様『リソースにして』と言われたけど、こちらがレコジアンに何かする様な事はないので3人を受け入れてほしいとお願いしたら渋々了承してくれたそう。
レコジアンの神様は私の事を完全に警戒していて『3人に何か仕掛けをしてレコジアンを攻撃するつもりはないか』と聞かれたらしい。
そんな事しないよ!
神様側の私も『やるならそんな回りくどい事はしませんよ?』と笑顔を見せたら必死に謝られたとか。
…人を何だと思っているのかな?
まあとにかく3人は無事にレコジアンに帰れたしアレクスもほぼ壊滅。これで里帰りの続きができる。
だけど……
「…私達って、こっちに来ない方がいいのかも知れないですね」
「考え方ね。私達が来たから地球が壊滅せずに済んだのよ?世界間の魂の交換は今後も続けられるだろうし、むしろ定期的に今回繋がった世界を見て回る必要があるかも知れないわ」
私が思った事を口にすると、リオさんが否定する。
そう言われてみればそうだ。私達が来なくても他の世界の人達が世界間移動を試みていたら意味がない。
かと言って完全に魂の交換をやらない訳にもいかないみたいだから、使徒さんみたいな力のある組織も必要になる。
「ま、いいんじゃないか?俺達は自分の世界どころか他の世界を救って回ってるんだ。地球に出入りするぐらい安い報酬だろ」
「ん、別で報酬が出ても良いレベル」
マサキさんが言うとソラちゃんも同調する。
「そうですね…分かりました。良い方向に考えます」
「そーですよ~地球への出入りが出来なくなったらこっちの美味しい物を食べられなくなっちゃうじゃないですか~」
そう言ってきたのはレフィさん。
そういえばお煎餅を買いに来たんだったね。
私達は日本へ帰り、マサキさん一家とレアさんはそれぞれのご家族と一緒の時間を過ごし、私達も家族の元へと帰ることにした。
「美奈ー!!大丈夫だったか!?変な連中に付け狙われたりしていないか?」
佐伯家に帰るとお父さんが凄い勢いで走ってきて抱きつかれた。
「お父さん…苦しいよ」
「おお…すまないミナ…で、大丈夫なのか?」
「うん。何の問題も無いよ。全部解決したから」
アレクス…未確認エネルギー研究所の人は当然うちにも来ていた。お父さんが応対したらしいんだけど、『うちの娘の死をほじくり返してなんのつもりだ!』と怒鳴って追い返したそう。
その後お母さんが美咲お姉さんと連絡をとってくれて事態をメイファさんとスイさんに報告。使徒の人達が対応を始めてくれたらしい。
「また随分と逞しいお父さんですね~。あ、初めまして。レフィディアと言います。ミナさんとはお友達です~」
一緒に来たレフィさんが頃合いを見て挨拶する。因みにテュケ君とほのかさんも一緒で、ソラちゃんはリオさんの家について行っている。
「…お邪魔します」
「こんにちはー杉浦ほのかです。」
「おお!これはご丁寧にどうも。娘と仲良くしてくれてありがとう!」
レフィさんとほのかさんににこやかに挨拶するお父さん。
「ミナの相手は大変だったろう。よく帰ってきたな」
お父さんはテュケ君の頭をクシャクシャと撫でる。
お父さん、テュケ君の事を家族と思ってくれてるんだね。
「勘違いするなよ。佐伯家の息子として迎えているんだ。つまり君はミナの弟なんだからな!」
うん。それでいいよ。
テュケ君は嬉しそうにしていたけど、レフィさんは苦笑、ほのかさんは分かりにくいけど笑っていた。
『我々が研究していたのは常に行き来できる門だったんだ。予期せずこちらに来てしまった我々は、今度はレコジアンに帰る方法を探す事になった』
「向こうが嫌になって地球に来た訳じゃないのね」
私を化け物呼ばわりした男性、アロンザさんの言った事にリオさんが聞き返している。
『ああ、快適な世界さ。のびのびと生きる事ができていたよ』
もう一人の男性、グラニトさんが答える。
『今思えば地球に行きたいなんて、愚かな考えだったわ』
「もう少し早く気付けば痛い目に遭わずに済んだのに」
唯一の女性メレーヌさんに言っているのはソラちゃん。
本部は崩壊して、攻撃もほぼ無くなり部隊は撤退を開始していた。残念ながら逃してあげるつもりはなく、《インクリースホディ》で増えた私達が捕縛。全員使徒さん達に引き渡す事になっている。
因みに建物に残っていた幹部の人も、《レイブラスター》の直撃を免れていたので救助。眠らせた上で一人ずつ拘束して使徒さん達へ引き渡し待ちの状態だ。
「3人はレコジアンに帰りたいですか?」
『ああ。叶うなら帰りたい』
「じゃあ帰しましょう」
『…は?』
『君なら出来るのかい?』
『嘘でしょ?』
3人は驚いている。
「受取拒否されるかも」
「それは…ドルミレイトと同じ状況なら何とか神様を説得してみるよ」
ソラちゃんの言う通り、ユルグさんの二の舞になりかねない。ここはレコジアンの神様にしっかり話して3人が戻れる様にお願いしよう。
ーーーー
神界側の私がレコジアンに行って、何とか3人が帰れる様に話してくれた。
ドルミレイト同様『リソースにして』と言われたけど、こちらがレコジアンに何かする様な事はないので3人を受け入れてほしいとお願いしたら渋々了承してくれたそう。
レコジアンの神様は私の事を完全に警戒していて『3人に何か仕掛けをしてレコジアンを攻撃するつもりはないか』と聞かれたらしい。
そんな事しないよ!
神様側の私も『やるならそんな回りくどい事はしませんよ?』と笑顔を見せたら必死に謝られたとか。
…人を何だと思っているのかな?
まあとにかく3人は無事にレコジアンに帰れたしアレクスもほぼ壊滅。これで里帰りの続きができる。
だけど……
「…私達って、こっちに来ない方がいいのかも知れないですね」
「考え方ね。私達が来たから地球が壊滅せずに済んだのよ?世界間の魂の交換は今後も続けられるだろうし、むしろ定期的に今回繋がった世界を見て回る必要があるかも知れないわ」
私が思った事を口にすると、リオさんが否定する。
そう言われてみればそうだ。私達が来なくても他の世界の人達が世界間移動を試みていたら意味がない。
かと言って完全に魂の交換をやらない訳にもいかないみたいだから、使徒さんみたいな力のある組織も必要になる。
「ま、いいんじゃないか?俺達は自分の世界どころか他の世界を救って回ってるんだ。地球に出入りするぐらい安い報酬だろ」
「ん、別で報酬が出ても良いレベル」
マサキさんが言うとソラちゃんも同調する。
「そうですね…分かりました。良い方向に考えます」
「そーですよ~地球への出入りが出来なくなったらこっちの美味しい物を食べられなくなっちゃうじゃないですか~」
そう言ってきたのはレフィさん。
そういえばお煎餅を買いに来たんだったね。
私達は日本へ帰り、マサキさん一家とレアさんはそれぞれのご家族と一緒の時間を過ごし、私達も家族の元へと帰ることにした。
「美奈ー!!大丈夫だったか!?変な連中に付け狙われたりしていないか?」
佐伯家に帰るとお父さんが凄い勢いで走ってきて抱きつかれた。
「お父さん…苦しいよ」
「おお…すまないミナ…で、大丈夫なのか?」
「うん。何の問題も無いよ。全部解決したから」
アレクス…未確認エネルギー研究所の人は当然うちにも来ていた。お父さんが応対したらしいんだけど、『うちの娘の死をほじくり返してなんのつもりだ!』と怒鳴って追い返したそう。
その後お母さんが美咲お姉さんと連絡をとってくれて事態をメイファさんとスイさんに報告。使徒の人達が対応を始めてくれたらしい。
「また随分と逞しいお父さんですね~。あ、初めまして。レフィディアと言います。ミナさんとはお友達です~」
一緒に来たレフィさんが頃合いを見て挨拶する。因みにテュケ君とほのかさんも一緒で、ソラちゃんはリオさんの家について行っている。
「…お邪魔します」
「こんにちはー杉浦ほのかです。」
「おお!これはご丁寧にどうも。娘と仲良くしてくれてありがとう!」
レフィさんとほのかさんににこやかに挨拶するお父さん。
「ミナの相手は大変だったろう。よく帰ってきたな」
お父さんはテュケ君の頭をクシャクシャと撫でる。
お父さん、テュケ君の事を家族と思ってくれてるんだね。
「勘違いするなよ。佐伯家の息子として迎えているんだ。つまり君はミナの弟なんだからな!」
うん。それでいいよ。
テュケ君は嬉しそうにしていたけど、レフィさんは苦笑、ほのかさんは分かりにくいけど笑っていた。
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